日刊鹿島アントラーズニュース

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2019年6月19日水曜日

◆完敗の中、最大の発見は「スペースを見つけるのがうまい」FW上田綺世…岩本輝雄のDirecto(報知)



上田綺世 Ayase.Ueda


天才キッカー岩本輝雄のサッカーキックバイブル


◆南米選手権 1次リーグC組第1戦 チリ4―0日本(18日、ブラジル・モルンビースタジアム)

 大会2連覇中の南米の雄・チリに4失点完敗の森保ジャパン。中島翔哉(24)=アルドハイル=との2シャドーで初のスタメン出場のMF久保建英(18)=F東京=も不発だった。元日本代表MF岩本輝雄さん(47)は「久保は南米特有の外に追い出される守備で仕事ができなかった」とする反面、この試合最大の発見として、こちらも初スタメンのFW上田綺世(20)=法大=を「スペースを見つけるのが非常にうまい」と高評価した。(構成・中村 健吾)

 チリはプレーが激しいし、球回しも運動量も全てが1枚上手だった。残念な結果だったが、日本もチャンスは作れていたし、ポイント、ポイントで得点機はあった。後半25分過ぎ、3点目を入れられてしまう前、センターFWの上田に3回くらい1対1のチャンスがあった。あそこを決めていれば、0―4でなく2―2という結果もあったと思う。

 プレーを見たのは初めてだったが、上田はこの日最大の発見だった。最後、シュートを決めるのは個人の問題だが、スピードがあるので、そこまで入っていけるポジショニングがすごくいいし、パスを出す方も出しやすいはず。チリの強力なDF陣に対してチャンスを作ったことで大きな可能性を感じた。今日はただ単にゴールが来なかっただけ。得点は欲しかったが、森保一監督が選ぶ理由も分かった。

 久保はいくつか惜しいシーンもあったが、90分を通してFC東京でやっている時とは全然違った。チームでは、もっとバイタルエリアで仕事ができるけど、チリ相手だと外へ外へと追い出されてしまう。中を締めて外に追い出す南米特有の守備にやられた。相手のダブルボランチにきっちりと見られていた。ただ、これは久保だけの問題でなく、周りの動きも関わってくる。慣れていけばいいことだと思う。

 中島はさすがだった。彼がボールを持つと失うことはないし、前に運べるので、もう少し周りが絡んでいけば面白かったが。柴崎岳(27)=ヘタフェ=も経験豊富なだけに90分間通して落ち着いていた。日本のチャンスはほとんどが彼の組み立てからだった。

 初戦は完敗だったが、この南米選手権は若い選手たちにとって、すごくいい経験。ウルグアイ戦(21日)も頑張って欲しい。

 (題名のDirecto・ディレクト=スペイン語で「直接、まっすぐに」の意味)



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◆完敗の中、最大の発見は「スペースを見つけるのがうまい」FW上田綺世…岩本輝雄のDirecto(報知)





◆上田、1トップ出場も決めきれず猛省「改善策を考えたい」(スポニチ)



上田綺世 Ayase.Ueda


月刊サッカーマガジン 2019年6月号【雑誌】


南米選手権・1次リーグC組   日本0―4チリ ( 2019年6月17日    サンパウロ )

 唯一の大学生FWは1トップで出場した。後半12分、MF柴崎の鋭いクロスをゴール左でフリーで受け、滑り込みながら右足で合わせにいったが枠の外。同24分には途中出場の安部からのグラウンダーのクロスにファーサイドで飛び込むも、惜しくも外れた。

 「自分としては外したけど、手応えがあった。ただ“手応えがあった”と確認しただけでは済まない立場」と猛省。「どうしたら得点できたのか、改善策を自分の中で考えていきたい」と振り返った。


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◆上田、1トップ出場も決めきれず猛省「改善策を考えたい」(スポニチ)





◆【鹿島】好調キープの白崎凌兵が明かす無失点の舞台裏「『消えている』と傍からは見えたかもしれないけど」(サカノワ)



白崎凌兵 Ryohei.Shirasaki


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鹿島の右サイドを狙う展開。対峙する清水航平のダイアゴナルの動きを警戒する「神経戦」。

