日刊鹿島アントラーズニュース

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2017年8月14日月曜日

◆“本能のまま生きる”鹿島内定・阪南大MF山口一真「自分が成長できるチームかどうか」(ゲキサカ)




 阪南大のMF山口一真(4年=山梨学院高)の鹿島アントラーズ来季加入内定が13日に発表された。今夏には約1週間、デュッセルドルフ(ドイツ)の練習参加も経験したMF。複数クラブから注目されるなか、鹿島を選んだ。

 昨年から全日本大学選抜の主力として活躍。ユニバーシアード日本代表入りはならなかったが、阪南大ではチームの一番の武器である攻撃力を支え、今季の関西学生1部リーグでは前期を終えて、得点ランキングで計7得点で2位。アシストランキングでは11アシストでトップを走っている。

 結果を示すMFは、J1複数クラブから注目を集めたが「自分が成長できるチームがどうかというのを基準に選びたい。そういうところで判断したい」と考えた末に、鹿島への入団を決めた。鹿島にとって、大卒選手の獲得は2014年に筑波大から加入したFW赤崎秀平(現・G大阪)以来、4年ぶりとなる。

 鹿島からのリリースでは“MF”と表記された山口。前めのポジションではどこでもこなすことができ、今季の阪南大では“FW”としてプレーしている。J入りを見据えては、「一番はトップ下というのが自分の持ち味が出しやすいと思いますが、Jリーグではそのポジションにはいい選手や外国人選手が多いので、サイドで使われるようになっても、そこで自分の良さを出していきたいです。どこでも駒になる必要があるし、そういうプレーが求められていると思う」と言い、「サイドハーフやトップ下とか2トップの下がり気味とかで、とにかくチームの役に立ちたい」と誓った。

 今季の関西学生リーグでは得点とアシストで目に見える結果を出し、チームの前期2位折り返しに大きく貢献した。しかし本人は「満足していないです」と険しい表情。「自分の理想の結果は出せていなくて、こんなものしか出せないのかとはいつも思っています。得点数もアシスト数もまだまだ稼げたなと、これじゃだめだと。まだまだ自分は下手くそな部分がたくさんあるので、そこを伸ばしたい」と貪欲に口にする。

 そんな悔しさを持って前期リーグを終えると、今年7月末にはドイツのデュッセルドルフへ約1週間に渡って練習参加した。今年3月に行われた全日本大学選抜・ドイツ遠征でのデュッセルドルフとの強化試合を観戦していたクラブ会長が山口のプレーを見初めたことで実現したのだという。

 ドイツでのプレーは「やれるところもやれないところも、予想通りというか想像通りでした。日本とサッカーのスタイルも違って、得るものが大きかったです」と振り返る。

「パススピードに驚きがありました。日本では味方に気を遣って、わざとゆっくりしたパスを出したり、パスの質にこだわって、浮かないボールを出したりしますけど。海外の選手はとにかくスピードにこだわるので質とかは関係ない。それでトラップできなかったら、そいつのせいという。そういうところを一番感じましたね」

「足りない部分はめちゃくちゃありましたけど、通用する部分もあった。たとえば通用したのはボールを持ったときに、敵を二枚、三枚はがす部分とか。あとキックの精度やミドルシュートのパンチ力も通用した。ただフィジカルや球際の強さやスピード感は全然通用しなくて、そういうところももっと伸ばしていければ、世界で戦えると思いました」

 欧州クラブの練習に参加し、一番感じたのは「海外でサッカーをしてみたい」というもの。「デュッセルドルフに練習参加するまでは、海外でプレーする自分は想像できなくて、海外にいきたいという夢はあったんですけど、確実なものではなかった。それでも今回を経験したことで、より海外でサッカーをしてみたいという気持ちになりました。この先に(日本で)活躍して、そういう話があれば、いつか必ずいきたいと思っています」。

 ドイツでの練習参加で刺激を受けつつ、まず日本でプロとしての一歩を踏み出すことになった。J入りを控えた大学ラストシーズンで残るは、夏の大学日本一決定戦である総理大臣杯と、リーグ戦、そして全日本大学選手権(インカレ)だ。まず目前を見つめた山口は「自分は阪南のタイトルのために戦いたい。全国に挑戦できる大会はあと2回あるので、その大会で活躍して、チームが優勝できれば、大学に来てよかったなと思えるので。そこを目指します」と力を込めた。

