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2019年09月14日(土) 19:03キックaオフ 県立カシマサッカースタジアム
【入場者数】27,285人 【天候】晴、弱風、 気温24.4度、 湿度70.0% 【ピッチ】全面良芝、乾燥
【主審】東城 穣 【副審】岡野 宇広 【副審】赤阪 修 【第4の審判員】柿沼 亨
明治安田J1第26節
ブエノ、セルジが決めた!首位FC東京に完封勝利!
アントラーズは明治安田J1第26節でFC東京と対戦した。前半2分、コーナーキックからブエノがヘディングシュートを放ち、ゴールネットを揺らす。先制に成功したアントラーズは、その後も優位に試合を進め、1-0でハーフタイムを迎えた。後半に入ると、FC東京に攻め込まれる場面が増えたものの、78分にセルジーニョが豪快なミドルシュートをゴールネットに突き刺し、追加点を奪った。ピンチを迎える場面もあったが、最後までチーム一丸となってゴールを守り抜き、2-0で完封勝利を収めた。これで首位FC東京との勝ち点差を1に詰めた。
▼▼DAZN MATCH HIGHLIGHTS▼▼
6日前のYBCルヴァンカップ準々決勝第2戦、アントラーズは立ち上がりから浦和に攻め込まれる苦しい試合展開となったが、後半にセットプレーとカウンターからゴールを奪い、第2戦を2-2の同点に持ち込んだ。第1戦の結果と合わせて、2戦合計5-4で、YBCルヴァンカップ準決勝進出を決めた。
その日の夜半過ぎから強い勢力の台風15号が関東圏を直撃した。ホームタウンをはじめ、茨城県、千葉県など、広い地域で停電と断水が発生し、甚大な被害を受けた。火曜日の練習再開も危ぶまれたが、クラブハウスの電力が午後には復旧したため、予定通りFC東京戦へ準備を進めることが出来た。
FC東京戦に向けて、指揮官は「我々にとっては、非常に重要な試合になる。その重要性は選手たちも認識している。その上で、ミーティングや分析もしてきた。ホームで戦うことが出来るということをアドバンテージにして、しっかりと勝ち切るための準備をしていく」と語った。台風の余波が残るなかではあるが、最善の準備を進めていった。
そして、迎えた試合当日。キックオフ2時間前に注目の先発メンバーが発表された。GKは、守護神クォン スンテがゴールマウスを守る。最終ラインは右から小泉、ブエノ、犬飼、小池が入った。ボランチは三竿とレオ シルバがコンビを組む。サイドハーフは右にセルジーニョ、左に白崎が入り、前線は土居と伊藤翔が務めた。ベンチには、曽ケ端、内田、チョン スンヒョン、永木、遠藤、名古、上田が座る。
首位FC東京との直接対決だ。この試合の重要性をアントラーズファミリー全員が理解している。キックオフが近づくにつれ、高揚感と緊張感がスタジアムを包んでいった。ウォーミングアップへ姿を現した選手たちには、何時にも増して大きなチームコールが注がれる。準備は整った。
19時3分、ついに戦いの火蓋が切られた。
キックオフ直後、いきなりスコアが動く。前半2分、アントラーズは右からのコーナーキックを獲得すると、キッカーのレオが右足でアウトスイングのボールをゴール前へ送る。このボールをブエノがヘディングで合わせた。ボールはゴール左端の見事なコースに飛び、ゴールネットを揺らす。アントラーズレッドに染められたカシマスタジアムが沸騰した。
先制に成功したアントラーズは、スタンドからの大歓声を受けて、FC東京を自陣に押し込んでいく。20分には、ペナルティエリア手前から三竿がミドルシュート、23分には、左からのコーナーキックにブエノがヘディングで合わせる。どちらも得点の可能性を感じさせるプレーだったが、追加点には至らなかった。
主導権を握って試合を進めていたアントラーズだったが、28分にピンチを迎える。ペナルティエリア手前で三竿が高萩を倒し、ファウルを犯してしまった。このフリーキックを高萩に直接狙われたが、アントラーズがつくった壁に当たり、失点にはならなかった。
