日刊鹿島アントラーズニュース

Ads by Google

2018年7月12日木曜日

◆本田圭佑の“スピリット”を継ぐ19歳次世代ホープ安部裕葵の可能性(THE PAGE)



安部裕葵 Hiroki.abe


 ワールドカップ・ロシア大会を戦った西野ジャパンに同行し、ベースキャンプ地のカザンで練習パートナーを務めたU-19日本代表に名前を連ねた23人のなかに、ユニークな経歴をもつホープがいる。

 今回のロシア遠征で「10番」を背負った攻撃的MFの安部裕葵(19、鹿島アントラーズ)は、ロシア大会を含めて3度のワールドカップに出場した本田圭佑(32)が経営に関わる、S.T. FOOTBALL CLUBが初めて輩出したプロサッカー選手となる。

 本田との接点は運命的だ。東京都出身の安部は、中学校へ進学した2011年春に帝京FCジュニアユース(東京都清瀬市)へ加入。3年生へ進級する直前にチームは本田のマネジメント事務所HONDA ESTILOの傘下となり、名称もS.T. FOOTBALL CLUBへ変わったのである

 もっとも、帝京FCジュニアユースの指導者が本田と懇意にしていたこともあり、間接的ながらも本田の生き様や人生哲学を何度も聞かされてきた。そのなかで最も印象に残っているフレーズを、安部は笑顔で明かしてくれた。
「とにかく夢をもって、それを人に言って、逃げ道をなくす。素晴らしいことだと思いましたし、同時に強い人間じゃなければできないことだと思いました」

 本田自身が練習場に足を運び、「夢をもて」と檄を飛ばしたこともあった。迎えた2014年春。卒団を控えた安部は、全国的にはほぼ無名の広島県瀬戸内高校に越境入学する。

 チームを強くすれば自分への評価も上がる。なおかつ、3年生になる2016年には広島県でインターハイが開催される。未来を見越して描いた青写真を、実際にチームを地元開催のインターハイ代表に導き、3ゴールをあげてベスト8へ進出させた軌跡で具現化させた。

 大会優秀選手の一人にも選出された安部のもとには、アントラーズから真っ先にオファーが届いた。ただ、他にどのクラブから声をかけられたかはわからないと、屈託なく笑ったことがある。
「アントラーズさんから声をかけられた時点で、もう即決だったので」
 Jリーグ屈指の常勝軍団ならば、自身の体に宿る可能性をさらに大きく花開かせることができる。こう信じて入団を決めた後もJ1と天皇杯を制し、FIFAクラブワールドカップでは準優勝したアントラーズの日々は、想像以上に刺激と興奮に満ちていた。

「毎日が本当に充実しています。一日一日の練習が新鮮で、自分の立場的には目立たないとメンバー入りができないので、毎日がセレクションのような気持ちで練習しています。正直、練習のほうが試合よりも難しいんじゃないかと思っているくらいなので」

 こんな言葉とともに瞳を輝かせたルーキーイヤーの紅白戦では、リザーブ組のFWとして得意のドリブルをこれでもかと披露。ロシア大会で西野ジャパンの最終ラインを支えた昌子源をして、「他の選手とはちょっと違うドリブルをしてくる」と言わしめたこともあった。

 迎えた昨年4月1日。敵地で行われた大宮アルディージャ戦の後半29分から、安部は初めて公式戦のピッチに立った。18歳2ヵ月4日でのJ1デビューはクラブ史上で3位の若さであり、しかも試合状況は0‐0で、さらに最初の交代カードだった。

 幾重ものプレッシャーがかかるなかで安部を送り出した理由を、石井正忠監督(現アルディージャ監督)は後にこう明かしてくれた。

「ちょっと早いんじゃないか、という思いもありました。ただ、能力のある選手は、早く高いレベルの試合に出したほうがいい。それだけのレベルにすでに達していたので」

 指揮官の期待通りに安部は決勝点に絡む。縦パスを蹴ろうとした相手へ果敢にプレスをかけ、必死に伸ばした右足のつま先をかすらせてコースを変える。こぼれ球を拾った味方が素早くパスをつなぎ、最後はFW土居聖真がゴールネットを揺らした。

