日刊鹿島アントラーズニュース

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2017年6月1日木曜日

◆優磨 解任の石井監督に感謝「もっと活躍して恩返しを」(スポニチ)


鹿島 石井監督を解任

 石井監督の下で15年にリーグ戦初出場を果たし、次期エース候補に成長中の鹿島FW鈴木は「本当に言葉にできないくらい感謝している。俺がもっと活躍することが、一番の恩返しになる」と感謝を口にした。

 最近の試合ではゲーム主将を任されることもあったDF昌子は「“おまえがこれから先を引っ張っていけ”と間接的に伝えられた気がする」と回想。また、DF西は「ここからは僕らの努力」と決意を新たにしていた。

http://www.sponichi.co.jp/soccer/news/2017/06/01/kiji/20170531s00002000442000c.html

◆【鹿島】石井監督を解任…補強に結果見合わず(報知)




 鹿島は31日、石井正忠監督(50)を解任し、大岩剛コーチ(44)が新監督に就任すると発表した。初制覇を目指したACLで30日の決勝T1回戦での敗退を受け、強化部が今季の成績や采配を分析。この日の朝、強化責任者の鈴木満常務が「今がベストのタイミングだと思って決めた」と解任を通達した。

 石井監督は2015年7月、コーチから昇格。選手の主体性を重視するスタイルで結果を残した。同年ナビスコ杯(現ルヴァン杯)を制覇。昨年JリーグCSを制し、クラブW杯決勝のRマドリード(スペイン)戦では延長戦で2―4と敗れたものの、実力を世界に示した。約1年11か月の在任期間で3タイトルを獲得した。

 Jリーグは1試合未消化分があり、鹿島は首位・柏から勝ち点6差の7位。鈴木常務は「選手のポテンシャルを出し切れていない。選手個人に、より具体的な指示を送れる監督が合う」と現状打破を優先した。石井監督はクラブ公式SNSで「思うようなチーム作りができなかった事を大変申し訳なく思います」とコメントした。

http://www.hochi.co.jp/soccer/national/20170601-OHT1T50083.html

◆鹿島激震 石井監督電撃解任 盟友鈴木強化本部長、非情宣告「勝つための仕事」(デイリー)


 電撃解任された石井正忠監督

 J1鹿島は5月31日、石井正忠監督(50)を電撃解任した。鹿島は今季、アジア・チャンピオンズリーグ(ACL)制覇を最大目標として大型補強をして臨んだが、30日、16強での敗退が早々に決定。かねて監督-フロント間で選手起用や交代、調整法などで食い違う面もあり、この日になって、最終決断に至った。後任には大岩剛コーチ(44)が昇格する。

 解任はこの日午前中に通告された。石井監督は公式SNSを通じて「私の力不足で皆様のご期待に応えることができませんでした」と謝意を述べた。

 他のクラブなら、考えられないタイミングでの電撃解任劇だ。Jリーグでは2連敗中とはいえ、1試合未消化で7位。ACLは前夜、16強で敗退したが、1次リーグは1位通過していた。それでも、大ナタは振るわれた。
フロントとズレ

 鈴木満取締役強化本部長(60)は選手起用や調整法などで「ズレがあった」と振り返った。その上で「最終的には勝ちたい。だから今、判断した。変化をもたらした方が勝つ可能性が高まると思ったから人事をした」と決断理由を明かした。

 鹿島ではかつて99年のゼ・マリオ監督、15年のトニーニョ・セレーゾ監督が途中解任された。当時もJリーグで1桁順位に位置しながらの交代劇だった。非情に見える人事は、常勝鹿島を築き上げた手法の1つだった。

 選手会長のDF昌子源(24)は「監督のせいじゃない。プレーするのは自分たち」と無念の表情。「選手として一番の薬が監督解任。それで(チームが)変わるのではなく、そうなる前から同じテンションでやらなきゃいけなかった」と悔やんだ。

昨季好成績も…

 石井監督は15年7月に就任し、ナビスコ杯(現ルヴァン杯)で優勝。昨季はJ1と天皇杯を制し、クラブW杯で準優勝。現役時代は1年を除いて創設期から鹿島一筋だった。鈴木本部長は「25年中、24年一緒にやってきた。(決断は)辛かった」と漏らす。昨季の日本一、世界2位監督への非情通告を経て、常勝への道を進む。

https://www.daily.co.jp/soccer/2017/06/01/0010243070.shtml

◆鹿島 石井監督を電撃解任…後任は大岩コーチに(スポニチ)




