日刊鹿島アントラーズニュース

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2017年11月17日金曜日

◇川崎フロンターレvsガンバ大阪 11月18日(サンスポ)




 ・J1で20試合以上行われているカードの中で、今対戦カードは最も1試合平均得点が多い(4.12)。平均で4得点を超えている唯一の対戦カードである。

 ・川崎はJ1のホームでのG大阪戦通算12試合で無得点に終わったことは一度もない(計30点、平均2.5点)。

 ・川崎はJ1で現在12試合連続負けがない(8勝4分)。昨季に記録した16戦連続無敗に次ぐクラブ2位の記録となっている。

 ・G大阪はリーグ戦で現在7試合連続勝ちがない(3分4敗)。今節も勝利できなければ、1シーズン内の連続未勝利記録としては、クラブワーストタイとなってしまう(1995年5月~7月以来)。

 ・また、G大阪はJ1では2011年以来となる17試合連続失点を喫している(当時は18試合連続失点)。

 ・今季J1で、試合最後の15分間に最も得点を決めているのは川崎で(18点)、それに次ぐのがG大阪である(15点)。

 ・G大阪の初瀬亮は、今季J1で63回のクロスを記録している(セットプレーを含む)。20歳以下の選手の中では、今季リーグ最多タイの数字である(神戸の藤谷壮と並ぶ)。

 ・小林悠は2年連続のシーズン10得点+10アシスト達成まであと2アシスト(現在19ゴール、8アシスト)。しかし同選手は、8月13日の鹿島戦で記録して以降の9試合でアシストがない。



川崎フロンターレvsガンバ大阪 11月18日

◆4位と5位では収入に2億円の差! J1最終盤を盛り上げるシビアな争い(VICTORY)




11月18日にJ1リーグ戦が再開される。残り3節と佳境を迎え、鹿島アントラーズが優勝に王手をかけている。しかし、仮に優勝が決まっても、上位争いからは目を離せない。上位4クラブには、巨額の「分配金」が与えられるからだ。クラブの将来を大きく変える可能性のある、その金額をリーグ再開前に確認しておこう。(文=池田敏明)

J1クラブは3億5000万円が保証される


2017シーズンのJリーグはいよいよ佳境に突入している。J1の優勝争いは鹿島アントラーズと川崎フロンターレに絞られ、上位争い、そして残留争いも混沌としている。J2では湘南ベルマーレの昇格と優勝が早々に決定し、自動昇格となる2位、そして3位から6位までで争われるJ1昇格プレーオフを巡る争いは激しさを増している。 

今年のJリーグは、昨シーズンから様々な点が変化している。J1が2ステージ制から通年制になり、チャンピオンシップが廃止された点も大きいが、最大の変化はイギリスの国際スポーツメディア企業であるパフォーム・グループと放映権契約を結び、スポーツライブストリームングサービス「DAZN」で試合が配信されるようになった点だろう。契約は10年総額2100億円という破格のもので、これによってJクラブに還元される金額は、昨シーズンとは比べ物にならないぐらい高額になった。 

少し下世話な話になってしまうが、「愛するクラブがいくらもらえるか、どんなことに使えるか」を皮算用しながら終盤戦を楽しみたい方のために、改めて今シーズンの賞金等の額をおさらいしてみよう。 

各クラブが受け取るお金は、「均等分配金」、「賞金」、「理念強化分配金」、「降格救済金」の4種類がある。まずは「均等分配金」だが、これは文字通り各クラブが順位に関係なく受け取るお金で、その額はJ1クラブが3億5000万円(16シーズン1億8000万円)、J2クラブが1億5000万円(同8000万円)、J3クラブが3000万円(同1500万円)。各ディビジョンとも昨年からほぼ倍増しており、J1クラブは下位でフィニッシュしても3億5000万円が支給されることになる。 

続いて「賞金」は、上位チームに与えられるもの。J1は優勝3億円、2位が1億2000万円、3位が6000万円。昨シーズンのJ1を制した鹿島アントラーズは1stステージ優勝で5000万円、年間勝ち点3位で2000万円、チャンピオンシップ準決勝勝利で1500万円、チャンピオンシップ制覇で1億円の合計1億8500万円を手にしているが、今シーズンのJ1を制した場合はこちらも大幅アップとなる。ちなみに、J2は優勝が2000万円、2位が1000万円、3位が500万円。J3は優勝500万円、2位250万円となっている。 

また、天皇杯優勝チームに支払われる「ACLサポート」の8000万円も、J1の上位4チームと天皇杯優勝チームが重複しなかった場合はJ1上位4チームに2000万円ずつ配分される。

