日刊鹿島アントラーズニュース

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2022年8月9日火曜日

◆停滞気味の鹿島が浮上できるかどうかは「自分次第」。結果のすべてを背負い込む鈴木優磨の覚悟「全部、オレがやる」(サッカーダイジェスト)






言葉の端々にあふれ出すクラブへの愛着や情熱


[J1第24節]鹿島0-2広島/8月6日/県立カシマサッカースタジアム

 チームの誰もが不安を隠せなかったといって差し支えないだろう。選手の間では、あえて話題にしてこなかった節もある。むしろピンチをチャンスに変えるべく、今いるメンバーで、何とか改善しようと意気込んでいた。

 だが、やはりというべきか。懸念されていた課題が顕在化してしまった。

 チーム一の得点源であるFWの上田綺世がサークル・ブルージュ(ベルギー)に移籍して以降、Jリーグ6試合を消化した時点で、1勝3分2敗。一時は首位に立っていた鹿島の歩みは明らかにスローダウンし、優勝争いどころか、ACLの出場権がかかる3位以内からも脱落してしまった。

“上田ロス”の影響は予想以上に大きい。決定力不足が何しろ深刻だ。直近6試合における数字がその事実を浮き彫りにする。1試合平均得点が1点に過ぎず、また、半分にあたる3試合が無得点に終っている。勝ちきれない主たる要因はここにある。

 チャンスは作る。だが、ゴールが決まらない。そんな苦しい現状から、いかに脱出しようとしているのか。獅子奮迅のパフォーマンスで攻撃陣をけん引し、ときには足を痙攣させながらもピッチに立ち続ける鈴木優磨が覚悟を口にする。

「攻撃が機能するために、いろいろ考えながらプレーしているけれど、(結果が出ていないだけに)もっと工夫しなければいけない。ここからチームが浮上できるか、どうか。自分次第かなと思っている。チャンスを作る。ゴールを決める。全部、オレがやるくらいの覚悟で戦う」

 サッカーはひとりでは成り立たない。もちろん、そんなことは百も承知ながら、結果のすべてを背負い込もうとしている。クラブ生え抜き選手としてジュニア時代から長きにわたり鹿島に世話になってきたそれが鈴木の矜持でもあるのだろう。言葉の端々にあふれ出すクラブへの愛着や情熱がヒシヒシと伝わってきた。

 前節の横浜戦(0-2)に敗れたあとは「今日は勘弁して」と、取材ゾーンを足早に通り過ぎたが、24節の広島戦の敗戦後は立ち止まり、グイッと顔を上げながらタイトル奪還に向けての変わらぬ思いも打ち明けた。

「今日の試合は、最後に自分のミスから失点してしまい、本当に申し訳ない。優勝の可能性が正直、小さくなったのは確か。オレらが勝ち続けても上が負けてくれないと届かない。そういう状況ではあるけれど、あきらめずに戦い続けることで、間違いなく自分たちの成長につながると信じている。最後に、良いシーズンだったねと言えるよう、自分ができることを100パーセント出し切りたい」

 今季、およそ2年半ぶりに鹿島に復帰。シーズン開幕前の新体制会見で、「チームを勝たせるために帰ってきた」と所信表明したが、その姿勢を貫く。

 Jリーグは泣いても笑っても残り10試合。ACLの出場権がかかる天皇杯はベスト8まで勝ち上がっているので、最多で3試合。佳境を迎えつつあるシーズンラストへ、キャプテンマークを巻き、背番号40を身にまとう大黒柱は思いのたけをぶつける。

取材・文●小室功(オフィス・プリマベーラ)




◆停滞気味の鹿島が浮上できるかどうかは「自分次第」。結果のすべてを背負い込む鈴木優磨の覚悟「全部、オレがやる」(サッカーダイジェスト)





◆鹿島ヴァイラー監督の更迭はなぜ起きた? 広島スキッベ体制と“共通項”も、「好転のきっかけ」を掴めなかった訳(FOOTBALLZONE)






【識者コラム】鹿島では初のヨーロッパ人監督、ヴァイラー氏の解任劇に焦点


 鹿島アントラーズのレネ・ヴァイラー監督が解任された。一時は首位だったのが第24節では5位まで後退してしまっている。

 鹿島では初のヨーロッパ人監督ということで注目されていた。今季のJ1はサンフレッチェ広島がミヒャエル・スキッベ監督、FC東京はアルベル監督を招聘して、ちょっとしたヨーロッパ人監督ブームだったわけだが、シーズン初めから指揮を執っていな中ではヴァイラー監督が解任第1号となったわけだ。

