日刊鹿島アントラーズニュース

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2017年9月30日土曜日

◆2017J1リーグ第28節、鹿島アントラーズのマジックは「14」のまま(日刊鹿島アントラーズニュース)



2017年J1リーグは第28節まで終了(残り6試合)。

首位の鹿島は鳥栖に、3位柏は甲府に破れ、2位川崎がC大阪に、4位横浜がG大阪に勝ちました。

鹿島の優勝マジックは前節終了時の「14」から変わりませんが、対象チームが「川崎&柏」から「川崎」に変わりました。

2位川崎との勝ち点差は「8」から「5」に縮みましたが、残り6試合を全勝する勢いで突っ走りましょう!


◆「結局は鹿島」なのか。J逆転優勝へ、 福田正博から川崎と柏に檄!(Sportiva)


【福田正博 フォーメーション進化論】

 今季J1リーグも7節を残すのみとなった。2位に勝ち点8差をつける首位の鹿島アントラーズが、リーグ制覇に向けてもっとも優位に立っていると見ていいだろう。


 9月23日に鹿島ホームで行なわれたガンバ大阪戦は、鹿島の強さを象徴する試合だった。前半こそ先制点を奪われて苦しんだものの、前半終了間際に同点に追いつき、後半は一方的に押し込んで試合終了間際に勝ち越した。

 この試合に引き分けていたら、優勝争いはもう少し混沌としていたかもしれない。だが、セットプレーからの得点や、リードされても慌てずに逆転するという”鹿島らしさ”を発揮して勝ち点3を上積みし、9回目の優勝をぐっと引き寄せた。

 鹿島は、13節終了時では7位と苦しみ、その直後の5月31日に監督交代を発表。それまでコーチを務めていた大岩剛監督が就任すると、起用される選手の顔ぶれが明らかに変わった。プレー機会が増えたレアンドロや中村充孝、三竿健斗といった選手たちが、14節以降の15試合で13勝1分1敗という驚異的な数字を残すチームを支えている。

 そのなかで、最もハマっているのがMFのレアンドロだ。開幕前に鹿島に加わったが、突出したスピードはなく、身長177cmはJリーガーの平均身長とあまり変わらない。これといった武器が見つからなかったため、チームにフィットするには時間がかかると思っていた。

 実際、石井正忠前監督の指揮下では、リーグ戦で先発出場したのは2試合のみ。しかし、新体制に移行してからスタメンの座に収まると、ボールは失わないし、ゴールも決めて、攻守両面でチームに貢献。レアンドロが、”大岩アントラーズ”の体現者になっている。

 こうした選手起用は、大岩監督がコーチとしてチームを支えてきた経験が活きているということだろう。コーチ時代に選手をしっかり見る時間があり、チームの流れを把握できているという利点を、監督になって十分活かしているといえる。

 今季は鹿島のほかに、浦和レッズ、サンフレッチェ広島、FC東京、ヴィッセル神戸、アルビレックス新潟でシーズン中の監督交代があった。交代後も中位以下で苦戦しているチームもあるなか、鹿島が息を吹き返すことができたのは、優勝という目標から逆算したクラブの”決断の早さの差”にあったと見るべきだ。

 世界各国のリーグを見ても、シーズン途中に監督を交代しても結果につながらないケースが多い。そうしたなかで鹿島は、優勝を目標としていたACLで敗退したとはいえ、リーグ戦では7位ながら首位との勝ち点6差と、十分に巻き返しが期待できる状況で監督交代に踏み切った。

 昨季リーグを制しただけではなく、クラブ・ワールドカップ決勝でレアル・マドリードを追い詰めた監督を、シーズン途中で解任するのは他のクラブなら二の足を踏んでしまうところ。しかし、鹿島が決断に踏み切れたのは、”最低でも”リーグのタイトルを獲得するという目標を達成するための”最善策”を考えたからだろう。

 これこそが、鹿島の”クラブ力”だ。Jリーグ誕生からの25年間でリーグ8回、天皇杯5回、Jリーグカップ6回の優勝を誇る鹿島は、選手や監督、チーム運営者、クラブスタッフ、サポーターといった、チームに携わるすべての人たちの意識が、常に優勝に向いている。

 他のクラブでは、サッカーの内容やチームへの貢献度の高い選手やスタッフへの情が、優勝という目標を上回るケースもある。しかし、鹿島にはそれはない。”優勝至上主義”とでもいうべきクラブの哲学が決断を早め、現在の首位快走へとつながったのだ。

 その鹿島を追う2位の川崎フロンターレ、得失点差で3位の柏レイソルは、かろうじて優勝戦線に踏みとどまった状態にある。

 現在の川崎は、鹿島に次いで「優勝への欲求」が強いクラブだと感じるが、大島僚太が9月23日の神戸戦で全治2カ月のケガを負ったのは大きな痛手だ。早く復帰できたとしても、最後の2、3試合に出られるかといったところだろう。

 攻守でハードワークを厭わない阿部浩之の活躍や、家長昭博がチームにフィットしことで、今季の川崎の攻撃力が増していることは間違いない。しかしそれは、中盤の底でパスを受け、テンポよくボールを捌いてきた大島がいてこその攻撃力だ。

 大島の代わりに中村憲剛をボランチに下げてエドゥアルド・ネットとコンビを組ませるなどの対処はできる。ただ、中村がよりゴールに近いトップ下からボランチに下がる影響は少なくないはずで、その穴をどこまで埋められるかに、首位追走のすべてがかかっている。

 また、川崎はリーグ戦だけではなく、Jリーグカップや天皇杯でも優勝の可能性を残している。大島を欠く状況でどこまで”らしい”サッカーを展開できるかが、シーズン終盤のポイントになるだろう。

 一方、今季の柏は、武富孝介や中川寛斗を攻撃的なポジションに起用し、前線からの守備を重視した戦術がハマって一時は首位に立った。その後、相手に研究されてからは思うように勝ち点を伸ばせずにいたが、ハモン・ロペスを起用するなどして挽回し、さらに27節では久しぶりに武富を先発で起用して結果につなげている。

 司令塔の手塚康平が負傷離脱したことは痛いが、ボランチにキム・ボギョンが補強され、CBの中山雄太、中谷進之介とGKの中村航輔といった若い守備陣も奮闘している。再びいい流れが生まれているといえるだろう。
 
 しかし、今季の逆転優勝を実現させるために、欠けていると思ってしまう要素がある。それは、「勝利にこだわる荒々しさ」だ。キムやクリスティアーノら外国人選手には、そうしたタフさを感じられるが、若い選手や、クラブのスタッフ、サポーターたちからは、「何が何でも優勝するんだ!」という迫力がいまひとつ感じられない。

 確かに、若手の成長でACL出場権を争えるチームになった柏の未来は明るいが、他チームも戦力補強をして臨む来季に、同じように優勝争いに加われる保証はない。「今季は十分善戦した」と考えるよりも、目の前の勝負にこだわってほしい。

 アカデミー出身の選手たちが中心になってチームを構成している現在の柏は、Jリーグが理想とするひとつのモデルケースであり成功例だ。それだけに、頂点を目指してほしい。「残る試合を全部勝つ」というプレッシャーを課して、重圧をはねのける精神的なタフさを身につければ、それが今後のキャリアや代表に招集されたときの糧になるはずだ。シーズン終盤、優勝争いのプレッシャーを経験して、さらに勝利することが、来季の飛躍につながるだろう。

 昨季の浦和もそうだったように、優勝争いのプレッシャーのなかでは、いつも通りにゲーム運びができないことも十分ありうる。そのことを前提に試合に臨んで、想定外のことがあっても勝つためにどうすべきか対応ができるチームが優勝に近づく。そして、鹿島はそれができるクラブチームだからこそ、あれだけの数のタイトルをつかんでいるのだと私は考えている。

 そんな「常勝軍団」がリーグ終盤をどう乗り切るのか。川崎、柏をはじめとした他のクラブが、鹿島を慌てさせるような戦いができるかに注目したい。



「結局は鹿島」なのか。J逆転優勝へ、福田正博から川崎と柏に檄!

◆「陸前高田 応援マラソン大会2017」サッカー日本代表として活躍 元鹿島アントラーズ 本田泰人さん、大会応援ランナーとして大会参加決定!(PR TIMES)




 マルチスポーツブランドのアディダス ジャパン株式会社(本社:東京都港区、代表取締役:ポール・ハーディスティ)が特別協賛としてサポートするマラソン大会「陸前高田 応援マラソン大会」(http://i-sam.co.jp/rikuzentakata_oenmarathon/)に、アディダスアンバサダーの一人である元鹿島アントラーズの本田泰人さんが応援ランナーとして参加致します。



 東日本大震災より6年半、アディダス ジャパンはこれまで募金活動だけに留まらず、スポーツ用品の寄付やスポーツイベントの開催など、陸前高田市に対してスポーツを通じた様々な復興支援を行ってまいりました。第3回をむかえる本年、これまでサッカーを通して多くの人々に勇気と感動を与え続け、現在もサッカースクールを通して地域の子供たちの育成に力を注ぐ、本田泰人さんを応援ランナーとしてお招きします。未だ仮設住宅で暮らす市民が多くいる中、日頃の運動不足解消と地域の活力向上のため、また震災の記憶を風化させず、復興に向けたサポートを強化するために、アディダス ジャパンは引き続き大会を全面的にサポートしてまいります。

元鹿島アントラーズ 本田泰人さんプロフィール

1992年鹿島アントラーズ入団。1995年にはサッカー日本代表に選出され国際Aマッチ 29試合で活躍した。
2000年には鹿島アントラーズのチームの切り札として三冠に貢献。「ミスターアントラーズ」と呼ばれ、
一度もチーム移籍をすることなく、2006年に多くのサポーターに惜しまれながら現役を引退。
現在は、サッカースクールを通して地域の子供たちの育成に力を注ぐ。

・生年月日:1969年6月25日(48歳)
・出身地:福岡県
・ポジション:MF(右利き)
・主な獲得タイトル:
 1988年 帝京高等学校 卒業
 1992年 鹿島アントラーズ入団
 1993年 Jリーグベストイレブン選出
 1995年 サッカー日本代表選出
 2006年 引退
 2007年 Jリーグ功労選手賞受賞

「陸前高田 応援マラソン大会2017」概要

・正式名称 : 復活の道しるべ2017 陸前高田 応援マラソン大会
・公式HP : http://i-sam.co.jp/rikuzentakata_oenmarathon/
・開催日 : 2017 年11月19 日(日)
・募集期間 : 7月18日(火)~10月10日(火)
        *7月18日(火)19時よりエントリー開始予定
・募集方法 : 「スポーツエントリー」①インターネット https://www.sportsentry.ne.jp/
                                                  ②電話 0570-550-846(平日10:00~17:30)
                                                  ③FAX  0120-37-8434
                                                  ④その他 ファミリーマート内ファミリーポートより
       「スポナビDo 」 https://dosports.yahoo-net.jp/
・参加条件 : 大会趣旨に賛同する、小学生以上の健康な市民並びに市外の希望者。
                   悪路もあり、走路幅に限りがあるため、視覚障がい、知的障がいのある方は,
                   伴走者とともにご参加ください。車椅子の方の出場はご遠慮頂いております。
                   18歳未満の方は、保護者の同意書が必要となります。
・競技種目 : ①1.9km ②3.2km ③5km ④10km
        * 競技種目①は、最大4名のグループで参加可能な「エンジョイランの部」を新設
・参加定員 : 各競技種目300名まで
・参加費 : 市民 ①~④ 無料
       市外 ①1.9km
                       「エンジョイランの部」1名2,000円/2名 3,000円/3名4,000円/4名 5,000円
                        ③5km ④10km    各¥3,000
                         * ②3.2kmは、市民限定競技となります。
・スケジュール : 受付 前日 15:00~17:00
          当日  7:50~各種目スタート1時間前
          開会式  9:00~
          スタート  9:30~種目ごとにスタート
・会場(本部/スタート/ゴール) :  陸前高田市 米崎小学校
・主 催 : 陸前高田市教育委員会、NPO法人 陸前高田市体育協会
・共 催 : 陸前高田市スポーツ推進委員協議会
・後 援 : 陸前高田市
・協力団体 : 陸前高田市陸上競技協会/住田町陸上競技会
・特別協賛企業 : アディダス ジャパン株式会社
・協賛企業 : みずほフィナンシャルグループ/株式会社フリーデン
                   インリー・グリーンエナジー ジャパン株式会社/トヨタ自動車株式会社
・協力企業 : 日本コカ・コーラ株式会社/株式会社スミフルジャパン/酔仙酒造株式会社
        株式会社モスフードサービス/味の素株式会社 他

「陸前高田 応援マラソン大会2017」サッカー日本代表として活躍 元鹿島アントラーズ 本田泰人さん、大会応援ランナーとして大会参加決定!

