http://www.sponichi.co.jp/soccer/news/2014/09/08/kiji/K20140908008891030.html アギーレの公開カミナリだ!日本代表は7日、横浜市の日産スタジアムで9日のベネズエラ戦に向けた合宿を再開した。ハビエル・アギーレ監督(55)は就任後初めて一般サポーターにも戦術練習を公開。紅白戦ではショートCKからボールを最終ラインまで戻したプレーに対し、帽子を叩きつけて激怒。熱き闘将ぶりを披露した。
まるで瞬間湯沸かし器だった。アギーレ監督が突然、かぶっていた白い帽子を地面に叩きつけ、声を荒らげた。「もう忘れたのかっ!この前の試合のことを!」。紅白戦の途中だ。本田がショートCKで目の前にいた柴崎にパス。直後、柴崎は最終ラインまでボールを下げてしまった。その瞬間、一般ファンも見守る前で闘将から激しいカミナリが落とされた。
「中に入れて外に出す。その次は中だろ」。簡単に後ろに下げてしまった消極さが闘将に火をつけた。ウルグアイ戦の前半41分にもショートCKから同じようにボールを下げてしまい好機を逸していた。長友が反論しようとすると指揮官の怒りは沸点に達し、CKのやり直しを命じた。今度はゴールを脅かすと「言った通りだろ」と言わんばかりに本田の背中を思い切り叩いてみせた。
これがアギーレ流の“ムチ”だ。ピッチ外では冗談ばかりの陽気なメキシカンも、練習中は「バババ(行け)」「べべべ(見ろ)」。絶えずスペイン語で大声の指示が飛ぶ。直接、カミナリを落とされた長友も「あれは監督のコミュニケーションの一つ。(監督が)怒ってるとは思ってない。心配しないでください」と理解を示した。メリハリが利いていた。
この日は初めて戦術練習を公開。287人の一般ファンが見守る中、ウルグアイ戦で2失点を喫した守備の整備に力を注いだ。最終ラインには「相手がペナルティーエリアに入って来るまではエリアに入るな。持ちこたえろ」と通告。アギーレ監督の鬼の一面を見せられたDF陣は神妙な面持ちで指示に聞き入った。初勝利を目指すベネズエラ戦に向け、徐々にアギーレイズムが注入されてきた。