 もっとも、試合後に先輩たちやスタッフからかけられた声で、安部は常勝軍団のなかでポジションを勝ち取っていく厳しさを実感している。

「ナイスプレーではなく『とりあえずデビューおめでとう』とだけ言われたんです。今日はいい経験で終わったということ。常に得点に絡めて、前を向いてボールをもっただけで相手が嫌がる選手にならないと」

 1年目は最終的にJ1で先発1回を含めた13試合、計272分間プレーして1得点をあげた。そして、2年目の始動日に「今シーズンは本気を出します」と自ら逃げ道を閉ざすかのように、本田をほうふつとさせるビッグマウスを放っている。

「去年が本気じゃなかったわけじゃないけど、マジで自分がエースになるくらいの勢いでやりたい。去年あれだけ試合に使ってもらって、先輩たちにもかなり気を使ってもらって、僕のやりやすい環境でやらせてもらったので。期待もされていると思うし、プレッシャーもほどよく感じながらタイトル獲得に貢献したい」

 チームが始動した1月9日は、約7年半ぶりに復帰したDF内田篤人が合流した日でもあった。慣れ親しんだグラウンドでの初練習を終えた内田は、「若手がかなりオレにビビっているみたいだね」と苦笑いしている。ドイツで長くプレーしてきた大先輩へ、実は真っ先に話しかけたのが安部だった。

「自分から吸収しようという意欲を感じるよね。注文としては、ボールをこねる部分と速く動かす部分をもうちょっとはっきりできればいいんだけど、まだ若いし、技術や能力をもっているから、どんどんチャレンジしていってほしいよね」

 目を細めながらこう語った内田は、ヨーロッパ移籍および日本代表の先輩として、19歳の成長株へ熱いエールを送ることも忘れなかった。

「彼の性格的にもこのチームで収まる選手ではないと個人的には感じているし、後々には日本代表も背負うべきだとも思う。若手にはいい選手がたくさんいるけど、彼のように上手くてガッツのある選手は大事なので」

 4月に入って第二腰椎横突起を骨折し、約1ヵ月間の戦線離脱を強いられた今シーズンは、それでも3度の先発を含めてJ1で6試合に出場。プレー時間は305分間と昨シーズンをすでに超えている。

 そこへ、ロシアの地で得た刺激が加わった。金星をあげたコロンビア戦、本田の3大会連続ゴールで引き分けたセネガル戦を現地のスタジアムで観戦した安部は、新たな夢を胸中に抱いている。

「ずっと日本のなかにしかいなかった自分がワールドカップを見て思ったのは、サッカーというスポーツは自分が思っていたよりもはるかに偉大で、影響力があるということでした。いろいろな人に見られていて、素晴らしい影響を与えられる立場にいることをものすごく自覚しました」

 FC町田ゼルビアに5対1で大勝した、11日の天皇杯3回戦でも左MFで先発。無得点に終わったものの、後半8分にはポストを直撃する惜しい一撃を放った。代表引退を表明した本田のように、大きな影響力を放つ選手になるために。171cm、65kgの体に無限の可能性を秘めたホープの挑戦は続く。

(文責・藤江直人/スポーツライター)




本田圭佑の“スピリット”を継ぐ19歳次世代ホープ安部裕葵の可能性


◆【鹿島】町田に5発快勝…大岩監督「トレーニングの成果」優磨2発、遠藤“3アシスト”&左足ゴール(報知)



鈴木優磨 Yuma.suzuki


 ◆天皇杯3回戦 鹿島5―1町田(11日・町田市陸上競技場)

 2大会ぶりの王者を目指す鹿島は5発大勝で16強入りを決めた。

 前半10分にCKからDF西大伍のゴールで先制すると、同20分にFW鈴木優磨の頭、後半16分にオウンゴールで加点。勢いは止まらず同19分に再び鈴木が右クロスを豪快なヘディングで突き刺し、同35分にMF遠藤康の左足で仕上げた。守備でも日本代表のDF昌子源&植田直通コンビが不在の中で決定機をほとんど作らせず、J2の町田に格の違いを見せつけた。