 鹿島は31日、石井正忠監督(50)の解任を発表した。30日に初制覇を狙ったアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)で敗退。今季の成績と内容を精査した結果、残る国内タイトル奪取のためには変革が必要と判断した。後任には大岩剛コーチ(44)が昇格。大岩新監督の初采配は4日の広島戦となる。

 王者ゆえの、電撃解任だった。ACL敗退から一夜、鈴木満常務取締役は「成績も当然あるが、チームが持っているポテンシャルを出し切れていない」と解任理由を説明。「勝つために代えた、と選手やスタッフにも伝えた。そうならないといけない」と、残る国内タイトル奪取のために変革を求めた経緯を明かした。

 石井監督は15年7月に就任。昨年8月には心労で休養し一度は辞意を申し入れたこともあったが翻意した。その後はJ1年間優勝、クラブW杯準優勝、天皇杯優勝へと導き、15年のナビスコ(現ルヴァン)杯も含め3つの国内タイトルを手にする実績を残した。だが、今季はオフに多数の有力選手を獲得しながらACLは決勝トーナメント初戦で敗退し、リーグ戦も7位と低迷。起用法を巡りクラブとの間に齟齬(そご)が生じていた。

 解任通告はこの日の朝に直接クラブハウスで行われ、選手にもミーティングで伝えられた。MF小笠原主将は「下を向いている暇はない。前に進むしかない」と言葉を発したという。練習は早速、大岩新監督が指揮。GK曽ケ端は「選手みんなが同じ方向を向いてやらないといけない」と静かに語った。

 大岩コーチは昨季、石井監督休養時に監督代行を務めたが、Jリーグの監督は初となる。「まずは選手の自信を回復させてあげたい。このクラブにいる以上は勝利が目的。チーム全体を、選手全体を、そこに向けて持っていきたい」と決意をにじませた。

 ◆石井 正忠(いしい・まさただ)1967年(昭42)2月1日生まれの50歳。千葉県市原市出身。順大を経て89年にNTT関東入り。91年に住友金属へ移籍し、鹿島の創設メンバーとなった。98年に福岡へ移籍し、現役を引退。99〜01年の鹿島ユースコーチ、02〜11年のトップチームフィジカルコーチ、12年からの同総合コーチを経て15年7月に監督就任。昨季はクラブの日本人監督として初のJ1年間優勝へ導き最優秀監督賞初受賞。1メートル79。血液型B。

 ◆大岩 剛(おおいわ・ごう)1972年(昭47)6月23日、静岡県清水市(現静岡市清水区)生まれの44歳。清水商(現清水桜が丘)では磐田の名波浩監督と同期で4度全国制覇。筑波大でも日本一に輝いた。名古屋、磐田を経て03年に鹿島へ移籍し、Jリーグ初の3連覇を経験。11年元日の天皇杯優勝を最後に現役を引退し、11年から鹿島のトップチームコーチに就任した。J1通算386試合10得点。国際Aマッチ通算3試合0得点。1メートル80、血液型A。

http://www.sponichi.co.jp/soccer/news/2017/06/01/kiji/20170531s00002000348000c.html

◆鹿島石井監督「思うようなチーム作りできなかった」(ニッカン)



 鹿島アントラーズは31日、石井正忠監督(50)の解任を発表した。

 石井監督はクラブ公式ホームページ上で「鹿島アントラーズに関わる全ての皆さまへ」と題し、コメントした。

 「今季において最大の目標であったAFCチャンピオンズリーグのタイトルを獲ることができなかったこと、また、思うようなチーム作りができなかった事を大変申し訳なく思います。今シーズンにおいても常に勝利を重ねて優勝を目指す『強いチーム』そして、多くの皆様から支えられるような『愛されるチーム」を築こうと努力してきましたが、私の力不足で皆様のご期待に応えることができませんでした。2015年シーズン途中での監督就任から今日までの間、練習から一生懸命取り組んでくれた選手達、献身的にサポートしてくれたチームスタッフやクラブ関係者、私に関わってくれた全ての方々の力で、素晴らしい経験をさせていただきました。本当に感謝の気持ちでいっぱいです。特に、地域の皆さんをはじめとするファンやサポーターの方々には、選手時代から長年にわたり支えていただきました。そのことは決して忘れませんし、心より感謝しています。私自身はシーズン途中でこのクラブを去ることとなりましたが、どうかこれからも鹿島アントラーズを応援し続けていただければ幸いです。長い間、本当にありがとうございました」(原文のまま)。