[ACL 決勝T1回戦-1st] 鹿島 1-0 広島/2019年6月18日/県立カシマサッカースタジアム

 鹿島アントラーズのMF白崎凌兵がアジアチャンピオンズリーグ(ACL)の決勝トーナメント1回戦(ラウンド16)サンフレッチェ広島戦のファーストレグに先発し、後半アディショナルタイムまでプレーして勝利に貢献した。

 4-4-2の左MFで先発した白崎は最近の好調ぶりを示すように、ボールを持つと自信を持った仕掛けからチャンスを作り出していった。立ち上がりにはセルジーニョや土居聖真らとの連動し合い、広島ゴールに迫りビッグチャンスも作った。

 ただ、そんな白崎を避けるかのように――広島は「鹿島の右サイド」から攻略を試みてきたのだ。

「(逆サイドで)崩された時に、(白崎が対面していた)相手の右ウイングバックが必ず斜めに入り込んでいたので、そこで付くことを絶対にサボってはいけないと思ってやっていました」

 無失点に抑えることができた、ひとつの要因。オフザボールの場面で、白崎は非常にタフな駆け引きを強いられたと明かす。

「傍からは、ボールに触れずにいると、『消えている』とか、何もしていないように見えたりするかもしれないです。けれど意外とやらないといけないことがある。ボールがないサイドほど、集中を切らしたら、やられてしまう。そういう辛抱強く戦わないといけないゲームでした」

 常に頭を使う神経戦を制したからこその無失点。ただし、そのうえで、白崎はゴールを決めたかったと反省点を挙げていた。

「前半の最初はこっち(自分のサイド)でもチャンスを作れていました。そこから後半、相手もギアを上げて、ちょっと押し込まれ我慢する時間もありました。難しい展開でしたけれど、自分のところにもチャンスが来たので、そういうワンチャンスを仕留められるにならないといけない」

 一方で、ノルマの無失点に抑えられたこと。白崎はそこが第2戦もベースになると考えていた。

「後半だったり、我慢しないといけないという時間帯に、しっかり目の前の相手にやられないことと、付いていくこと、そこはしっかり意識しました。僕らのほうから崩されることはほぼなかったので、それはチームとしても良かったと思います。そういったことを一人ひとりが意識すれば、やられることはないと思います」

 第2戦は6月25日、舞台は広島だ。鹿島は引き分け以上で、ベスト8に進出できる。

取材・文:塚越始
text by Hajime TSUKAKOSHI


◆【鹿島】好調キープの白崎凌兵が明かす無失点の舞台裏「『消えている』と傍からは見えたかもしれないけど」(サカノワ)





◆冷静フィードがV弾起点に! 鹿島GKクォン・スンテ「狙って準備していた」(ゲキサカ)



クォン・スンテ Kwon Sun-tae


Jリーグサッカーキング 2019年 3月号


[6.18 ACL決勝T1回戦第1戦 鹿島1-0広島 カシマ]

 決勝ゴールの起点となったのはアジアをよく知る守護神のロングキックだった。「ホームで無失点で抑えたことを満足しているし、選手みんなで無失点で抑えようという意識があったので良かった」と試合を満足そうに振り返った鹿島アントラーズGKクォン・スンテは先制シーンの狙いを明かした。

 前半24分、後方でボールを回す鹿島の両センターバックに対し、広島の前線2人が激しいプレッシングをかけてきたため、逃げ場は唯一最後尾に構えるクォン・スンテだけだった。しかし、チームを支える守護神は大きくボールを上空に蹴り出すと、これをセルジーニョが巧みに落とし、MF土居聖真の突破から先制ゴールが生まれた。

 クォン・スンテにとって、あのロングボールはクリアではない。「相手が前からプレッシャーをかけてくるのは想定内だったので、高いボールやロングボールを狙って準備していたので、この試合で出せて良かった」。事前のスカウティングで得ていた情報を、しっかりプレーに落とし込んだ結果の判断だった。

 そうした狙いにはターゲット役も理解を示す。「彼は僕が当たりに強いことを考えてフィードしてくれていると思うし、僕がボールを収められればチーム全体が押し上げられる時間ができるし、一呼吸できる。僕の特長を彼が活かそうとしてくれている」(セルジーニョ)。得点シーン以外でも、味方が競りやすい場所に落とすようなキックが目立った。