◆鹿島OB・中田浩二氏、秋田豊氏がサポーター50人とピザ作り(サンスポ)


鹿島OBの中田浩二氏

 サッカーJ1鹿島のチームスポンサーで、住宅設備メーカーのLIXIL(リクシル)が、28日に東京都内でファン交流イベント「鹿ジョ●(=ハートマーク)Cooking」を開催した。クラブOBの中田浩二クラブ・リレーションズ・オフィサー(38、CRO)、解説者の秋田豊氏(47)が、女性サポーター50人とピザ作りに挑戦した。

 応募倍率20倍超の狭き門をくぐりぬけた参加者は、鹿島カラーのエプロンを身につけ、ハート形のシーフードピザを手作り。「単身赴任が多かったので、料理は得意」という秋田氏は、生地をこねる力加減も抜群。中田CROは仏、スイス時代に自炊していたと言いつつ、どこかおっかなびっくり?

 生地発酵中のトークショーの話題は、もちろん首位独走中の鹿島についてで、中田CROは「チームのためにやるべきことがしっかりできていて、一体感がある。皆さんの思いはチームに届いています」と熱く語り、うっとりした視線に応えた。

 料理中、試食後にはSNS映えするカラフルな小道具や、展示されたLIXILのキッチンを使い、写真撮影を楽しんだ。クッキングと鹿島の異色コラボ。それは、シーフードとチーズのように、抜群のマッチングだった。

鹿島OB・中田浩二氏、秋田豊氏がサポーター50人とピザ作り

◆元鹿島レオナルド氏、監督業復帰…エトーら所属のトルコ1部クラブと契約(サッカーキング)


レオナルド

 トルコ1部リーグのアンタルヤスポルは28日、元ブラジル代表MFのレオナルド氏が指揮官に就任すると発表した。契約期間は2年間。

 レオナルド氏は1969年生まれの48歳。現役時代はフラメンゴやサンパウロ、バレンシアを渡り歩き、1994年から1996年にかけて鹿島アントラーズでプレーした。同クラブ退団後はパリ・サンジェルマン、ミラン、サンパウロ、フラメンゴと各国のビッグクラブに所属し、2003年にミランで現役を引退した。

 現役引退後、レオナルド氏は指導者に転身。2009年からはミラン、2011年にはインテルを率いた。2011年から2013年9月まではパリ・サンジェルマンでスポーツディレクターを務めていた。

 今回、トルコで監督業に復帰することが決まったレオナルド氏。新天地のアンタルヤスポルは、元カメルーン代表FWサミュエル・エトーや元フランス代表MFサミル・ナスリらが所属している。




元鹿島レオナルド氏、監督業復帰…エトーら所属のトルコ1部クラブと契約

◆大迫、途中出場も不発 ケルン連敗「うまくいかないけれど…」(スポニチ)


欧州リーグ H組   ケルン0―1レッドスター ( 2017年9月28日 )


 欧州リーグは28日に各地で行われ、H組のケルンのFW大迫勇也(27)は後半開始から出場。チームにリズムをもたらすもレッドスターにホームで0―1で敗れた。J組のヘルタFW原口元気は出番がなく、アウェーでオステルスンドに0―1で敗れた。I組のザルツブルクはホームでマルセイユに1―0勝利。ザルツブルク南野とマルセイユ酒井宏はともにベンチ外だった。

 後半開始から投入されたケルンの日本代表FW大迫が、流れを変えるプレーを披露もゴールを割れず2連敗。連戦の疲れを考慮されて先発を外れ、シュテーガー監督から「もっと休ませたかったが、前半がひどすぎたから後半開始から投入する」と説明があったという。

 国内リーグで最下位に沈むチームは、欧州リーグでも2連敗。大迫は「チームは今うまくいかないけれど、こういう時に頑張れる選手が上に行けると思う」と持ち前の辛抱強さで乗り切る。

大迫、途中出場も不発 ケルン連敗「うまくいかないけれど…」

◆【仙台】14年連続ゴールの野沢、浦和戦へ「勝つために頑張るだけ」(報知)




 J1ベガルタ仙台MF野沢拓也(36)が29日、次戦10月1日のホーム・浦和戦(午後2時、ユアスタ)へ意気込みを語った。

 この日、仙台市内で行われた紅白戦では、1トップで積極的に攻め上がった。浦和戦は4月に敵地で0―7で敗れているだけに「アウェーで大敗して悔しい思いをしている」と振り返り、「浦和は力があり、スキのないチームですが、自分たちのサッカーをやれば勝てる。出た時には自分の持ち味を出して、勝つために頑張るだけ」と、リベンジへ決意を新たにした。

 精度の高いキックを武器に、セットプレーのキッカーを務める。「チームとしてもセットプレーの質が上がって、得点に結び付いている。タマ(三田)もそうですし、梁もいるし、キッカーはたくさんいる。相手にとってはセットプレーが脅威になる」と、自信を見せた。

 前節23日のアウェー・C大阪戦(4〇1)では、途中出場で3―1の後半45分に今季初ゴールとなるダメ押し弾。チーム最年長は、鹿島時代の2004年からJ1リーグ戦14年連続、通算70点目となったが「記録のためではなく、チームのためにやれることをやっていくだけ」と、浦和戦勝利に集中していた。

【仙台】14年連続ゴールの野沢、浦和戦へ「勝つために頑張るだけ」

◆清水MF増田あす復帰へ、残留かけ古巣大宮と対戦(ニッカン)




 ケガで離脱していた清水エスパルスのMF増田誓志(32)が、次節アウェー大宮アルディージャ戦(30日)で復帰する可能性が高まった。28日、清水三保グラウンドで行われた非公開練習に参加。入念なケアを行い「コンディションは上がっている。もう不安はない」と話した。紅白戦ではボランチでプレーした模様で、積極的に声を出していたという。小林伸二監督(57)は「増田が入るとコーチングの声が出て、組織的になる。ミドルシュートでブレ球も打てるし、違いが出る」と期待していた。

 増田は8月9日に清水に新加入。リーグ2試合に出場したが、同25日の練習中に左太ももの肉離れを負い、全治4週間と診断された。加入直後の負傷で無念の離脱となったが、リハビリを経てようやく練習にも完全合流。「ここまで、できることはやってきた」と力強く話した。

 韓国・蔚山時代の14年3月から、大宮に期限付き移籍。19試合に出場し1得点を挙げた。J1残留をかけた古巣との対戦に向けて「お世話になったクラブだし、スタジアムもよく知っている。そこで出たいという気持ちはある」と明かした。チームは2連敗中で、J2降格圏の16位甲府と勝ち点4差に迫られている。「少しの差が、勝ち点を取れるかどうかになる。チームが集中できるような声を出したい」。経験を生かし、チームをまとめる。【保坂恭子】

清水MF増田あす復帰へ、残留かけ古巣大宮と対戦

◆植田、初出場ありそう「力になれることを示したい」(ニッカン)




 日本代表バヒド・ハリルホジッチ監督(65)が28日、東京・JFAハウスでメンバー発表会見を行った。

 DF植田(鹿島)がついに代表初出場の好機を得そうだ。15年1月の初代表以降、ベンチ外なども多く出番に恵まれなかったが、鹿島では昌子とセンターバックコンビを形成。「W杯に向けた競争は始まっているので、自分にとって大切な2試合になる。まずは試合に出場できるよう、クラブでやり続けているパフォーマンスを信じ、力になれることを示したい」と闘志を燃やした。

植田、初出場ありそう「力になれることを示したい」

◆【THE REAL】いざ、念願の日本代表デビューへ…鹿島アントラーズの若武者、DF植田直通の武者震い(CYCLE)




(c) Getty Images

10月シリーズで目指す日本代表デビュー

勝負をかける舞台は整った。約2年9ヶ月も待ち焦がれてきたA代表デビューへ。巡ってきたチャンスを必ず生かしてみせる。鹿島アントラーズの若武者、22歳のDF植田直通が決意を新たにした。

ニュージーランド代表(10月6日、豊田スタジアム)、ハイチ代表(同10日、日産スタジアム)とのキリンチャレンジカップ2017に臨む日本代表メンバーが9月28日、日本サッカー協会から発表された。

招集されたのは総勢24人。そのなかにはオーストラリア、サウジアラビア両代表とのワールドカップ・アジア最終予選を戦った、まだ記憶に新しい前回シリーズに続いて植田の名前も含まれている。

日本代表にとって6大会連続6度目のワールドカップとなる、来年6月開幕のロシア大会出場を決めているバヒド・ハリルホジッチ監督は、国内で行われる10月の2連戦をこう位置づけた。

「今回の合宿では、これまであまり出ていなっかった選手に出場機会を与えたい。2試合とも違ったメンバーで戦うことになると思う。それぞれの選手がチャンスをつかんでほしい」

植田が初めてA代表に招集されたのは2015年1月。オーストラリアで開催されたアジアカップに、故障で辞退したDF内田篤人(当時シャルケ、現ウニオン・ベルリン)の代わりに追加された。

しかし、ハビエル・アギーレ前監督に率いられていた当時の日本代表のセンターバック、吉田麻也(サウサンプトン)と森重真人(FC東京)が築いていた壁は高く、険しかった。

アントラーズの2年先輩、昌子源とともに出番のないまま日本は準々決勝で敗退。悔しさを押し殺しながら、まだ20歳だった植田はこんな言葉を残している。

「A代表の先輩たちが真剣勝負を繰り広げている姿を、間近で見ることができた点ですごくいい経験にはなった。普段はどのような生活をしているのかもわかったので」

鹿島アントラーズの先輩・昌子源から受ける刺激

昨夏のリオデジャネイロ五輪、そしてアントラーズの一員として獲得した二冠を糧に、心技体でひと回りたくましく成長したいま、A代表で先輩たちと同じ時間を共有しているだけでは物足りない。

「自分は代表にいっても、いつも試合に出られない。悔しさを感じているなかで、もっと成長しなければいけないということもわかっている。来年のロシア大会まで残された時間は少ないですけど、日々の練習から貪欲に取り組んでいければ」

直近のハリルジャパンを振り返れば、オーストラリア戦は23人のベンチ入りメンバーのなかにすら入れず、埼玉スタジアムのスタンドでFW杉本健勇(セレッソ大阪)らと日本の快勝劇を見届けた。

ワールドカップ出場を決めてから5日後。舞台を敵地ジッダに移して対峙したサウジアラビア戦ではベンチ入りこそ果たしたものの、ハリルホジッチ監督から声がかかることはなかった。

先発フル出場したのは吉田と、6月シリーズから森重に代わった昌子。アントラーズでディフェンス陣を束ねる昌子もまた、A代表への初招集から約2年8ヶ月もの雌伏の時期を強いられてきた。

「いつも隣でプレーしている選手が日の丸を背負って戦っているので、やっぱり自分も、という気持ちになります。負けていられない、いつか必ず追い越してみせる、という思いでプレーしています」



若きセンターバックコンビを組み始めたのが2014シーズン。お互いに切磋琢磨して、ライバル勢の追随を許さない「19」ものタイトルを獲得した常勝軍団の最終ラインを支えてきた。

ミスが失点に直結してしまうポジションゆえに、責任の重さに打ちひしがれたときも少なくない。だからこそ、努めて前を向く昌子の背中が羅針盤になった。アントラーズのディープレッドから日本代表のブルーにユニフォームが変わっても、刺激し合う関係は変わらない。

劇的な決勝ゴールとともに飛び出した雄叫び

1995年の早生まれで、植田とは同じ学年になるセンターバックの三浦弦太(ガンバ大阪)も、6月シリーズからハリルジャパンに名前を連ね始めた。オーストラリア戦ではベンチ入りも果たしている。

