【Jリーグ(J1)ニュース】気になったジャッジを徹底解説する「Jリーグジャッジ リプレイ#4」がDAZN(ダゾーン)で配信中だ。今回は、明治安田生命J1リーグ第5節のアビスパ福岡が鹿島アントラーズに1-0で勝利した一戦から、鹿島DF関川郁万が一発退場となった場面を取り上げる。
番組には、お馴染みとなっているJリーグの原博実副理事長、Jリーグウォッチャーの平畠啓史さんに加え、JFA審判1級インストラクターの資格を持つ昇陽高校サッカー部総監督の奥谷彰男氏が登場。桑原学さんMCのもと、SNSで反応が多かったシーンをピックアップして議論を行った。
今回取り上げられているのは、福岡vs鹿島の36分のシーン。福岡がチャンスを迎えたところ、吉岡雅和が鹿島陣内でボールを奪った流れから、右サイドを抜け出そうとしていた三國ケネディエブスに対して関川がスライディングを試みる。三國は倒され、関川には一発レッドの判定が下された。
この場面を確認した平畠さんは「微妙というか、危ないようにも見えますし、ああやってスローで何回も見ると『ん?』という感じにも見えます」とコメント。続けて、SNS上では「関川のスライディングは悪質ではなかったのではないか?」という意見が寄せられたことを紹介する。
原副理事長は関川のプレーに改善が必要だと指摘した一方、警告が妥当だったと主張した。
「足の裏でいっているみたいですし、指導者として見れば関川に対して足を寝かせて、足の裏ではなくスライディングにいく練習をさせなければならないと思います。三國もスピードがあり、関川も一生懸命(スピードに乗って)いっていて、そのぶつかる勢いだけはすごいからラフプレーと思いがちですが、あれはイエローでよかったと思います」
また、MCを務める桑原さんも「関川選手は、もしかしたらボールの前にアウトサイドで足を入れてブロックしようとしたのかなというふうに感じました。ただ、三國選手が先にボールをつついてしまったことで、結果的に足の裏がちょっと三國選手の足首の辺りに入ってしまったのかなと思いました」と悪質ではなかったのではないか、と主張する。
とはいえ、原副理事長は「取られ方は、赤になっても仕方ないと言われれば仕方ない」とも。このどちらともとれる今回の事例について、J1リーグでも155試合で主審を務めた経験のある奥谷氏も「なかなか難しい判定」だと口にしている。
「私も1回だけ見た時には判断に迷うところですが、リプレイを見ると、やはり関川選手の足裏が見えていて、そして相手にキックしています。レッドでも仕方がないと感じました」
試合において、主審は関川のレッドについてVARオンフィールドレビューを用いず。この点についても賛否が噴出している。
得点や退場など試合の重要な判定についての“明白な間違い”をなくすために導入されているVAR。主審が対象の事象を認識できていなかった場合にも、映像を使用したオンフィールドレビューが適用される場合があるが、奥谷氏は副審とのコミュニケーションで十分に主審が事実を確認できていたのではないかと推測した。
「レフェリーの位置は少し遠いですし、逃げていくプレーだったので、副審の方がはっきりとしたジャッジができたように思います。そして、すかさずヘッドセットで『足裏、レッド』というふうなやり取りをしたのではないかなと、これは想像ですが。レフェリーもおそらくそういうふうに判断をし、その通りにVARに伝える。VARの映像と主審・副審からのコメントが一致していたので、オンフィールドレビューに至らなかったと理解しています」
結論として、奥谷氏はレッドカードでも致し方なしとの見解を示したが、原副理事長は「イエローカードでよかったと思います」と譲らず。
オンフィールドレビューが行われなかったことについても、「お互い話が合っていて確認ができていて、だから見なくて良かったというのは分かる」としながらも、「VARで1回チェックしてもよかったと思います。1回チェックして『間違いない』と言われれば、またさらに納得感はあったのかなという気はします」と、より観ている側が納得できるオペレーションをするべきだと主張している。
今回の『ジャッジリプレイ』では同じ福岡vs鹿島の後半ATに鹿島の得点が認められなかった判定、横浜F・マリノスvs徳島ヴォルティスの60分にマルコス・ジュニオールに警告が出された判定、サガン鳥栖vs柏レイソルの54分にあった田代雅也のファウルについても議論されている。
◆【動画】アビスパ福岡戦で退場の鹿島アントラーズDF関川郁万…判定は妥当?VARオンフィールドレビューが行われなかった理由(GOAL)