 昨季のクラブ史上初制覇を含め、全北現代時代を含めればアジアの頂点に立つこと3度。経験豊富な守護神は普段こそチームメートへの苦言も辞さない立場だが、この日は「広島もすごく強く、しっかりしているチームなので、2点目を取れれば良かったけど無失点に抑えられたことが良かった」と前向きに試合を総括した。

 とはいえ、この結果を活かすためには1週間後に控える第2戦だ重要なのも事実。「1-0という結果を忘れたい。相手のホームにアウェーチームとして乗り込むわけなので、そんな中ではどういう結果が出るか分からない。もっと徹底的に準備しないといけない」。チームを引き締める役割は、今後のトレーニングで発揮していく構えだ。

(取材・文 竹内達也)


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◆冷静フィードがV弾起点に! 鹿島GKクォン・スンテ「狙って準備していた」(ゲキサカ)




◆“決戦”では驚異の7戦7発! アジアに強い鹿島セルジーニョ「特に意識しているわけじゃ…」(ゲキサカ)



セルジーニョ Serginho


淡々黙々。 / 内田篤人 【本】


[6.18 ACL決勝T1回戦第1戦 鹿島1-0広島 カシマ]

 “負ければ終わり”のアジア決戦では、7試合7ゴールという驚異的な強さを誇る。それでも鹿島アントラーズMFセルジーニョは「特に何かを意識しているというわけじゃなく、アントラーズの一員としてどの試合でも全力を尽くし、チームメートの手助けをしたい。その中で得点、アシストという結果が出ている」と自然体を強調した。

 昨季ACL準々決勝第1戦の天津権健戦でアジアデビュー。初戦で来日初ゴールを記録すると、準々決勝第2戦、準決勝第1戦、準決勝第2戦、決勝第1戦で5試合連続ゴールを決め、史上初のアジア制覇に大きく貢献した。また今年2月、一発勝負のACLプレーオフでも2ゴールを挙げており、負ければ終わりの一戦では無類の強さを見せている。

 今季のグループリーグは2得点にとどまったものの、同じ日本勢のサンフレッチェ広島をホームに迎えた決勝トーナメント初戦、背番号18はまたしても輝きを放った。前半24分、MF土居聖真のクロスが相手に当たって跳ね上がると、いち早く落下点に反応。DF佐々木翔との駆け引きを制し、決勝点となるゴールをヘディングで流し込んだ。

「特別に何か考えて駆け引きをしたわけじゃなく、ボールだけを見ていた」。ゴールシーンをさりげなく振り返ったセルジーニョだが、「入り込んだ時に彼(佐々木)とぶつかって、どこにいるかが感覚で分かった」というスキルはまさに点取り屋。ACLのプレーオフ、決勝トーナメントを合わせた成績は7試合7得点という驚異の数字に達した。

 ただ、すでに1週間後の第2戦を見据える本人はいたって冷静だ。「今日同様に非常にタフな試合が予想されるし、一人一人が球際でしっかり戦うということを続けて、監督がまた詳細な指示を出してくると思うので、それを全員で実行できればと思っている」。再びアジアの頂点に立つため、謙虚なストライカーは歩みを止めない。

(取材・文 竹内達也)


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◆“決戦”では驚異の7戦7発! アジアに強い鹿島セルジーニョ「特に意識しているわけじゃ…」(ゲキサカ)





◆鹿島土居Vアシスト!敵地戦へ「0-0のつもりで」(ニッカン)



土居聖真 Shoma.Doi


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<ACL:鹿島1-0広島>◇決勝トーナメント1回戦第1戦◇18日◇カシマ

ホームの鹿島アントラーズが先勝して、準々決勝進出に1歩近づいた。 前半24分、センターサークル付近でボールを受けたMF土居がドリブルで独走。そのままエリア内に進入し、ゴールライン手前でクロスを上げると、相手DFに当たりコースが変わった球をFWセルジーニョが頭で合わせて、先制点を奪った。