 大岩剛監督は「前半の入り方で相手に勢いを与えてしまったが、修正して状況判断しながらアグレッシブに90分やってくれた。トレーニングの成果が結果として表れたと思っている」と及第点を与えた。相手のオウンゴールを誘ったパスを含め“3アシスト”をマークした遠藤は「キャンプの時からいい練習ができていた。それが試合で出た」語った。




【鹿島】町田に5発快勝…大岩監督「トレーニングの成果」優磨2発、遠藤“3アシスト”&左足ゴール


◆鹿島 天皇杯3回戦を圧勝 2得点の鈴木「W杯全部が刺激」(デイリー)



西大伍 Daigo.nishi


 「サッカー・天皇杯・3回戦、鹿島5-1町田」(11日・町田市立陸上競技場)

 鹿島が後半戦に弾みをつける圧勝劇だ。前半10分にCKをDF西が頭で合わせて先制。FW鈴木の2得点、MF遠藤も決めるなど、計5点を奪った。

 鈴木は「W杯全部が刺激になっている。試合を見る度にいいプレーがつまっている。盗めるものは盗みたい」とW杯効果を明かした。

 今季ここまで11位と低迷。その原因は浦和と並んでリーグワーストタイの12得点という攻撃力にあった。大岩監督は「得点が少ないことが課題。キャンプでトレーニングしてきた」と攻撃面を重視してきたことを強調し「成果が結果として少し現れた。きょう出た課題をしっかり修正したい」とJリーグ再開に備えていく。



鹿島 天皇杯3回戦を圧勝 2得点の鈴木「W杯全部が刺激」




◆鹿島が怒涛のゴールラッシュ!!町田を5発粉砕で4回戦進出(ゲキサカ)






[7.11 天皇杯3回戦 鹿島5-1町田 町田]

 天皇杯JFA第98回全日本サッカー選手権大会の3回戦が11日に行われ、鹿島アントラーズ(J1)は敵地でFC町田ゼルビア(J2)に5-1で勝利した。4回戦は8月22日に開催される予定となっている。

 公式戦では初の顔合わせとなった両チーム。鹿島はコンパクトな町田の守備に対し、ピッチをワイドに使った攻撃で打開を図ると、前半10分に均衡を破った。

 右CKからキッカーのMF遠藤康が左足でクロスを送り、この日センターバックで先発したDF西大伍がニアでヘディングシュート。これがゴール左に決まり、1-0とする。さらに同20分、サイドチェンジのボールを受けてPA左脇に持ち込んだDF安西幸輝が左足で折り返すと、中央のFW鈴木優磨がダイビングヘッドでゴール左に押し込み、リードを2点に広げた。

 ハーフタイム明けも主導権を握る鹿島は、後半16分に遠藤のクロスがDF藤井航大のオウンゴールを誘発して3-0。3分後の同19分には右サイドの遠藤が左足で回転をかけた柔らかいクロスを送り、ファーの鈴木が頭でゴール左に押し込む。4点のビハインドを負った町田は同30分、MF戸高弘貴がPA内左から右足で放ったシュートが右ポストを叩いて決まり、1点を返した。

 しかし、最後まで攻め手を緩めない鹿島は後半36分にとどめの5点目を奪う。途中出場のMF中村充孝からFW金崎夢生を経由したボールが遠藤につながると、フリーで受けた遠藤はPA内中央に持ち出し、左足で冷静にゴール右へ。鹿島が力の差を見せつけ、5-1の快勝を飾った。




鹿島が怒涛のゴールラッシュ!!町田を5発粉砕で4回戦進出




◆鹿島5得点の爆発 リーグ戦再開へ攻撃陣に手応え(ニッカン)



遠藤康 Yasushi.endo


<天皇杯:鹿島5-1町田>◇3回戦◇11日◇町田

 J1鹿島アントラーズが、FW鈴木優磨(22)の2得点の活躍などでJ2町田ゼルビアに大勝し、4回戦進出を決めた。

 ワールドカップ(W杯)ロシア大会に出場したDF昌子源(25)と植田直通(23)の両センターバック(CB)コンビは帰国直後のためベンチ外で、サイドバックが本職のDF西大伍(30)がCBに入り、DF犬飼智也(25)とコンビを組んだ。