 ヨーロッパの監督といっても三人三様。ただ、ヴァイラー監督とスキッベ監督はハイプレスと縦に速い攻撃を掲げていた点で共通している。ドイツを中心に流行しているプレースタイルだ。

 スキッベ監督の広島は開幕から躓いていた。ビルドアップの上手いチームとの対戦が続いたこともあり、ハイプレスが空回りしていたのだ。しかし、その後は持ち直して第24節時点では6位。好転のきっかけになったのはボールポゼッションだった。

 後方からしっかりボールをつないで押し込むことで、その後の敵陣でのプレスが効くようになり、奪ったら速く攻め込むこともできるようになった。本来はあまり後方のパスワークに時間をかけたくないはずなのだが、そこである種の妥協をしたことでやりたいプレースタイルを実現できている。

 鹿島の場合は、プレースタイルを実現するためのカギが見つからないままだった気がする。もともと球際に強く、シンプルな攻め込みにも迫力があり、新監督の戦術的な指向性は相性が良さそうだった。ところが、飛躍的に好転するきっかけは遂に掴めないままヴァイラー監督解任となっている。特に夏場で気温と湿度が上がってくると、強度を重視したプレースタイルは厳しいものがある。ヨーロッパで70~80分ぐらいまで維持できる強度が、Jリーグだと15分ぐらいしかもたない。体力差もあるかもしれないが、気候の問題が大きいのではないかと思う。

 鹿島の失速はシーズン途中でトップスコアラーの上田綺世(→サークル・ブルージュ)が移籍してしまったのが最も大きな要因だろう。ただ、ヴァイラー監督が期待ほどではなく、戦術的な修正力も十分でないので、これ以上指揮を執らせてもチーム力は上向かないと判断したようだ。

 ヨーロッパの監督といっても当然さまざまなのだが、「この結果を出せ」というタイプが比較的多いかもしれない。日本人の監督だと、「こういうプレーをしてくれ」と、結構具体的な要求がある。上手くいかなければ改善案も出してくる。どちらが良いかは一概には言えない。ただ、「この結果を出せ」のタイプだと、例えばハイプレスと縦に速い攻撃という目標は掲げても、それを実現するのは選手だという考え方になる。設計図は作るけれども大工仕事まではやらないのだ。

 もちろんヨーロッパ人にもいろいろな監督がいるので一括りにはできないのだが、どういうタイプの監督なのかを把握していないと、いざやってみてから「思っていたのと違う」ということはよく起こる。障壁は気候の違いだけでなく文化の違いもあるわけだ。

(西部謙司 / Kenji Nishibe)




◆鹿島ヴァイラー監督の更迭はなぜ起きた? 広島スキッベ体制と“共通項”も、「好転のきっかけ」を掴めなかった訳(FOOTBALLZONE)





◆なぜ鹿島ヴァイラー監督“電撃解任”はサポーターの反発を招いたのか…小泉社長がSNSで経緯説明も(THE PAGE)






 鹿島アントラーズは7日、レネ・ヴァイラー監督(48)との契約を双方合意のもとで解除したと発表した。クラブ史上初のヨーロッパ出身指揮官として、今シーズンから指揮を執るスイス人のヴァイラー監督のもとで一時は首位に立った鹿島だが、直近のリーグ戦5試合で3分け2敗と失速。鹿島の小泉文明代表取締役社長(41)は自身のツイッターで「成績をはじめ総合的に判断、議論し合意した」と理由に言及したが、ファン・サポーターの激しい反発を招いている。


3分け2敗で4位後退…「総合的に判断、議論し合意」


 ヴァイラー監督の退任が鹿島から発表された直後の7日午後2時すぎ。鹿島の小泉社長が自身のツイッター(@Koizumi)を更新し、指揮官を代える理由に言及した。

「成績をはじめ総合的に判断、議論し合意したことであり、レネ監督のこれまでの働きに感謝しております。また、このような状況になっていることは監督だけの問題ではなく、強化部をはじめ経営側にも反省点があり改善すべきことがあります」

 鹿島もリリースで、クラブ史上で最短となる、就任から約半年でヴァイラー監督が退任する理由を「フットボールにおける現状と今後の方向性について協議した結果、双方合意のもと契約を解除することとなりました」と説明した。小泉社長のツイートはこれを踏襲した形だが、直後からファン・サポーターの激しい反発を招いている。

 ホームの県立カシマサッカースタジアムにサンフレッチェ広島を迎えた、6日の明治安田生命J1リーグ第24節で鹿島は0-2で敗れた。横浜F・マリノスに0-2で完敗した7月30日の第23節を含めて、直近のリーグ戦5試合で3分け2敗と失速。一時は首位に立っていた順位を、広島戦を終えた段階で4位に下げていた。