J1優勝クラブが受け取るのは22億円以上


そして、最も大きな話題を呼んでいるのが「理念強化分配金」で、これはJ1の1位から4位までのチームに支払われる、選手獲得費用や練習環境、育成組織の充実化に使途を限定した資金だ。来シーズン以降、最長3年間にわたって傾斜配分されるもので、J1で優勝したチームは2018年に10億円、19年に4億円、20年に1.5億円、合計15億5000万円を受け取ることになる。2位のチームは18年4億円、19年2億円、20年1億円の合計7億円、3位チームは18年2億円、19年1億5000万円の合計3億5000万円、4位チームは19年の1億8000万円のみとなっている。 

ではここで、J1の優勝チーム、2位から4位のチーム、5位以下のチームが受け取る総額を見てみよう。 

優勝:22億円~22億2000万円 
2位:11億7000万円~11億9000万円 
3位:7億6000万円~7億8000万円 
4位:5億3000万円~5億5000万円 
5位以下:3億5000万円 

優勝して得られる金額は、5位以下の実に6倍以上。4位と5位でも2億円近い差がある。この数字を見れば、J1で優勝すること、4位以内に入ることがいかに重要か、すぐに分かるはずだ。4位に入って5位以下よりも2億円余分に受け取るだけで、補強にかける予算を上積みし、より有能な選手を獲得することができる。優勝しようものなら、一気にビッグクラブ化への道を突き進むことができる。参考までに実例を挙げると、浦和レッズは今年9月に新しいクラブハウスを完成させた。地上3階建て、室内トレーニングルームや食堂を備えたこの新クラブハウスの建設費用は総額5億円と言われている。上位に入れば、これと同規模以上のものが、言い方は悪いが“簡単に”作れてしまうのだ。 

また、この金額を元手にクラブが抱える将来有望な選手と複数年契約を結び、適正価格の移籍金を設定することもできる。それによって、これまでのように移籍ゼロで欧州のクラブや国内の資金力のあるクラブに若い才能が引き抜かれる事態を回避し、移籍金が発生する健全な形での移籍が増えることにも繋がるだろう。今シーズン開幕前、積極補強に動いたクラブが多く、シーズン中に多くの監督交代が行われたのは、各チームが「理念強化分配金」の獲得を目指して真剣に上位を目指したからに他ならない。各クラブの競争意識が劇的に高まったという点においても、パフォーム・グループとの放映権契約は大きかったと言えるだろう。 

上位チームにばかり手厚いように見えるが、一方で下のディビジョンに降格してしまったチームを救済する仕組みも導入された。それが「降格救済金」である。下のディビジョンに降格してしまったチームは、降格1年目に限り、前年度のディビジョンで受け取っていた「均等分配金」の8割が保証されるというものだ。例えばJ1からJ2に降格した場合、本来なら「均等分配金」は1億5000万円だが、降格1年目に限ってはJ1時代の「均等分配金」3億5000万円の8割となる2億8000万円が保障されるため、さらに1億3000万円が上積みされる。J2からJ3に降格した場合は、「均等分配金」3000万円に加えて9000万円が支給され、合計1億2000万円が保障される。降格は収入の減少を伴うものだが、財政圧迫を少しでも軽減させてクラブの経営を安定化させる狙いがある。1年でのJ1復帰、J2復帰を目指す降格チームにとってはこの上ない“援軍”となるだろう。 

今シーズンからJリーグは、ディビジョンが上に行けば行くほど、J1で上位に行けば行くほど、懐が潤うシステムになった。ファン・サポーターの方々は、愛するクラブが何位になるかだけでなく、それによっていくら支給され、それを来シーズン以降、どのように使用するのかにも注目し、想像を膨らませながら終盤戦を見届けていただきたい。


4位と5位では収入に2億円の差! J1最終盤を盛り上げるシビアな争い

◆J2山形、DF石川竜也との契約満了発表…11年間所属、“最古参”の37歳(サッカーキング)


石川竜也

 モンテディオ山形は16日、DF石川竜也との契約満了に伴い、来季の契約を更新しないと発表した。

 石川は1979年生まれの37歳。筑波大学出身で、2002年に鹿島アントラーズへ加入した。2006シーズン途中からは東京ヴェルディへの期限付き移籍を経験し、2007年から山形でプレー。今季で加入11年目を迎え、クラブ最年長かつ最長期間所属選手となっている。今季は明治安田生命J2リーグ第41節終了時点で6試合、天皇杯で2試合に出場。キャリア通算ではJ1で161試合出場4ゴール、J2で222試合出場10ゴールを記録している。

