日刊鹿島アントラーズニュース

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2018年7月19日木曜日

◆ベルギー移籍の植田直通、C・ブルージュが加入発表…4年契約を締結(サッカーキング)



植田直通 Naomichi.Ueda


 ベルギー1部リーグのセルクル・ブルージュKSVは17日、鹿島アントラーズに所属する日本代表DF植田直通が完全移籍で加入すると発表した。

 植田の移籍については、所属元の鹿島が12日にクラブ間での基本合意に達したことを発表。渡欧後、メディカルチェックなどを経てセルクル・ブルージュKSVと正式契約を結ぶ見通しと伝えられていた。

 そして17日、セルクル・ブルージュKSVが移籍加入を正式発表。契約期間は4年間と発表されている。

 セルクル・ブルージュKSVのフランツ・ショッテ会長は「リーグ戦開幕2週間前に、パワフルで才能に満ちた植田の到着はクラブにとって強力な補強となる。彼は23歳だが、日本のトップチームである鹿島アントラーズで多くの経験を積んできた」と植田を紹介。期待を寄せている。

 植田は1994年生まれの23歳。大津高校出身で、2013年に鹿島へ加入した。2015年にヤマザキナビスコカップ(現・JリーグYBCルヴァンカップ)、2016年には明治安田生命J1リーグと天皇杯を制覇。昨季からは背番号「5」を託され、中心選手として活躍してきた。キャリア通算で、明治安田生命J1リーグで96試合出場4得点、JリーグYBCルヴァンカップで7試合、天皇杯で10試合に出場している。

 また植田はU-16からU-23まで各年代の日本代表にも招集。2016年のリオデジャネイロ・オリンピックにも出場した。そして昨年12月にA代表デビューを果たし、2018 FIFAワールドカップ ロシアのメンバー23名にも選出。ただ、本大会で出場機会を得ることはできなかった。






ベルギー移籍の植田直通、C・ブルージュが加入発表…4年契約を締結




◆日本代表 4年後の注目株として外せない選手(スポニチ)






 7月18日からJ1リーグが再開された。W杯期間中も通常のスケジュールを消化してきたJ2、J3と合わせて、国内リーグはいつもの風景を取り戻した。次のカタールW杯へ向けた4年間が、本格的にスタートしたわけだ。 

 日本代表の新監督は、誰になるのだろう。早ければ今週中にも方向性がはっきりするはずだが、ここで取り上げたいのは選手である。

 W杯後の恒例とも言える企画に、『4年後の日本代表のスタメン』を予想するものがある。一般的には、期待値込みの選考になることが多い。今回のタイミングなら、22年のカタールW杯を20代後半で迎える久保裕也(ヘント)、中島翔哉(ポルティモネンセ)、浅野拓磨(ハノーファー)、植田直通(セルクル・ブルージュ)らのリオ五輪世代や、20年の東京五輪を狙う世代がピックアップされる傾向が強まる。レアル・マドリードの下部組織に所属する14歳の中井卓大や、17歳になったFC東京の久保建英らは、4年後の注目株として外せない選手たちだ。

 そのような企画を任されることになれば、もちろん僕も中井や久保を選ぶ。ただ、違う思いも抱く。

 たとえば、14年のブラジルW杯でメンバー入りしながら、ロシアW杯の出場を逃した選手たちは、22年のカタールW杯の出場を諦めているのか。すでに代表チームの構想から外れてしまっているのか。そんなことはないだろう。

 清武弘嗣(セレッソ大阪)、柿谷曜一朗(セレッソ大阪)、齋藤学(川崎フロンターレ)らは、年齢的にも4年後を狙える選手たちだ。ブラジルW杯の控えGKだった西川周作(浦和レッズ)と権田修一(サガン鳥栖)らも、カタールを意識していい。

 西野朗監督には招集されなかったものの、ロシアW杯出場を射程としてきた中堅層も少なくない。海外でプレーする選手なら、森岡亮太(アンデルレヒト)や小林祐希(ヘーレンフェーン)は4年後も十分に期待できる。スペイン2部のヒムナスティックで研鑽を積んできた鈴木大輔は、新たな所属先が決まり次第代表でテストしてみたい選手である。