代表発表の5日前に、ガンバをホームのカシマサッカースタジアムに迎えた明治安田生命J1リーグ第27節が行われた。後半アディショナルタイムに雄叫びをあげ、ヒーローになったのは植田だった。

MF永木亮太が蹴った右コーナーキック。マーク役のDF金正也を引きはがし、反対側からニアサイドへポジションを移してきた植田が完璧なタイミングで宙を舞い、武器であるヘディングを見舞った。

「今日の試合は絶対に勝つしかなかったので、最後の最後、絶対にチャンスが来ると信じていました。こういう(拮抗した)試合はセットプレーが勝敗を左右するので、あの場面では自分が決めてやるという気持ちで上がっていった。それが通じて、ボールが自分のところに来たのかなと思います」

1‐1の均衡を破り、アントラーズを5連勝に導く劇的な決勝ゴール。しかも、スタンドにはハリルホジッチ監督が視察に訪れていた。迎える10月シリーズ。三浦の名前はリストに書き込まれなかった。

「植田は週末のガンバ戦で非常にいいプレーを見せてくれた」

メンバー発表会見でハリルホジッチ監督から称賛された植田だったが、もちろん満足などしていない。リーグ戦を例にあげれば、アルビレックス新潟戦、ガンバ戦と連続して先制を許しているからだ。

「最近は逆転勝ちするパターンが多いのもいいことかもしれないですけど、ディフェンスとしてはやっぱり失点をゼロに抑えて勝ちたいという気持ちがあるので。先に失点するとゲーム展開的にも難しくなるので、そこはこれからの課題だと思うし、これからも厳しさをもって練習していきたい」

1対1におけるすべての局面で勝つために



リオデジャネイロ五輪を戦い直後の昨年夏。けがで辞退した昌子に代わり、アジア最終予選の初戦に臨もうとしていたハリルジャパンへ初めて招集された。指揮官は当時から植田を高く評価していた。

「植田はかなりのポテンシャルがあり、パワーもある。A代表にはパワーが足りないので、植田のような選手が必要だ」

あれから1年あまり。アントラーズは2位の川崎フロンターレに勝ち点で8ポイント差をつけて、7試合を残して独走状態に入ろうとしている。敵地でサガン鳥栖と対峙する30日の次節を勝って連覇への足元を固め、気合いも新たにA代表デビュー戦に臨む。青写真はもうできあがっている。


【THE REAL】いざ、念願の日本代表デビューへ…鹿島アントラーズの若武者、DF植田直通の武者震い

◆植田 代表で車屋と“大津高ライン”結成「会うの凄く楽しみ」(スポニチ)




 7年前の“神様”と再びチームメートとなることを待ちわびた。日本代表メンバー発表から一夜。鹿島DF植田は熊本・大津高の2学年上の先輩で、代表に初選出された川崎FのDF車屋について「高校以来プレーしていないので会うのは凄く楽しみ。成長した姿を見せたい」と語った。1年生の時に当時ボランチだった車屋と一緒にプレー。「2個上は“神”っす」と卒業以降連絡を遠慮してきたが、最高の舞台で再会することになった。

 今回の2試合でハリルホジッチ監督は多くの選手を起用する方針。Aマッチ初出場を目指すセンターバックの植田と左サイドバックの車屋が最終ラインを形成する可能性もある。「熊本にとっても大津高にとっても凄くいいこと」と同時選出を喜んだ22歳。まずは30日のアウェー鳥栖戦で完封に貢献し、代表へ弾みをつける。

植田 代表で車屋と“大津高ライン”結成「会うの凄く楽しみ」

◆鹿島・昌子、リーグ残り7戦全勝&代表戦勝利宣言!「全部勝って決める」(サンスポ)


俊輔に授業料を払い、浦和を完封。昌子源「この勝利は勝ち点6の価値」<Number Web> photograph by Kiichi Matsumoto

 鹿島の日本代表DF昌子が29日、リーグ残り7戦全勝での優勝と代表戦勝利を力強く宣言した。「全部勝って決めるのがベスト。全部勝てばおのずと優勝できる」。2位川崎と勝ち点差8で首位を走るチームはこの日、セットプレーの確認など約1時間半の最終調整を行った。30日の鳥栖戦後には国際親善試合2試合を控えるだけに、白星を潤滑油にしてリーグ2連覇へ一気に加速する。(鹿嶋)

鹿島・昌子、リーグ残り7戦全勝&代表戦勝利宣言!「全部勝って決める」

◆【鹿島】ペドロ・ジュニオールが約2か月ぶり復帰、1ステージ制最短Vへ追い風(報知)




 左足骨折で戦列を離れていた鹿島FWペドロ・ジュニオール(30)が30日の鳥栖戦(ベアスタ)で約2か月ぶりに復帰する。29日の練習後に遠征帯同が決定。7月28日の練習中に左足第5中足骨を骨折し、手術後に全治2か月と診断されていた。「状態? 100%。ダイジョウブ」と笑顔で鳥栖へ向かった。

 残り7試合で2位・川崎に勝ち点8差をつけ独走状態。早ければ30節の横浜M戦(10月21日・日産ス)にも連覇が決まる。1ステージ制(15、16年は2ステージ制)となった05年以降では、10年に名古屋が31節に優勝を決めたのが最速。今季16試合7得点の助っ人復帰は、記録更新へ追い風になる。

 大岩剛監督(45)は「多分、途中からになるが良さを出してほしい」と期待。「ウチも(07年に)これくらいの差を逆転した。何が起こるか分からない。目の前の試合に集中する」(GK曽ケ端)と一戦必勝の意識を持ち、一歩ずつ前進していく。(内田 知宏)

【鹿島】ペドロ・ジュニオールが約2か月ぶり復帰、1ステージ制最短Vへ追い風

◆【鳥栖 vs 鹿島】 ウォーミングアップコラム:サイド攻防のカギを握るキーマン吉田豊。出場停止明けに魅せてくれるはず。(J's GOAL)



前節アウェイ浦和戦は、出場停止だったため悔しい思いをしただろう。
先制し、追いつかれても勝ち越してあとわずかで勝点3を得るところまで来ていただけに、その悔しさは増したのではないだろうか。

今シーズンの鳥栖はサイドの攻防からの失点が多い印象がある。失点を減らすためには、この課題を修正する必要がある。

マッシモ フィッカデンティ監督も試合途中でシステムを変更してサイドの対応を試みるが、攻撃とのかみ合わせもフィットせず失点してしまっている。こんな状況をピッチ内で一番悔しがっているのは吉田豊(写真)ではないだろうか。今期、リーグ戦27試合中10試合でキャプテンマークを巻いている闘将である。

左サイドの守備だけではなく、積極果敢に左サイドを駆け上がる。第27節甲府戦では、相手選手の退場を誘うドリブル仕掛けも見せた。

こんな熱い男が出場停止明けから戻ってくる。燃えないわけがない。

今節の相手は首位を独走する鹿島。前節は、終了間際に勝ち越して勢いをつけている。
その鹿島のサイド攻撃を抑え込むには、吉田豊の熱い気持ちが一番の対策と筆者は信じている。この思いは、鳥栖サポーターとも共有できるのではないだろうか。

右足でも左足でも差はなく使い分けることができる吉田豊。相手が左右どちらに切り込んでも即座に対応できる。そして、サイド奥深くから左足でのクロスもあれば、切り替えしての右足のクロスも見せる。

前節の出場停止の悔しさを今節の鹿島にホームベストアメニティスタジアムで見せてくれるに違いない。サイド攻防のカギを握るキーマンは吉田豊にちがいない。

文:サカクラゲン(鳥栖担当)


明治安田生命J1リーグ 第28節
9月30日(土)15:00KO ベアスタ
サガン鳥栖 vs 鹿島アントラーズ

◆【鳥栖vs鹿島プレビュー】鳥栖は吉田豊が復帰で守備面向上…前節に後続との勝ち点差を広げた鹿島は連覇に向けて突き進む(サッカーキング)




■サガン鳥栖 前節2発の田川亨介、ゲームメイカー小野裕二らの出来が勝敗のカギ

【プラス材料】
 約5ヶ月ぶりのゴールを含む2得点を挙げた田川亨介、2ヶ月ぶりの公式戦出場となった小野裕二などの活躍により、敵地で行われたリーグ前節の浦和戦を2-2のドローで終えた。チーム戦術がピタリとはまった結果だが、田川は好調をキープし、小野はさらにコンディションを上げている。5連勝で首位を快走する鹿島を倒すためには彼らの出来がカギになる。

 守備面で心強いのが出場停止から吉田豊が戻ってくること。今季途中からゲームキャプテンも務めており、プレーだけでなくメンタル面でもチームに影響を与える存在となりつつあるので、彼の復帰はプラスだ。

 今節は12回目を迎えるブリヂストンデーで大勢の観客が詰めかけるため、鳥栖はそれもモチベーションにして戦う。

【マイナス材料】
 前節、2度のリードを奪いながらも2-2のドローに持ち込まれた。浦和にボールポゼッションされ続け、主導権を握られたことが一因にある。また、今季はCK絡みやクロスからの失点が多く、この試合の2失点もその形からだった。鹿島は伝統的にセットプレーを得意とし、クロスも多く供給してくるだけに、キム・ミンヒョクと鄭昇炫のセンターバックコンビがゴール前の制空権を鹿島に渡さないことが大きなポイントになる。鄭は鳥栖加入前に蔚山現代の一員として今季のACLグループステージで鹿島と対戦し、4失点を喫して敗れた。その苦い思い出を払拭する試合にできるか。

 前節の結果により今季の無冠が確定したため、その心的影響も懸念材料だ。

文:荒木英喜

■鹿島アントラーズ 負傷により長期離脱していたP・ジュニオールが復帰間近

【プラス材料】
 左足第5中足骨骨折で戦列を離れていたP・ジュニオールが今節の帯同メンバーに入った。今季16試合7得点を挙げている助っ人の復帰は、今季最多タイの5連勝を飾ったチームに、さらなる勢いをもたらすことは間違いない。

 前節のG大阪戦では、後半アディッショナルタイムに植田直通が決勝ヘッドを決めて、2-1の逆転勝利。サポーターと一体となっての激勝だったが、試合後のロッカールームでは複数の選手から「次の試合が大事だぞ」と声が飛んだという。2位川崎に勝ち点差8をつけているが、曽ヶ端準が「うちもそれくらいの差をひっくり返したことがある。サッカーは何が起こるか分からない」と気を引き締めた。

 苦戦する試合が多い、敵地での鳥栖戦。その1試合、そこにある勝ち点3だけを見つめて戦う空気がチームを包んでいる。

【マイナス材料】
 マイナス材料を探すのは難しいチーム状況ではある。ただ、全くないかと言われればそうではない。鳥栖のように、相手の良さを消すために自らを消し、がむしゃらに向かってくるチームには苦戦することが多い。前節のG大阪戦はサポーターの後押しを含めて、大岩剛監督に「今季一」と言わしめる内容で勝利を収めた。そのG大阪とはスタイルの全く異なる鳥栖が相手となるだけに、頭と気持ちを切り替えられるかが鍵を握るだろう。

 昨季の優勝を経験しているメンバーが多いとは言え、タイトルの重圧がのし掛かってくる終盤戦はメンタル面のタフさが重要だ。チームとして、まずはチャレンジする気持ちを忘れないこと。そのなかに慎重さ、焦れない心も同居させること。簡単に言えば、いつも通りの試合ができるかどうか。鹿島伝統の“平常心”で臨みたい。

文:totoONE編集部


【鳥栖vs鹿島プレビュー】鳥栖は吉田豊が復帰で守備面向上…前節に後続との勝ち点差を広げた鹿島は連覇に向けて突き進む

2017年9月29日金曜日

◆ルヴァンカップの大会方式が2018年から変更に…降格クラブも参加へ(サッカーキング)


ルヴァンカップ

 Jリーグは28日、2018シーズン以降のJリーグ YBC ルヴァンカップの大会方式変更を発表した。

 現行の方式ではJ1の18チームが参加するが、新方式ではJ1の18チーム+J2の2チーム(前年度J1の16位、17位)の計20チームが参加する。また、ACLに出場する4チームを除いた14チームを2グループに分けてリーグ戦が行われていたグループステージでは、ACL出場チームを除いた16チームを4グループに振り分けてホームアンドアウェイ方式のリーグ戦を行う。

 プレーオフステージでは、ACL出場チームが4チームだった場合には各グループの首位が他グループの2位とホームアンドアウェイ方式で対戦。勝った4チームがACL出場4チームとともにノックアウトステージに進む。

 ACL出場チームが3チームだった場合は、各グループ上位2チームと3位の中で上位の2チームの計10チームがプレーオフステージに進出。ホームアンドアウェイ方式で対戦し、勝利した5チームとACL出場の3チームがノックアウトステージに進む。

 ノックアウトステージはホームアンドアウェイ方式のトーナメント。しかし決勝戦だけは1試合だけの対戦になる。

 また、各グループの組分けは、前年度のJ1、J2リーグ戦順位をもとに実施される。

ルヴァンカップの大会方式が2018年から変更に…降格クラブも参加へ

◆サッカー元日本代表・岩政選手がJ5で現役にこだわる理由(TOKYO FM+)


藤木直人、伊藤友里がパーソナリティをつとめ、アスリートやスポーツに情熱を注ぐ人たちの挑戦、勝利にかける熱いビートに肉迫するTOKYO FMの番組「TOYOTA Athlete Beat」。9月23日(土)の放送では、サッカー元日本代表の岩政大樹選手に話を伺いました。


岩政選手は、2004年に鹿島アントラーズに入団し、リーグ3連覇に貢献。鹿島黄金期を支え、2010年にはFIFAワールドカップ南アフリカ大会の日本代表に選出。退団後はタイリーグへと渡ったのち、J2・ファジアーノ岡山でプレー。現在35歳の岩政選手は、関東一部リーグの東京ユナイテッドFCで選手兼コーチ、 さらには東京大学サッカー部のコーチも務めるなど、その経歴やサッカー哲学が注目を集めています。


◆試合中の選手にブーイングは届いている?

