日刊鹿島アントラーズニュース

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2020年6月4日木曜日

◆興梠慎三が選ぶJ歴代最強チーム「数字が強さを物語る。ミシャのサッカーがハマって負ける気がしなかった」(サッカーダイジェスト)






◆◆サッカーダイジェスト / 2020年6月25日号


これまでやっていたサッカーで一番手応えを感じた


5月28日発売のサッカーダイジェストでは、「Jリーグ歴代最強チーム」と題し、現役選手や元日本代表など総勢50名に“歴代で最強だと思うチームトップ3”を選んでもらっている。ここでは鹿島や浦和で計10個の主要タイトルを獲得してきた興梠慎三(浦和)の“トップ3”を紹介しよう。

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「興梠慎三が選ぶ“最強チームトップ3”」
1位:2016年の浦和レッズ
2位:2009年の鹿島アントラーズ
3位:2003年の浦和レッズ

トップ2は僕が在籍していたチームから選びました。

1位は16年の浦和。年間勝点74はリーグトップで、クラブでも歴代最多と、その数字が強さを物語っています。当時はミシャ(ペトロヴィッチ監督)のサッカーがハマって、負ける気がしませんでした。前年までに築いた自慢の攻撃力はそのままに、この年は守備も整備され、リーグ最少失点も記録しましたから。

守備を安定させたという点で(遠藤)航の加入は大きかった。後ろからうまくバランスを取ってくれました。でも守備だけでなく、なによりミシャのサッカーはなにより、どこからでも崩せるのが特長で、誰かが飛び抜けていたわけではなく、全員が活躍していた印象です。

(駒井)善成の仕掛けも頼もしかったし、俺とチュンソン(李忠成)、武藤(雄樹)のトリオも相手にとっては嫌だったはず。たしか「KLM」とかって呼ばれていたなあ(笑)。

またなんと言ってもチームの一体感を生み出したミシャの手腕が素晴らしかったです。チャンピオンシップの決勝で鹿島に負けてしまったけど、僕がこれまでやっていたサッカーで一番手応えを感じていました。プレーしている僕らも楽しかったし、おそらく観ているファン・サポーターも面白かったと思う。そういう意味で僕のベストチームです。

その浦和と同じくらい強かったのが、リーグ3連覇を果たした時の鹿島です。正直1位はどちらにしようか迷いました。この年の鹿島もほとんど負ける気がしませんでしたから。相手から対策されていたけど、まったく苦にならなかったんですよね。


09年の鹿島はタレントも揃っていた


普通は1、2点差では気が抜けないけど、当時は1点取ったら「あ、この試合は勝ったな」って自然と思えるような。そんな心の余裕がありましたね。

タレントも揃っていました。前年に連覇した時のメンバーがほとんど残っていて。例えばFWだったらマルキ(マルキーニョス)と俺がレギュラーで、その他にも(田代)有三さんがいて、大迫(勇也)が新人として入ってきて。誰が出ても同じように質の高いサッカーができたし、ハイレベルな競争が生まれていました。その緊張感が結果につながったんじゃないかな。

なかでもマルキは凄かったです。大事なところでしっかりと点を取ってチームを勝たせられるし、難しいクロスも簡単に合わせて決めてしまう。スーパーシュートも多くて、まさに頼れるエースって感じでした。

3位には、観戦者目線で03年の浦和を選びました。鹿島とのリーグカップの決勝を観て、かなり驚いたのを覚えています。なんといっても、あの2トップが本当に凄まじかった。エメルソンと田中達也さんです。

ふたりともスピードが抜群で、決定力も高い。特にエメルソンを初めて見た時の衝撃は今でも忘れられません。当時僕は高校生で鹿島入りが内定するくらいの頃だったんですけど、「この世界でやるのか」って思わされました。不安半分、楽しさ半分みたいな感じでしたね。

アラウージョやフェルナンジーニョと強烈な助っ人が揃っていた05年のガンバも候補に挙がりましたけど、エメルソンと達也さんの2トップがいた頃の浦和には、それ以上のインパクトがありました。

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取材・文●多田哲平(サッカーダイジェスト編集部)


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◆興梠慎三が選ぶJ歴代最強チーム「数字が強さを物語る。ミシャのサッカーがハマって負ける気がしなかった」(サッカーダイジェスト)





◆安部裕葵がバルサで日本人の宿願 達成なるか。来季カンプノウに立つ可能性(Sportiva)




安部裕葵 Hiroki.Abe


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リーガに挑んだ日本人(16)


2019年10月27日。バルセロナ市の郊外にあるヨハン・クライフスタジアムでは、交代出場した日本代表MF安部裕葵が決然とした表情でボールを追っていた。

安部が所属するバルサBは、名門バルセロナのセカンドチームにあたる。バルサでは下部組織全体が「ラ・マシア」と呼ばれるが、憧れのトップチームに昇格するための最後の関門であり、登竜門である。かつて、リオネル・メッシやアンドレス・イニエスタも在籍した。