 感覚の人、本能のまま生きる人。“問題児”と見られることもあるが、山口一真は“結果で認めさせてやる”という真っ直ぐすぎる気持ちとともに、不器用に歩みを進めてきたように見える。大学4年間で酸いも甘いも経験し、様々な人の支えを受けつつ、もがき進んできたMFは次なる挑戦の場を鹿島に決めた。ここからどんな道を切り拓くか。

(取材・文 片岡涼)

“本能のまま生きる”鹿島内定・阪南大MF山口一真「自分が成長できるチームかどうか」


◆鹿島補強第1弾 阪南大・山口 大学新人は14年の赤崎以来(スポニチ)




 鹿島は来季補強の第1弾として阪南大の山口一真(4年)の加入内定を発表。16年度に全日本大学選抜に選出された有望株で、ポジションはFWとMF。クラブは「優れた個人能力で前線のポジションを幅広くこなす攻撃的プレーヤー。質の高いドリブルとパス、左右両足による正確なシュートで決定的な仕事を行う」と評価している。

 大卒新人は14年に筑波大から加入したFW赤崎(G大阪に期限付き移籍)以来となった。

鹿島補強第1弾 阪南大・山口 大学新人は14年の赤崎以来

◆鹿島 大岩体制10戦目で初黒星「選手は最後の最後まで戦ってくれた」(デイリー)




 「明治安田生命J1、川崎3-1鹿島」(13日、等々力陸上競技場)

 鹿島は大岩体制になった6月以降、10戦目にして初めて土がついた。劣勢に立った前半にオウンゴールで失点するなど、後半27分までに3失点。後半42分にFW鈴木のゴールで1点をかえすのがやっとだった。

 大岩監督は会見で「川崎さんの素晴らしいプレッシャーを受けてしまった。試合を通して相手の良さを出させてしまった。選手は1点をかえす気持ちを見せて最後の最後まで戦ってくれた」と総括した。

 試合途中から3バックに変更し、前掛かりな布陣で臨んだが、機能しなかった。「変化を与えようとしたが、ボールをうまく動かすことはできなかった。もっと精度を上げていかないといけない」と振り返った。

鹿島 大岩体制10戦目で初黒星「選手は最後の最後まで戦ってくれた」

◆鹿島・大岩監督、就任10戦目で初黒星喫し「相手の良さを出させてしまった」(サンスポ)


試合に敗れがっくり肩を落とす鹿島イレブン=等々力陸上競技場(撮影・蔵賢斗)

 明治安田J1第22節最終日(13日、川崎3-1鹿島、等々力)鹿島は大岩監督が就任後、10戦目にして初の黒星を喫した。この試合の前に最後に敗れたのも5月の川崎戦で、前回に続き3失点。監督は「前半から川崎のプレッシャーを受け、試合を通じて相手の良さを出させてしまった」と反省した。

 劣勢の流れを変えるために4バックから3バックに変更したが、この後に決壊した。昌子は「サイドのセンターバックがどこまで取りに出ていいか分からなかった」と不慣れな布陣への戸惑いを口にし、監督も「レベルの高い相手には(3バックは)うまくいかなかった」とこぼした。

鹿島・大岩監督、就任10戦目で初黒星喫し「相手の良さを出させてしまった」

◆鹿島 大岩監督就任後初黒星「やり慣れていないせいか、ボールをうまく動かすことがきなかった」(スポニチ)


明治安田生命J1第22節最終日   鹿島1―3川崎F ( 2017年8月13日    等々力 )


 首位の鹿島は敵地で川崎Fに1―3で完敗し、大岩監督就任後、公式戦初黒星を喫した。リーグ戦の無敗記録は9でストップ。クラブ最長記録に並んでいたアウェーの無敗記録も10で止まった。

 前半終盤、指揮官は4―4―2の布陣を3―4―2―1へと変更。「前線に人数を掛けたい」と、伝統ともいえるシステムを変えて戦況の好転を図ったが、その直後に失点した。後半も2失点。「やり慣れていないせいか、ボールをうまく動かすことがきなかった。一定の評価はしているが、後ろからのビルドアップなど、もっともっと精度を上げていきたい」と振り返った。

鹿島 大岩監督就任後初黒星「やり慣れていないせいか、ボールをうまく動かすことがきなかった」

◆鹿島、リーグ戦無敗記録9でストップ…大岩体制で公式戦初黒星(スポニチ)