藤木:岩政選手は現役でありながらコラムもお書きになられていて、中でも最も反響があったのが、ブーイングに選手が何を感じているのかだったそうですが。

岩政:選手たちは正直言って、試合中はスタンドでどういうことを喋っているのかほとんど聞こえないんです。

藤木:プレー中はそうですよね。

岩政:ですから、試合を観にきた家族とかから「すごい言われてたけど気にしてない?」とか言われるんです。何も聞こえてなかったのにむしろ言われることによって知るという……(笑)。ただ、そうは言っても選手たちはスタジアムのムードを感じ取るんです。観客が“期待している”のか“失望している”のか、雰囲気で感じるんです。ブーイングをしているかどうかはあまり関係ないんです。

藤木:そうなんですね。

岩政:ですからサポーターの皆さんが何をしているかよりも、どういう気持ちで試合を観ているのかというほうが選手たちに伝わっているということを(コラムに)書きました。

伊藤:熱い想いがちゃんと伝わっているんですね。

岩政:そうなんです。あの何万人という観客の空気によって、選手たちが“戦わなきゃいけない”ということを奮起させられ、“勝たなければ”とスタジアムの雰囲気で感じるんです。

◆岩政選手がJ5で戦う理由

藤木:現在、岩政選手が所属している関東一部リーグというのは、どういうカテゴリになるんですか?

岩政:J1から数えると5番目、J5に当たるリーグですね。僕以外、チームのみんなは社会人です。

藤木:となると実業団に近いイメージですね。輝かしい経歴がある岩政選手がJ5でプレーしようと思ったきっかけは?

岩政:「岩政じゃなきゃダメだ」と言ってくれたことに応えたかったのが一番ですね。J1、J2でプレーできるのはもちろん幸せなことですが、そこは競争の世界であり、僕じゃなくても次々と違う選手が出てきて……という紙一重の世界ですから。そこに残りのサッカー人生を充てても、あまり面白くないなと思って。今のチームがこれからJリーグを目指すにあたって、その土台作りをしたいと。そこに「岩政を呼びたい」と名指しでお話をいただいたので、やってみたいと思いました。

藤木:選手とコーチを兼任している岩政選手ですが、もっとも大事にしているものは何ですか?

岩政:僕はサッカーを論理的に突き詰めて考えるのがとにかく好きで。論理的に冷静に考えるところと、熱を持って情熱的にやるところ、これをバランス良く持っていたいというのは常に意識しています。

藤木:それって相当難しいことですよね?

岩政:バランスと中途半端を混同しないようにということを常に考えています。中途半端というのはどちらにもいこうとせず、自分の限界を決めてしまうことだと思うんです。でも、バランスというのは両方を持ち合わせていて、今の自分に合うもの、接する相手に合うもの、その試合に合うものをチョイスしていくということ。どちらにもいけるんだけど、今はこっちを選ぶというバランス感覚、それを持つように心掛けています。



◆日の丸を背負うということ

藤木:岩政選手は日本代表としても活躍されていましたが、やはり日の丸を背負ってプレーするというのは、また違うものなんでしょうか?

岩政:違いますね。選手としての出発点が無名でしたから(笑)。高校時代は全国大会に一度も縁がなくて、山口県の1回戦、2回戦で負けるレベルだったので。それがプロに入って競う選手たちは有名校やユースの面々ばかりで、ずっと劣等感があったんです。その気持ちが根強くて、なかなか払拭できなかったですね。

藤木:とはいえ、日の丸を背負って戦える選手は限られていますし、喜びもあったのでは?

岩政:もちろんありました。代表になって一番うれしかったのは、自分を育ててくれた両親や指導者が喜んでくれたことですね。

藤木:先日、日本代表が6大会連続ワールドカップ出場を決めましたけど、元日本代表の岩政選手から見ていかがでしたか?

岩政:苦しい試合もありましたけど、しっかりと勝ち切ってワールドカップに出るということは、どこの国でも難しいことですから。それを達成したのは見事ですし褒めるべきだと思います。

藤木:日本が目指すべきサッカーについてはいろんな議論がありますけど、岩政選手はどう思われていますか?

岩政:サッカーをやってる人間であれば誰しもあると思うんですけど……同じスタイルでずっと勝ち続けるっていうのはありえないんです。サッカーというのは、人生と同じようなもので波があるんですよ。いいことばかりしてるのに流れが悪くなるときもあれば、ワンプレーがきっかけで一気に流れが変わったり……どんどん移り変わるんです。

藤木:なるほど。

岩政:試合って常に我慢していれば勝ち筋が見えてきて、その勝ち筋によって戦い方を変えるんですよ。90分ある中で最初は一番理想の戦い方で試合に入るけど、大体うまくいかない。そうなったときに、そのやり方を通したってうまくいくわけない。そのときに何をするのか考えて行動できるのが成熟した選手。その判断の繰り返しで試合は成り立つので、先に自分たちのやり方をひとつに決めてしまうのはよくない。ピッチ内と、ピッチ外では、少し見え方が違うかもしれないですね。

藤木:ハリルジャパンで、チームを引っ張る選手は?

岩政:やはり経験がある選手のほうが引き出しが多いですから、長谷部(誠)選手、吉田(麻也)選手あたりが今チームを仕切っていると思います。サッカーは試合が始まって最初の15分で相手のやり方が大体見えてくるんですけど、先日のオーストラリア戦では、長谷部選手が相手の立ち上がりを見てやり方を変えたんじゃないかと。ずっと同じやり方を続けていると、相手も次の対策を練ってくるんですが、先に日本が手を打ったことによって、次の余波を収めることができたんじゃないでしょうか。そういう戦い方ができると90分をしっかりとデザインできるというか。自分たちのサッカーができると強いですよね。




【番組概要】
番組名:「TOYOTA Athlete Beat」
放送日時:毎週土曜10:00~10:50
パーソナリティ:藤木直人、伊藤友里
番組Webサイト:http://www.tfm.co.jp/beat/


サッカー元日本代表・岩政選手がJ5で現役にこだわる理由

◆大迫奮闘むなしく…後半投入で流れ変えるもケルン猛攻実らずEL連敗、公式戦8戦未勝利(ゲキサカ)




[9.28 ELグループリーグ第2節 ケルン0-1レッドスター]

 ヨーロッパリーグ(EL)のグループリーグ第2節が28日に行われ、H組では日本代表FW大迫勇也の所属するケルンがホームでレッドスター(セルビア)と対戦し、0-1で敗れた。ベンチスタートとなった大迫は1点ビハインドの後半開始から2トップの一角で途中出場。攻撃の起点となり、試合の流れを変えたが、得点にはつながらなかった。

 大迫に代わって今季初先発のFWセルー・ギラシーがFWジョン・コルドバと2トップを組んだケルン。今季公式戦7試合未勝利のチームは浮上への糸口をつかみたかったが、立ち上がりから何度も決定機をつくられ、前半30分に先制点を献上してしまう。

 ロングパス1本で裏を取ったFWリッチモンド・ボアキエがMFネマニャ・ラドニッチの追い越しを待ってタメをつくると、意表を突いてPA左手前から振り向きざまに右足を一閃。強烈なスーパーミドルで先制のネットを揺らした。

 0-1で折り返した後半開始と同時にケルンは2枚を同時に替え、大迫とMFレオナルド・ビッテンコートがピッチに入り、3バックから4バックにフォーメーションを変更した。前半は攻撃の形がつくれず、一方的に押し込まれたケルンだったが、2トップの一角に入った大迫が攻撃を活性化させる。下がった位置でボールを呼び込んでは鋭いパスを入れ、何度も決定機をつくった。

 大迫の奮闘で後半は一転、ケルンが押し込んだが、MFミロシュ・ヨイッチのシュートは3度ポストを直撃。大迫は絶妙なポジショニングでラストパスを待つも、相方のコルドバからはなかなかパスが入らない。それでも後半35分、同36分には自ら立て続けにシュートを放ったが最後までゴールは遠く、0-1で敗戦。ケルンはEL2連敗。大迫の奮闘もむなしく、開幕から公式戦8試合未勝利と泥沼からは抜け出せなかった。

 第3節は10月19日に開催され、ケルンは敵地でBATE(ベラルーシ)、レッドスターは敵地でアーセナル(イングランド)と対戦する。


大迫奮闘むなしく…後半投入で流れ変えるもケルン猛攻実らずEL連敗、公式戦8戦未勝利

◆サガン鳥栖vs鹿島アントラーズ 9月30日(サンスポ)



 ・今対戦カードの通算対戦成績では、鹿島が5勝2分4敗と僅かに上回っている。今季第9節のカシマサッカースタジアムでの対戦では、鹿島が2-1で勝利した。

 ・鳥栖はJ1での鹿島戦直近7試合で4得点しか決めていない。この間、一度も複数得点を記録していない。

 ・マッシモ・フィッカデンティ監督はJ1での鹿島戦通算7試合で1勝しかしていない(2分4敗)。1勝は、昨季のホーム戦で挙げたもの(1-0)。

 ・鹿島はセットプレーから今季リーグ最少タイの4失点しか喫していない(川崎と並ぶ)。

 ・レアンドロは今季リーグ戦での、90分当たりの得点関与数が1.04となっている。今季J1で5得点以上に関与している選手の中で、最多の数字。

 ・金崎夢生はリーグでの鳥栖戦で、現在2試合連続得点を決めている。しかし、J1のベストアメニティスタジアムでの試合で、同選手が得点を決めたことはない。

 ・鳥栖がJ1での鹿島戦で挙げた直近2得点は、共に豊田陽平が、それぞれ試合時間20分と23分に決めたもの。

 ・今季J1で最も被シュート数が多いのは鳥栖(380本、G大阪と並ぶ)。一方の鹿島は、同部門で今季リーグで2番目に少ない280本を記録している。


サガン鳥栖vs鹿島アントラーズ 9月30日

◆鹿島・昌子“格下”も慢心なし「国を背負うことに変わりない」(スポニチ)




 “格下”でも気は緩めない。鹿島DF昌子はハイチ、ニュージーランド戦に向け「たとえ親善試合でも、国を背負うことに変わりはない」と強調した。

 日本代表では主力として定着しつつあるが、慢心もない。「(W杯メンバーに)選ばれて当然というラインより上にいる人は、ごくわずか。そういう人以外は僕を含めて下にいる」とキッパリ。「しっかりJリーグで結果を残すことが最大のアピールになる。(30日の)鳥栖戦に勝って合流したい」と力を込めた。