この日、リーガ・エスパニョーラ2部B(実質3部)に所属するバルサBは、サバデルと対戦している。最近まで2部にいたチームで、昇格を争う直接対決という触れ込みで、シーズン最高の4092人の観客を集めていた。サバデルのファンも数多く駆けつけ、試合前からスタンドは盛り上がった。

交代でピッチに入った安部はボールを持ち上がり、左サイドで1人をするりとかわす。軽やかな抜き方に、会場の各所でため息が洩れる。サッカー通を唸らせる技量だった。

すると、安部にボールが集まり始める。右サイドを崩した後、折り返しのクロスに対し、安部はエリア内のインサイドに入り、強烈な右足ダイレクトボレーでゴールを狙う。GKに弾かれるが、どっと拍手が湧いた。

青とえんじのユニフォームで躍動する日本人は現実に存在し、夢の中ではない――。

2019年7月、スペインのスポーツ紙『エル・ムンド・デポルティーボ』は、バルサが鹿島アントラーズの安部と契約を結んだことを伝えている。年俸は110万ユーロ(約1億4000万円)で、3年契約プラス2年延長のオプション付き。

「ホセ・マリア・バケーロ(バルサ強化部長)は個人的に、久保建英より先に安部を追っていた。今年の1月からだ」

記事は獲得の経緯を説明していた。レアル・マドリードに久保を奪われたのは強化部の失態だが、安部に関心を抱いていたのは間違いない。

そして安部はバルサBで、着実に試合経験を積み重ねている。今年2月のプラッツ戦でハムストリングを痛めるまで、20試合に出場。16試合が先発で、4得点を記録している。1年目としては、十分に及第点が与えられるだろう。

昨年11月からは、左右のサイドアタッカーだけでなく、「Falso 9」(偽9番)でポジションを確保。リオネル・メッシ、セスク・ファブレガスなどが与えられた役目だが、本来はストライカーがいるべき最前線で、プレーメーカーとして攻撃をけん引する。俊敏でスキルが高く、コンビネーションに長け、そして得点センスもあるアタッカーが担当し、ポゼッションの高さを生かすのだ。

安部は、スペインU-17代表史上最多得点のFWアベル・ルイス、U-19欧州選手権で優勝したFWアレハンドロ・マルケスをも押しのけ、ポジションを得ている。これは、簡単なことではない。「ルイス・スアレス2世」と目されたアベル・ルイスはポルトガル1部のブラガへ期限付き移籍、マルケスは820万ユーロ(約9億8000万円)でイタリアの名門ユベントスに完全移籍した。単純にこのふたり以上の価値を示したと言える。

バルサBは今季、2部Bの第28節終了時点で2位(首位カステジョンとは1ポイント差)。プレーオフ出場権の4位以内を争っていた。

コロナ禍による中断を経て、2部Bは現時点での順位で昇格プレーオフを開催する予定になっている。プレーオフはムルシアのピナタールにおいて、16チーム(2部Bは地域別に4つのリーグからなり、各リーグ1位から4位までが参加。このうち計4チームが昇格する)で集中開催。6月8日に組み合わせ抽選会が行なわれ、2位のバルサBも出場する予定だ(ただし、政府の試合開催基準を満たす必要があるだけに、まだスケジュールは予断を許さない)。

しかし、安部はこのプレーオフには出る予定はないという。ハムストリングを痛めた後はフィンランドで手術を受け、日本国内で治療、リハビリに専念していた。完全復帰に向け、あとひと息のところまで来ているという。

「2020-21シーズンに再び合流する」

地元紙は、クラブのホームページの内容を引用し、安部についてそう報道している。

今は、安部抜きでのバルサBの健闘を祈るしかないのだろう。
いずれにせよ、来季も安部は厳しい競争を戦う。トップ昇格を目指す一方、下のカテゴリーからも続々と新鋭選手が上がってきている。

たとえば、ポール・ポグバと比較されるMFイライス・モリバ(17歳)、アメリカの天才アタッカー、コンラド・デ・ラ・フエンテ(18歳)、スペインU-18代表の新鋭FWニルス・モルティメル(18歳)。3人ともすでにバルサBでの出場経験を積みつつある。

冒頭のサバデル戦の会場には、17歳でトップデビューを飾ったアンス・ファティが、バルサBの仲間を応援に来ていた。すでに一種のオーラがあった。カンプノウで数万の歓声を浴びた選手はやはり違う。

安部は、バルサでその扉に手をかけるところまではきている。ドアノブをつかみ、足を踏み込めるか。いつか日本人がバルサのユニフォームを着て、カンプノウに立つ――それは宿願だと言っていい。

(つづく)




◆安部裕葵がバルサで日本人の宿願 達成なるか。来季カンプノウに立つ可能性(Sportiva)




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