月刊サッカーマガジン 2020年 05月号 [雑誌]
3月28日、栃木SCは鹿島アントラーズと35分×4本のトレーニングマッチを実施。栃木SCのFWエスクデロ競飛王が1本目に先制点を挙げたものの、4本目に鹿島アントラーズのMF三竿健斗に同点弾を許し、1-1で引き分けた。
■2020年3月28日 トレーニングマッチ(35分×4本)
鹿島 1-1 栃木
得点者:(鹿)三竿健斗 (栃)エスクデロ競飛王
「狙うしかない」。新本拠初得点に意欲
3月28日、栃木は鹿島とのトレーニングマッチを実施。3本目から出場したFW有馬幸太郎は、久々に『鹿島アントラーズ・クラブハウス』のグラウンドを走り回った。昨年、鹿島に同期入団したDF関川郁万とマッチアップしながら、鹿島ユースの後輩でもあるGK山田大樹が守るゴールへと一心不乱に向かっていった。
「(対峙した相手が関川)郁万だから、というわけではありませんが、普通に、いつも通りやっていた感じです。(鹿島相手に)やれなかったこともあるんですけれど、やれたこともあった。反省点については、これから改善していけたらいいなと思います」
昨年、鹿島ユースからトップチーム昇格を果たし、プロ2年目の今季は栃木へと期限付き移籍。人生で初めて、鹿島以外のクラブへと武者修行に出た。栃木加入後もチーム最年少。「自分からコミュニケーションを取ることがうまい方ではない」という性格も相まって「不安でした」と言うが、周囲のサポートもあり、すぐにチームに溶け込んだ。
「先輩方がみんな、すごく優しくしてくれたので、チームの輪にも入れて、本当に過ごしやすい。今は(栃木での)生活にも慣れてきて、充実しています」
元日本代表の矢野貴章や、J1で実績を残すエスクデロ競飛王ら、FWのポジションには実力者がそろう。それでも、長崎とのJ2開幕戦で先発出場を果たすなど、チームで存在感を見せている。
「自分は若手らしく、走ることだったり、ゴールを取ることだったり、どんどんアピールしていければ、レギュラー争いにも入っていける。今日(鹿島とのトレーニングマッチ)はゴールを決められなかったけれど、これからの練習試合でどんどん結果を残していけたらいいです。(中断期間の)今は、やるべきことをやるだけ。(リーグ戦が)再開したときに、最高の準備をできるように。その気持ちだけは忘れないようにしています」
Jリーグは3月25日に、J2リーグを5月2日に再開できるように目指すことを公表した。予定通りの再開が実現できれば、栃木は5月6日に新たな本拠地である『カンセキスタジアムとちぎ』で、今季のホーム開幕戦を迎えることとなる。有馬の言葉にも力がこもる。
「(カンセキスタジアムとちぎでの第1号ゴールを)狙うしかないですね(笑)。写真で見たけれど、でかくて、すごいスタジアムですよね。楽しみです」
そして、もう一つのホームスタジアムである『栃木県グリーンスタジアム』は、昨年の天皇杯でプロ初ゴールを決めた特別な場所だ。
「あのスタジアムは客席とピッチが近くて、雰囲気もすごく良い。自分にとっては初ゴールを決めた場所でもあるので、これからそこでどんどんゴールを積み重ねていきたい。栃木のサポーターも、そのゴールを覚えてくれているし、『次は(栃木の選手として)決めてね』とも言われます。今季は10ゴールを目標に、頑張っていきたいです」
今年で20歳になる若きストライカーが、栃木の新たなエースの座に名乗りを上げる。
◆【栃木】鹿島から期限付き移籍中の有馬「若手らしくアピールしていく」(サッカーマガジン)