試合は時間の経過とともに激しさを増していった。球際の勝負がピッチの至るところで頻発し、互いの意地とプライドが衝突する。
このまま1-0のスコアで前半終了を迎えた。アントラーズは後半開始から選手を入れ替える。白崎との交代で名古を投入した。名古は白崎が務めていた左サイドハーフのポジションにそのまま入った。
後半はアントラーズがFC東京に攻め込まれる場面が目立った。
50分、カウンターからピンチを迎える。中盤で横パスを奪われると、永井にボールを通されてしまう。永井はドリブルで単独突破を仕掛けてきたが、対応した犬飼が1対1の勝負でボールを弾いた。だが、こぼれ球を東に拾われ、ペナルティエリア内からシュートを放たれる。ボールは枠を捉えたが、守護神スンテの好セーブでゴールを許さなかった。
ここからアントラーズは立て続けにピンチを迎える。56分、中央の高萩からペナルティエリアの永井へパスを入れられ、ゴール前で永井にダイレクトでシュートを打たれる。60分には、永井に右サイドを突破され、クロスを入れられると、ファーサイドで室屋にシュートされる。どちらも肝を冷やす場面となったが、シュートは枠を外れ、失点にはならなかった。
押し込まれていたアントラーズだが、69分にチャンスをつくる。土居からのパスを受けた伊藤が、相手選手を抑えながらシュートを放った。しかし、このシュートは大きく枠を外れ、追加点には至らなかった。
70分、アントラーズは2人目の選手交代を行う。伊藤との交代で上田をピッチへ送った。
FC東京の猛攻は続く。73分、右サイド低い位置でボールを失うと、ナサンホにニアゾーンまで進入され、マイナスのクロスを送られた。ゴール前でディエゴオリヴェイラにシュートを打たれたが、守護神スンテがパンチングで弾き出し、ゴールを許さない。
アントラーズは悪い流れの時間を我慢強く守った。すると78分、決定機をつくる。右サイドでボールを受けた名古がレオとのパス交換で中央へ進入し、相手選手を引き付けて斜め横にパスを送る。ボールを受けたセルジーニョは、ワントラップから勢いよく左足を振り抜いた。魂が乗せられた強烈なシュートは、ゴール左隅に突き刺さる。再びカシマスタジアムが歓喜に沸いた。
リードを2点に広げたアントラーズは、81分に最後の選手交代を行う。左足を痛めた三竿との交代でチョン スンヒョンをピッチに送った。守りを固めて必勝を期する。
試合は、高い強度を保ったまま終盤を迎えた。激しいプレーの連続で、足が痙攣し、ピッチに倒れ込む選手もみられた。だが、身体を痛めた選手を周りの選手がカバーする。アントラーズはチーム一丸となって、最後まで戦い抜いた。
そして、ついに試合終了のホイッスルが鳴った。スタジアムは歓喜に包まれる。27,285人の大観衆が見つめるなかで、首位FC東京に2-0と完封勝利を収めた。これでFC東京との勝ち点差は、1ポイントに迫った。
アントラーズはリーグタイトル奪還に向けて、非常に重要な勝ち点3を手にした。だが、すぐにまた次の重要な戦いが控えている。中3日でAFCチャンピオンズリーグ準々決勝第2戦、広州恒大戦に臨む。第1戦は、アウェイで0-0のスコアレスドローに終わった。アジアの頂に再び立つためには、ホームで勝利するしかない。国内からアジアの戦いへとすぐに意識を切り替えて、チームはまた明日から準備を進めていく。
【この試合のトピックス】
・FC東京相手に2016年3月19日以来となるリーグ戦7試合ぶりの勝利
・リーグ戦2試合連続の完封勝利
・ブエノがアントラーズでリーグ戦初ゴールを記録
・セルジーニョが今季リーグ戦10ゴールを記録
監督コメント
[ハーフタイム]
鹿島アントラーズ:大岩 剛
・全体のポジショニングが非常に良い。後半もこれを続けていこう。
・攻撃の時も、常に守備のリスクマネジメントを考えてプレーすること。
・どんなときも隙を見せるな。立ち上がりから全員で戦っていこう!