 後任には大岩剛コーチ(44)が昇格する。

http://www.nikkansports.com/soccer/news/1832765.html

◆鹿島大岩新監督、石井魂秘め「責任もってやりたい」(ニッカン)




 鹿島アントラーズは31日、石井正忠監督(50)の解任を発表した。後任には大岩剛コーチ(44)が昇格する。

 大岩新監督は、この日午後に行われた茨城・鹿嶋市内での練習で初指揮をとった。

 練習後「常に勝利を求めていく、このクラブの立ち位置は理解しています。正直緊張はしていますし、やるしかないという気持ちもある。できるだけ選手の近くにいて、コミュニケーションをとるつもりだし、選手の進むべき道を誰に対してでも導いてあげることが必要。少しでも成長、レベルアップしていき、タイトルをとるために責任をもってやりたい」と決意を明かした。

 午前中にクラブから監督交代を告げられ、石井監督とも対面した。ジュビロ磐田から鹿島に移籍した03年を皮切りに、11年からは同じコーチとして、15年途中からは監督とコーチとして戦ってきた関係。「申し訳なかった」「ありがとう」の言葉をかけられただけでなく、石井監督ができなかった思いも伝えられた。「選手には言いませんけれど、石井さんのためにというのはどこかに存在する。それを内に秘めて前に進まないといけない」と話した。

 6月4日のアウェー広島戦(Eスタ)が監督しての初試合となる。

http://www.nikkansports.com/soccer/news/1832783.html

◆J王者・鹿島、石井監督解任…積極補強もACL敗退、大岩コーチが昇格(サッカーキング)


石井正忠

 鹿島アントラーズは5月31日、AFCチャンピオンズリーグ(ACL)敗退を受け、石井正忠監督との契約を解除することを発表した。「今季の成績を総合的に考慮したうえで」の決定で、後任の指揮官には大岩剛コーチが就任する。

 鹿島は30日に行われたACLラウンド16・セカンドレグで広州恒大(中国)を2-1で破って2試合合計スコアを2-2としたものの、アウェイゴール数で屈して敗退となった。そして翌31日、監督交代が決定。大岩コーチが昇格する形で、新指揮官に就任することが決まった。

 石井監督は1967年生まれの50歳。順天堂大学出身で、NTT関東と住友金属工業を経て、Jリーグへ加盟した鹿島の一員としてプレーした。1998年にアビスパ福岡へ移籍し、同シーズン限りで現役を引退。指導者転身後は鹿島ユースのコーチ、トップチームのフィジカルコーチを務め、2012年からはコーチを担当。2015年7月、トニーニョ・セレーゾ前監督の解任に伴い、指揮官に就任した。鹿島にとっては1992年から1994年6月までチームを率いた宮本征勝氏以来、クラブ史上2人目の日本人監督となった(1998年7月から1999年8月まで関塚隆氏が監督代行を務めた)。

 石井監督就任後、鹿島は2015年のヤマザキナビスコカップ(現JリーグYBCルヴァンカップ)を制覇。昨季は明治安田生命J1リーグと天皇杯の2冠を達成し、開催国代表として出場したFIFAクラブワールドカップ ジャパン 2016ではアジア勢初の決勝進出を果たした。決勝ではレアル・マドリード(スペイン)に延長戦の末、2-4と敗れたものの、大躍進を遂げた。

 今季開幕前にはアルビレックス新潟からブラジル人MFレオ・シルバ、ヴィッセル神戸から同FWペドロ・ジュニオール、パルメイラスから元ブラジル代表MFレアンドロ、さらに全北現代から韓国代表GKクォン・スンテを獲得するなど、積極的な補強で全タイトル制覇を目指した。だが、明治安田生命J1リーグでは第13節終了時点(1試合未消化)で7勝5敗の勝ち点「21」で暫定7位。そしてACLはラウンド16で敗退することとなり、石井監督の解任が決まった。なお、同監督の公式戦通算成績は57勝7分け29敗、勝率は約61.3パーセントだった。

