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J1 第23節 清水エスパルス戦 マッチレビュー
鹿島、アウェイ6連敗。大迫の2ゴールも、清水に3-4と競い負け。
前節、首位の横浜FMを破り、4位に浮上した鹿島だったが、またしてもアウェイの地で悔しい敗北を喫した。開始10秒で大迫が3戦連発となる先制弾を決めるなど、チームの大黒柱である小笠原の不在という不安材料を一掃する序盤だったが、柴崎が負傷交代してからガラリと流れが変わり、結局、3-4と打ち合いに負けてしまった。
派手な打ち合いは鹿島の見事な先制ゴールから始まった。大迫と土居とのキックオフから柴崎へボールが渡り、柴崎は右サイドの遠藤に展開する。ここで遠藤は見事なターンから吉田を抜き去り、左足アウトフロントで絶妙なクロスをゴール前へ送る。そして大迫がヨン ア ピンの背後からうまく抜けだしダイレクトで合わせ、わずか開始10秒での先制弾を決めた。
そしてそのわずか5分後、今度は遠藤のCKから山村がヘディングシュートを清水ゴールへ叩き込み、鹿島は試合開始から6分で2点のリードを奪った。
キックオフ前には累積警告での出場停止処分による小笠原の不在が大きな不安材料となっていたが、こうなると若い選手たちにも少し余裕が生まれた。しかし2連敗中の清水も大前、ラドンチッチを中心にアグレッシブに攻めてくる。すると8分、相手への不用意なチャージで小笠原の代役である梅鉢がイエローカードを受けるなど、ゲームプランに不安が生じた。
そしてそのプランが完全に崩れたのが、20分、柴崎が負傷によりピッチを去った瞬間だった。最終ラインに岩政が入り、山村がボランチへポジションを上げたが、ゲームコントローラーを失った鹿島は攻守の意識にズレがあり、31分にラドンチッチ、45分には交代で入った高木俊幸に決まられ、試合はあっさり2-2の振り出しに戻った。
後半に入り、トニーニョ セレーゾ監督は中盤に安定と落ち着きをもたらすべく、イエローカードを宣告されている梅鉢に代え、中田を投入する。これで少し鹿島にリズムが出て来たが、2点差を追いついた清水の勢いは止まらず、49分、またしても高木に決められ、2-3と逆転を許した。
しかし鹿島もまだあきらめない。中盤でのゲームメーキングができない中、遠藤の精度の高いセットプレーを武器に清水ゴールへ襲いかかる。そして68分、その遠藤のCKからヨン ア ピンのハンドを誘い、これで得たPKを大迫が冷静に決め、3-3と試合を再び振り出しに戻した。
その後、一進一退の攻防が続いたが、88分、この日絶好調の高木にハットトリックとなる決勝弾を叩き込まれ、鹿島は3-4と悔しい逆転負けを喫する。両チーム合わせて7ゴールと派手なゴールショーとなり、サッカーのスペクタクル性が存分に発揮されたゲームとはなったが、鹿島にとっては停滞アウェイ6連敗となってしまった。
小笠原の不在と柴崎の負傷交代という不運が2つ重なったことが生んだ競い負けとも言えるが、優勝を目指すにはこういう状況でもしっかりと勝点を拾っていくことが重要となる。その意味でも、まだまだこのチームは発展途上と言えるだろう。先ずは中2日となる次節のホーム柏戦で意地と成長を見せて欲しいものだ。
【この試合のトピックス】
・この日の先発11人の平均年齢は、24.64歳。
・34歳で最年長の曽ヶ端がJ1通算395試合出場を達成。節目の400試合出場まで、後5試合。
・大迫が3試合連続ゴール。先制弾と同点弾と2得点で今季リーグ戦13ゴール目。なお、先制弾は開始10秒で決めている。
・この負けにより、アウェイゲーム6連敗。
監督コメント
[ハーフタイム]
鹿島アントラーズ:トニーニョ セレーゾ
・もっと意識を高く、もっと積極的に。
・相手のロングボールと両サイドからのダイアゴナルランをしっかりケアすること。
・集中力を維持し、自分たちのサッカーを続けること。
清水エスパルス:アフシン ゴトビ
・インサイドハーフ2人は、もう少し高い位置を取り、相手ダブルボランチの脇を狙え!
・フリーキックもチャンスになるぞ!集中して決め切れ!
・一気に3点目も決めて勝つぞ!!
[試合後]
鹿島アントラーズ:トニーニョ セレーゾ
・非常に早い時間帯に2点取れたが、その後、相手に合わせてしまったところがある。相手は2連敗していたので前からアグレッシブに来ていた。もう少し落ち着いてかわせることができればと思う。
・後は若さの部分もあった。コーチングなり、声を出すことでやることがもう少し明確になったのではないか。
・さらに後半の立ち上がりでやり直すことを求めたが、早い時間帯で失点してしまった。これが自分たちを厳しい状況に追い込んでしまった。また柴崎の怪我は、我々にとって残念なこと。山村や中田をボランチで使わなければいけない状況になり、より厳しくなってしまった。
・梅鉢へのイエローカードも、誤算の1つ。ボランチの選手がカードをもらうとゲームプランが変わる。しかしレフェリングもサッカーのスペクタクル性の1つだと思うし、そのため、7ゴールも入り、観客の皆さんやTV観戦をしていた人には楽しいゲームだったのではないか。
・アウェイで結果が出ていないので、先ずはそこを求めた。姿勢の部分では負けてしまったとは言え、改善されたかと思う。
清水エスパルス:アフシン ゴトビ
今日の試合を見ると、サッカーの美しさが分かる。だからこそ、このスポーツはこの地球上で一番愛されているスポーツだと思う。ドラマチックな部分もあったし、微妙な判定もあった。やられて、やり返して、またやられ、そして最後に突き放すことができた。両チームがやり合う試合だったからこそ、いいゲームになった。選手たちに疲れがあると思うが、土曜のゲームも問題ないと思う。
選手コメント
[試合後]
【山村 和也】
アウェイゲームは踏ん張り切れずに負けが続いている。ホームでもアウェイでも同じように戦えないといけない。首位に差が詰まったのにまた引き離されてしまった。岳が怪我で急にボランチに入る事になったけれども、ボランチは想定はしていたので問題はなかった。
【土居 聖真】
アクシデントが続いてしまった。点は入ったけど、中盤がバタバタして試合の入りから流れが悪かった。負けたけど、最後まで選手たちは戦っていたと思う。逆転されてからも良く追いついた。どっちが勝ってもおかしくない試合展開だった。2失点目が痛かった。次に切り替えてやるしかない。
【青木 剛】
前半の早い段階で上手く2得点できたが、アクシデントでメンバーが入れ替わった。2-1で前半を終わる事ができれば、後半は上手くゲームマネージメント出来たと思う。後半は点を取りに行って、取り合いのゲームになった。満男さんが不在の中で、ヤマやバチ、浩二さんがボランチに入ったけど練習でもやった事があるので大きな混乱はなかった。大きい選手に対して競るところは競って、セカンドボールに入ってくる選手への対応も大事になる。そういった相手の狙いが出てしまったと思う。
岩政選手、大迫選手のコメントはアントラーズモバイルをご覧ください。