 国内なら谷口彰悟、車屋紳太郎(いずれも川崎フロンターレ)、杉本健勇(セレッソ大阪)、小林悠(川崎フロンターレ)、金崎夢生(鹿島アントラーズ)、伊東純也(柏レイソル)、川又堅碁(ジュビロ磐田)らが、ヴァイッド・ハリルホジッチ元監督のもとで可能性を示した。小林は30歳で、川又は28歳だ。「中堅」の枠からはこぼれてしまうかもしれないが、32歳や34歳でW杯に出場する選手は例外ではない。4年後の可能性を膨らませるのは、誰でもない彼ら自身である。

 日本代表入りの経験はないものの、天野純(横浜F・マリノス)や原川力(サガン鳥栖)らも、本気で4年後を目ざしてほしい選手だ。

 10代後半や20代前半の選手たちの将来性は眩しいが、18年現在の中堅やベテランに目を向けないのは無理やり過ぎる。7月18日に再開されたJ1リーグで、4年後へ向けた選手たちの決意や覚悟を感じたいものである。(戸塚啓=スポーツライター)




日本代表 4年後の注目株として外せない選手




◆磐田・名波監督、怒涛の追い上げを見せた鹿島の強さに脱帽「我々も目標にしなければ」(GOAL)





ジュビロ磐田の名波浩監督が鹿島アントラーズが見せた怒涛の追い上げを称賛した。

明治安田生命J1リーグがW杯に伴う2カ月の中断を経て18日に再開。ジュビロ磐田はホームで鹿島アントラーズと3-3で引き分けた。名波浩監督が激戦を振り返った。

磐田は17分に上原力也が先制点を奪ったものの、前半のうちに追いつかれて後半へ。69分に安部裕葵に華麗なループシュートを決められ一時逆転を許してしまう。しかし、そこから山田大記と川又堅碁のゴールで勝ち越しに成功。

このまま1点をリードして終わるかと思われたが、49回目の伝統の戦いは一筋縄で行かず。驚異の追い上げを見せた鹿島が土居聖真の土壇場ゴールで同点に。計6ゴールが決まる乱打戦は痛み分けでタイムアップの笛を迎えた。

試合後、名波監督は「3-2になってから時間を使いたい、作りたいシーンがインサイドで1回しかなかった」ことを悔やみつつ「ちょっとゲームコントロールができなかった。アントラーズが良い時にやるゴールシーンが見れた。非常に美しかったと思いますし、我々もあれを目標としてやっていかなければいけない。そこがやっぱりアントラーズの上手さ、強さだと思う」と宿敵の追い上げを称賛した。

「新しいことにトライして、トレーニングマッチも含めて4試合目だった」と、天皇杯のレノファ山口FC戦で試した3-1-5-1の新システムをリーグ戦でも採用。後半のある程度まで我慢して「いつもやっていた3-4-3に戻して、相手のサイドは高い位置で取れないような状況を作り出すこと」を作戦に練り込んでいたことを明かした名波監督。とはいえ、「チームに前の推進力を生み出してくれた30分だったんじゃないかなというふうに思っています」と、勝ち点1にも一定の満足感を示した。

「ともあれ、この暑い中でお客さんがたくさん入ってくれて、点の取り合いという派手なゲームを、中断明けのファーストゲームでできたことはプラスに捉えている」とし、「次の(北海道コンサドーレ)札幌、それから(サガン)鳥栖と、遠いアウェイが2連戦続きますけど、アウェイでもう少しリラックスしながら前の選択を増やして相手の脅威、それからひっくり返すような回数を増やしていければと思う」と前を向いていた。

磐田は次戦、22日にアウェイで札幌と対戦する。



磐田・名波監督、怒涛の追い上げを見せた鹿島の強さに脱帽「我々も目標にしなければ」



◆磐田に昨季の雪辱果たせぬも…鹿島MF三竿「いいめぐり合わせ、ここから再出発」(GOAL)