FC東京:長谷川 健太
・まず1点を返しに行こう。
・慌てずボールを動かし、ゴールを目指すこと。
[試合後]
鹿島アントラーズ:大岩 剛
今日は勝利が必要な試合で、選手たちが立ち上がりから非常によく戦ってくれた。先制点も獲れたし、後半もよく凌いで追加点を獲ることが出来た。サポーターの皆さんと一緒に戦って首位のFC東京にプレッシャーをかけることが出来て非常に嬉しく思う。
Q.どのような意識で試合に臨んだか?また、今日のゲームプランは?
A.相手の2トップには、注意深く対応すること。そのほかいろいろな指示を出した。センターバックの2人を中心に、周りがよくサポートしてくれた。非常に評価している。ゲームプランを立てたからと言って、そのプラン通りに行くとは限らない。先制点を奪って、自分たちのペースで試合を進めることが出来たが、後半の立ち上がりから中盤まで少し押し込まれる時間があった。そこは修正していかなければいけない。交代選手を含めた選手で、しっかりとゲームを終わらせるという流れは出来ていたと評価している。
Q.大岩監督にとってアントラーズらしさとは?
A.ホームで戦うというアドバンテージがあった。相手に少し押し込まれたとしても、最後は絶対にゴールは許さないという意識であったり、チームとしての割り切りというところは、自信を持って選手たちを送り出している。そういうプレーが出来る選手たちが揃っている。
FC東京:長谷川 健太
アントラーズらしい試合をされて負けてしまった。非常に悔しい結果となった。たくさんのサポーターの声援に応えたいという想いがあった。後半は決定機も何回か作って、一発決めていれば、また違う展開に持ち込めたと思う。ただ、その一発をなかなか決めることが出来ず、逆にセルジーニョに仕留められた。今日は、アントラーズがしたたかに戦うというところで、一枚上手だった。
選手コメント
[試合後]
【クォン スンテ】
前半の早い時間に点を獲れて、自分たちにペースを持ってくることが出来た。それが今日の一番大きな勝因だと思う。たくさんのサポーターの方々が駆けつけてくれると、今までなかった力が出てくる。そして、自分の知らなかった力が出てくる時がある。毎試合、たくさんのサポーターの方が来てくれて、その方たちに恥ずかしくない試合を見せていくことが出来れば、優勝に近づいていくと思う。
【小泉 慶】
自分だけ試合への入り方が悪く、簡単なミスをしたり、ボールの奪われ方が悪かった。チームとして勝てたことは大きいし、嬉しいこと。ただ、個人としては、反省材料が多い。しっかり改善していって、次に向けてやっていかなければいけないと思う。
【犬飼 智也】
リスクマネジメントをし続けること。2トップが相手になると難しくなるので、ボランチと話しながら、1枚は残るようにしていった。前回対戦でやられているので、意識してやっていた。ホームのいい雰囲気の中でやっているなと感じた。今年はホームで戦うときは、チームとしての一体感が強くなっている。サポーターが作ってくれているものだと思う。
【ブエノ】
チームとしてタイトルを目指している中で、大一番の試合になるということは分かっていた。全員がしっかり準備をして試合に入った。そして、首位のチームに近づくことが出来たので良かったと思う。
【三竿 健斗】
焦れずに我慢強くやろうと話していた。みんなでカバーしあえて、球際では強くいけていた。うまくしのいで2点目をとってしっかり勝つことができたと思う。最後に1位にいないと意味がないけれど、今のチームの一体感はすごくいいものがある。これをどんどん大きくして、最後に笑って終われるようにしたい。すぐ次に試合があるので、試合に出た選手が責任持ってプレーすることがいい結果につながると思う。
【セルジーニョ】
大一番の試合だということはみんなが分かっていた。この試合のためにしっかり準備をしてきたし、ピッチの中でみんなが高いパフォーマンスを示すということだけを意識して全員がピッチに立った。その結果が勝利につながって良かった。
【名古 新太郎】
まずは、勝てたことが一番。チームが一丸となってプレーできていたと思う。今日はサイドハーフで出場したが、どのポジションでもやることは変わらない。ただ、もう少し頭を使ってプレー出来れば良かったなと感じた。
◆2019明治安田生命J1リーグ 第26節(オフィシャル)