鹿島・昌子“格下”も慢心なし「国を背負うことに変わりない」

2017年9月28日木曜日

◆元鹿島のオリヴェイラ監督、ブラジル復帰…A・ミネイロの指揮官就任(サッカーキング)


オズワルド・オリヴェイラ

 ブラジル1部リーグのアトレチコ・ミネイロは26日、オズワルド・オリヴェイラ氏が新指揮官に就任すると発表した。契約期間は2018年末まで。

 オリヴェイラ監督は指揮官就任にあたり、「ブラジル有数のビッグクラブで仕事をできることを喜んでいる。ブラジルのサッカー界における私の現在地、そしてクラブの現在地を理解しているよ。サッカー界の現実を見て、目的をもって可能な限り最善の方法で仕事をしたい」とコメント。新天地での抱負を語っている。

 オリヴェイラ監督は1950年生まれの66歳。選手経験はないが、1999年から指導したコリンチャンスで2000年にFIFAクラブ世界選手権を制覇した。以降は数々の国内クラブで監督を歴任。2004年に再びコリンチャンスの指揮官に就任し、2005年にはカタールでも指揮を執った。そして2007年に鹿島アントラーズの監督に就任すると、1年目にJ1リーグと天皇杯の二冠制覇を達成。翌2008年、2009年にもJ1を制覇し、史上初の3連覇を果たした。2010年には天皇杯、2011年にはヤマザキナビスコカップを制し、在籍5年で国内三大タイトルを6つ獲得した。

 鹿島での指揮を終えたオリヴェイラ監督は2012年にボタフォゴの指揮官に就任。2014年1月にはサントスの監督に就任したが、9月に解任された。2015年8月から11月まではフラメンゴで指揮を執っていた。そして昨年4月にはスポルチ・レシフェの監督に就任。10月にはコリンチャンスで3度目の指揮官就任を果たし、今年1月からはカタールのアル・アラビで指揮を執っていた。今回のアトレチコ・ミネイロ指揮官就任で、ブラジル復帰を果たした形となった。

 アトレチコ・ミネイロはカンピオナート・ブラジレイロ・セリエA(ブラジル全国選手権)で25試合を終え、8勝7分け10敗の11位。2部降格圏内の17位サンパウロとは3ポイント差の位置にいる。オリヴェイラ監督はチームの再建と1部残留を託されることとなった。


元鹿島のオリヴェイラ監督、ブラジル復帰…A・ミネイロの指揮官就任

◆J1クラブの逃した魚は大きい 鹿島で活躍のレオ様、日本で監督熱望もあっさり手を引き…(zakzak)


2015年に鹿島戦を観戦に訪れたレオナルド氏

 サッカーJ1鹿島で活躍した元ブラジル代表MFレオナルド氏(48)が、トルコ1部リーグ・アンタルヤスポルの監督に就任濃厚と地元紙が報じている。現役時代は1994年から3年間鹿島でプレーし、端正なルックスと華麗なプレーで“貴公子”“レオ様”と呼ばれた。

 「実は本人には日本で監督を務めたいという希望があり、金銭面は二の次で、交渉の余地は十分にあった」(Jリーグ関係者)という。しかし、ほとんどのJ1クラブはろくに交渉しないうちに「年俸が高い」と手を引いてしまった。トルコでレオナルド氏に提示された年俸は約2億5000万円。J1では破格だ。

 例えばFC東京。2011年、インテル(イタリア1部)が日本人選手を獲得することになり、本田(パチューカ)か長友かで迷ったとき、「長友にすべきだ」とチーム側に進言したのが当時インテル監督だったレオナルド氏。FC東京にはいつか長友を復帰させたいという意向もある。

 また、レオナルド氏は今でも「鹿島アントラーズへの気持ちは変わらない」と話している。だが、鹿島は今季中に石井前監督を解任し、コーチから昇格した大岩監督の下、リーグ首位を独走中。もう監督を交代させる必要はない。かくしてレオ様の雄姿をJ1で見ることはできなくなってしまった。(夕刊フジ編集委員・久保武司)

J1クラブの逃した魚は大きい 鹿島で活躍のレオ様、日本で監督熱望もあっさり手を引き…

◆ハリルJに推薦したい10人のJリーガー。期待の新戦力候補たち【編集部フォーカス】(フットボールチャンネル)


2018年ロシア・ワールドカップの出場権を獲得した日本代表。10月6日にニュージーランド代表、10月10日にハイチ代表との試合を迎える。この2試合に臨む日本代表メンバーは9月28日に発表されるが、新戦力の台頭はあるだろうか。今回は、Jリーグでプレーする選手のうち、2017年に入りハリルジャパンに招集されていない選手のなかから、日本代表に推薦したい10選手をピックアップする。

トップ下コンバートで確変したロンドン五輪代表MF

セレッソ大阪のMF山村和也

山村和也(やまむら・かずや/セレッソ大阪)

 1989年12月2日生まれ。C大阪のユン・ジョンファン監督に見出され、トップ下として開眼した大型MF。守備的なポジションでプロ入りしたが、桜の軍団では相手ゴール前に近い位置でセンスを発揮している。1トップの杉本健勇との相性も良く、共にターゲットにもなれるため攻撃のバリエーションも増える。

 8月のリーグ戦で負傷。左膝内側側副靭帯損傷で離脱を余儀なくされたが、現在は戦列に復帰している。チームは絶好調とは言えないが、終盤戦で再び強さを発揮する上で山村がピッチにいることは大きいだろう。今季のパフォーマンスからすれば、ハリルジャパンに選出されてもおかしくはない。

首位・鹿島で存在感。攻撃の潤滑油になるMF

鹿島アントラーズのMF土居聖真

土居聖真(どい・しょうま/鹿島アントラーズ)

 1992年5月21日生まれ。優勝争いをリードする鹿島で、リーグ戦ここまで26試合に出場している土居。左サイドハーフや前線で力を発揮。相手の間をすり抜けていくドリブルも魅力だが、周囲との連係から決定的な仕事を果たすことができる。今季はまだ2得点と数字はついてきていないが、チームにとって重要な存在であることは間違いない。

 ハリルジャパンが【4-3-3】のシステムで戦うとすれば、土居が争うのは左サイドのアタッカーだろう。独力でゴールへ突き進むタイプではないものの、コンビネーションからチャンスを作れる土居のような選手がいると、バリエーションも増えるはずだ。

得点ランキングトップを走る浦和のエースFW

浦和レッズのFW興梠慎三

興梠慎三(こうろき・しんぞう/浦和レッズ)

 1986年7月31日生まれ。今シーズンのJ1リーグでここまで17ゴールを挙げ、得点ランキングトップを走る。ボックス内での抜け目ない動きからワンタッチでゴールを陥れる、国内最高峰のストライカー。

 正確なポストプレーも一級品で、密着されたとしても巧みにボールを繋ぐことができる。さらに、相手の圧力を逆手にとるターンで置き去りにもできる。鹿島アントラーズ時代は裏へ抜け出すスピードが注目されていたが、現在もその特徴は残しつつよりスケールの大きな選手へと進化した。チームで結果を残した選手が呼ばれるのが代表チームであれば、興梠は間違いなくその選考対象となるはずだ。



ハリルJに推薦したい10人のJリーガー。期待の新戦力候補たち【編集部フォーカス】

◆代表デビューが待たれる鹿島アントラーズのセンターバック、水戸ホーリーホックの俊足ストライカーらをピックアップ/今週のヤングガン VOL.10(GOAL)




今、注目の若手Jリーガーを紹介する『今週のヤングガン』。Goal編集部がピックアップした4名は?

日本サッカーの未来を担うU-23世代を輝かせるべくスタートした『タグ・ホイヤー ヤングガン アワード』。Goalでは彼らの奮闘に注目し、U-23世代の活躍をピックアップしてお届け。明治安田生命J1リーグ第27節、明治安田生命J2リーグ第34節、明治安田生命J3リーグ第24節からは、4名のヤングガンを紹介する。

植田直通 (鹿島アントラーズ)

土壇場での完璧な決勝ゴールだった。後半アディショナルタイム2分、右CKを永木亮太が蹴ると、西大伍がニアに飛び込んだ背後に生じたスペースへファーサイドから走り込み、マークに付いていた金正也の先手を取る。そしてマイナスに巻く軌道にヘッドで合わせると、ガンバ大阪の日本代表GK東口順昭が死守しようとする牙城を打ち破った。試合後のフラッシュインタビューで「自分が決めるしかないと思っていた」と語った彼は守備でも奮闘。特にG大阪が長身FW長沢駿を投入した後半は迫力ある競り合いを制し、相手にターゲットマンとしての仕事をさせなかった。

この試合は序盤に喫した失点を何とかPKで追い付いて接戦に持ち込んでおり、最後は“勝負強い鹿島”を印象付ける結果となった。その中で攻守にわたって大きな活躍を見せたのが、他ならぬ植田直通だった。高い身体能力でデビュー当時から期待された大型センターバックも常勝軍団・鹿島でレギュラー争いに苦労し、継続的にスタメン起用されるようになったのは昨シーズン途中から。日本代表には2015年のAFCアジアカップで初選出され、ヴァイッド・ハリルホジッチ監督の就任以降も何度か招集されているが、ここまで出場はなし。10月には指揮官が新しい選手の起用を示唆しているキリンチャレンジカップが行われるだけに、鹿島での存在感アップを受けて日本代表デビューが期待されている。




代表デビューが待たれる鹿島アントラーズのセンターバック、水戸ホーリーホックの俊足ストライカーらをピックアップ/今週のヤングガン VOL.10

◆鹿島・三竿健“憧れ”岩政から新技を伝授「早く自分のものに」(スポニチ)




 鹿島のMF三竿健が、憧れのOBから新しい“技”を伝授された。13年まで在籍し、ナイキ社の事業で練習場を訪問したDF岩政(関東1部・東京ユナイテッド)から全体練習後にFWを背負った時のディフェンスの仕方について個別指導を受けた。

 「(岩政に)憧れていた。早く練習からチャレンジして、自分のものにできたら」。出場停止明けの30日アウェー鳥栖戦へ、士気が高まった様子だった。

鹿島・三竿健“憧れ”岩政から新技を伝授「早く自分のものに」

2017年9月27日水曜日

◆【鹿島】ジュニオール、左足骨折から復帰…鳥栖戦ベンチ入りも(報知)





 左足の骨折で戦列を離れていた鹿島FWペドロ・ジュニオール(30)がリーグ鳥栖戦(30日・ベアスタ)でチームに帯同する可能性が出てきた。25日は全体練習でフィジカルトレーニングに取り組み、練習後も居残りでランニングを行った。大岩剛監督(45)は「すでにフィジカル(トレーニング)もやっているし、あとは対人(練習)をやっていく。鳥栖戦? 100%の状態に戻ればもちろんメンバーに入る」と明かした。

 ペドロは7月28日の練習中に左足第5中足骨を骨折。手術を受け、全治2か月と診断されていた。残り7試合で2位川崎に勝ち点8差をつけ、独走状態を築いている鹿島。今季16試合7得点の助っ人の復帰で、リーグ連覇へ前進する。



2017年9月26日火曜日

◆現役視点、サッカー考察 元日本代表・岩政が本出版(茨城新聞)


自身の経験を基にした「PITCH LEVEL 例えば攻撃がうまくいかないとき改善する方法チームの育て方」を出版した元サッカー日本代表DF岩政大樹

サッカー元日本代表の岩政大樹(35)が、自らの経験を基にサッカーを考察した「PITCH LEVEL(ピッチレベル)例えば攻撃がうまくいかないとき改善する方法」(KKベストセラーズ、1350円税別)を出版した。

本書は岩政が昨年からインターネット媒体で掲載した連載と、書籍化に合わせ新たに書き下ろした考察が含まれる。「勝敗の分かれ目」、「判断と想像力」など七つの論点から全39の考察で構成。現役選手の視点から、サッカーを深く掘り下げている。

岩政は東京学芸大から2004年にJ1鹿島に加入し、センターバックとして活躍。07〜09年のリーグ3連覇など多くのタイトル獲得に貢献した。10年のワールドカップ(W杯)南アフリカ大会の日本代表にも選ばれた。鹿島に10年間所属後、タイ1部のクラブとJ2岡山を渡り歩き、今季は関東1部リーグの東京ユナイテッドでプレーしている。
現役視点、サッカー考察 元日本代表・岩政が本出版