 試合は開始早々から動き、前半10分にCKからその西が頭で合わせて鹿島が幸先よく先制。その後も攻め続ける鹿島は20分に右サイドバックのDF内田篤人(30)の鋭いサイドチェンジから、DF安西幸輝(23)の左からのクロスボールにゴール前でフリーで待っていた鈴木が頭で合わせて2点目。後半に入っても攻撃の手を緩めず、同16分にはMF遠藤康(30)の右からのクロスボールが相手DFのオウンゴールを誘って3点目。続く19分には同じく遠藤のクロスボールにまたも鈴木が頭で合わせて4-0として試合を決めた。

 その後は両チームともに1点ずつ取りあって、5-1で試合は終了。2大会ぶりの天皇杯優勝を目指す鹿島が危なげなく勝利をおさめた。

 大岩剛監督(46)は「中断期間明けで、いろんなプレッシャーのある中で、選手たちが前向きに、アグレッシブに試合に入ってくれた。いいゲームができた」と振り返った。今季は開幕から勝ちきれない試合が続き、リーグ戦では11位で中断期間に入った。大岩監督は得点数が少ないことを課題に挙げたと明かし「ビルドアップからのポゼッションなどを確認してきた。まだミスもあったし、精度を上げないといけない部分はあるが、成果は少しは表れたんじゃないかと思う」と5得点と爆発した攻撃への手応えを口にした。

 この試合の主将を務め、1ゴール2アシスト、オウンゴールを誘発したクロスボールを含めると4得点に絡んだ遠藤は「先制点が早い時間に入ったことがよかった。中断期間に充実した練習ができて、それが試合に出たと思う」と自信もみせ、リーグ戦での巻き返しを誓った。




鹿島5得点の爆発 リーグ戦再開へ攻撃陣に手応え


◆天皇杯 JFA 第98回全日本サッカー選手権大会 3回戦(オフィシャル)



田中稔也 Toshiya.tanaka 平戸太貴 Taiki.hirato

天皇杯 3回戦

再開初戦、鹿島がゴールラッシュ! 町田を相手に5得点、4回戦進出!

公式戦再開、そして真夏に待ち受ける激闘の幕開けを告げる一戦で、鹿島が力強くリスタートを切った。ミッドウィークの町田市立陸上競技場、天皇杯3回戦。FC町田ゼルビアと激突した鹿島は、西のヘディングシュートで先制に成功して優位に立つと、鈴木の2得点と遠藤の得点、そして相手のオウンゴールもあって5得点を記録。1失点こそ喫したものの、重要な再開初戦で5-1と快勝し、4回戦へ駒を進めた。

鹿島にとって、1ヶ月超のブランクを経て迎えた一戦だった。ロシアW杯開催に伴い、J1は5月20日の第15節を終えて中断に突入。6月6日の天皇杯2回戦を最後に公式戦から遠ざかることとなった。変則的な日程はしかし、貴重な準備期間でもある。クラブハウスでのトレーニング、そして6月20日から1週間に渡って実施した静岡キャンプで、来たるべき激闘の日々へ向けてあらゆる面での強化を図っていった。

静岡キャンプ最終日には中国の天津泰達、そして7月4日には札幌とのトレーニングマッチを実施した。シーズン序盤に躍動を見せた者、定位置奪取を狙う者、そして負傷からの復活を遂げた者。それぞれが胸に秘めた思いとともにピッチに立ち、切磋琢磨を繰り広げていった。そして、ロシアで奮闘する仲間の輝きもまた、選手たちを大いに刺激していた。昌子の意地と気迫、不可欠な存在として君臨した柴崎の煌めき、そしてゴールネットを揺らした大迫――。背番号12もまた、誇りを胸に抱きつつ、次なる戦いを見据えていたに違いない。