鹿島アントラーズ Kashima.Antlers

三竿と大岩監督が昨季を思い出しながら…。

鹿島アントラーズは昨季の因縁の相手、ジュビロ磐田に勝ち切ることができず、選手たちは悔しさをにじませた。

鹿島は18日、明治安田生命J1リーグ第16節で磐田と対戦。ヤマハスタジアムということで、昨季優勝を逃した地での一戦は打ち合いの末に3-3のドローに終わった。またも、勝利をつかめず、悔しい結果となったが、大岩剛監督は選手たちの働きぶりを評価する。

「中断期間に自分たちが準備してきた、やろうとしていることを前半から選手たちが非常にアグレッシブにやってくれた。勝てはしなかったんですけど、非常に良いゲームだった。ここを勝ち切るようなチームに次の試合からはしていきたいなと。私が準備をしていきたいなと思っています」

勝てなかった理由には攻守両面を挙げた大岩監督。今回の磐田戦に向け、特別に選手たちに話はしなかったと明かす一方で、「自然に選手たちが話していたようだった」と話す。

実際、昨季と今季の両試合で先発したMF三竿健斗はJリーグ再開初戦が磐田との戦いだったことにめぐり合わせを感じているようだ。

「あんなに悔しい思いをしたことはなかったですし、このクラブでタイトルを逃したっていう重みだったり、悔しさを一番感じた場所だったんで。今でもその悔しさは持っていますし、それをいい巡り合わせというかここから再出発っていう意味で、ここでゲームができたと思うので、みんな自然と気合が入っていたのかな、とは思います」

鹿島にとっては追い付いたドローだっただけにポジティブに受け取ることもできる。三竿も「本当は勝ち切らないといけないんですけど」と前置きしつつ、このように語った。

「逆転して、逆転されて、またそこで追いつけた、っていうのはチームとして成長してる証拠だと思うし、今チームがすごい若いので、失点した後でもやれる、っていう自信があったので追いつけたと思うし。そうやって追いつけて負けなかったのは次に繋がると思います」

勝ち点1を加えて13位の鹿島。この磐田戦をきっかけに上昇気流を描くことはできるだろうか。




磐田に昨季の雪辱果たせぬも…鹿島MF三竿「いいめぐり合わせ、ここから再出発」




◆【鹿島】遠藤、安部、土居のゴールで今季リーグ戦初の3得点も3失点…磐田とドロー(報知)



鹿島アントラーズ Kashima.Antlers


 ◆明治安田生命J1リーグ▽第16節 鹿島3―3磐田(18日・ヤマハ)

 鹿島は、敵地で磐田と3―3で引き分けた。

 日本代表DF植田直通がベルギー1部のセルクル・ブルージュに移籍し、合流から間もない同DF昌子源も欠場する中で迎えた一戦。0―1の前半34分にMF安部裕葵のクロスをFW鈴木優磨が頭で落とし、MF遠藤康が左足で同点弾。後半24分にはMF中村充孝のパスカットからMF安部が流し込み勝ち越し点を決めたが、その後2点を失った。同43分にFW土居聖真のゴールで同点に追いついたが、勝ち点3を奪うことはできなかった。

 土居が「みんな思っていると思うけど、内容は良かった。だからこそもったいない」と振り返ったように、3人目の動きを用いた流動的な攻めで磐田ゴールに襲いかかったが、いずれも隙を突かれた形の3失点が痛かった。植田に代わり右センターバックを務めたDF犬飼智也は「結果は3失点。後ろが抑えられれば勝てた。責任は感じます」。左センターバックのDF町田浩樹も「勝てた試合。3失点とも防げる失点だった」と厳しい表情で話した。




【鹿島】遠藤、安部、土居のゴールで今季リーグ戦初の3得点も3失点…磐田とドロー 




◆鹿島、土壇場でドラマが!土居の同点美弾で引き分け(ニッカン)