◇横浜・マルティノスに差別ツイート「ほんとこの黒人はウザいわ」(スポニチ)




 横浜は25日、キュラソー出身のMFマルティノスが、SNSによる差別的行為を受けたとして警察に被害届を提出すると発表した。人物の特定には至っていない。

 マルティノスは自身のSNSにサッカーファンのツイートとみられる画像を添付。そこには「ほんとこの黒人はウザいわ」と侮辱発言のほか、同選手がバナナを食べる画像が掲載されていた。マルティノスは「このような悲しいことを自分だけで終わらせるためにも、あえて声をあげることにしました」とコメントした。

横浜・マルティノスに差別ツイート「ほんとこの黒人はウザいわ」


【参考】

◆劇的な決勝弾すら「平常運転」の鹿島。 ふたたび黄金時代が到来か(Sportiva)


 劇的な決勝弾も、そうなると思っていたから、大して驚きはなかった。1−1で迎えた後半アディショナルタイム、MF永木亮太のコーナーキックをDF植田直通が強烈なヘッドで叩きつけ、鹿島アントラーズが土壇場でガンバ大阪を下した。



 そうなると思っていたのにはわけがある。試合の流れを考えれば、鹿島が勝つのが当然の展開だったからだ。

「スコアは2−1ですけど、今季イチといいますか、ガンバさん相手にあれだけできるという力を示せた意味で、非常に評価していいんじゃないかと思います」

 大岩剛監督のコメントは、大いに納得できるものだ。とりわけ後半はほとんどワンサイドマッチといった様相で、一方的にG大阪を攻め立てた。それほどまでに両者の間には、歴然たる力の差が横たわっていた。

 もっとも、王者の力をまざまざと見せつけた鹿島にしても、もっとも立ち上がりから盤石だったわけではない。開始7分、ロングフィード1本でピンチを招き、FWファン・ウィジョに意表を突かれるミドルを叩き込まれてしまったのだ。

 ポジショニングを考えればGK曽ヶ端準のミスとも言えたが、前節のアルビレックス新潟戦に続く早い時間帯の失点は、隙があったと言わざるを得ない。それでも、「失点は反省するべきですけど、引きずるような失点ではなかった」とDF昌子源が振り返ったように、ある意味で事故に近い一発は、鹿島にみなぎる自信を揺るがせるものではなかった。むしろこの1点が引き金となり、チームにスイッチが入ると、攻守両面において次第にG大阪を凌駕していくようになる。

 縦に速い攻撃で相手を揺さぶると、たとえパスカットを許しても、すぐさま奪い返してふたたび攻撃に打って出る。「前半は少しオープンな展開になってしまった」と永木は振り返ったが、前に前にと圧力をかける鹿島の攻撃は、G大阪守備陣を大いに苦しめた。

 そして前半アディショナルタイムにMF中村充孝がエリア内で倒されてPKを奪取。キッカーのFW金崎夢生が蹴ったボールはGK東口順昭に阻まれたものの、こぼれ球をMFレアンドロが詰めて前半のうちに追いつくことに成功した。

 後半は、まさに一方的な展開だった。同点に追いついたことで縦への威力は弱まったが、サイドに揺さぶりをかける本来の鹿島の攻撃が生み出される。67分に、売り出し中のFW安部裕葵が途中からピッチに立つと攻勢はさらに強まり、G大阪を自陣に釘づけにした。

 唯一誤算があったとすれば、キレのある動きを見せながらシュートだけがヒットしなかった金崎のフィニッシュワークだろうか。それでも後半のシュート数15本対4本という数値が示すように、鹿島がほとんどの時間帯でチャンスを作り続けていた。

 そして冒頭に記した決勝ゴールが生まれる。むしろ、点が入らなければ不公平と思わざるを得ない展開である。スコアは最少得失点差ながら、鹿島が勝つべくして勝った、完勝劇だった。

 これで鹿島は5連勝となり、2位の川崎フロンターレがヴィッセル神戸に引き分けたために、両者の勝ち点差は8に広がった。今季のJ1リーグは残り7試合、大きなアドバンテージを手にした鹿島の連覇の可能性はますます高まっている。

 注目すべきは、2試合連続で逆転勝利を収めた点だろう。「先に点を獲られているわけなので、そこは今後に向けて修正する必要がある」と永木は振り返ったが、一方で昌子は逆転できる力があることに自信を深めていた。

「先に点を獲られても慌てることなく、最後に逆転できる。無理に縦パスを入れているわけでもないですし、サイドを使って落ち着いて攻められた。そういうサッカーができているときは、強いときなのではないかなと思います。僕もそんなに知っているわけではないですけど、これまで鹿島が優勝してきたのは、こういう試合が多かったんじゃないでしょうか」

 3冠を達成するなど数多くのタイトルを獲得した1990年代後半や2000年代前半にかけて、あるいは3連覇を達成した2007年から2009年の時期など、これまで鹿島は何度か黄金期と呼ばれる時代を過ごしている。そして昨季のリーグ制覇をきっかけに、ふたたびその黄金時代が訪れようとしている。

 その黄金期を築いてきた、鹿島のアイデンティティとも言える伝統の勝負強さはこの日も健在だった。ふたつのゴールはともに、前・後半のアディショナルタイムに生まれたものである。もっとも昌子は、その勝負強さの要因を冷静に分析している。

「勝負強いって言われますが、僕らが勝っているのもあるけど、そういうときに他のチームが引き分けたりするから、僕らが余計に勝負強いと思われるんじゃないでしょうか。僕らは優勝に向かって、何が何でも勝つという姿勢でやっていて、それを表現できているだけなんです」

「だけ」と、昌子はさらりと言ってのけるが、その”だけ”がどれだけ困難なことか。勝利を追い求め、いかなる展開に追い込まれても、最終的に結果を手に入れてしまう。そんな強さを身につけてしまった今の鹿島に、もはや死角は見当たらない。


劇的な決勝弾すら「平常運転」の鹿島。ふたたび黄金時代が到来か

◆鹿島を復活させた「3つの要求」。王者に隙なし、J1記録での連覇も視野に(フットボールチャンネル)


王者・鹿島アントラーズが独走態勢に入った。ガンバ大阪をカシマサッカースタジアムに迎えた23日の明治安田生命J1リーグ第27節で、後半アディショナルタイムにDF植田直通が劇的な決勝ゴールを決めて5連勝をマーク。序盤戦の不振から、大岩剛監督の就任とともに鮮やかなV字回復を遂げた今シーズン。3連覇が途切れた2010シーズン以降では最多となる「61」の勝ち点を獲得し、2位の柏レイソルに8ポイント差をつける圧倒的な強さの源泉を探った。(取材・文・藤江直人)


植田の劇的決勝点。9年前に想いを馳せると…

植田直通

 後半のアディショナルタイム。セットプレー。ヘディングによる決勝ゴール。しかも、決めたのはディフェンダー。9年もの時空を超えて、カシマサッカースタジアムでデジャブが起こった。

「優勝するときは、こういう試合がいくつかある。というか、こういう試合がないと優勝できない。今日は久々にガッツポーズが出てしまった。いつもは冷静に見ているつもりなんだけど」

 鹿島アントラーズの前身である住友金属工業蹴球団時代から在籍し、1995シーズンから強化部長職を務める生き字引、鈴木満常務取締役を思わず興奮させたシーンは後半47分に訪れた。

 MF永木亮太が蹴った右コーナーキック。マーカーのDF金正也を引き離すように、ファーサイドからニアサイドへ飛び込んできたDF植田直通が完璧なタイミングで宙を舞った。

 頭に弾かれた強烈なボールがガンバ大阪の守護神、東口順昭の牙城を崩す。1‐1の均衡を破る、劇的な決勝ゴール。歓喜の輪の中心でヒーローの植田が雄叫びをあげ、大歓声でスタジアムが揺れた。

 思い起こされるのは、ホームにジュビロ磐田を迎えた2008年11月29日。MF増田誓志(現清水エスパルス)の直接フリーキックに、DF岩政大樹(現東京ユナイテッドFC)がヘディングを見舞う。後半49分に決まった劇的な決勝弾で首位をキープしたアントラーズは、続くコンサドーレ札幌との最終節も制して連覇を達成した。岩政も植田も、殊勲のゴールがともにシーズン2得点目だった。

「あれだけ攻めていてもなかなかシュートが決まらないなかで、あのまま引き分けに終わるのと勝ち切るのでは全然違う。ウチの選手たちは、決勝戦みたいな舞台になると集中力を増して乗ってくる。その意味でも、そういう雰囲気をサポーターが作ってくれたのもよかったよね」

 鈴木常務取締役が再び目を細めた。2位の柏レイソルに、勝ち点で8ポイント差をつけた。首位の座を確固たるものにするシーズン20勝目は、連覇への流れを加速させるとともに大きな意味をもっていた。

打ち破った勝ち点「60」の壁

 これで今シーズンの勝ち点を「61」に伸ばした。昨シーズンはJリーグチャンピオンシップを下剋上の形で制し、8度目の優勝を勝ち取ったものの、年間総合勝ち点は「59」にとどまっていた。

 最終的には天皇杯も獲得し、通算獲得タイトル数を他の追随を許さない「19」に伸ばした。しかし、常勝軍団の完全復活という周囲の評価を、鈴木常務取締役は苦笑いしながら否定している。

「シーズンの最後の1ヶ月はいいサッカーをして、タイトルも2つ取って、すごく伸びている部分はあるけど、この4年間の勝ち点を見ると59、60、59、59なんだよね。この壁を打ち破れない状態から、競争を激しくする補強をして、上手くいけば勝てるではなく、力で勝てるチームを目指さないと」

 MFレオ・シルバ(アルビレックス新潟)、FWペドロ・ジュニオール(ヴィッセル神戸)、GKクォン・スンテ(全北現代)らを完全移籍で、ブラジル代表歴をもつMFレアンドロ(パルメイラス)を期限付き移籍で獲得した補強は先行投資の意味合いもあった。

「来シーズンはJリーグの理念強化配分金も新設されるし、ここで優勝していわゆる勝ち組に入るのとそうでないのとでは、どんどん差がついていく。その意味でも、来シーズンは少し無理をしてでも勝負しなきゃいけない、というのがあるよね」

 均等配分金や優勝賞金もそれぞれ増額された今シーズンは、J1で優勝した場合は総額22億円が支給される。ビッグマネーを原資にして、2018シーズン以降へのさらなる投資が可能になる。

 もっとも、序盤戦では描かれていた青写真が崩れかねない状況に陥っていた。リーグ戦では7勝5敗と勝ち切れない状況が続き、AFCチャンピオンリーグ(ACL)でも決勝トーナメント1回戦で広州恒大(中国)に敗退。一夜明けた5月31日、フロントは石井正忠監督の解任に踏み切った。

ACL敗退で監督交代。V字回復をもたらした「3つの要求」

レアンドロ

 2015シーズンのナビスコカップ(現YBCルヴァンカップ)を含めて、指揮を執った2年間で3つのタイトルを獲得。FIFAクラブW杯でも準優勝した実績があるだけに意外に思われたが、昨シーズンのセカンドステージから流れはよくなかったと鈴木常務取締役は言う。

「石井がどうのこうのというよりも、年末にいい成績が出たことで何となくぼんやりしたところがあったけど、やはりセカンドステージを負け越して終わった流れというものが僕のなかにあったので」

 昨シーズンはファーストステージを制しながら、セカンドステージは6勝2分け9敗で11位に甘んじている。チャンピオンシップこそ制したものの、安定した力が求められる年間総合勝ち点では浦和レッズの「74」、川崎フロンターレの「72」に遠く及ばなかった。

 1ステージ制に回帰する今シーズン。序盤戦の軌跡にフロントは昨シーズンの後半をダブらせ、危機感を募らせた。そして、ACL敗退というタイミングで指揮官交代を決断。ヘッドコーチから昇格させた大岩剛新監督へ、3つの要求をしたと鈴木常務取締役は明かす。

「選手を見る角度や評価の視点をちょっと変えることによって、選手起用もちょっと変わってくるのかなと。あとは選手に対してちゃんとジャッジすること。最後はフィジカルトレーニングのやり方を変えること。簡単に言えば、素走りみたいなメニューがちょっと増えたのかな」