指揮官はトレーニングの日々を振り返り、「ビルドアップや中盤でボールを動かす部分、フィニッシュの部分はキャンプで落とし込むことができた」と攻撃面での進化に手応えを掴んだ様子だった。守備についても「ブロックを作る部分、前から奪いに行くという部分を再確認した」と、改めて戦術の徹底を図っている。代表落選の悔しさを糧に、次なる歩みを始めた三竿健斗も「中断期間、みんなで高めることができた」と頷く。ロシアでの日々を経て、闘志を秘めて鹿嶋へ帰還した植田もさっそくトレーニングに合流。仲間たちとともに再び前進を始めた。前日練習を終えると、試合前日独特の緊張感と高揚感がクラブハウスを包む。久しぶりに味わう感覚とともに、チームは町田へと向かった。

「公式戦の再開初戦だし、天皇杯は一発勝負の大会なので『しっかりと集中しよう』という話をした」と明かした指揮官は、ゴールマウスを曽ケ端に託し、最終ラインは右サイドバックに内田、左には安西を指名。代表コンビが帯同メンバー外となったセンターバックには、犬飼と西を並べた。ボランチには健斗と永木、そして2列目は遠藤と安部が務める。そして前線では、土居と鈴木のコンビがゴールを狙う。ベンチにはGKの川俣、復帰を遂げた山本、町田、中村、今季初のメンバー入りを果たした田中、金崎、山口が座る。

町田との対戦は今夜が初めて。野津田に初めて乗り込むアントラーズレッドは、平日のナイトゲームにも関わらず、早くから待機列を成していた。ロシアでの激闘、世界大会の水準を体感しながら過ごした日々を経て、愛するクラブのフットボールがついに帰ってくる――。待ちわびた瞬間を迎えた喜びと勝利への決意が大きなチームコールとなって、野津田の空に響き渡っていた。

18時33分、キックオフ。蒸し暑い中で迎えた一戦、鹿島はしっかりと集中力を高めて時計の針を進めていった。開始早々に鹿島陣内深くまで進出された場面はあったが、ゴール前でしっかりとブロックを構築。決定機を作らせることはなかった。中断明けのノックアウトマッチ、まずは試合への入り方が重要となることは誰もが認識していたが、第一関門はしっかりと乗り越えた。

最初のチャンスは7分、中盤左サイドから鈴木がロングボールを通して右サイドへ展開したプレーを起点に、最後は健斗がペナルティーエリア手前からミドルシュート。攻撃性能向上への意欲を隠さない背番号20の一撃は枠を越えたが、さっそく可能性を示してみせた。

そして10分、野津田の空にアントラーズレッドの歓喜が響いた。遠藤が蹴った右CK、ニアサイドへ飛び込んだ西。抜群の連係を見せる2人のホットラインから、ヘディングシュートが町田のゴールネットを揺らした。センターバックとして攻守両面を支える重要な任務を託された背番号22が、鹿島にリードをもたらした。

人数を割いて中央のスペースを埋め、そして高い位置からプレスをかけてくる町田に対して、鹿島は長距離のサイドチェンジを繰り出して応戦していった。最終ラインの内田や西が的確な判断と卓越した技術で対角線上のボールを何本も通していく。町田の陣形を左右に揺さぶりながら、そして最終ラインの背後を狙う姿勢も見せながら、少しずつ相手を押し込んでいった。

20分、待望の追加点もサイドチェンジが起点だった。最終ラインの内田が鮮やかな軌道のパスを敵陣左サイドへ送ると、安西が正確なトラップから縦へと加速。若武者が繰り出したクロスに飛び込んだのは、常にゴールへの飢えを隠さないストライカーだった。鈴木のダイビングヘッドが決まり、2-0。鹿島がリードを広げた。

20分で2点を先行した鹿島は、シュートまで持ち込む場面こそ多くなかったものの、ボールを保持しながら時計の針を進めていった。曽ケ端が的確なコーチングでチームを支え、犬飼も献身的なプレスとカバーリングを繰り返してピンチの芽を摘んでいく。35分には敵陣左サイドで前を向いた安部が果敢な突破で可能性を示すなど、各選手が持ち味を存分に発揮していた。2-0。リードを保ったまま、ハーフタイムを迎えた。

