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[4.1 ACLグループリーグ第4節 川崎F2-1ウェスタン・シドニー 等々力]
狙いどおりのゴールだった。1点ビハインドで折り返した後半、怒涛の猛攻に出た川崎フロンターレ。立て続けに決定機をつくりながら1点を奪えず、嫌な雰囲気も漂い始めた中、後半29分、ついにゴールをこじ開けた。
MF森谷賢太郎とのワンツーで右サイドを突破したMF中村憲剛はドリブルでゴールライン際までえぐり、ゴール前の様子を確認した。「その前に同じようなシチュエーションがあって、ゴールから離れたところを狙ったら人(味方)がいなかった。ゴールに向かって蹴れば何か起こるかなと思った」。角度のない位置からシュート。これがDFに当たってコースが変わり、ゴールネットを揺らした。
クロスにも見えたが、本人は「シュートです」と断言。「何か起きろと。クロスだと相手がいる。ハプニングが起きるボールを蹴った」。狙いどおりと力説する中村だが、「チームの人はみんなオウンゴールって言うから。『ナイスオウンゴール』って。(公式記録の)表記は俺だろって何度も言いましたよ」。そう言って笑みをこぼした。
前半24分にセットプレーから先制を許す苦しい展開ながら、後半の2ゴールで今季公式戦初の逆転勝利。「あれだけ大きい選手が本気でブロックをつくってきたら簡単に点は取れない。2-1の逆転勝利は価値がある。焦れずに丁寧にやった結果。慌てないで最後までやり切った」。自分たちのサッカーを貫いて公式戦3連勝。リーグ戦とACL、どちらを考えても今後につながる勝利となったのは間違いない。
中村はJリーグ、そして名古屋グランパスへの感謝も口にした。先週末のJ1第5節は各チームが29日(土)に試合を行ったが、川崎F対名古屋の試合だけが28日(金)に行われた。「あれが土曜日だったら違ったと思う。これだけ最後まで走れなかった。Jリーグが金曜日に試合を変更してくれて、名古屋さんも協力してくれた。ありがたかったし、Jリーグのバックアップ、名古屋さんのバックアップに感謝しています。それに報いるためにも、何としても勝ちたかった」。Jリーグを代表して戦うACL。グループリーグ突破に望みをつなぐ1勝で満足するわけにはいかない。
(取材・文 西山紘平)