日刊鹿島アントラーズニュース

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2021年5月11日火曜日

◆[MIXゾーン]DFなのに得点数は鹿島最多タイ 町田が見せたゴールへの飢え(the WORLD)






1点じゃなく2点、3点取れれば……


鹿島アントラーズは9日、明治安田生命J1リーグ第13節でFC東京と対戦した。

ホームでの戦いということもあり、ミドルシュートやセットプレイなどから積極的にゴールを狙い、前半から試合の主導権を握った鹿島。22分に左CKをDF町田浩樹が頭で先制点を奪うと、前半終了間際の45分にはMF松村優太がコースをついたミドルシュートを沈め、2点リードしてハーフタイムを迎える。さらに、後半に入っても試合を優位に進める鹿島は、途中出場を果たしたFW上田綺世が87分にダメ押しとなる3点目をゲットした。

終わってみれば、90分通してシュート2本のFC東京に対して、鹿島は19本、ボール支配率も6割超えと、相手を終始圧倒。3-0の勝利を収め、不敗記録を「6」まで伸ばすとともに、リーグ戦では今季初の連勝を飾った。その結果、スタートダッシュに失敗し、4月中旬に監督交代も敢行していた鹿島だが、9位(5勝3分4敗、勝ち点「18」)まで順位を押し上げている。

今季序盤戦も勝ち点こそなかなか積み上げることができなかったが、試合内容自体はそこまで悪くはない試合が多かった鹿島。ようやく結果がついてきたという感じか。そんな“アントラーズらしさ”を取り戻しつつあるチームの中でも、特に存在感を放っているのが町田だろう。負けがない直近6試合の失点数を「4」に抑えるなど、センターバックとして守備への貢献ももちろんだが、東京五輪での活躍も期待されるこの若き逸材は、攻撃面でも魅せているのだ。

FC東京戦では、絶妙なタイミングの走り込みと190cmの長身を活かした打点の高いヘディングにより、CKからのクロスをGKの前で合わせて鹿島に貴重な先制点をもたらしていた。前節の横浜FC戦でも同様の形からゴールネットを揺らしており、今季の得点数はすでに「4」。チーム最多タイと、目に見える結果も残している。そんな町田が試合後、FC東京戦を振り返ってくれた。


ーー得点シーンを振り返って

「前節と似たような形で……。本当にチームの狙い通りに点が取れたかなと思います」

ーー直近4試合で3得点。CBながらチームトップとなる得点数に関しては?

「自分としても、だいぶ得点感覚というのをつかめてきました。キッカーともだいぶ合ってきましたし、僕を活かすために中でうまく動いてくれている部分もあるので、そこはすごくチームのみんなに感謝しつつ、もっとチャンスもあったので、1点じゃなく2点、3点取れれば……。やっぱりセットプレイから点が取れれば試合を楽に進められるので、そこは狙っていきたいなと思います」

ーー4得点のうち3得点は相馬監督に代わってから。何か違いはあったのか

「ザーゴ(前監督)のときからセットプレイ自体は力を入れてやっていたので、特に大きな変化というのはありません。シーズンが進むにつれて、やっぱりキッカーとの合わせる場所だったりというのが合ってきたので、監督が代わってどうこうというところはあまりないかなと思います」

ーー守備面では、無失点に抑えての勝利。手応えは?

「僕ひとりだけじゃなく、みんなでいい形でボールも奪えましたし、セカンドボールだったりというところも、中盤やFWの選手がしっかり守備をしてくれることで無失点につながっていると思います。これから上位との戦いもあるので、これは継続してやっていきたいなと思います」

もちろん、チームの勝利のためというのが大前提にあるだろうが、町田はDFの選手にもかかわらず「1点じゃなく2点、3点取れれば」と口にしており、ゴールに対する飢えを垣間見ることができた。そんな姿勢がより自身の得点感覚を高め、ここまでの数字に繋がっているのだろう。今後も鹿島の得点源の一つとして、町田の攻撃面でのプレイにも注目だ。




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◆【J1分析】鹿島対FC東京「打ち手」を超える底力!アントラーズ「完全復活」(サッカー批評)






■5月9日/J1第13節 鹿島アントラーズ―FC東京(カシマ)


 FC東京は、ハーフタイムに一気に3人を交代させた。その事実が、前半の鹿島アントラーズが完全にFC東京を手玉に取っていたことを物語っていた。

 ようやくこの試合でベンチに戻ってきたが、上田綺世が負傷離脱していた鹿島は1トップに土居聖真を置き、トップ下に荒木遼太郎を配置した。昨季からの上田とエヴェラウドの2トップに比べれば、力強さという面では、大きく見劣りがする。

