パスミスも散見、カウンターも不発に
Jリーグは4月15日、J1第8節の9試合を各地で開催。県立カシマサッカースタジアムでは鹿島アントラーズ対ヴィッセル神戸が行なわれ、5-1で神戸が勝利した。
神戸は24分に大迫勇也のヘッド弾で先制すると、45+2分に武藤嘉紀が追加点をゲット。2点リードで迎えた後半、神戸は大迫のPKでリードを3点に広げる。
劣勢の鹿島は61分、鈴木優磨のゴールで1点を返すも、反撃もここまで。神戸は72分に佐々木大樹、85分に武藤が加点。圧巻のゴールラッシュで完勝を収め、首位を堅持。敗れた鹿島は痛恨4連敗となった。
▼鹿島のチーム採点「4」
選手個々は悪くない動きも見せていたが、チーム力に昇華できず。それぞれが空回りとなってしまった。
今季取り組んでいるビルドアップは効果的に攻撃につながらず、パスミスも散見された。カウンターでも呼吸が合わず、素早い攻撃を仕掛けられなかった。球際では競り勝てていた場面が多かったが、相手のコンビネーションの前にその「球際」をなかなか作らせてもらえなった。
先制を許したのも苦しかったが、1失点で終盤まで耐えきれないのが、不調の大きな要因ではないだろうか。選手個々の意識にズレが生じて終盤は為す術なく失点を重ねてしまった。樋口雄太のお膳立てから鈴木が巧みなシュートで奪った意地の1点がせめてもの救いか。
取材・文●渡邊裕樹(サッカーダイジェスト編集部)
※MAN OF THE MATCH=取材記者が選定するこの試合の最優秀選手。
※採点は10点満点で「6」を及第点とし、「0.5」刻みで評価。
GK:早川友基|採点5/5失点で厳しい評価も、前後半ともに窮地を救うセーブもあった。ゴールキック時には変化をつける工夫も見えた。
DF:広瀬陸斗(54分OUT)|採点6/守備対応と、ビルドアップ時のパス捌きでチームに落ち着きを与えた。
DF:関川郁万|採点4.5/対人の強さを発揮した。一方で相手を捕まえきれず、得意の対人守備に持ち込めない場面も多々あった。
DF:植田直通|採点4.5/CKからの1失点目の場面では大迫をフリーにしてしまった。ディフェンスリーダーとして、5失点では厳しい評価にならざるを得ない。
DF:安西幸輝(70分OUT)|採点5/気持ちの強さを見せ、身体を張ったシュートブロックもあった。ただ、攻撃時のドリブル突破はあまり披露できなかった。
MF:樋口雄太|採点5.5/調子の良さをうかがわせ、広範囲でボールに関与した。ハンドによってPKを与えてしまったが、ミドルシュートから鈴木の得点もお膳立てした。
MF:ディエゴ・ピトゥカ(75分OUT)|採点5/闘志溢れるハードワークは健在だった。ただ周囲とのズレもあり、左足からのパスは効果的につなげられなかった。
MF:荒木遼太郎(70分OUT)|採点5/バイタルエリアでボールを持てば期待感があった。もっとも、攻撃陣の距離感が遠く、コンビネーションが発揮されたのは61分の得点シーン直前くらいだった。写真:梅月智史
MF:松村優太(54分OUT)|採点4.5/先発の座を掴んだが、強みのドリブルやスピードを活かす場面はあまり見られず。
FW:知念慶|採点5/前線を精力的に走り回った。1点を返した直後のヘディングの場面は枠に飛ばしたかったか。
FW:鈴木優磨|採点5/意地の1点を奪った。空中戦でことごとく勝利を収め、身体を張ってボールをキープした。広範囲に動いてチームを鼓舞するが、味方との連動に乏しく、やや空回り気味に。
DF:昌子源(54分IN)|採点4/挽回するために登場したが、相手の攻撃を防ぎきれず。投入後にさらに2失点を重ねてしまった。
MF:藤井智也(54分IN)|採点5/投入後に次々とドリブル突破を試み、攻撃面では調子の良さをうかがわせた。それでも同点に追いつかれるPKを与えてしまったのは悔やまれる。
MF:中村亮太朗(70分IN)|採点4/チームを落ち着けることができず、投入直後に失点を重ねてしまった。得意のパス捌きも発揮できなかった。
DF:溝口修平(70分IN)|採点5/安西に代わり、左ウイングバックへ。これがリーグ戦デビューとなった。オープンな展開のなかで、プレー機会は多くなかった。
FW:垣田裕暉(75分IN)|採点5/精力的に前線を駆けたが、得点に関与することはできなかった。
監督:岩政大樹|採点4/調子の良さも重視しがであろう選手起用には納得感もあった。一方で、選手個々のプレーをチーム力に変換できず。神戸の思惑通りの戦いで今季最多の5失点。泥沼のリーグ4連敗となった。
◆【採点寸評|鹿島】為す術なく5失点。今季最低の出来に…[J1第8節 鹿島1-5神戸](サッカーダイジェスト)
【PHOTO】鹿島の出場16選手&監督の採点・寸評。植田は失点場面で大迫をフリーに。優磨はやや空回り気味