試合後、先制ゴールをアシストした土居は「こぼれ球をひろって前が空いていたのでシュートかクロスで終わろうと思っていた。それが得点につながって良かった。ホームで勝たないと勢いがつかない。サポーターにもいい雰囲気をつくってもらった。(次は25日敵地戦、この日は勝利も1得点は)あってないような得点差なので、0-0のつもりで広島に乗り込んでいきたい」と気を引き締めた。




◆鹿島土居Vアシスト!敵地戦へ「0-0のつもりで」(ニッカン)





◆【鹿島】広島とのACL日本勢対決先勝…「絶対に失点しない」堅守で第2戦へ(報知)






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◆アジア・チャンピオンズリーグ ▽決勝トーナメント1回戦第1戦 鹿島1―0広島(18日・カシマスタジアム)

 2017年の浦和―川崎以来となる日本勢対決は、ホームの鹿島が1―0で先勝した。前半24分にFWセルジーニョ(24)がヘディングで決勝点を挙げた。第2戦は25日に広島広域公園陸上競技場で行われる。

 鹿島が8強入りに前進した。決勝点は前半24分。FW土居が左サイドを突破し、クロスをFWセルジーニョが頭で流し込んだ。追加点こそ奪えなかったが「絶対に失点しないことを意識した」(MF白崎)、「無失点が第一優先だった」(DF永木)とアウェーゴールを防ぐべく守りを徹底。堅守で第2戦へつないだ。

 昨季は決勝トーナメント1回戦から決勝まで、全てホームで第1戦を戦い4戦全勝。クラブ史上初のアジアタイトル獲得は、ホームでの先勝が大きな意味を持った。そんな“Vの方程式”にならったホームでの白星。3度のアジア制覇歴を持つGK権は「アウェーは何が起きるか分からない。0―0だったと思って、(第2戦へ)徹底した準備をしたい」と気持ちを切り替えた。




◆【鹿島】広島とのACL日本勢対決先勝…「絶対に失点しない」堅守で第2戦へ(報知)





◆鹿島安西、今季初の途中交代も次戦は「大丈夫です」(ニッカン)






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<ACL:鹿島1-0広島>◇決勝トーナメント1回戦◇第1戦◇18日◇カシマ

鹿島アントラーズDF安西幸輝(24)は今季初めて途中交代した。

これまでスタメンで起用された試合ではフル出場を続けてきたが、この日は後半28分に途中交代。前半が終わった段階で「足に違和感があった」といい、自ら監督に交代を申し出たという。

違和感といっても負傷ではないようで、次戦に向けては「大丈夫です」と問題ないことを強調した。







◆鹿島安西、今季初の途中交代も次戦は「大丈夫です」(ニッカン)





◆「去年はコテンパンにやられた」vs広島、鹿島側から語られた“違い”(ゲキサカ)






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[6.18 ACL決勝T1回戦第1戦 鹿島1-0広島 カシマ]

 昨季リーグ戦の戦績は鹿島アントラーズの2敗。「去年は結構コテンパンにやられたというか、相手のやりたいサッカーをさせてしまった印象があった」(MF永木亮太)。ACL決勝トーナメント1回戦ではそんなサンフレッチェ広島を相手に、今季初の対戦で大きな白星を収めた。

 昨年3月10日のJ1第3節、スタートダッシュ中の広島をホームに迎えた鹿島は、アグレッシブな球際勝負の中でミスが響いて0-1で敗戦。また、9月1日のJ1第25節は先制に成功したものの、そこから3失点を喫して1-3で敗れた。いずれも持ち味の勝負強さが鳴りを潜め、シーズンダブルを食らう屈辱を味わっていた。

 だが、この日は真逆の展開だった。前半24分、MFセルジーニョとMF土居聖真がギリギリの対人戦を制して先取点を奪うと、そのリードは守備陣の奮闘により最後まで動かず。「広島は球際、インテンシティーが強いけど、そこで負けていなかった」。終盤にはキャプテンマークを巻いた永木は味方の戦いぶりをそのように誇った。

 また、昨季は存在感を放った相手司令塔の不在も大きかったという。MF三竿健斗は「前は青山さん(MF青山敏弘)がいたので、うちが嫌だなと思うようなプレーをしてきていたけど、今日はそういったプレーがなかった。悪いイメージはなかったし、去年のほうが悪いイメージがあった」と元日本代表同僚の名前を挙げ、戦い方の違いを語っていた。