 契約満了にあたり、石川は以下のようにコメントしている。

「モンテディオ山形でのプレーは今シーズン限りとなりました。11年間、皆様に支えられ素晴らしい時間を過ごすことができました。本当にありがとうございました」

「最終戦もいつもと同じように全力でチームの勝利のために戦いますので、プレーに集中させていただければと思います。来季については、決まり次第お伝えさせていただきます。今シーズン最後の試合、熱い応援よろしくお願いします」

 山形は19日に行われる明治安田生命J2リーグ最終節で、FC岐阜をホームに迎える。

J2山形、DF石川竜也との契約満了発表…11年間所属、“最古参”の37歳

◆重傷で足切断の危機…元鹿島の38歳MFが復活、15カ月ぶり試合出場(サッカーキング)


ダニーロ

 ブラジル全国選手権1部(カンピオナート・ブラジレイロ・セリエA)のコリンチャンスに所属するブラジル人MFダニーロが、昨年7月31日以来の公式戦出場を果たした。かつて鹿島アントラーズで活躍した同選手は右足の負傷で長期離脱を強いられていたが、足を切断しなければならなかった可能性もあったという。大手メディア『ESPN』が16日に報じた。

 ダニーロは昨年8月、トレーニングで右足を負傷。脛骨と腓骨を骨折し、動脈へのダメージや神経への影響も発生してしまった。コリンチャンスのチームドクターによると、同選手は足を切断しなければならない可能性もあったという。負傷の深刻さを考慮したクラブ側は、昨年末までとなっていた契約を1年延長。数々のタイトル獲得に貢献してきたダニーロのサポートを行っていた。

 長期に渡るリハビリとトレーニングを経て、ダニーロはついに公式戦復帰を果たした。16日に行われたブラジル全国選手権1部の第35節フルミネンセ戦でベンチ入りメンバーに名を連ね、3-1とリードした終了間際にピッチへ。後半アディショナルタイムとして設けられた10分弱、プレーした。昨年7月31日以来、約15カ月ぶりの実戦復帰となった。コリンチャンスは勝利を収め、3試合を残して優勝を決めている。ダニーロの復帰をタイトル獲得で祝う形となった。

 選手生命の危機から復活を遂げたダニーロ。年内で満了を迎える契約の再延長は行われない見通しとのことだが、復帰を果たしたことが何よりの朗報だろう。『ESPN』は「残り3試合で、チャンピオン(コリンチャンスでカンピオナート・ブラジレイロ・セリエAを3度制覇)へのリスペクトが示されることだろう」と記している。

 ダニーロは1979年生まれの38歳。サンパウロでプレーしていた2005年にコパ・リベルタドーレスやFIFAクラブ世界選手権(現FIFAクラブワールドカップ)を制し、翌2006年にはカンピオナート・ブラジレイロ・セリエA優勝を果たした。そして2007年から2009年まで鹿島でプレー。J1リーグ3連覇に大きく貢献し、2010年からコリンチャンスでプレーしている。

重傷で足切断の危機…元鹿島の38歳MFが復活、15カ月ぶり試合出場

◆「パスセンスを磨いてもらった」 中村俊輔が絶賛、今も感謝する唯一無二の選手とは?(FOOTBALL ZONE)




【天才レフティーの思考|No.4】元日本代表FW柳沢を今でも敬愛 「あの人は、いつも数手先を考えて動いていた」

 日本一のFKキッカーは、歴史に残る名パサーとしても人々を魅了して止まない。24本のJ1最多直接FKゴール記録を保持するJ1ジュビロ磐田の元日本代表MF中村俊輔は、クラブと代表の両方で高精度かつ創造性に溢れるパスを供給し、数々のチャンスを創出してきた。“演出家”としても強烈な存在感を示すレフティーだが、「パスセンスを磨いてもらった」と感謝する唯一無二の存在がいるという。
 
「自分のパスセンスを磨いてもらった一番の選手はヤナギさん。あの人は、いつも数手先を考えて動いていた」
 
 中村が今でも敬愛の念を抱き続けている相手――それは、かつて鹿島アントラーズの黄金期を支えた一人、元日本代表FWの柳沢敦だ。1996年に富山第一高から鹿島に加入した若武者は、ルーキーイヤーに8試合5得点と結果を残すと、翌97シーズンは25試合8得点でJリーグ新人王を受賞。「超高校級」と謳われた才能は一気に花開き、98年には岡田武史監督率いる日本代表で初キャップを刻むなど、一気にスターダムを駆け上がった。
 