土居聖真 Shoma.Doi


<明治安田生命J1:磐田3-3鹿島>◇第16節◇18日◇ヤマハ

 鹿島アントラーズが、土壇場で追いついて引き分けた。それは、美しい同点ゴールだった。

 点を奪い合うシーソーゲーム。後半24分にMF安部裕葵の今季初ゴールで勝ち越しながら、同32、37分に立て続けにゴールを許して逆転された。だが、リーグ再開前の鹿島とは、ここからが違った。

 MF三竿健斗の縦パスを、FW土居聖真が右足のアウトサイドでフリック。それを受けたFW鈴木優磨が、右サイドのFW山口一真にスルーパスを出した。このとき、土居はゴール前に突進する。山口の右からの低く、速いクロスに飛び込んだのが土居だった。2-3で1点を追う後半43分。まさに終了間際。これには磐田の名波浩監督も「アントラーズがいいときにやるゴールシーン。美しかった」と手放しで相手をたたえたほどだった。

 昨季最終節で引き分けて優勝を逃した敵地ヤマハスタジアム。試合開始前から水を飲むに行く選手が多数いるほど蒸し暑い中で、思いは強かった。日本代表のDF植田直通がベルギーに移籍し、DF昌子源は体調不良で遠征メンバーからも外れた。苦しい台所事情の中で前半17分に先制を許したが、選手の連動は中断前にはないものだった。土居は「内容はめちゃくちゃ良かった。もったいないというか…」と悔しがったほど、内容は悪くなかった。1試合で3得点を挙げたのは今季チーム最多。攻撃力に光は見えた。

 「いい流れはできている。得点できる機会も続いているし、攻撃面はできている。これを続けていきたい」。土居の言葉には、チーム全体の手応えがにじんでいた。




鹿島、土壇場でドラマが!土居の同点美弾で引き分け


◆植田移籍、昌子欠場の鹿島は3失点も…3人の今季初ゴールで意地のドロー(ゲキサカ)



遠藤康 Yasushi.Endo


[7.18 J1第16節 磐田3-3鹿島 ヤマハ]

 ジュビロ磐田と鹿島アントラーズの一戦は3-3の引き分けに終わった。川崎Fから磐田に移籍したFW大久保嘉人は選手登録前のため不在。次節22日の札幌戦から出場可能となる見込みだ。

 ベルギー1部セルクル・ブルージュへの完全移籍が基本合意に達し、離日したDF植田直通に加え、ロシアW杯で3試合にフル出場したDF昌子源も欠場した鹿島。DF犬飼智也とDF町田浩樹がセンターバックを組んだが、いきなり1点を失う展開となった。

 磐田は前半17分、DF櫻内渚の右クロスに走り込んだMF上原力也がフリーとなり、ニアサイドからヘディングシュート。ゴール左隅に吸い込まれる上原のJ1初ゴールが先制点となった。

 1点を追う鹿島もすぐさま反撃に出る。前半21分、FW土居聖真の右クロスにFW鈴木優磨が頭で合わせるが、GKカミンスキーにゴールラインぎりぎりでかき出され、こぼれ球に詰めた鈴木のシュートは大きくクロスバーを越えた。

 それでも前半34分、鹿島はMF安部裕葵の右クロスをファーサイドの鈴木が頭で落とし、ワンバウンドしたボールをMF遠藤康が左足一閃。豪快なダイレクトボレーはクロスバーを叩いてゴールネットを揺らし、1-1の同点に追いついた。

 今季初ゴールとなった遠藤だったが、このプレーで足を痛めたか、ゲーム再開後、ピッチ上に座り込み、プレー続行不可能に。前半37分、担架で運び出され、MF中村充孝との交代を余儀なくされた。

 思わぬアクシデントに見舞われた鹿島だが、相手のミスは逃さなかった。1-1で迎えた後半24分、磐田はGKカミンスキーからパスを受けたDF新里亮が自陣ゴール前で痛恨のパスミス。ボールをカットした中村のスルーパスに抜け出した安部がGKとの1対1から冷静に左足でボールを浮かし、技ありのチップキックでゴールネットを揺らした。