 もっとも、メンバーには違いがあるにせよ1週間後に控える第2戦も同様にギリギリの競り合いが予想される。「アウェーゴールを取れるのは僕たちだけなので、1点を取ったら有利になる。早い時間で1点取った時、守備に行くのかもう1点取るかの判断がすごく大事。1点目より2点目をどっちが取るかが大事になると思う」(三竿)。鹿島は昨季の反省も糧にし、先行しても油断せずに戦っていく構えだ。

(取材・文 竹内達也)




◆「去年はコテンパンにやられた」vs広島、鹿島側から語られた“違い”(ゲキサカ)





◆【鹿島】採点&寸評 日本勢対決先勝!無失点で8強前進、決勝弾セルジーニョは“偉業”達成(報知)






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 ◆ACL▽決勝トーナメント1回戦第1戦 鹿島1―0広島(18日・カシマスタジアム)

 鹿島が2017年の浦和―川崎以来となる日本勢対決を先勝した。前半24分、FW土居聖真が左サイドを突破し中央へクロス。FWセルジーニョが頭で押し込んで決勝点を挙げた。第2戦は25日、広島広域公園陸上競技場で行われる。

 採点と寸評は以下の通り。

 大岩剛監督【6・5】「アウェーゴール、ダメ絶対」のACL仕様の試合運びで先勝

 GKクォンスンテ【6・5】キックで決勝ゴール起点。アジア制覇3度の目から見る第2戦のポイントは「1―0だということを忘れるべき」とのこと

 DF永木亮太【6・5】敵のサイドチェンジは頭で弾き飛ばし、味方のサイドチェンジは胸で包み込む。柏と抜きつ抜かれつの攻防も体を張って完封貢献

 DFチョンスンヒョン【6・0】ペナ内で強さ。だがペナ外の危険地帯でファール×3。その日の判定基準に応じた守り方を

 DF犬飼智也【7・0】シュートもクロスも縦パスも次々とはね返し、スンテ守護神の見せ場を根こそぎ奪い取る

 DF安西幸輝【6・0】鹿島が右、広島が左から崩す展開にボールタッチは少なめ。違和感で途中交代も本人は軽傷を強調

 MF三竿健斗【6・5】守備面での貢献は計り知れず。かかと付近を駆使した離れ業ボール奪取で会場ざわめく場面も

 MFレオシルバ【6・5】パスこそ雑だが馬力でMFゾーン制圧。広島の中盤の選手は顔も見たくないかもしれませんが、あと2試合続きます

 MF遠藤康【6・5】受け手としての高い能力を発揮。CKフラッグ付近やボランチとCBの間で暗躍

 MF白崎凌兵【6・0】安西と同様ボールに絡む場面は少なかったが、エゴの欠片も見られない献身性で攻守のバランスをとる

 FW土居聖真【7・0】V弾アシスト。いよいよショートケーキにおける苺と生クリームのような存在感になってきた。MOM

 FWセルジーニョ【6・5】泥臭く頭で決勝点。去年の準々決勝、準決勝、決勝、今季のPO、1次リーグ、決勝T1回戦と6ラウンド連続ゴールの偉業

 DF町田浩樹【7・0】後半28分IN。左サイドにフタをする。リード時途中投入のDFにあれ以上は求められない

 FW伊藤翔【―】後半35分IN。出場時間短く採点なし

 MF山口一真【―】後半45分IN。出場時間短く採点なし

アジズ・アシモフ主審【6・0】手を使った反則を許さない点において、不動の信念を持っていた

 ※平均は5・5~6・0点。MOMはマン・オブ・ザ・マッチ


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◆AFCチャンピオンズリーグ2019 ラウンド16 第1戦(オフィシャル)






二十冠 アジアの頂、世界の壁。鹿島アントラーズ激闘録 [ 田中滋 ]