明治安田生命J1リーグ・第22節   鹿島1―3川崎F ( 2017年8月13日    等々力 )


 鹿島は大岩監督就任後、公式戦初黒星を喫した。リーグ戦の無敗記録は9でストップ。クラブ最長記録に並んでいたアウェーでの無敗記録も10で止まった。守勢だった前半終盤、指揮官は「前線に人数をかけたい」と伝統ともいえる4―4―2の布陣を3―4―2―1に変更し、直後に失点。「やり慣れていないせいか、ボールをうまく動かすことができなかった」と攻守で連動性を欠いた。

 GK曽ケ端は「フォーメーションどうこうより、川崎Fの方が厳しく激しく、全体的に上回っていた」と反省。終盤に今季5点目を決めたFW鈴木は「次の試合で本当の真価が問われる」と切り替えた。

鹿島、リーグ戦無敗記録9でストップ…大岩体制で公式戦初黒星

◆鹿島DF昌子源、カウンター攻撃を狙うも「すごく悪かった」…失点のタイミングを悔いる(GOAL)




明治安田生命J1リーグ第22節、首位・鹿島アントラーズは1-3で川崎フロンターレに黒星を喫した。試合後、鹿島DF昌子源は、失点のタイミングが悪かったと悔いた。

明治安田生命J1リーグ第22節が13日に行われ、等々力陸上競技場では川崎フロンターレと鹿島アントラーズが対戦した。試合は3-1で川崎Fが勝利。鹿島DF昌子源は試合後、守備における課題を挙げた。

川崎Fが得意とするボール回しで鹿島を圧倒しているように見えた。しかし、昌子は「予想通りの展開」だと話す。そして「いつも川崎とやる時は、こんな感じ。やってる僕らはそんな悪くはなかった」と説明。得点には至らなかったが、「何本かカウンターのチャンスあったし、いい場面もあった」と続ける。ただし、前半アディショナルタイムと後半開始1分という失点のタイミングについては「すごく悪かった」と悔やんだ。

後半の途中、鹿島は4バックから3バックに変更する。「僕が左のセンター(バック)となった」と話す昌子だが、「普段、サイドバックがいるところまで出て良いのかなど、あいまいというか、戸惑いがあった。もっと(コミュニケーションを)密にやっていく必要がある」と課題を挙げた。

ホームで行われたJ1第12節も、川崎Fに0-3で敗れた。苦手意識があるのか問うと、昌子は「ないです。去年も大事なところで勝ってますし」と否定する。ただし「入りからの勢いは、すごく感じてました」と、川崎Fに勢いがあったと話す。それでも「鹿島が攻められてるという印象を持たれるとは思うが、ゼロで耐える時間を長くして、相手が焦れたところをカウンター」という狙いがあったと強調した。


鹿島DF昌子源、カウンター攻撃を狙うも「すごく悪かった」…失点のタイミングを悔いる

◆鹿島3カ月ぶり敗戦 慣れない3バック変更アダに(ニッカン)




<明治安田生命J1:川崎F3-1鹿島>◇第22節◇13日◇等々力

 鹿島アントラーズが1-3で川崎フロンターレに敗れ、大岩剛監督(45)就任後10戦目で、初黒星を喫した。

 08年に浦和を率いたエンゲルス監督が記録した10戦無敗のJ1最多記録に並ぶことは出来なかった。

 序盤から相手に試合を支配されると、前半終了間際に4バックから、ほとんど練習していない3バックに布陣変更した。指揮官が「川崎さんの素晴らしいプレッシャーに受けてしまった。前線の数を増やしたく、変化を加えた。やりなれないせいか、ボールを動かせない部分もあった」と振り返ったように、変更直後のロスタイムにDF西大伍(29)のオウンゴールで先制を許した。後半1分にも、相手パスでDFを崩されて失点。右MFからボランチに替わった遠藤康(29)も「ポゼッション率を上げるためのシステム。みんな前がかりになりすぎてしまって、後ろのスペースをやられてしまった」と反省。同27分にも今季最多タイの3失点目を喫した。

 同42分には途中出場のFW鈴木優磨(21)が、MF三竿健斗(21)の右クロスを頭で合わせて、1点は返した。だが、同20分にゴール前でスルーパスを受けたMF安部裕葵(18)がGKと1対1となって放ったシュートは、ゴールわずか左に。同30分の西のシュートもクロスバー。終了間際にはFW金崎夢生(28)も決定機を逃すなど、運もなかった。