 大岩体制になってからは、それまでリザーブになることが多かった中村充孝、レアンドロの両MFが先発メンバーに名前を連ねるようになった。ガンバ戦では前半アディショナルタイムに中村がPKを獲得。FW金崎夢生のPKは東口に防がれたが、こぼれ球をレアンドロが押し込んで同点とした。

 レアンドロは得点を二桁に乗せたが、そのうち9点は大岩体制になってからマークしている。若手では21歳のMF三竿健斗が急成長し、高卒ルーキーのFW安部裕葵(瀬戸内高)の非凡な攻撃的センスも対戦相手の脅威になりつつある。

ただの1勝でないガンバ戦。隙の見当たらない強さの源泉

大岩剛

 3‐0で快勝した7月29日のヴァンフォーレ甲府戦後のロッカールームで、大岩監督は選手たちの前でDF昌子源を叱責している。あわや失点のピンチを招いた安易なボールロストを咎めたもので、フロントが求めた「ジャッジ」がこれに当たる。鈴木常務取締役が言う。

「いいプレーと悪いプレー、チームのためになるプレーとなっていないプレーをジャッジして、ストレートに選手へ伝えることで全員が納得できる。なので、チーム内でも試合が終わった後の口論みたいなものがなくなってきているよね。

 フィジカルトレーニングにしても、石井のときはロープみたいなものを使ったファンクショナルトレーニングが多かったけど、単純に飛んだり走ったりというメニューも入れて、頭をリフレッシュさせる内容にしたのもよかったのかなと」

 大岩体制では13勝1分け1敗と鮮やかなV字回復を果たし、3連覇が途切れた2010シーズン以降における最多勝ち点を更新した。残り7試合。クラブ記録となる「72」だけでなく、J1記録となる「74」を更新する可能性も出てきたが、45歳の青年監督は無欲を強調する。

「星勘定や数字は皆さんにお任せします。シーズン中なので、ガラリと変えようとは思わなかった。ただ、選手の特徴をもう一回洗い直して、特に攻撃のバリエーションは増やしたいと考えてはいました。あとはいつも言っていますけど、次の試合に勝つだけなので、それを積み重ねていくだけです」

 前体制では無得点での黒星が4つを数えたが、大岩監督のもとでは15試合すべてでゴールをマークしている。1試合の平均得点も「1.17」から「2.13」へ飛躍的に伸び、攻撃は最大の防御とばかりに、平均失点も「1.17」から「0.8」へと減っている。

「何となく(優勝の)雰囲気が出てきたかな、というのが今日の一番の収穫かな」

 鈴木常務取締役も深まりつつある手応えを感じている。本来もっていた横綱級の力を攻守両面で存分に発揮したうえで、ガンバ戦では9年前の優勝をほうふつとさせる、伝統の勝負強さまで体現した。盤石の強さをこれでもかと身にまとういま現在のアントラーズには、つけ入る隙が見当たらない。

(取材・文:藤江直人)

【了】



鹿島を復活させた「3つの要求」。王者に隙なし、J1記録での連覇も視野に

2017年9月25日月曜日

◆大迫唯一のチャンス生かせず途中交代…最下位ケルンは連敗5で止め今季初の勝ち点1(ゲキサカ)




[9.24 ブンデスリーガ第6節 ハノーファー0-0ケルン]

 ブンデスリーガは24日、第6節3日目を行い、FW大迫勇也の所属するケルンは敵地でハノーファーと対戦し、0-0で引き分けた。5試合連続で先発した大迫は2トップの一角でプレーしたが、限られたチャンスを生かせず、後半31分に交代した。

 ケルンは前半守勢の時間が続き、3-5-2のトップで先発した大迫にはいい形でボールが入らない。最前線から積極的にプレスをかけ、孤立すると中盤に下がってパスをさばいた大迫はボールに触る機会も限られた。劣勢の中、前半27分には高い位置でボールを奪ったFWジョン・コルドバがPA内を縦に仕掛けてフィニッシュまで持ち込んだが、先制点とはならなかった。

 ハノーファーは前半31分に最大のチャンス。右後方からのFKをファーサイドのセネガル代表DFサリフ・サネが高い打点からヘッドで叩いたが、決定的なシュートはGKティモ・ホルンが右手一本でビッグセーブ。ケルンは猛攻に耐え、スコアレスで前半を折り返した。

 後半は一転、ケルンが攻撃のリズムをつかみ、後半18分には大迫に決定機が訪れる。素早い動き出しからPA内に走り込んだ大迫はMFレオナルド・ビッテンコートの左クロスを呼び込み、左足シュートを狙ったが、至近距離で足を伸ばしたGKフィリップ・チャウナーのビッグセーブに阻まれた。

 この試合で訪れた唯一のチャンスを生かせなかった大迫は後半31分にベンチに下がり、コンビを組むコルドバも後半39分に交代。最後までゴールは生まれず、試合は0-0で勝ち点1ずつを分け合った。1得点、13失点で最下位に低迷するケルン。苦しい船出となったが、開幕からの連敗を5で止め、今季初の勝ち点を獲得した。


大迫唯一のチャンス生かせず途中交代…最下位ケルンは連敗5で止め今季初の勝ち点1

◆元鹿島のレオナルド氏、トルコで監督業復帰か。エトーなど豪華メンバー指揮へ(フットボールチャンネル)


レオナルド

 現役時代に日本の鹿島アントラーズでもプレーした元ブラジル代表のレオナルド氏は、トルコ1部のアンタルヤスポルの監督就任に近づいているようだ。トルコメディア『Milliyet』などが22日に伝えた。

 レオナルド氏は1994年から96年まで鹿島でプレーし、ブラジル代表として2度のワールドカップにも出場。パリ・サンジェルマン(PSG)やミランなどでのプレーを経て2003年に現役を引退した。

 現在48歳の同氏はアンタルヤスポルの監督就任が濃厚となっており、まもなく発表が行われる見通しだという。アンタルヤスポルは近年の積極補強で注目を集めているクラブだが、今季リーグ序盤戦では成績が振るわず、ルザ・チャルンバイ前監督が先日解任された。

 2015年から在籍する元カメルーン代表FWのサミュエル・エトーがキャプテンを務めるほか、フランスのMFサミル・ナスリやFWジェレミー・メネズ、元サガン鳥栖のFWムスタファ・エル・カビルなどがアンタルヤスポルには在籍。今年夏には本田圭佑の移籍先候補に挙げられたこともあった。

 レオナルド氏の監督経験は2009/10シーズンにミラン、10/11シーズンにインテルを率いたのみ。その後はPSGでフットボールディレクターも務めていた。監督業に復帰すれば約6年ぶりとなる。

【了】

元鹿島のレオナルド氏、トルコで監督業復帰か。エトーなど豪華メンバー指揮へ

◆元日本代表GK曽ヶ端、まさかの“よそ見”で失点 シュートに反応遅れるミス(FOOTBALL ZONE)




前半7分、G大阪の韓国人FWファン・ウィジョのシュートで虚を突かれる

 鹿島アントラーズの元日本代表GK曽ヶ端準が、ベテランらしからぬプレーを見せた。23日のJ1第27節本拠地ガンバ大阪戦、鹿島は前半7分に先制点を献上したが、その一因となったのが38歳GK曽ヶ端の対応だった。
 
 今季序盤戦はベンチスタートも多かった曽ヶ端だが、第15節以降は連続スタメン出場を続け、この日も先発。開始早々の前半7分に問題の場面は起きた。
 
 G大阪の日本代表GK東口順昭がキックしたボールはハーフウェーラインを越えて鹿島陣地内に飛ぶと、G大阪の韓国人FWファン・ウィジョが鹿島DF昌子源に厳しくマークされながらも上手くブロックし、鹿島のペナルティーエリア右でボールを保持。すると、そのまま間を置かずに素早く反転したファン・ウィジョが右足を振り抜いてシュートを放つ。
 
 ゴールからやや距離がある位置で打たれたシュートは、コースもある程度限定されており、GKも十分に反応できる類のものだった。ところがシュートの瞬間、GK曽ヶ端はゴール手前の陣形に目をやり、味方に指示。予想外のタイミングでシュートを打たれ、虚を突かれる形となった曽ヶ端は反応が一瞬遅れ、対応が後手に。ニアサイドへのシュートを防ぎきれず、結果的にいわば“よそ見”から痛恨の失点を喫している。
 
 4月16日の第7節ベガルタ仙台戦でJ1通算500試合を達成した名手らしからぬ不用意なプレーだったが、その後は安定したパフォーマンスで2-1勝利に貢献した。
 
【了】
 
フットボールゾーンウェブ編集部●文 text by Football ZONE web
 
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images

元日本代表GK曽ヶ端、まさかの“よそ見”で失点 シュートに反応遅れるミス

◆”良くも悪くも”変わらない鹿島。正念場はフロントの”2トップ”が勇退した時か【石井正忠×岩政大樹#6】(サッカーダイジェスト)


「次の鹿島」が見えるタイミングは?


 鹿島OB対談の最終回は、クラブの未来についての話だ。現場とフロントが一体になり、ファミリーとして築き上げてきた鹿島の伝統は今後も続くのか。数々のタイトル獲得に貢献したふたりの見解は?

岩政大樹 話を聞けば聞くほど、石井さんが鹿島を離れるのは複雑な想いがあるでしょうね。逆に他のクラブを知ってみたい気持ちもありますか?
石井正忠 S級の指導者ライセンスを取る時にオランダのヘーレンフェーンで研修をして、ヨーロッパのように短い時間で効率よくスパッと練習するのが日本人に合っていると思いました。
岩政 石井さんは4-4-2に結構こだわっていたように感じたのですが、それは鹿島だからですか? 他のチームに行ったら変わります?
石井 他のクラブに行けば、所属選手のキャラクターに合わせて別のシステムを採用するかもしれません。鹿島は選手を獲得する時に4-4-2にハマった選手を獲るから、鹿島で指揮を執る限りは、システムはいじらないほうがいいとも思っていました。
岩政 そうですね。これまで獲得する選手のタイプも一貫していましたが、強化責任者の(鈴木)満さんが勇退したら、鹿島はどうなるんでしょうね。
石井 吉岡宗重さんが引き継ぐと思いますが、そこでどうなるかはターニングポイントのひとつですね。あとは、事業部の鈴木秀樹さんの後継者も。満さんと秀樹さんは、クラブの強烈な2トップですから。
岩政 ふたりが抜けた時が、一番の鹿島の修羅場かもしれません。そこをどう乗り切るか。
石井 もしかしたら、そのタイミングで次の鹿島が見えるかもしれませんよ。逆に今は創設当時から、あまり変わっていませんから。
岩政 そうですね。これまでは、それによって一貫性が保たれていましたよね。
石井 そう。だから、私もその辺まで頑張りたいなと思っていたんですけど、ダメでした(笑)。岩政さんもそのあたりを狙って鹿島に戻ってみては?
岩政 どうでしょうね。私も自分と鹿島にまた接点が生まれるのかどうか、興味を持っています。ただ、鹿島から声がかからなければ生きていけないような道は歩みたくない。違う道もある状態で、どうするか決めたいというのが今の希望です。

鹿島の弱点は…引かれた相手に対して苦戦する時もある。


石井 さすがですね。
岩政 不安なだけですよ。ただ、次の鹿島がどうなるかは、ちょっと楽しみですね。でも、鹿島の弱みってなんでしょう? サッカー的な面でいうと、ブラジル人はカウンターを受けるような戦い方を嫌がりますよね。それによってなかなか相手の懐に入っていけない時もあります。
石井 引かれたチームにはダメな時がありますね。それもどうにかしたかったんですが……。
岩政 良くも悪くも今までの伝統があるから、なかなか変えるのは難しい面もありますね。
石井 ただ、アグレッシブな守備は面白いんですよ。私はインターセプトが大好きだったので、それをみんなに伝えたい気持ちもあるんです。
岩政 守備の楽しさを知って育つサッカー少年は減ったかもしれません。
石井 だから、日本の守備は組織で人を揃えてスペースを埋めてという方向に進んでいるんでしょう。もちろん、それも大事ですが、小さい頃は自分から足を出してトライしていかないと、大人になった時に奪えないと思います。
岩政 守備の楽しさは、ひとに言われても分からないですからね。やりながら楽しさが分かるといいんですが。
石井 まず自分で奪う楽しさを覚えて、グループで取りに行く楽しさに進むのがベスト。そこからチーム全体でハメて奪うのも気持ち良い。そんな守備の醍醐味も伝えていきたいですね。