 新監督に就任する大岩氏は1972年生まれの44歳。選手時代は清水商業高校から筑波大学を経て、名古屋グランパスやジュビロ磐田でプレーした。2003年に鹿島へ加入し、2010年の現役引退までプレー。J1リーグ通算で386試合10ゴール、日本代表としても国際Aマッチ3試合出場を記録している。現役引退後は指導者に転身し、2011年から鹿島のコーチを務めていた。

 鹿島は次戦、6月4日の明治安田生命J1リーグ第14節でサンフレッチェ広島とのアウェイゲームに臨む。ACL制覇という目標を絶たれて指揮官交代を断行した王者が、新体制で巻き返しを図る。

https://www.soccer-king.jp/news/japan/jl/20170531/594710.html?cx_cat=page1

◆石井監督解任を発表 強化部長「変化が必要」(毎日新聞)




 サッカーJ1鹿島は31日、石井正忠監督(50)の解任を発表した。アジア・チャンピオンズリーグ(ACL)は決勝トーナメント1回戦で敗退し、Jリーグは2連敗中で7勝5敗の7位。鈴木満強化部長は「ACL敗退と今年全体の成績や内容を精査した上で、変化が必要」と説明した。後任は大岩剛コーチ(44)が昇格する。

 石井監督はコーチだった2015年7月、成績不振で解任されたセレーゾ監督の後任で就任し、同年にナビスコ杯(現ルヴァン杯)優勝。昨季はJ1と天皇杯の2冠を達成し、クラブワールドカップでもアジア勢初の準優勝を果たした。

 ACL制覇も目指した今季はクラブも積極的に補強したが、安定感を欠き、故障者も続いた。鈴木強化部長は「チームのポテンシャルを出し切れていない。選手起用や交代、やり方が違っていればという思いも」と決断理由を明かした。

 鹿島の選手会長も務めるDF昌子源は「鹿島は勝ち続けなければいけない。選手として考えるべきことがある」と話した。【大島祥平】

https://mainichi.jp/articles/20170601/k00/00m/050/085000c

◆電撃解任の石井監督、鹿島の歴代監督でリーグ戦勝率は3位(フットボールチャンネル)


石井正忠

 J1の鹿島アントラーズは31日、石井正忠監督の解任を発表した。昨年の優勝監督が、リーグタイトル獲得のわずか半年後にチームを去るという電撃解任となった。

 石井監督は2015年7月、成績不振により解任されたトニーニョ・セレーゾ前監督の後任として鹿島の監督に就任。初年度にナビスコカップ(現YBCルヴァンカップ)のタイトルを獲得し、翌2016年にはJ1の1stステージ制覇を成し遂げた。

 2ndステージでは11位と振るわなかったが、チャンピオンシップを制した鹿島は7年ぶりとなるJ1年間王者のタイトルを手に入れた。だが今季のAFCチャンピオンズリーグ(ACL)で早期敗退を喫したことで、クラブによれば「成績を総合的に考慮」した上での解任という決断に至った。

 石井監督は約2年間の在任期間でJ1の60試合を戦い、36勝5分け19敗という通算成績。リーグ戦の勝率「60%」という数字は、鹿島の歴代監督の中でも上位に位置している。

 最高勝率を残しているのは1999年にチームを率いたジーコ監督だが、指揮を執ったのは11試合のみだった(8勝3敗、勝率72.7%)。1年間以上監督を務めた指揮官では、1996年から98年にかけて鹿島を率いたジョアン・カルロス監督が最高勝率の71.2%を記録している。

 石井監督の勝率60%はそれに次ぐ数字。ジョアン・カルロス監督が鹿島を率いていた当時のJリーグには引き分けがなく延長戦・PK戦を行って決着をつけていたため、90分間での勝率はより低かったことも考えれば、石井監督は鹿島で歴代トップクラスの数字を残したと言えそうだ。

▼鹿島アントラーズ歴代監督勝率

72.7% ジーコ(11試合)
71.2% ジョアン・カルロス(73試合)
60.0% 石井正忠(60試合)
60.0% ゼ・マリオ(35試合)
58.2% 宮本征勝(110試合)
52.9% パウロ・アウトゥオリ(34試合)
52.7% エドゥ(74試合)
52.4% オズワルド・オリヴェイラ(170試合)
51.8% トニーニョ・セレーゾ(272試合)
35.3% ジョルジーニョ(34試合)