 敵地での無敗記録もクラブ新記録に1つ及ばず、10で止まった。DF昌子源(24)は「負けはいずれくると思っていた。目標は負けなしでいくことですけれど、その分、相手はすごい勢いで来る。ここから勝たないと意味がない。まずは次のホームで勝つことが重要」。試合のなかった2位セレッソ大阪と勝ち点2差の首位は変わらず、約3カ月ぶりの敗戦に気を引き締め直した。

鹿島3カ月ぶり敗戦 慣れない3バック変更アダに

◆鹿島10戦ぶり黒星はまた川崎F戦 横浜12戦不敗 新潟10戦勝てず(スポニチ)




 明治安田生命J1リーグは13日、第22節最終日の8試合が行われ、首位の鹿島が4位の川崎Fに1―3で敗れ、コーチから昇格後9戦不敗(8勝1分け)だった大岩剛監督の就任後初黒星を喫した。

 鹿島の敗戦は5月19日の川崎F戦(カシマ)以来10試合ぶりで、奇しくも鹿島OBの鬼木監督率いる川崎Fに再び敗れ記録が途絶える結果となった。鹿島は46から勝ち点を伸ばせなかったものの首位はキープ。川崎Fは順位は4位で変わらなかったものの、鹿島との勝ち点差を「4」に詰めている。

 横浜は1―0で鳥栖に勝ち、12戦負けなしの3連勝。柏はクリスティアーノの2得点などで清水に4―1で大勝し、4戦負けなしとなった。磐田は中村の2アシストでG大阪に2―0で快勝し、G大阪を抜いて6位に浮上。G大阪は7位に順位を下げた。

 FC東京は1―0で神戸に勝ち、5戦負けなしの2連勝。敗れた神戸は3連敗となった。仙台は1―0で広島を下し、6月4日の甲府戦(ユアスタ)以来8試合ぶりの勝利。大宮は1―0で新潟に勝ち、6月25日の広島戦(Eスタ)以来6試合ぶり勝利。新潟は呂比須ワグナー監督初陣となった5月20日の札幌戦(デンカS)で今季2勝目を挙げてから10戦勝ちなしの3連敗となった。札幌と甲府は1―1で引き分けている。

鹿島10戦ぶり黒星はまた川崎F戦 横浜12戦不敗 新潟10戦勝てず

◆川崎F快勝!鹿島は大岩監督で初黒星/川-鹿22節(ニッカン)




<明治安田生命J1:川崎F3-1鹿島>◇第22節◇13日◇等々力

 川崎フロンターレがMF阿部浩之(28)の5試合ぶりゴール、MF家長昭博(31)の移籍初ゴールなどで首位の鹿島アントラーズを下し、優勝戦線に踏みとどまった。鹿島は大岩剛監督(45)就任後、10戦目で初黒星を喫した。

 川崎FはFW小林悠(29)が右太もも裏の張りで先発を回避し、MF家長が先発に名を連ねた。試合開始直後、鹿島の前線は積極的なプレスで川崎Fの守備陣に襲いかかり、高い位置でボールを奪うと開始19秒で鹿島FW金崎夢生(28)がシュートを放った。川崎Fは前半5分過ぎから徐々にボールを保持し敵陣へ押し込む。MF中村憲剛(36)、DFエウシーニョ(27)が積極的にシュートを放ったがネットは揺らせない。試合が動いたのは前半ロスタイム。右からのマイナスクロスをMF阿部浩之(28)がエリア内でスルー。待ちかまえたMF大島僚太(24)がシュートを打とうとしたところ、鹿島DF西大伍(29)のオウンゴールを誘発し先制した。

 後半も川崎Fがたたみかける。後半1分、右サイドのMF家長がエリア中央にいたDF登里享平(26)へ。登里が飛び込んできた阿部へ落とし、阿部がゴール左隅へ流し込んだ。阿部の5試合ぶりゴールで2-0とリードした。そこから鹿島の猛攻が始まる。FW金崎、途中出場のFW安部裕葵(18)が決定機を迎えるも惜しくも枠外だった。

 後半27分に川崎Fが勝利に向け大きく前進した。自陣でスローインのこぼれ球を拾ってからカウンターを仕掛け、MF家長が豪快なミドルシュートを決め移籍初ゴールで加点した。鹿島は後半42分、FW鈴木優磨(21)のヘディング弾で1点を返したが反撃もここまで。川崎Fが鹿島との勝ち点差を4に縮めた。