 もっとも、サッカー界全体では「まだ4位」という状況とともに、指揮を執って1年目のヴァイラー監督の突然の交代は驚きを持って受け止められた。対照的に鹿島のファン・サポーターの大半から批判されているのはなぜなのか。

 ロングボールを駆使し、縦に速いサッカーを標榜するヴァイラー監督のもと、上位戦線につけていた鹿島の失速は、いま現在もJ1得点ランキングの1位タイに名を連ねるFW上田綺世(23、現サークル・ブルージュ)の移籍を抜きには語れない。

 上田が最後にJ1でプレーしたのは、6月26日の名古屋グランパスとの第18節。直後の柏レイソル戦を2-1で制し、続くセレッソ大阪戦では3-3で引き分けた鹿島だが、北海道コンサドーレ札幌戦以降のリーグ戦4試合でわずか1ゴールにとどまっている。

 移籍するまでに10ゴールをあげていた上田が抜けた穴はあまりにも大きく、必然的にもう一人のFW鈴木優磨(26)に大きな負担がかかる悪循環が生まれる。リーグ7位タイの7ゴールをあげている鈴木だが、夏場の過酷な戦いで後半途中から消耗する展開が続き、直近の3試合ですべて先発フル出場するも無得点が続いている。

 日本人選手が若くしてヨーロッパへ新天地を求める傾向を踏まえれば、鹿島も上田の移籍に備えておく必要があった。ましてや2010年以降の鹿島は内田篤人、大迫勇也、柴崎岳、植田直通、昌子源、安部裕葵らが次々と海外へ移籍している。

 しかし、鹿島の動きは鈍かった。しかも上田に続いて3年目のFW染野唯月(20、現東京ヴェルディ)までが7月に期限付き移籍。フォワード陣が深刻なコマ不足に陥り、結果として極端な得点力不足に悩まされる戦いを余儀なくされた。

 鹿島は今月1日、ナイジェリア出身のFWエレケ(26)がベールスホット(ベルギー)から加入すると発表した。身長190cm体重88kgのサイズを誇るエレケは、2018-19シーズンにルツェルン(スイス)でヴァイラー監督のもとでプレーしている。

 日本でプレーするにあたってはヴァイラー監督が率いる状況も影響したはずだし、指揮官自身も「フィジカル的に強い選手で、個人で打開する能力がある」と大きな期待を寄せていた。それだけに、エレケの合流前の解任はちぐはぐ感が否めない。

 もっとも、鹿島が補強で後手を踏む状況は今夏の移籍市場に限らない。

 このオフに犬飼智也(29、浦和レッズ)と東京五輪代表の町田浩樹(24、ユニオン・ザンジロワーズ)と2人のセンターバックが移籍した。札幌からリオ五輪韓国代表のキム・ミンテ(28)を獲得したが、現状では犬飼と町田が抜けた穴を埋められず、ボランチを主戦場とする三竿健斗(26)がセンターバックに回るケースが多くなった。

 さらに新型コロナウイルス禍で外国人の新規入国が制限されていた影響で、ヴァイラー監督の合流が開幕後にずれ込んだ。キャンプからチームをまったく指導できなかっただけでなく、夏場の補強を含めて万全な陣容を編成できなかったからこそ、指揮官だけにすべての責任を押しつけるのはおかしいと批判がわきあがった。

 鹿島は昨年4月にも成績不振を理由に、指揮を執って2シーズン目を迎えていたブラジル出身のザーゴ監督を解任。クラブOBの相馬直樹コーチ(現大宮アルディージャ監督)が監督に昇格し、最終的には4位まで巻き返した。

 それでも相馬監督との契約延長を見送り、スイス人のヴァイラー監督を招へいした。鹿島史上で初めてとなるヨーロッパ出身の指揮官として注目されたが、当初は黎明期から掲げられてきたブラジル人監督を継承する予定だった。

 コーチ、強化育成課長、強化部長、そしてフットボールダイレクターとして鹿島の歴史のすべてに関わり、昨年末に退任した鈴木満氏(現強化アドバイザー)から、最終的にヴァイラー監督を迎え入れた経緯を聞いたことがある。

「ブラジル人で若くて、ヨーロッパの現代サッカーを勉強している指導者をジーコと一緒に探した。しかし、ブラジル国内でも外国人監督が増えている。いろいろとリストアップしたなかで5人ぐらいとリモートで面談したなかで、いまの鹿島のサッカーを理解しながらアップデートさせる仕事に一番適応できると判断した」

 ザーゴ元監督もブラジル出身ながら、ヨーロッパサッカーの薫陶を色濃く受けていた点が決め手になって鹿島に迎え入れられた。ジーコが礎を築き、歴代の外国人監督だけでなく、外国籍選手のほぼ全員をブラジル人で占めてきた路線からの転換は、歴史や伝統にこだわりすぎれば時代に取り残される、という危機感が共有されていたからだ。