【了】

https://www.footballchannel.jp/2017/05/31/post213753/


◆鹿島、電撃解任の石井監督がメッセージ。「力不足で期待に応えられなかった」(フットボールチャンネル)


石井正忠

 J1の鹿島アントラーズは31日、石井正忠監督を解任したことを発表した。クラブの公式フェイスブックを通して、同監督が別れのメッセージを述べている。

 石井監督は2015年7月に鹿島の監督に就任し、同年にナビスコカップ(現YBCルヴァンカップ)のタイトルを獲得。2016年にはチームを7年ぶりのJ1年間王者に導くとともに、クラブワールドカップではアジア勢として初の決勝進出を果たしてレアル・マドリーとの接戦を演じた。

 だが、30日に今季AFCチャンピオンズリーグ(ACL)での敗退が決まったことを受け、クラブは石井監督の契約解除を発表した。「今季の成績を総合的に考慮したうえで」の決定だとクラブは述べている。

 鹿島を去る石井監督は、「今季において最大の目標であったAFCチャンピオンズリーグのタイトルを獲ることができなかったこと、また、思うようなチーム作りができなかった事を大変申し訳なく思います」とコメント。「私の力不足で皆様のご期待に応えることができませんでした」とファンへの謝罪の言葉を述べた。

 その上で、選手やスタッフ、関係者らに向けて「素晴らしい経験をさせていただきました」と感謝。「特に、地域の皆さんをはじめとするファンやサポーターの方々には、選手時代から長年にわたり支えていただきました。そのことは決して忘れませんし、心より感謝しています」と続け、「これからも鹿島アントラーズを応援し続けていただければ幸いです」とクラブへの変わらぬサポートを望んでいる。

 石井監督の後任には、大岩剛コーチが就任することも発表されている。6月4日に行われるJ1第14節のサンフレッチェ広島戦が初陣となる。

【了】

https://www.footballchannel.jp/2017/05/31/post213720/

◆「世界2位」の石井監督を電撃解任。 鹿島にとってのクラブW杯の重み(Sportiva)


 接戦、惜しい試合は数あるが、広州恒大との一戦は、今季見た試合の中では一番だった。アウェーゴールルールの魅力が最大限発揮された、それなりのレベルの戦い。相手には世界的な選手もいれば、W杯優勝監督もいる。アジアチャンピオンズリーグ(ACL)準々決勝セカンドレグ。0-1という第1戦のスコアを受けて始まった一戦に、サッカー好きの心は思いきりくすぐられた。



 鹿島アントラーズと言われて想起するのが、昨年末のクラブW杯。決勝でレアル・マドリードと延長戦を戦い、惜しくも敗れた記憶はいまだ新しい。その直前にJリーグチャンピオンシップを制し、開催国枠で出場するや、難敵を相次いで倒して決勝に進出。そのR・マドリード戦でも、主審がセルヒオ・ラモスにきちんと2枚目の黄色紙(=赤紙)をかざしていれば、あるいは後半終了間際、決定的チャンスで遠藤康が右足で放ったシュートが枠を捉えていれば、番狂わせが成立していた可能性があった。

 これまで日本のチームが経験した惜敗の中で断トツの1位。試合後、石井正忠監督も興奮冷めやらぬ様子で、今後の健闘を誓ったものだ。

 クラブW杯は今後しばらく中国で開催されるため、Jリーグ覇者が昨年のように開催国枠で出場することはできない。クラブW杯への出場は、ACLを制する以外、かなわない。

 連続出場を狙う鹿島にとって、この準々決勝の対広州恒大戦は、確実に越えなければならないハードルだった。

 実際、今季の頭から、鹿島はこの日に備えていたように見えた。「グループリーグはなんとか突破できるのではないか」とは、シーズン前に語った石井監督の言葉だが、それは言い換えれば、準々決勝以降のトーナメント戦が勝負と見る証(あかし)でもあった。

 Jリーグ勢としてACL準々決勝に臨むのは、他に川崎フロンターレと浦和レッズ。浦和が対戦する済州ユナイテッド、そして鹿島が対戦する広州恒大は、川崎が対戦するムアントン(タイ)より強敵だ。実際、浦和も初戦をアウェーで0-2と落としていた。