川崎F快勝!鹿島は大岩監督で初黒星/川-鹿22節

◆昨季の借り返す“ダブル”!!川崎Fが首位・鹿島の無敗街道止める3発快勝(ゲキサカ)




[8.13 J1第22節 川崎F3-1鹿島 等々力]

 J1リーグは13日、第22節を行い、4位川崎フロンターレはホームで鹿島アントラーズに3-1で快勝し、2連勝を飾った。鹿島は5月19日の川崎F戦(0-3)以来、10試合ぶりの敗戦で大岩体制初黒星。両チームの勝ち点差は「7」から「4」に縮まった。

 川崎Fは前節の新潟戦(2-0)から先発2人を変更。FW小林悠、MF長谷川竜也がベンチスタートとなり、MF家長昭博が4試合ぶり、MF登里享平が2試合ぶりに先発した。
 大岩剛監督就任後、9戦不敗(8勝1分)で首位を走る鹿島は前節の神戸戦(2-1)から先発1人を入れ替え、MF土井聖真に代わってMF遠藤康が2試合ぶりに先発した。[スタメン&布陣はコチラ]

 試合は立ち上がりから川崎Fがボールポゼッションを高め、ゲームを支配した。前半4分、敵陣でMF大島僚太がボールを奪い、縦パスをMF中村憲剛がワンタッチで流してFW阿部浩之がシュート。同20分には中村の右CKからこぼれ球がファーサイドに流れてきたところにDFエウシーニョが詰めたが、シュートは枠を捉えられなかった。

 鹿島にボールを持たせず、ハーフコートゲームのような展開となるが、最後のところで崩し切るには至らない。前半25分、MFエドゥアルド・ネットの縦パスをおさめた大島が左足で強烈なミドルシュートを打ったが、GK曽ヶ端準が前に弾きながらもキャッチ。膠着状態の中、試合は激しい肉弾戦となり、両チームの選手がたびたびヒートアップする場面も見られた。

 なかなかシュートまで持ち込めずにいた鹿島だが、前半40分、FW金崎夢生が自陣からドリブルで持ち上がり、カウンターを仕掛けると、右サイドに流し、FW中村充孝が右足でミドルシュート。GKチョン・ソンリョンが弾いたところに金崎が詰め、こぼれ球をMFレアンドロが拾ってシュートを打ったが、DFのブロックに阻まれた。

 川崎Fは前半42分、中村の鋭い右足ミドルも曽ヶ端のファインセーブに遭う。このまま0-0で前半終了かと思われたが、前半アディショナルタイム、ついにゴールをこじ開けた。PA右手前から家長が斜めのスルーパスを送り、阿部がスルー。ゴール前の大島がシュート体勢に入ると、全速力で戻ってきたDF西大伍がスライディングタックルでボールをカットしたが、これが自陣ゴールに吸い込まれ、川崎Fが1点をリードして前半を折り返した。

 後半開始50秒で川崎Fが追加点を奪う。エウシーニョが右サイドを個人技で突破し、グラウンダーのクロス。登里がワンタッチでマイナスに落とし、阿部が左足のダイレクトシュートをゴール左隅に流し込んだ。阿部は5試合ぶり今季通算9ゴール目。前半終了間際と後半立ち上がりのゴールで2-0とリードを広げ、試合を優位に運んだ。

 2点を追う展開となった鹿島は後半11分、中村に代えてFW鈴木優磨、同16分にはレアンドロに代えてMF安部裕葵を投入。システムも前半終了間際から3バックに変更し、最終ラインは右から三竿健、DF植田直通、DF昌子源と並んだ。中盤は遠藤とMFレオ・シルバのダブルボランチで、右ワイドが西、左ワイドがDF山本脩斗。金崎の1トップで背後に鈴木と安部が位置した。

 反撃に出る鹿島だが、後半20分、西のスルーパスに抜け出した安部の右足シュートはわずかにゴール左に外れる。川崎Fも後半19分にMFハイネル、同27分に小林を投入し、勝負を決める3点目を狙いに行くと、直後の後半27分だった。家長が小林とワンツーの形で右サイドを駆け上がり、ドリブルで中に切れ込んで左足を一閃。これが曽ヶ端の手を弾いてゴール左隅に吸い込まれた。