2019年06月18日(火) 19:00キックオフ 県立カシマサッカースタジアム
【入場者数】13,179人 【天候】曇のち晴、弱風、 気温22.3度、 湿度73.0% 【ピッチ】 全面良芝、乾燥
【主審】アジズ アシモフ 【副審】ルスラン セラジディノフ 【副審】アリシェル ウスマノフ 【第4の審判員】シェルゾド カシモフ



AFCチャンピオンズリーグ ラウンド16 第1戦

まずはホームで先勝!アウェイゴールを許さず勝負の第2戦へ

アントラーズはACLラウンド16第1戦でサンフレッチェ広島をホームに迎えた。前半24分にセルジーニョが先制点を決めると、失点を許さずに最後までリードを保ち、1-0で完封勝利を収めた。

4日前の明治安田J1第15節C大阪戦。度重なるピンチを迎える苦しい前半となったが、後半に入ると、50分にセルジーニョがPKを決めて先制に成功、72分には、白崎が強烈なミドルシュートでゴールネットを揺らし、追加点を奪った。スコアは2-0。中断明けの一戦を勝利を収めた。

指揮官は試合を振り返り、「後半は修正して、選手たちはよくやってくれた。価値のある勝ち点3だと思う 」と、後半の戦いぶりを評価した。

選手たちも手応えを感じている。中盤で存在感を放った三竿健斗は「ハーフタイムで守備のところを修正して、後半は押し込んだり、いい形で守備はできていた。みんなで我慢していこうという意思疎通ができていたところはよかったと思う」と話した。公式戦3試合ぶりに右サイドバックで出場した永木も「後半は少し低い位置から守備をしようと話して、それがうまくハマった形になった」と修正出来た点をポジティブに捉えている。

勝利から一夜明け、チームは翌日の午後から練習を再開。まずは、リカバリーのメニューを消化して、コンディション調整を図った。2年連続のアジア王者へ。絶対に負けられない決戦に向けて心身ともに準備を整えた。いま、チームは自分たちの戦い方に絶対的な自信をもっている。あとは、対戦相手の戦い方に対して、どうアジャストしていくか。そこに尽きる。

対戦相手はサンフレッチェ広島。国内のライバルだが、ACLとリーグ戦では、また別の難しさがある。犬飼智也も「リーグ戦からACLと大会も変わるし、レフェリーの笛の部分の違いもある。そこの準備はしている」と警戒を強めていた。

そして、迎えた試合当日。キックオフ1時間前に注目の先発メンバーが発表された。GKは守護神クォン スンテ、最終ラインは右から永木、チョンスンヒョン、犬飼、安西が入る。ボランチは、三竿とレオ シルバのコンビ。サイドハーフは右に遠藤、左に白崎、前線は土居とセルジーニョが2トップを務める。ベンチには、曽ケ端、町田、平戸、名古、金森、伊藤、山口が座った。





キックオフの時間が近づくにつれて、高揚感と勝利への決意が聖地を包む。GK陣、フィールドプレーヤーが、順にウォーミングアップに姿を現すと、サポーターから力強い大声援が送られた。ビッグマッチ直前の緊張感がピッチを覆う。決戦の舞台は整った。



19時00分。アントラーズのキックオフで試合が始まった。アントラーズは試合開始直後から立て続けにチャンスをつくっていく。まずは2分、遠藤から送られた一本のロングボールで最終ラインの背後をとったセルジーニョがシュート。5分には、高い位置でレオ シルバがボールをカットすると、最後は白崎がシュート。しかし、これはどちらも相手GKにセーブされ、得点には至らなかった。













序盤から積極的な姿勢をみせ、攻勢を強めていたアントラーズだが、10分にピンチを迎える。ドウグラス ヴィエイラに右サイドを突破されると、ゴール前に際どいクロスを入れられる。幸い、中に入り込んだ選手に合わなかったが、肝を冷やす場面となった。



前半15分が経過したあたりから、試合はこう着状態に陥っていく。ボールポゼッション率を高める広島に対し、アントラーズはなかなかボールを奪えなかった。それでも、サポーターからの大声援を力にかえて、しっかりと全員で守備を行い、我慢の時間帯をチーム一丸となって凌いだ。