 鹿島のアウェーでの0-1は、まずまずの結果とも言えるが、こうした戦いで求められているのがアウェーゴールだ。0-1より1-2の方が、突破の可能性は5割増す。ホーム戦ではそれが恐怖になる。1点奪われれば、3点奪い返す必要が出る。

 試合は、開始直後こそ広州恒大のペースだったが、15分過ぎから流れはじわじわと鹿島へ移行。素早いボール奪取から鮮やかなパスワークが冴えるようになる。前半25分、鈴木優磨が決定機を外したその3分後、ペドロ・ジュニオールが中央を単独で割り、いったん転倒しかけるも、持ち直してシュート。それがゴール左隅に決まり、通算スコアは1-1になった。

 この時点でイーブン。流れでも試合内容でも鹿島は広州恒大を上回っていた。後で振り返れば、悔やまれるのは、先制点後の戦いだ。同点ゴールを奪われた広州恒大はトーンダウン。鹿島の優位は鮮明になった。だが、そこで鹿島は勝てると踏んだのか、逆に勝利に対して慎重になった。アウェーゴールを恐れ、一気呵成に出なかった。

 後半に入ってもこの流れは続いた。そうこうしているうちに、流れは互角になる。広州恒大も徐々にペースを回復させた。

 アウェーゴールが生まれたのは後半10分。スローインからあれよあれよという間に、ボールがゴール前に流れ、最後は、ブラジル代表MFパウリーニョに、押し込まれてしまった。

 通算スコアは1-2。だが、実質的には1-3に近い1-2だ。鹿島が勝利を飾るためには、2点奪う必要が生じた。そこから、必死の形相で鹿島は追いかけることになるのだが、エンジンのかかりはもうひとつ。

 全体的な印象は悪くない。他のJリーグのチームにはない何かが、鹿島にはある。いいサッカーか、悪いサッカーかといえば、間違いなく前者。ゴールを目指すための進路に間違いがないので、サッカーが美しく見える。こうしたチームにこそ勝ってほしいとつくづく思うが、一方で何かに欠けていたことも事実だ。

 パッと見、軽い。ボクシングで言えば軽量級。対する広州恒大はミドル級。鹿島のサッカーは、細工は利いていたが、威力に欠けた。レオ・シルバの戦線離脱(5月14日の神戸戦で、左膝を故障)も輪をかけるが、昨季終盤の戦いとの比較でいえば、サイドチェンジの絶対数が減っていた。だからサイド攻撃がいまひとつ生きてこない。

 とはいえ、その後も鹿島には惜しいシュート、決定的に近いチャンスは幾つもあった。そしてロスタイムに入った瞬間、金崎夢生がゴール右隅に決め通算スコア2─2とする。あと1点。もう10分あれば……、あるいはサッカーに判定勝ちがあるなら……。そう言いたくなる、追って届かずの惜しい敗戦だった。

 ただし、である。いくらいいサッカーをしても、負けてしまったら何も残らない――という考え方に通常、賛同する気はおきないが、この広州恒大戦に限れば別。多少見映えが悪くても、絶対に勝たなければならない一戦だった。照準を合わせていた、まさに大一番に鹿島は敗れた。

 Jリーグにおける鹿島の現在の成績は、消化試合数が1試合分少ない暫定順位ながら7位。首位柏と勝ち点6差だ。ACLで勝ち続ける限りは許される順位になるが、敗れてしまえば貧弱に見える。

 この敗退でJリーグの戦いに集中できる環境が整い、これ以上成績は落ちないはず。筆者はそう見ていたが、鹿島のフロントは石井監督を解任した。後任には大岩剛コーチが就くと聞くが、まさに電撃的。思いきった決断をした。

 昨季終盤のチャンピオンシップからクラブW杯、天皇杯にかけて、石井監督率いる鹿島は秀逸なサッカーをした。わずか半年前の話だ。現在のサッカーも、結果はともかく、決して悪くない。こちらには解任が、ずいぶん思いきりがよすぎる決断に見える。

 一方、フリーになった石井監督は、すなわち、狙い目の指導者になったと思う。他のクラブはもちろん、2020年五輪監督にもうってつけではないか。昨年のクラブW杯で見せた快進撃は、まさに「日本」にとって貴重な財産だ。番狂わせのコツを知る監督。その貴重さについて思うのは、僕だけではないはずだ。その去就に注目したい。

https://sportiva.shueisha.co.jp/clm/football/jleague_other/2017/05/31/acl/

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