 今季、大宮から完全移籍で加入した家長は7月12日の天皇杯3回戦・群馬戦(4-0)で移籍後公式戦初ゴールを決めていたが、リーグ戦では待望の今季初ゴール。ピッチ上でもベンチ前でもチームメイトにもみくちゃにされた背番号41の追加点で3-0とダメを押し、鹿島の無敗街道をストップした。

 鹿島も後半42分に右サイドから三竿健のアーリークロスを鈴木がヘディングで叩き込み、1点を返すが、反撃もここまでだった。1-3の敗戦で今季の対川崎F戦は2戦2敗。昨季のチャンピオンシップ準決勝、天皇杯決勝でいずれも敗れていた川崎Fが“リベンジ”を果たす結果となった。

(取材・文 西山紘平)


昨季の借り返す“ダブル”!!川崎Fが首位・鹿島の無敗街道止める3発快勝

◆2017明治安田生命J1リーグ 第22節(オフィシャル)


明治安田J1 第22節

必死の反撃も及ばず。鹿島が川崎Fに3失点、10試合ぶりの黒星。

真夏の3連戦、第3ラウンド。再び、中3日で迎えたアウェイゲームで、鹿島が力強く前進した。J1第22節、川崎フロンターレと等々力陸上競技場で激突すると、前半アディショナルタイムと後半開始早々に失点し、ビハインドを負う苦しい展開に。72分にもゴールネットを揺らされ、鈴木が終盤に意地のゴールを決めたものの、1-3と敗れた。J1では10試合ぶり、大岩監督就任後は初となる黒星を喫した。

4日前、鹿島は苦しみ抜いたアウェイゲームで会心の逆転勝利を収めた。神戸に乗り込んだ一戦、前半は相手にボールポゼッションで圧倒され、ゴールを脅かされる時間が続く。耐え忍んで迎えた後半には、開始早々にセットプレーから痛恨の失点。注意していたCKからヘディングシュートを決められてしまった。それでも選手たちに動揺はなかった。「相手の動きは落ちてくるはず」と冷静に戦況を見極めていた昌子の言葉通り、失点後は攻勢をかけ続ける。そして61分、金崎が待望の同点ゴール。さらに86分には、レアンドロからのスルーパスを受けて相手GKをかわし、アントラーズレッドの背番号12が待つゴールへと右足を振り抜く。2-1。エースが魂の2得点を挙げ、鹿島が勝ち点3を掴み取った。



選手たちが口々に「勢いに乗ることができる」と語った逆転劇を経て、鹿島は再び中3日で迎えることとなるアウェイゲームへ照準を合わせた。三連休の初日だった金曜日には、クラブハウスに足を運んだ子どもたちに向けて即席のサイン会を実施。夏休みの思い出をともに作り、ふれあいのひと時を楽しむことができた。指揮官は「選手が自発的にやってくれたこと。子どもが数多く来ていたし、夢を与える立場にいることの重要さを感じていると思う」と語り、その意義を語っていた。



三連休の最終日、首位と4位の激突。高い注目度を示すように、等々力のチケットは完売と発表された。ビジタースタンドはほとんど全域がアントラーズレッドのために開放され、背番号12の情熱で続々と埋め尽くされていく。チャンピオンシップ準決勝のように、この夜も“旗の海”と化していた。ウォーミングアップへ向かう選手たちに、大きなチームコールが飛ぶ。等々力の空に、アントラーズファミリーの誇りと勝利への渇望が鳴り響く。最高の雰囲気を作り出した背番号12とともに、難敵との90分に臨む。





「いろいろなバリエーションを考えながら選手を決めたい」と語っていた大岩監督は、前節から先発メンバーを1名入れ替えた。2列目に遠藤が入り、2試合ぶりの復帰。その他の10選手は4日前と同じメンバーで、GKに曽ケ端、最終ラインは右から西、植田、昌子、山本が並ぶ。ボランチは三竿健斗とレオ シルバのコンビ、そして攻撃陣は遠藤とともにレアンドロと中村、金崎が形成する。ベンチに座るのは、GKの川俣とブエノ、伊東、土居、出場停止明けの小笠原、安部、鈴木というラインナップだ。