アントラーズレッドに向かって攻める後半、鹿島は立ち上がりから両サイド深くまで進出してチャンスを作り出した。安西が幾度となく果敢なチャレンジを繰り返し、スピードに乗った突破で推進力となっていく。53分には安部がペナルティーエリア左側から左足を一閃。強烈な一撃は惜しくも左ポストに阻まれたが、若武者2人の躍動が鹿島をさらに加速させた。

60分、この日3つ目のスコアは遠藤の右足から生まれた。町田の守備陣を揺さぶって作り出したスペース、そこから繰り出されたクロス。鈴木には通らなかったものの、相手DFのクリアがゴールへ吸い込まれた。オウンゴール。3-0。さらに3分後にはペナルティーエリア右手前から遠藤が左足でクロスを上げ、ファーサイドの鈴木がダイビングヘッド。背番号9が自身2得点目を記録し、鹿島のリードは4点に広がった。

盤石のリードを手にした大岩監督は、67分に中村を投入。攻撃のさらなる活性化を図る。交代策で反撃に転じてきた町田に押し込まれる場面も増え、75分には一瞬の隙を突かれてミドルシュートを決められてしまったものの、得点を奪いに行く姿勢は最後まで変わらなかった。75分から出場した金崎もまた、前線でのポストプレーで存在感を誇示。前掛かりになる町田に対して鋭いカウンターを繰り返していった。

ゴールラッシュの締めくくりは81分、鮮やかなパスワークで町田の守備陣を切り裂いた。敵陣左サイドでボールを持った中村からのパスを受け、金崎がペナルティーエリア手前で前を向く。エースの選択はシュートではなく、パスだった。エリア右側を並走していた遠藤へと託すと、背番号25が得意の左足でゴールネットを揺らす。5-1。勝利はもはや、揺るぎないものとなった。

再開初戦で大量得点を挙げ、鹿島は力強くリスタートを切った。5得点目の直後にピッチへ送り出され、切れ味鋭い突破と貪欲な姿勢でインパクトを示した田中の台頭もまた、勝利とともに手にした収穫と言えるだろう。次戦は1週間後、18日の磐田戦だ。ついに迎えるリーグ戦再開、そして待ち受ける怒涛の連戦。反撃の夏が、ここから始まる。


[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]
東京町田グルメ!手作りぷりん・滑らか(瓶入り)90gX10個
価格:3086円(税込、送料別) (2018/7/12時点)


【この試合のトピックス】
・町田との公式戦初対決で、初勝利を収めた。
・曽ケ端がフル出場し、天皇杯で通算61試合目の出場を記録。歴代記録を更新した。
・鈴木が天皇杯で2試合連続となる2得点を記録した。
・田中が今季の公式戦初出場を果たした。

監督コメント
[ハーフタイム]
鹿島アントラーズ:大岩 剛


FC町田ゼルビア:相馬 直樹


[試合後]
鹿島アントラーズ:大岩 剛
中断明けの公式戦1試合目で、いろいろなプレッシャーがある中で選手たちが前向きに、そしてアグレッシブに試合に入ってくれた。その結果、非常に良い試合ができたと思う。1週間後のリーグ戦に向けてしっかりと準備をしていきたい。

Q.中断期間で修正した部分で最も強化、強調してきたことは?

A.今季の前半戦の成績というものがあって、その中で得点が少ないということを課題として中断に入った。キャンプを含めて、トレーニングではビルドアップからポゼッション、フィニッシュまで、意図をもって攻撃を構築していくことに取り組んできた。そしてボールを奪われた後の切り替えの部分、攻撃のためにボールを奪い返すというところにフォーカスして、攻守ともに取り組んできた。今日は前半の入り方で町田に少し勢いを与えてしまったが、その後はしっかりと修正と状況判断をして、90分間、アグレッシブなプレーをしてくれた。取り組んできたトレーニングの成果が少し、結果として現れたと思う。

Q.「少し」という言葉に込めた意図は?

