「もうちょっと(ゴール数を)伸ばしていきたいし、インパクトあるのを決めたいですね」
伊東純也(写真)は攻守に渡って存在感を発揮し、柏の好調に間違いなく貢献しているが、個人的な数字を見れば今季はここまで2ゴールと物足りなさは残る。この結果には当然彼自身も満足しておらず、J1第11節のFC東京戦、第13節の大宮戦のゴールはともに、伊東は「ラッキーだった」と振り返っており、彼のチャントのフレーズにもある「ズバッと決める」形ではなかったと捉えているようだ。
では「ズバッと決める」、あるいは冒頭の伊東の言葉にもある「インパクトのあるゴール」とは、いったいどういうものか。それを訊ねると、伊東は昨季のファーストステージ第8節、鹿島戦での先制ゴールを例に挙げた。鮮やかなダブルタッチで山本脩斗をかわし、スピードに乗ったドリブルからニアサイドを撃ち抜いた一撃である。
実は、伊東は鹿島との相性が良い。2015年のプロ1年目、甲府時代にプロ初スタメンはファーストステージ第9節の鹿島戦。その試合ではプロ初ゴールも決めた。昨年の柏移籍後も、上記のダブルタッチによる鮮烈な一撃が移籍後初ゴールだった。さらに同試合では武富孝介の追加点もアシストし、セカンドステージ第11節の鹿島戦はベンチスタートとなったものの、交代出場からわずか3分後には、スピードに乗ったドリブル突破と好クロスからディエゴ オリヴェイラのヘディングをお膳立てした。
昨季、柏は鹿島に対して2戦2勝。奪った全4ゴールのうち、伊東は3ゴールに絡んだのだ。
「たまたまです」
鹿島戦での活躍について聞くと、相変わらず“伊東節”での言葉が返ってくる。それでいて、「(鹿島に対して)良いイメージは持っています」とも付け加えた。
「鹿島は強いです。ペドロ(ジュニオール)やレオ シルバが入って、去年より強くなったという印象。でも4バックなのでスペースはできると思うし、1対1になって、スペースがあれば仕掛けてクロスまで行ける自信はあります」
そうやって飄々と言葉を紡ぎながらも、時折自信を覗かせるあたりは実に伊東らしい。
迎えたプロ3年目の鹿島戦は、首位と3位による“上位直接対決”というシチュエーションになった。伊東は過去2年のように爆発的なスピードを生かし、彼自身が望むインパクトのある活躍でチームの勝利に貢献できるだろうか。
文:鈴木潤(柏担当)
明治安田生命J1リーグ 第17節
7月2日(日)18:30KO 柏
柏レイソル vs 鹿島アントラーズ
https://www.jsgoal.jp/news/jsgoal/n-00033836/