   鹿島の監督を退任されてから数か月。私はずっと石井さんにお話を伺うタイミングを計っていました。「鹿島の監督をされた経験を絶対にお伺いしたい。しかし、失礼があってはならない」。こんなに早く実現するとは思いませんでした。
読んでいただいた通り、色々なことについて、赤裸々にお話しいただきました。私の中では探り探りでスタートした対談でしたが、石井さんがしっかりと私の目を見て、はっきりとお話ししてくださるので、その境界線はどんどんなくなっていきました。
「いい人」。その印象は変わりません。なんでしょうか。石井さんの持つ独特のあの包容力は。すべての人も、すべての経験も、すべてを呑み込んで受け止めてしまえる石井さんの強さに感服しました。



反省点を惜しげもなく話した石井氏の"次"に期待。



   初めての監督経験は、石井さんにとって苦しい日々だったと思いますが、即答で「楽しかった」と話してくれました。石井さんが大事にされてきた、鹿嶋という町やサポーターの皆さんと分かち合った勝利の味は、日々の苦しさを遥かに上回るものだったのでしょう。

   同時に、反省点を惜しげもなく話してくださる姿に”次”への期待をもちました。反省点を真正面から捉えているその目は、未来を見据えているようでした。

   私は将来をまるで決めていません。プロの監督という道もひとつの選択肢だと思っていますが、正直に言って、監督一本に踏み切ることは到底できていません。様々な監督と接してきて、その楽しさは容易に想像つくのですが、同時に、孤独で残酷な一面をもっている仕事だと感じるからです。

   さて、今はまだ慌ててそれを決める必要もないでしょう。いずれにしても私はたくさんの方に会い、たくさんのことを学ばなければいけません。その先に私が人生を賭けて挑む道が勝手に開けて見えてくると思っています。それがどんな道なのか、私自身も楽しみにしています。

<<了>>

【プロフィール】
石井正忠(いしい・まさただ)/1967年2月1日、千葉県出身。91年に住友金属(現・鹿島)に移籍加入し、97年まで在籍。98年に福岡に移籍し、そのまま現役を引退した。99年からは指導者として鹿島に復帰。以降はコーチ、監督とステップアップし、17年5月末に解任という形でクラブを去った。鹿島在籍期間は、現役時代を含めてのべ26年。まさに常勝軍団を知り尽くした男だ。

岩政大樹(いわまさ・だいき)/1982年1月30日、山口県出身。J1通算290試合・35得点。J2通算82試合・10得点。日本代表8試合・0得点/鹿島で不動のCBとして活躍し、2007年からJ1リーグ3連覇を達成。日本代表にも選出され、2010年の南アフリカW杯メンバーに選出された。2014年にはタイのBECテロ・サーサナに新天地を求め、翌2015年にはJ2岡山入り。岡山では2016年のプレーオフ決勝に導いた。今季から在籍する東京ユナイテッドFCでは、選手兼コーチを務める。

”良くも悪くも”変わらない鹿島。正念場はフロントの”2トップ”が勇退した時か【石井正忠×岩政大樹#6】

◆継承される鹿島の伝統芸!CB植田直通が決めた「劇的決勝点」の舞台裏(サッカーダイジェスト)


日々意識を持ち続け、練習を重ねてきたことが、ひとつ結実した。


[J1リーグ27節]鹿島 2-1 G大阪/9月23日/カシマ

 何度も見たはずの光景が、久しぶりに目の前に広がった。
 
 1点を追う後半アディショナルタイムの右CK。土居聖真から両手のジェスチャーで声量アップを求められた真っ赤なスタンドは勝ち越し機を迎え、さらに大きく揺れた。それを前方にとらえながら植田直通は「俺のところに来い。絶対決める」という決意を胸に、ゴール前に向かった。願い通り永木亮太からボールが届き、相手DFの上を行くヘディングでゴール右に決めた。5連勝に導く、決勝点だった。
 
「かなりアドレナリンが出ましたね。なにより優勝したいとの想いが通じた。少し前に聖真さんがスタンドをあおって、かなりの応援が聞こえていた。盛り上げてくれて、テンションが上がった。決めてやる、そういう気持ちだった」
 
 今季は「ゴール数」にこだわり、1試合・1本のシュートをノルマに課していた。プロ入り後、まずは守備を磨くことに重点を置いた植田が初めて本格的に攻撃に目を向けた。
 
 きっかけは、鹿島の歴代センターバックたちだ。このクラブにはチームが苦しい展開、劣勢の時でもセットプレーになると、秋田豊、岩政大樹と得点力のあるセンターバックがゴールネットを揺らし、タイトルを積み重ねてきた歴史がある。そういう存在になることを目指して意識を変えたのだという。
 
 練習でセットプレーのキッカーと話すことが増えた。「昨年までは狙うのは大体という感じだったけど、今年からは狙いを持って練習からやれている。練習でも決める回数が増えてきていた」。今季2得点目。日々意識を持ち続け、練習を重ねてきたことが、ひとつ結実した。
 
 鹿島がタイトルを積み重ねられる理由はたくさんある。そのなかで植田を通して浮かんでくるのは、目指すべき手本が近くにいることが挙げられる。選手としてストイックな姿勢やトレーニング方法を学ぶことは他クラブでも聞かれるが、このクラブにはタイトルを獲ってきた選手がおり、勝つために必要なことを迷わず学べる。

2位・川崎との勝点差を8に広げたが、「油断していたら足をすくわれる」と気を引き締める。


 タイトル獲得に貢献し、海外に飛び立っていった内田篤人、大迫勇也、柴崎岳も同じことを口にしていた。「なぜこのクラブだけが勝てるのか。それを知りたい」と門を叩き、「良いプレーと勝つプレーは違うことが分かった。勝つための判断、プレーがある」と言って海を渡った。植田もまた、しかりである。
 
 5連勝で2位・川崎との勝点差を8に広げた。残り試合数(7試合)を、勝点差が上回り、独走状態となった。「この状況に満足している選手はひとりもいない。油断していたら足をすくわれる。全部勝ちたい」と植田は気を引き締めた。
 
 2001年チャンピオンシップ磐田戦の第1戦で退場者を出し、2点を追う展開でセットプレーからゴールをこじ開けた秋田豊。2008年の33節・磐田戦、後半アディショナルタイムのラスト1プレーで増田誓志の左CKから決めた岩政大樹。リーグ連覇の呼び水となった先人ふたりのように、植田の得点も3度目の連覇をたぐり寄せるゴールとなるだろうか。


継承される鹿島の伝統芸!CB植田直通が決めた「劇的決勝点」の舞台裏

◆【コラム】日本代表初招集から2年9カ月…植田直通、10月の2連戦で初キャップへ(サッカーキング)




2017.09.23 19:00
県立カシマサッカースタジアム
鹿島アントラーズ 2 終了 1 ガンバ大阪

 8月19日の明治安田生命J1リーグ第23節・清水エスパルス戦から連勝街道をひた走り、J1首位独走態勢に入りつつある鹿島アントラーズ。しかし9月23日の第27節・ガンバ大阪戦は開始早々の7分、GK東口順昭のロングパスに反応した韓国人FWファン・ウィジョの豪快ミドル弾を決められ、瞬く間に窮地に陥った。

 それでも、前半終了間際に金崎夢生のPKの流れからレアンドロが同点ゴールをゲット。一気に流れを引き戻す。後半も一方的に押し込んだが、どうしても追加点が奪えず、引き分けが現実味を帯びてきた。

 そんな後半ロスタイム、永木亮太の右CKから待望の決勝点が生まれる。ゴール前で鋭く反応したのは、背番号5を着ける植田直通。マークについていた金正也を頭1つ超える打点の高いヘッドでネットを揺らし、常勝軍団のリーグ5連勝の原動力となったのだ。



「今日の試合も勝つしかなかった。最後の最後に絶対チャンスが来ると思ってましたし、こういう試合はセットプレーが勝敗を大きく左右するという意識があった。自分がそこで決めてやろうと考えていたから、最後にボールが来たのかな」と植田は試合後のミックスゾーンで興奮冷めやらぬ様子を見せていた。日本代表のヴァイッド・ハリルホジッチ監督が視察が訪れる中での劇的弾は非常にインパクトが大きかった。

 2018 FIFAワールドカップ ロシア出場が決まり、センターバックの底上げは日本にとって至上命題だ。本大会への第一歩となった9月5日のサウジアラビア代表戦(ジェッダ)は昌子源(鹿島)を軸に植田か三浦弦太(G大阪)を組ませる若いセンターバックコンビで行くのではないか見方もあったが、指揮官は吉田麻也(サウサンプトン)の起用にこだわった。アジア最終予選全試合フル出場の守備の大黒柱への絶対的信頼を示す起用ではあったが、植田はそれをじっとベンチから見つめるしかなかった。ハビエル・アギーレ監督時代の2015年アジアカップ(オーストラリア)でA代表初招集されてから2年9カ月。そろそろ脇役の立場から脱しなければならないはずだ。

「自分はいつも代表に行っても試合に出れない。すごい悔しさを感じる中で、もっと成長しなければいけないと分かってます。来年のロシアまで残り少ないとは思いますけど、日々の練習からやっていけば、Jリーグでもかなり上達すると思う。自分はまず1対1で負けないことが一番だと思うし、空中戦もそう。自分が得意だと考えていることをもう一段階、二段階上げていかないと世界では戦えない。自分はもっともっとスキルアップしていかないといけないと思います」と本人も10月の2連戦(6日・ニュージーランド代表戦/豊田 10日・ハイチ代表戦/横浜)での代表デビュー、そしてロシアへの強い意欲をにじませた。



 常勝軍団で一緒にプレーしている昌子が代表最終ラインの一角に食い込んだのも、植田のいい刺激になっている。昌子もアルベルト・ザッケローニ監督時代の2014年4月の国内組合宿(千葉)で初めてA代表候補入り。アギーレ体制移行後の同年10月のジャマイカ代表(新潟)、ブラジル代表(シンガポール)の2連戦で初めてリストに名を連ねたが、初キャップを飾るのは翌2015年3月のウズベキスタン代表戦(東京)までずれ込んだ。その後も定着は叶わず、今年6月のイラク代表戦(テヘラン)でレギュラー格に参入するまで約3年もの時間を要した。そういう苦しい経験が糧になると2つ年上の先輩は言う。

「センターバックっていうのはチャンスが来るまでホントに時間がかかる。出れない時にメンタルが鍛えられるのが代表なのかなと。センターバックは89分いいプレーをしてても、1つの失点で評価が一気に下がる。辛いポジションでもあるから、やっぱりメンタルが強くなきゃいけない。ナオはリオ五輪でチームを離れて、帰ってきたらポジションがなかったりとか、俺より全然苦しい経験をしているけど、そういう時の振舞い方なんかはホントにすごい。ナオみたいな人間が今回みたいにチームを救う仕事をするんだと思います」

 太鼓判を押す昌子に呼応するように、植田も内に秘めた熱い思いを口にした。

「いつも隣でやってる選手が日の丸を背負って戦っているんで、『自分も』って気持ちになりますし、『負けてられないな』『いつか追い越してやる』って思いになってます。鹿島も1位だからと言って油断はしてないし、油断すれば足元をすくわれる。これからも厳しさを持った練習をして、どんどん優勝へ進んでいきたいです」と。

 大津高校1年の時にサプライズ選出されたU-16日本代表でセンターバックとしての基本を叩き込んだ菊原志郎コーチ(現横浜F・マリノスジュニアユース監督)も「植田は目が澄んでいて、本当に純粋な少年だった。言われたことを必死に吸収しようという姿勢も強く示していたんで、『もしかしたら、ひょっとするかも』という期待が湧いてきました」と話したことがある。そういう期待を抱かせるものを植田は持っている。打点の高いヘディングでゴールを奪える武器もその一つ。センターバックとしての守備はもちろんのこと、得点力という付加価値も前面に押し出して、次こそハリルホジッチ監督の度肝を抜く働きを見せてほしいものだ。

文=元川悦子


【コラム】日本代表初招集から2年9カ月…植田直通、10月の2連戦で初キャップへ

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