A.選手は非常に前向きに、積極的にプレーしてくれたことは評価している。しかし、試合の中でミスもあったし、もっと精度を上げていかないといけない。1週間後のリーグ戦に向けて、今日の課題に取り組んでしっかりと修正していきたい。

FC町田ゼルビア:相馬 直樹
まずは水曜日のナイトゲームというところで、素晴らしい相手とたくさんの方々が野津田に来てくれて、試合をすることができて良かった。力があるアントラーズが相手で、そこに我々が食らい付く姿をもっと見せたかったというのが正直なところ。早い時間に失点をしてしまったことも含めて、重心が前が掛かり切らないうちに失点してしまった。やはり素晴らしい相手だと改めて感じた。アントラーズはリーグ再開を控える状況で、そのようなメンバー構成で臨んできた相手との対戦だった。簡単ではなかった。私自身が悔しいと思う部分で言えば、スタートから100%、できれば120%、重心が前掛かりになる戦いを見せられなかったことがある。ピッチに入って「うまいな、速いな、強いな」と選手たちは感じたと思うが、そう思う前に「このチームは嫌だな」と相手に思わせることができなかった。それでも全体を通しては、顔を上げ直す場面も作れたし、我々らしい場面を作り出せたプレーもあった。だが、決め切るところでの差を見せられてしまった。下のカテゴリーにいるクラブにとって天皇杯はチャレンジする大会で、次にこのような機会があれば、スタートから最後まで戦い抜くメンタリティーを作れるようにしたい。選手たちは本当に最後までよくやってくれた。それは感謝したい。次の試合も迫っているので、もう一度、顔を上げ直していきたい。

選手コメント
[試合後]

【永木 亮太】
ポゼッションなど、キャンプで取り組んできたことは意識的にできていたと思う。前半の入り方に注意し、集中して入ることができた。自分たちのやりたいことを意識してやれたと思う。

【三竿 健斗】
ビルドアップをしようと話していたし、幅広くプレーできていた。前線へのスプリントは意識してやれたし、キツくなってきた時に走ることもできた。90分を通して相手よりも走れていたと思う。

【犬飼 智也】
町田が片方のサイドに寄ることはスカウティングで分かっていた。2点目の場面は、そこを狙えたから取れたのだと思う。危ないシーンもあったし、J1ならやられていると思う。高い基準を持ってやっていきたい。

【安西 幸輝】
相手が体に寄せてくることは分かっていた。2点目はゴール前が見えていたし、落ち着いて(クロスを)蹴ることができた。結果が出るのは良いこと。リーグ戦再開に向けて弾みになる。リーグ戦につなげたい。

【鈴木 優磨】
得点の場面は当てるだけだった。ビルドアップなど、まだ課題もある。でも、できているところは続けたい。次に向けていい準備をしたい。

【遠藤 康】
相手はリスクを負って前から来ていたので、マークをうまく剥がせればチャンスを作れると思っていた。早い時間で先制点を取れて楽になったと思う。中断期間でいいトレーニングを積むことができていたので、それが自然と試合に出たのだと思う。

【田中 稔也】
「左サイドでボールを持ったら、どんどん仕掛けて自分の良さを出していくように」という指示だった。最初は気合いが入り過ぎていて、ボールが足についていなかった。ずっとコールをしてもらっていたし、聞こえていた。だからこそ点を決めたかった。


天皇杯 JFA 第98回全日本サッカー選手権大会 3回戦

◆柴崎岳&真野恵里菜、今週中に結婚!W杯終え幸せゴール 交際1年半(スポニチ)



柴崎岳 Gaku.shibasaki


 サッカーW杯ロシア大会で活躍した日本代表MF柴崎岳(26=ヘタフェ)と、女優の真野恵里菜(27)が今週中に結婚することが11日、分かった。交際約1年半。柴崎の帰国後、この日までに2人で双方の実家を訪れ、結婚のあいさつを済ませた。初のW杯で何本もの鋭いパスを通し、攻撃のタクトを振った日本代表の司令塔。欧州の強豪クラブが獲得に乗り出す中、プライベートで鮮烈なゴールを決める。 

 ロシアで激闘を繰り広げた柴崎が帰国したのは5日。結婚の意思を固めていた2人はすぐに真野の実家へあいさつに行き、10日には青森県内の柴崎の実家を訪問。両親にW杯の活躍をねぎらわれながら、今週中に結婚することを報告した。