 78年生まれの中村にとって、77年生まれの柳沢は一学年上の先輩にあたる。そんな二人は97年にマレーシアで開催されたワールドユース選手権(現・U-20ワールドカップ)に揃って出場。山本昌邦監督率いるチームで、中村はMF大野敏隆とダブル司令塔を形成し、柳沢とFW永井雄一郎の強力2トップにパスを通して攻撃を構築した。この大会で日本は、2大会連続ベスト8の結果を残している。
 
 その後、2000年のシドニー五輪(ベスト8)をはじめ、00年から06年まで日本代表で長年共闘した間柄だが、中村は柳沢とプレーした当初に「大きな衝撃を受けた」と明かす。


柳沢の“動きのカラクリ”を中村視点で紐解く

 柳沢と言えば、ボールを持っていない時のオフ・ザ・ボールのプレーに定評があり、巧みな動き出しと周りを生かす術は群を抜いていた。中村も「自分が20歳の時、ヤナギさんの動きに衝撃を受けましたからね」と証言する。柳沢のワンプレーを例に出し、中村は次のように説明を始めた。
 
「例えば、自分から味方に一本の横パスを入れた時、そこからダイレクトのパスが前線に出てくるタイミングを見計ってFWが動き出すのが一般的。でも、ヤナギさんの場合は違う」と力を込める。決定的な違いは、動き出すタイミングにあると中村は明かす。
 
「ヤナギさんは、自分が味方に横パスを出すのと同じタイミングで、もうDFから離れるような動き出しを始めている。普通に考えれば、動くのはまだ早いですよね。だって、そもそも味方にまだボールが渡っていないわけですから、前線にパスも出てきません」
 
 中村は身振り手振りを交えながら、プレーの描写を熱弁する。「じゃあ、その動きの意味はなんなのか?」と続けて間を置くと、“カラクリ”を中村視点で紐解いていく。
 
「ヤナギさんは、早めに動き出しながら、最初にパスを出した自分の名前を呼ぶんですよね。こっちからすると、まだタイミング的に早いから『え?』ってなるんですけど、呼ばれたことでヤナギさんに対して意識が自然と向く。そこで味方から自分にリターンパスが戻ってくると同時に、今度ヤナギさんはカットインして相手の逆を巧みに突く。その動きは間接視野で意識しているから、スムーズにパスを出せます」

「FWにセンスを磨いてもらう」の真意

 当時の中村にとって、柳沢のプレーは衝撃的だった。その動き出しの意図を理解すべく、「それまで以上に首を振って、周りの状況を意識するようになった」と振り返っている。先輩ストライカーは、中村の成長を語るうえで欠かせない存在であり、現在39歳となったレフティーは「ヤナギさんは、そういう感覚がずば抜けていた。本当にびっくりした」と、今でも称賛して止まない。
 
 柔和な笑みを浮かべながら語る中村は、最後に次のように総括している。
 
「つまり、一連の動きが『そのタイミングで出せ!』というメッセージ。そうした流れを自分の中で全部イメージしたうえで、ヤナギさんは動き出していた。FWにセンスを磨いてもらうというのは、そういうことですよね」
 
 名パサーの陰に名ストライカーあり――。二人の関係性が雄弁に物語っている。
 
【了】
 
大木 勇(Football ZONE web編集部)●文 text by Isamu Oki
 
神山陽平、ゲッティイメージズ●写真 photos by Yohei Kamiyama , Getty Images


「パスセンスを磨いてもらった」 中村俊輔が絶賛、今も感謝する唯一無二の選手とは?

◆【ハリルへの推薦状】E-1サッカー選手権で起用すべき注目の新戦力は?/MF篇(サッカーキング)




 12月8日に開幕するEAFF E-1サッカー選手権(旧・東アジアカップ)。Jリーグ勢が中心のチームでの参加となりそうな中で、伝統的に日本の「売り」であるMF陣に誰をチョイスするべきか。ハリルホジッチ監督は大会で単に勝つことよりもW杯に向けたテストを優先させるはず。その中で選ばれるべき選手は誰だろうか。

 まず重要なのは、中盤は軸となるべき選手が抜ける中での選考となること。そして基本となる布陣が「1アンカー+2インサイドハーフ」の形になることは変わらないだろう。11月の欧州遠征メンバーからは大黒柱である長谷部誠(フランクフルト)が抜けることになるが、山口蛍(セレッソ大阪)と井手口陽介(ガンバ大阪)は招集可能だ。この二人をメインキャストにした編成になることは想像に難くない。