すると24分、歓喜の瞬間が訪れる。ハーフウェイライン付近でボールを受けた土居は、ドリブルでグングンと加速し、ニアゾーンまで進入してクロスを入れる。クロスは相手DFの足に当たったが、ふわっとした軌道でゴール前へ上がった。アントラーズサポーターの目の前で、相手選手との競り合いを制したセルジーニョがゴールネットを揺らした。1-0。欲しかった先制点を手に入れた。











リードを奪ったアントラーズは、主導権を握って連続攻撃を仕掛けていく。広島を完全に自陣へ押し込み、徹底したリスクマネジメントでカウンターを許さない。ACLの独特な緊張感が漂うピッチで、鹿のエンブレムを纏う選手たちは堂々たるプレーをみせた。





前半はこのまま1-0で終了。アントラーズがリードを奪ってハーフタイムを迎えた。

後半に入っても、主導権はアントラーズが握る。46分に三竿が放った強烈なミドルシュートに象徴されるように、前半と変わらぬ積極性で試合に入った。

追加点こそ奪えなかったが、アントラーズの選手たちはピッチ上で躍動した。セルジーニョは見事なボールキープで起点をつくり、土居は鋭いドリブルで違いを生み出す。右サイドの遠藤と永木、左サイドの白崎と安西は、抜群の連係を披露し、相手の武器であるサイド攻撃を封じた。







中盤では、レオ シルバが強烈なフィジカルと繊細なボールテクニックで圧倒的な存在感を放ち、三竿もボール保持時にリスクマネジメントを徹底。センターバックの犬飼とチョン スンヒョンは相手のロングボールを確実に跳ね返す。守護神クォンスンテもクロスボール、ロングシュートの対応に全く隙をみせなかった。





選手たちは与えられた役割を完遂した上で、それぞれ個性を発揮。選手たちの力を結集し、チームは一丸となり戦った。

73分、アントラーズは安西に代えて町田を投入。80分には、遠藤との交代で伊藤翔をピッチへ送った。攻守両面で大きく貢献した安西、遠藤に対して、ゴール裏のサポーターからは惜しみない拍手が送られた。





86分、試合が大きく動く。チョンスンヒョンを倒した広島の稲垣が、この日2枚目のイエローカードを提示され、退場処分となった。広島は第1戦の残り時間と第2戦で、攻守のキーマンを失うことになった。







10人となった広島だが、積極的に攻撃を仕掛けてきた。アントラーズは自陣に押し込まれる展開となる。





しかし、それでもアントラーズは90分から途中出場した山口を含め、チーム全員が最後まで身体を張ったディフェンスで広島の攻撃を跳ね返していった。

ついに、第1戦の試合終了を告げるホイッスルが鳴った。スコアは1-0。アウェイゴールを許さず、リードを奪って、前半の90分間を終えた。



運命の第2戦は、1週間後の6/25(火)だ。指揮官は、「180分の戦いの前半が終わっただけ。しっかり分析、改善して、第2戦に向けて準備したい」と気を引き締めた。総力戦で挑む、アウェイでの戦いへ――。2年連続のアジア王者に向けた歩みは続く。

【この試合のトピックス】
・セルジーニョが公式戦2試合連続ゴール

監督コメント

[ハーフタイム]
鹿島アントラーズ:大岩 剛


サンフレッチェ広島:城福 浩


[試合後]
鹿島アントラーズ:大岩 剛
ホームで戦う第1戦ということで、勝利、無失点が大事だった。この結果は非常に評価している。しかし、180分の戦いの前半が終わっただけ。しっかり分析、改善して、第2戦に向けて準備したい。

Q. リーグ戦と並行して戦うなかで、どのような選手の振り分けを考えているか?

A. いろいろな状況がある。ケガ人もいるが、選手のコンディションを見極め、相手の特長を分析して、すべてを加味したうえで先発を決めている。サブの選手、次の試合を見すえた選択も必要。C大阪戦から中3日だったが、現時点で非常にコンディションのいい選手を選ぶことができたと思う。次の試合も同じことがいえる。しっかり選手のコンディションを見極めて、選択していきたい。