キックオフ直前には強い雨に見舞われたが、ビジタースタンドの情熱と熱量には何の影響も及ぼさない。大きなコールとともに、19時3分、キックオフのホイッスルが鳴り響いた。鹿島は開始早々、金崎がミドルシュートを放って得点への意欲を示してみせる。以降は川崎Fのボールキープを許す時間が続いたが、しっかりとブロックを組んで対応。前線の4人はタイミングを見極めて連動したプレスを仕掛け、敵陣でボールを奪う場面もあった。ペナルティーエリア手前へ縦パスを入れてから攻撃のスイッチを入れる川崎Fに深い位置まで突破されるプレーも増え始めたが、ゴール前をしっかりと閉める守備で応戦していった。

鹿島は15分、中盤でのボール奪取からカウンターを発動。金崎が中盤から縦へ突破し、レアンドロへスルーパスを通す。スピードに乗った背番号11の走路は開かれ、完全に最終ラインの背後を取っていた。しかし、後方からのボールはかかとに当たってしまい、こぼれ球は相手にカットされてしまった。





なかなか決定機を作れないまま、20分を経過した。次第に激しいボディコンタクトが増え始め、ファウルの笛が鳴った後に両チームの選手が詰め寄る場面もあった。スタジアムが騒然となる中、鹿島は23分に中村が右サイドの背後を取る。深い位置からグラウンダーのクロスを入れたものの、走り込んでいた金崎の前でクリアされた。30分過ぎからはショートカウンターの応酬となり、ゴール前でのプレーが増えていく。等々力のボルテージは時間を追うごとに高まっていった。









前半最大の決定機は40分。ショートカウンターから金崎が力強いドリブル突破を見せ、右前方を走っていた中村へラストパスを通す。背番号13のシュートは相手GKに弾かれ、こぼれ球に詰めた金崎とレアンドロのシュートも阻まれてしまった。

すると前半アディショナルタイム、最初の歓喜はホームチームのものだった。ペナルティーエリア内で斜めのパスを通され、スルーから後方へ流されると、カバーに戻った西のスライディングがオウンゴールとなってしまった。0-1。痛恨の失点で、ビハインドを負ってハーフタイムを迎えることとなった。

反撃を期して後半のピッチに向かう選手たちに、ビジタースタンドはゴールへの渇望を降り注ぎ続けた。しかし、開始早々の46分に落とし穴が待っていた。ペナルティーエリア左側で起点を作られ、最後は阿部にシュートを決められてしまう。0-2。注意しなければいけない時間帯にスコアを刻まれ、リードを広げられてしまった。



後半開始時から3バックにシステムを変更したが、流れに乗る前に2失点目を喫してしまった。就任後初めて2点ビハインドを負った大岩監督は、56分に鈴木を投入。途中出場で結果を残し続ける背番号9に反撃への期待を託す。さらに61分には安部を送り出し、攻撃陣を活性化した。







ファーストプレーから果敢な突破を繰り返した安部は65分、右サイドでのパス交換からペナルティーエリア右側へ抜け出す。西からのスルーパスを受け、角度のないところから右足を一閃。強烈なシュートを放ったが、わずかに枠の左へと逸れてしまった。それでも、次第に敵陣でのプレー時間が増え始め、反撃開始の予感が漂い始めた。





しかし、72分。またも川崎Fにスコアを刻まれてしまった。敵陣左サイドでのボールロストからカウンターを受け、ペナルティーエリア左側まで入られると、最後は家長に左足種0とを決められた。0-3と、アウェイで3点のビハインドを負ってしまった。



攻めるしかない鹿島は75分、ペナルティーエリア内への浮き球から金崎が頭で落とし、西が飛び込む。ボレーは枠を捉えたものの、無情にもクロスバーに阻まれてしまった。大岩監督は77分、最後の交代カードに伊東を指名。西をボランチへ配し、右サイドを広く使った攻撃に活路を求めた。直後の78分にはレオのフィードから伊東が頭で折り返し、安部がペナルティーエリア中央からボレーシュート。しかし、振り抜いた右足から放たれた一撃が枠を捉えることはできなかった。



必死の反撃を仕掛ける鹿島は81分にも伊東の折り返しからゴール前で混戦となったが、最後の一線を割ることができずにゴールネットを揺らせない。85分に金崎が放ったミドルシュートは枠の左へ。川崎Fのカウンターからピンチを迎える場面も増えたが、曽ケ端が意地のセーブで応戦した。