 しかし、鹿島はそのハンディをものともしないプレーを見せていた。手段は、幅を使った揺さぶりだ。

 鹿島の両サイドバックは高い位置を取る。そこにサイドハーフや、右なら三竿健斗、左ならレオ・シルバとボランチのどちらかが加わり、さらにトップ下の荒木、さらには土居までも加わって、ピッチの左右どちらかで数的優位をつくり出す。

 さらに厄介なのは、その数的優位を自在に左へ右へと移し替えることだ。ボランチを経由して、あるいはCBが一発でサイドチェンジと、ピッチを幅広く使って鹿島は攻めた。

 身長198センチのFC東京GK波多野豪の鼻先で決めた、身長190センチの町田浩樹の先制ヘッドは、確かに見事だった。だが、その先制点につながった連続CKも、鹿島の幅広く揺さぶるサイドアタックからつかんだものであることを忘れてはいけない。


■後半の反撃を地力と選手交代でしのぐ


 ゴール前に人数を割きたいFC東京だが、サイドハーフだけでは鹿島のサイドバックが果敢に攻め上がる攻撃に対応しきれず、マークの付き方があやふやになる。さらに左右に振られては、守備が後手を踏み続けるばかり。前半終了間際の失点も、やはり左右に振られてからのものだった。そこで長谷川健太監督が決断したのが、後半頭から3人を入れ替えての、3バックへの変更だった。

 3バックの中央に入ったブルーノ・ウヴィニが土居を見るなど、流動的に動く鹿島の選手への監視を分かりやすいものへと変更。ウィングバックがサイドに、中盤では守備力のある3人が中央にふたをした。

 前半のFC東京は、守備が後手に回って選手が良い位置を取れず、攻撃に切り替えても効果的なプレーに移れなかった。だが、守備が安定したことで、2トップの強さと速さをシンプルに活かせるようになる。確かに、流れは変わりつつあった。

 それを上回ったのが、鹿島の底力だ。苦しい時間も集中を高く保ってしのいでいくと、選手交代でレオ・シルバを1列上げ、技術と戦術眼のある遠藤康をサイドに投入。さらに効いたのが、最後の交代枠で投入された上田だった。

 交代から1分後、上田のファーストタッチだった。ゴール右でスローインからボールが動く間、ファーサイドで前に出て、再び戻って細かくステップを踏み、最後はDFの裏に入り込む。遠藤が左足で入れたクロスを押し込んで、試合の行方を決めた。

 後半に入り、流れは変わるかに見えた。敗れたFC東京の長谷川監督はフォーメーションの変更について、相手のシステムに合わせてつくべき選手をはっきりさせる意図があったと説明し、「強制的に形を変えてやらせた方が、現状では良いのではないかということで形を変えた」と語った。鹿島は、その対応を受け止め、さらに上を行ってみせたのだ。

 2点目を決めたプロ2年目の松村優太は、今季リーグ戦2度目の先発で、J1初ゴールをマークした。合流したディエゴ・ピトゥカも、出場時間を増やしている。2試合連続の3-0の勝利は、完全復活へののろしと考えてよさそうだ。

■結果 鹿島アントラーズ 3-0 FC東京

■得点

22分 町田浩樹(鹿島)
45分 松村優太(鹿島)
87分 上田綺世(鹿島)


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◆鹿島FW上田 上位陣相手に逆襲誓う「僕たちのサッカーをして連勝をつなげていきたい」(スポニチ)






 鹿島の東京五輪世代でFW上田綺世(22)が、上位陣相手に逆襲を誓った。3発快勝のFC東京戦から一夜明けた10日、鹿嶋市内で調整。次節12日の名古屋戦から順位上位との5連戦が控えており「僕らはまだまだ上を目指している。チャレンジャーとしていい相手。この連勝の勢いを切らさず、強い相手に僕たちのサッカーをして連勝をつなげていきたい」と力を込めた。

 今季は開幕清水戦で負傷離脱し、リーグ戦3試合を欠場と出遅れた。復帰後は出場4戦3発と状態を上げていたが、先月24日の神戸戦でまたも負傷。右肘関節内側側副靱帯損傷および右上腕骨裂離骨折で全治3週間と診断されたが、上田は「起きてしまった以上は、より早く復帰するためにどうしたらいいか」。リハビリ中も後輩であるFW染野に助言を送るなど、今できることに全力を注いできた。

 自身の復帰戦となった前日のFC東京戦では、2点リードの後半41分から途中出場。1分後の42分に右クロスを右足で合わせ、自身の復帰戦を飾った。決して負傷した右腕は万全ではないが、上田は「やるからには、(痛みなど)別にそこはフラットだと思っている」。今季は度重なるケガで出遅れたが、リーグ戦出場8試合で4得点と結果は十分。「鉄人綺世」が、上位陣たちをを脅かしていく。




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