 問題は「もう1枚」のセレクションだ。欧州遠征では長澤和輝(浦和レッズ)がベルギー戦で先発起用されて高評価を得たが、クラブW杯の出場権が確保されればそちらを優先する見通し。ブラジル戦で途中出場の遠藤航(浦和)も同様だ。また2試合ともに途中出場となった森岡亮太(ベフェレン)も今回は招集できない。過去何度も招集されている小林祐希(ヘーレンフェーン)も今回は呼べない。となると、インサイドハーフの最有力候補は欧州遠征にも7番を着けて帯同している倉田秋(G大阪)だろう。技術に加えて活動量もあるタイプで、ハリルホジッチ監督のスタイルにも適応しており、今回の主力候補だ。

 もう一人、有力なのは高萩洋次郎(FC東京)か。欧州遠征メンバーからは漏れているが、貴重な長身のセントラルMFでもあり、テストの可能性は高い。アンカー役ではベテランの今野泰幸(G大阪)の名前も再び浮上してきそうだ。アジア最終予選では突然の招集ながらしっかり仕事をこなした男にはハリルホジッチ監督からのリスペクトもある。「今さらテストするまでもない」という判断もあるかもしれないが、長谷部不在の中で経験のある選手が欲しくなるのは自然な流れとも言える。また谷口彰悟(川崎フロンターレ)もセンターバックよりアンカーとして名前が挙がりそうだ。

 ここまで未招集の選手の中からアンカー候補を推すなら、21歳の三竿健斗(鹿島アントラーズ)だ。181cmの長身で球際の“デュエル”でも存在感を出せるタイプで、鹿島加入後から着実な進歩も感じさせる成長株。また同じリオ五輪世代の原川力(サガン鳥栖)もJ1で初めてフルシーズンを戦う中で力を蓄えてきている上、さまざまな戦術に適応できるタイプでもあるため、候補になり得る。個人的には、中山雄太(柏レイソル)も中盤の底で候補になれるタレントと思うものの、クラブでセンターバックとしてプレーしている現状を思うと、少し厳しいか。冨安健洋(アビスパ福岡)も同様だ。

 インサイドハーフの候補としては負傷から復帰した大島僚太(川崎F)を推したいところ。未招集組では、川辺駿(ジュビロ磐田)の名前がまず挙がりそうだ。インサイドハーフとしては未知数の部分も大きいが、センスのあるボールさばきに加えて、縦に飛び出していく力もあるだけに、可能性はある。同様に代表のシステムでは未知数ながら、三田啓貴(ベガルタ仙台)も面白い。元より「前に出て行ってナンボ」のパンチ力を備えたタイプであり、より生かされる可能性もある。

 より守備に長じるタイプとしては、予選の予備登録メンバーに入っていた喜田拓也(横浜F・マリノス)も候補だろう。そしてもちろん、Jリーグでのプレーをフラットに観るなら、偉大なる重鎮、37歳の中村憲剛(川崎F)も候補リストに入ってくるべき男だ。

 日本のストロングとなるべきポジションであり、海外組にも他に柴崎岳(ヘタフェ)がおり、候補には事欠かない。残り半年と時間がない上に、山口と井手口を招集できる今回に関しては、単に能力の高低というよりも、彼ら二人とフィットできるタイプかどうかも選考のポイントになりそうだ。

文=川端暁彦

【ハリルへの推薦状】E-1サッカー選手権で起用すべき注目の新戦力は?/MF篇

◆【鹿島】18日V決定準備せず 大岩監督は午前中練習、その後柏―磐田戦視察へ(報知)




 連覇を狙う鹿島に油断はない。試合がない18日、川崎がG大阪に敗れれば9度目のリーグ優勝が決まるが、大岩剛監督(45)は同日午前にクラブハウスで行われる練習を指揮した後、柏―磐田(柏)に出向くことが16日、決まった。鹿島は次戦(26日)に柏戦(カシマ)、最終節(12月2日)に磐田戦(ヤマハ)が控えている。指揮官は川崎戦をテレビ観戦するよりも勝利を積み重ねるために時間を費やすことを決めた。

 クラブとしても「他クラブの負けを祈るは鹿島の精神に反する」ことから優勝決定への準備はしない考え。自力で勝利すれば優勝が決まる柏戦へ向け、同監督は「これまで通り、一戦一戦に準備を進めていく」と話した。

【鹿島】18日V決定準備せず 大岩監督は午前中練習、その後柏―磐田戦視察へ

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