鹿島の反撃は86分、右サイドでボールを持った健斗のクロスに鈴木が飛び込み、ダイビングヘッドを突き刺す。1-3。残り時間はわずかだが、ビジタースタンドも選手たちも、最後まで反撃への意欲を失うことはなかった。89分に鈴木がヘディング。90分には金崎が反転から左足シュート。しかし、枠を捉えたシュートは相手GKの好守に阻まれてしまった。













10試合ぶりの敗戦を告げるホイッスル。大岩監督就任後、初めて味わう屈辱の時間。1-3で敗れ、勝ち点を積み重ねることはできなかった。次戦は8月19日、第23節の清水戦だ。胸に去来する悔しさと向き合った選手たちは、3試合ぶりに帰還するホームゲームで再起を期す。再び勝利を重ねるために、チーム一丸で準備を進めていく。









【この試合のトピックス】
・大岩監督就任後、公式戦12試合目で初黒星を喫した。J1での敗戦は10試合ぶりで、今季のアウェイゲームでも初黒星。
・鈴木が2試合ぶりの得点を挙げ、今季のJ1での得点数を5に伸ばした。


監督コメント

[ハーフタイム]
鹿島アントラーズ:大岩 剛
・もう一度頭をクリアにして、後半に向かっていこう。
・守備の時も攻撃の事を考えて、アプローチすること。
・全体をコンパクトに、シンプルにボールを動かして相手を走らせ、がまん強く攻めること。

川崎フロンターレ:鬼木 達
・しっかりと前に出ていく。リスク管理ははっきりと。
・切り換えを早く、球際を厳しく、しっかり続けていこう。
・ゴール前、落ち着いてプレーしていこう。

[試合後]
鹿島アントラーズ:大岩 剛
前半から川崎Fの素晴らしいプレッシャーを前に、自分たちが受けてしまった。試合を通じて相手の良さを出させてしまった。ただ選手たちは、後半に1点を返すという気持ちを見せてくれたし、最後まで戦ってくれた。そこは評価したいと思う。

Q.後半のシステム変更の狙いと評価について

A.前半は支配される時間が長くて、変化を与えるために配置を変えた。ボールの動かし方も戸惑いながらやってくれていたが、このようなレベルの高い試合ではなかなかうまくいかないと考えさせられた。選手たちに対してはミーティングでも言ってきたが、「良いプレーをしてくれた」という評価をしている。

Q.4バックから3バックに変えたことの意図と評価について

A.変化を加えたい、前線に人数をかけたいということでシステム変更をした。だが、やり慣れていないためにボールをうまく動かすことができなかった。ビルドアップも含めて、もっと精度を上げていきたいと感じている。


川崎フロンターレ:鬼木 達
首位のアントラーズが相手ということで「気持ちのこもったプレーをしよう」という話をしていた。多くのサポーターの方が来てくれているので、その人たちにしっかりとプレーと気持ちを見せられるようにと送り出した。前半立ち上がりから最後までそのようなプレーをしてくれて満足している。「相手にやらせるな」ということでスタートして、それを続けてくれた。試合の内容でも相手を上回ろう」と言って送り出したが、それを体現してくれた。前半は押し込みながらも得点が入らなかったが、良い時間帯に取ることができた。後半の頭にも取ることができて、それが勝利につながったと思う。このようなビッグゲームで家長がしっかりと仕事をしてくれたことも良かった。


選手コメント

[試合後]

【鈴木 優磨】
サイドからの形を狙っていた。もっとあのようなプレーを増やせれば良かった。大事なのは次で、真価を問われるのは次だと思う。本当に悔しいけど、次の試合が本当に大事だと思う。

【安部 裕葵】
あのチャンスで決めていたら違う展開になったと思う。0-2ということを意識しすぎて、力が入り過ぎてしまった。縦への突破を意識していた。

【曽ケ端 準】
前半は特にピッチ半分(自陣)でやっているような形になってしまって、難しい試合だった。それもある程度は想定していた。システムを変えたことによって、押し込めた部分もある。システムは関係なく、相手の方が厳しさが上回っていた。

【伊東 幸敏】
自分が入って活性化したとは思っていない。優磨が入ってから流れが良くなっていたと思う。同じ相手に(2度)負けたことが悔しい。でも、最後に優勝できればいいと思っている。その時に「この試合があったから」ということになればいい。

【遠藤 康】
連戦で疲れている選手もいただろうし、そういうことを考慮して、もっとうまく戦えたと思っている。次の試合が来ることは全員がわかっている。引きずる選手はいない。

2017明治安田生命J1リーグ 第22節

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