 大きな変革を掲げたからこそ、我慢も求められる。しかしながら、鹿島および小泉社長による説明が抽象的だった点も大きな反発を招き、鈴木氏の後任に就いた吉岡宗重フットボールダイレクターにも批判の矛先が向けられる状況を招いている。

 ヴァイラー監督だけでなく、今シーズンに就任したドラガン・ムルジャ・コーチ、マヌエル・クレクラー・フィジカルコーチとの契約も解除された。7日時点で後任監督は発表されていないが、今シーズンに就任し、開幕直後はヴァイラー監督に代わって指揮を執ったクラブOBの岩政大樹コーチ(40)の就任が有力視されている。

 前出の鈴木氏は時代とともに変わらなければいけない部分がある一方で、絶対に受け継いでいかなければいけないものもあると強調していた。それは昨シーズン限りで鹿島のテクニカルディレクターを退任し、ブラジルへ帰国したジーコが植えつけたスピリット、チームの結束力と一体感、勝利へのこだわりの三位一体となる。

 情報通りに岩政コーチが監督に就任すれば、昨シーズンに続いてクラブのOBに火中の栗を拾わせる形になる。仮定の話になるが、相馬元監督と同じように緊急登板という形で終えれば、鹿島が大事にしてきた結束力と一体感が再び大きく損なわれる。

 IT企業のメルカリが経営権を取得し、取締役会長の小泉氏が鹿島の社長に就いて3年あまり。ツイッターで「選手、チームスタッフ全員が一致団結して向かってまいります」ともつぶやいた同氏の舵取りがあらためて問われるなかで、ライバル勢の追随を許さない、リーグ最多の20冠を誇る常勝軍団が転換点を迎えようとしている。

(文責・藤江直人/スポーツライター)




◆なぜ鹿島ヴァイラー監督“電撃解任”はサポーターの反発を招いたのか…小泉社長がSNSで経緯説明も(THE PAGE)





◆J1鹿島 新監督に岩政コーチ就任 「全力でタイトル獲得」(茨城新聞)






J1鹿島は8日、7日に契約を解除したレネ・バイラー監督(48)の後任に岩政大樹コーチ(40)が就任したと発表した。

岩政新監督はバイラー氏が入国できずにいた3月中旬まで代行として指揮した経験を持つ。

クラブを通し、岩政新監督は「私の心に志していた未来だったが、まさかこれほど早くとは想像もしていなかった。鹿島の誇れる選手たち、サポーター、そしてクラブを救いたい。輝かせたい。今年も残るすべての試合に勝ち、タイトル獲得を全力で目指す」とのコメントを出した。





◆J1鹿島 新監督に岩政コーチ就任 「全力でタイトル獲得」(茨城新聞)





◆【鹿島】岩政大樹新監督「これまでの鹿島を正しく定義しこれからの鹿島を見つけ出していきたい」(ニッカン)






鹿島アントラーズは8日、新監督に岩政大樹コーチ(40)が就任することを発表した。直近の5戦未勝利でリーグ5位に転落。スイス人のレネ・バイラー監督(48)を7日に解任していた。鹿島OBでコーチだった岩政氏を監督に“昇格”させた。すでに7日の練習から指揮を執っている。

岩政氏は今季、バイラー監督が新型コロナウイルスの防疫対策で入国が遅れた際も、監督代行を務めた。開幕からリーグ戦5試合を指揮。4勝1敗で開幕ダッシュを成功させていた。

岩政新監督のコメントは以下の通り。

「鹿島アントラーズの監督という仕事は、確かに私の心に志していた未来でしたが、まさかこれほど早くとは想像もしていませんでした。不安や恐れがないかと言ったら、それは嘘になります。ただ、今この状況で、自分にしかできないことがあるとも感じています。そして何より、うちの誇れる選手たち、サポーター、そしてクラブを救いたい。輝かせたい。そう心が傾いたら、悩むことは何も無くなりました。アントラーズは勝たなければならないクラブです。今年も残るすべての試合に勝ち、タイトル獲得を全力で目指していきます。同時に、今鹿島に求められているのは”新しい鹿島”を創り上げることです。そのために、伝統ある『これまでの鹿島』を正しく定義し、新しい時代の『これからの鹿島』を選手たちと一緒に、そして皆さんと一緒に、手探りで見つけ出していきたいと思っています。鹿島が鹿島であるために。カシマがカシマであるために」。





◆【鹿島】岩政大樹新監督「これまでの鹿島を正しく定義しこれからの鹿島を見つけ出していきたい」(ニッカン)





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