 U-19日本代表の一員として6月にはロシア遠征に参加した安部。同時期にA代表がW杯のベースキャンプを張るカザンでの合宿では、A代表対U-19代表のゲーム形式練習でA代表側に入る場面もあった19歳の今季初ゴールで2-1と逆転すると、その後は激しい点の取り合いとなった。

 磐田は後半32分、MF松浦拓弥がドリブルで仕掛けたこぼれ球を後方からフォローしたMF山田大記が右足でシュート。鮮やかにゴール右隅に流し込み、2-2の同点に追いつくと、5分後の37分には山田の左クロスにニアで合わせたFW川又堅碁がバックヘッドでファーサイドに流し込み、3-2と再逆転した。

 しかし、鹿島も譲らない。後半43分、鈴木が右サイドに展開し、途中出場のFW山口一真がグラウンダーのクロス。ファーサイドに詰めた土居が滑り込みながら左足で押し込んだ。土居の今季初ゴールで3-3。壮絶な打ち合いとなったリーグ再開初戦は両チームが意地を見せ、勝ち点1を分け合う結果となった。




植田移籍、昌子欠場の鹿島は3失点も…3人の今季初ゴールで意地のドロー


◆2018明治安田生命J1リーグ 第16節(オフィシャル)



安部裕葵 Hiroki.Abe 鈴木優磨 Yuma.Suzuki


明治安田J1 第16節

J1再開初戦、打ち合いの末にドロー。鹿島、土居の同点弾で磐田と引き分け。

J1再開初戦は、打ち合いの末にドローという結果に終わった。第16節、ジュビロ磐田戦。ヤマハスタジアムに乗り込んだ鹿島は、1-1で迎えた後半に逆転に成功したものの、連続失点で再逆転を許してしまう。それでも88分、土居が同点ゴールを決めて3-3の引き分けに持ち込んだ。

1週間前、公式戦再開を告げる天皇杯3回戦。鹿島はゴールラッシュで力強く再出発を遂げた。町田との一戦、結果は5-1。西がヘディングシュートを突き刺して先制点を挙げると、鈴木の2得点や遠藤の左足シュートなどで着実に加点し、4回戦へと駒を進めた。終盤に喫した1失点、散見されたパスミスなど課題が残ったことも確かだ。だが、インターバル明けの初戦、一発勝負のノックアウトマッチで勝利を収めた事実は何よりも価値あるものだった。切れ味鋭いオーバーラップを繰り返した安西は「リーグ戦へつなげたい」と、次なる戦いを見据えていた。

ゴールラッシュから一夜明け、チームオフのクラブハウスからビッグニュースが発表された。日本代表の一員としてロシアへ渡り、貴重な経験と底知れぬ悔しさを胸に帰国した植田が、ベルギー1部のセルクル・ブルージュKSVへ完全移籍。今季のJ1、中断前までの14試合でフルタイム出場を記録し、守備の要として君臨していた背番号5がチャレンジを決断した。さらに翌13日には、ペドロ ジュニオールが中国2部の武漢卓爾足球倶楽部へ期限付き移籍で加入することが決定。攻守の2選手がクラブを離れることとなった。

移籍発表後も、植田は慣れ親しんだグラウンドでトレーニングを続けた。練習最終日となった14日、クラブハウスには数多くの背番号12が結集。別れの寂しさ、歩んできた日々への感謝――。様々な感情が交錯し、そして目線は磐田との対峙へと向かう。ベルギーの地で強く逞しく進化を遂げるであろう植田とともに、鹿島もまた新たな気持ちでリーグ戦へと突入する。犬飼は「当然、責任感はある」と闘志を燃やし、町田も「自分らしいプレーで貢献したい」と誓っていた。DFリーダーの旅立ちは、新たな才能との出会いをも意味する。若きセンターバック陣が競争意識を激化させ、トレーニングは熱を帯びていった。猛暑が続く鹿嶋で、ひたむきにボールを追い続ける選手たち。前日練習を終え、チームは磐田へと発った。