 柴崎は13日に青森県野辺地町を表敬訪問する予定。その前後に婚姻届を提出するとみられる。真野はこの日、単身で帰京した。

 サッカー関係者は「“W杯が終わるまでは結婚の話はしない”と決めていたが、互いに結婚を意識して交際していたので、とんとん拍子に事が進んだようです」と明かした。真野は女優の仕事をセーブし、夫とともに海外で生活する予定。柴崎の去就は不透明だが、周囲に「どこに移籍してもついていきます」と明かしている。

 2人の出会いは16年秋。共通の知人の紹介で出会い、真野がサッカー好きということもあって意気投合。自然な流れで交際に発展した。

 当時J1鹿島でプレーしていた柴崎は、直後の16年12月のクラブW杯でブレーク。昨年1月にスペイン2部・テネリフェへ移籍し、戦いの場を海外へ移した。昨季は1部のヘタフェでプレー。バルセロナ戦でスーパーボレー弾を決めるなど活躍し、見事にW杯メンバー入りを果たした。

 真野は陰ながら柴崎をアシスト。仕事の合間を縫って日本から約1万キロ離れたスペインに飛び、料理を振る舞うなどしてきた。W杯期間中は日本から声援を送った。大きなプレッシャーを背負って戦う柴崎にとっては、真野とLINEや電話で連絡を取り合う時間が心の癒やしだった。ドラマや映画、CMに引っ張りだこの人気者だが、夫を支えるために渡欧することを決めた。

 柴崎は初のW杯で類いまれなパスセンスを発揮し、イタリアのガゼッタ・デロ・スポルト紙の「サプライズ・ベストイレブン」に選ばれる活躍を見せた。22年のW杯カタール大会でのさらなる活躍を期待する声が早くも高まっている。生涯の伴侶を得て、さらなるステップアップに挑む。

 ◆柴崎 岳(しばさき・がく)1992年(平4)5月28日生まれ、青森県出身の26歳。青森山田高から11年に鹿島入り。16年クラブ杯決勝Rマドリード戦で2得点と活躍し、17年1月にスペイン2部テネリフェ入り。同7月に1部昇格のヘタフェに4年契約で加入。Rマドリード、バルセロナからともに得点した初の日本人。国際Aマッチ通算22試合3得点。1メートル75、62キロ。利き足は右。

 ◆真野 恵里菜(まの・えりな)1991年(平3)4月11日生まれ、神奈川県出身の27歳。06年に「ハロー!プロジェクト」研修生になり、09年ソロデビュー。13年にハロプロを卒業し女優に転身。NHK連続テレビ小説「とと姉ちゃん」やTBSドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」などに出演。今月20日には出演映画「BLEACH」の公開を控える。1メートル59。血液型B。


[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]
ESCALATION 真野恵里菜写真集 [ 栗山秀作 ]
価格:3240円(税込、送料無料) (2018/7/12時点)


柴崎岳&真野恵里菜、今週中に結婚!W杯終え幸せゴール 交際1年半


◆鹿島 植田、ベルギー1部からオファー 今夏中に移籍成立も(スポニチ)



植田直通 Naomichi.ueda


 ベルギー1部セルクル・ブリュージュが、鹿島と日本代表DF植田直通(23)の獲得に向けた本格交渉をしていることが11日までに分かった。同クラブは4季ぶりに今季1部復帰。交渉が順調に進めば今夏中に移籍が成立する可能性が高い。 

 大津高から13年に鹿島入りした植田は鹿島一筋で成長した。16年のリオデジャネイロ五輪は主力として活躍。15年1月から日本代表に招集され、今回W杯にも初選出されたが出番はなかった。「次の大会ではしっかり自分が主力でやってやる」と決意。「今、自分が得意としているものも、もう一回り二回り世界に通じるものにしないといけない」と痛感している。

 セルクル・ブリュージュは2部からの昇格チームだが、フランス1部モナコの提携クラブで、17〜18シーズン中と、終了後に計2人がモナコに加入。活躍次第では過去8度のリーグ優勝を誇る強豪への道がつながる可能性もある。移籍が成立すれば、4年後に向けた武者修行が欧州で始まる。




鹿島 植田、ベルギー1部からオファー 今夏中に移籍成立も


Ads by Google

日刊鹿島

過去の記事