Q. 1-0とリードしたなかで、後半は攻撃のリズムが合わなかったように感じたが、どのような選手交代を考えていたか?

A. 1-0のままでいいという考えはなかった。1枚目の交代はアクシデントだった。そこも含めて、この1試合で最善を尽くすことを考えていた。当然、得点を狙うことも考えていた。無失点で終えることも重要で、そのバランスを考えて交代のチョイスをした。

Q. サイドバックの攻撃参加が少なかったように感じるが、無失点で終える意識が強かったからか?もしくは、システム上のミスマッチからか?

A. 両方だと思う。自分たちがリードした時間帯が早かったので、選手たちの「しっかり守備をしてから攻撃」という意識が高まって、そういう状況になったと思う。永木であったり、安西であったり、サイドバックとして出場している選手の特長も踏まえて、そういう流れになってしまった。当然、相手があってのことだが、しっかり第2戦までに分析したいと思う。

Q. 永木選手のパフォーマンスの評価と、広島のサイド攻撃の印象は?

A. 永木は自分の得意ではないポジションでプレーしているが、非常にいいパフォーマンスをしてくれた。戦いのなかで相手のストロングポイント、ウィークポイントをしっかり分析して戦っている。相手のサイド攻撃は注意深く対応しながら、なおかつ、相手のウィークポイントを突いていくという駆け引きがあった。今日は、五分五分以上の戦いができたと思う。第2戦に向けて、さらにサイドでイニシアチブを握れるような準備をしていきたい。

サンフレッチェ広島:城福 浩
選手は今、持てる力を出してくれたと思う。アントラーズのストロングポイントを意識しながら、決定的なチャンスはそれほど作らせなかったが、ワンチャンスを決める力があるチームだった。先制されてから、ゲーム運びを含め、我々のペースに持ち込むのに苦労した試合だった。後半は空中戦で、もっとアタッキングサイドで崩したかった。前半のほうが相手を崩した印象がある。後半、ボールを持ちながら崩し切れなかったことが課題。第2戦では、今日の悔しさをサポーターとともに晴らしたい。


選手コメント

[試合後]

【犬飼 智也】
守備の形もよかったし、前線からの守備もハマっていた。相手がきたところに自分たちが強くプレスをかけることができてよかった。いい守備の形ができて、相手も困っていた。やり方は変えずに、今日ぐらいできれば相手も自由にプレーできなくなる。これを続けていくことが大事だと思う。

【永木 亮太】
今日は、無失点で終わらせることが第一優先だった。それを達成することができたし、得点も取れたので、この結果が次につながっていくと思う。今日は非常にいい戦いだった。右サイドで結構崩される場面もあったが、スンヒョンとわん、スンテのところで最後は決定機を作らせなかった。90分通して、相手の決定機はそこまでなかった。守備は非常に集中してできていた。

【土居 聖真】
今日のようなプレーを毎試合続けていくのが自分の仕事。得点に絡む、得点の起点になることが自分の最大の仕事だと思っている。苦しい時間もあったが、チームがその時間を乗り切ってくれたことに感謝している。苦しい時間に後ろの選手が守ってくれるからこそ、自分も前で仕事がしやすくなる。みんなに感謝したい。

【クォン スンテ】
ホームで、無失点で抑えることができて非常に満足している。選手みんなが無失点で抑えるという共通意識があったので、それが達成できてよかった。ただこれで決着がついたわけではないので、もっと集中して次の試合につなげていきたい。

【遠藤 康】
ホームで1-0で勝てたことは、最低限の結果だと思う。相手が10人になってから押し込まれる時間もあったので、そこでもう一段階ギアを上げて、点を取りに行くという姿勢を見せたかった。もう少し守備の部分でもできるところはあったと思う。その部分を、来週もう一度みんなでやっていきたい。

【安西 幸輝】
相手のウイングバックが思ったよりも下がっていた。相手チームから全体で下がってやろうという意図が見えた。守備はうまくできたと思う。攻撃もクロスがよかったし悪くなかった。第2戦でも、これをやれるようにしていきたい。あとはフィニッシュの部分できっちり決められるようにしたい。

【白崎 凌兵】
前半は、カウンターからチャンスが多くあった。もう1点、2点ぐらい取るチャンスを作り出せればよかった。ただ、チームとして体が張れていたし、得点も決めることができたので、そこはよかったと思う。


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