さあ、リーグ再開を告げるアウェイゲームが始まる。大岩監督はGKにクォン スンテ、センターバックの一角には今季J1初先発の町田を指名。犬飼とのコンビに期待と希望を託した。右サイドバックには西、左には安西が並ぶ。そしてボランチから前は町田戦と同じ顔触れで、ミドルゾーンには三竿健斗と永木、遠藤と安部。そして前線では土居と鈴木が虎視眈々とゴールを狙う。ベンチにはGKの曽ケ端、内田、山本、中村、小笠原、田中、山口が座る。



平日夜のアウェイゲームだが、アントラーズレッドの背番号12が続々とヤマハスタジアムに足を運んだ。試合前日、ジーコ氏のテクニカルディレクター就任が決定。16年ぶりにクラブへ復帰した神様とともに、再び勝利を追求して歩みを進める日々が始まる。背番号12もまた、その知らせを心から喜び、そして新たな闘志を胸に灯したはずだ。選手たちに降り注がれるチームコール、そして叫ばれる選手たちの名前。フットボールのある日常が帰ってきた実感を改めて噛み締め、そしてホイッスルが鳴り響いた。

19時3分、キックオフ。蒸し暑い中で迎えた一戦、鹿島は立ち上がりから最終ラインの背後を狙ったボールを多用し、磐田を押し込んでいった。ファーストシュートは7分。安部とのワンツーで左サイドを切り裂いた安西が中央へ折り返し、土居が左足ダイレクトで合わせる。10分には土居が敵陣左サイド深くへのスルーパスに反応すると、鋭い切り返しからラストパスを供給。走り込んだ安部がスライディングで合わせ、強烈なシュートを枠に飛ばした。相手GKの正面を突いたが、得点の予感を感じさせる攻撃だった。





だが、この夜最初のスコアはホームチームのものだった。クロスから打たれたボレーをスンテが間一髪で弾き出し、与えたCK。ショートコーナーからゴール前へ入れられたボールにはしっかりと対応したものの、セカンドボールを拾った後のパスを奪われてクロスを許す。ニアサイドへ走り込んだ上原にヘディングシュートを決められた。17分に喫した失点で、鹿島は1点を追う展開となった。

再開初戦、敵地で負ったビハインド。苦しい戦いとなったが、鹿島の選手たちに動揺はなかった。失点直後に遠藤のミドルシュートで反撃の狼煙を上げると、21分には右サイドからのクロスに鈴木が反応。ゴールへの渇望をボールに込めて叩き付けたヘディングシュートはしかし、ゴールライン上で相手GKに弾き出される。得点は認められず、ビハインドのまま試合は推移していった。



30分を経過しても、鹿島がボールポゼッション率を高める展開が続いた。最終ラインの背後、そして両サイド深くを狙ったロングボールを繰り返し、敵陣でのプレータイムを増やしていく。左サイドでは安西がスピードに乗ったドリブルで突破口となり、右サイドでは西が的確な戦況理解と巧みなパス交換でゲームコントロールを担った。最前線の鈴木も労を惜しまずにボールを追い続け、磐田の脅威であり続けた。



そして、34分。待望の同点ゴールが刻まれた。中盤右サイドでボールを持った安部がペナルティーエリア左奥へロングボールを供給。走り込んだ鈴木が打点の高いヘディングで折り返すと、走り込んでいた遠藤が左足を振り抜く。うなりを上げてゴールを襲うボレーは、クロスバーを叩いてネットを豪快に揺らした。1-1。ゲームキャプテンが鹿島に勇気をもたらし、同点に追い付いた。



だが、得点時にアクシデント。遠藤が足を痛め、担架に乗ってピッチを後にする。38分、中村を投入。早くも1枚目の交代カードを切ることとなった。前半は1-1の同点で終了した。













ビジタースタンドへ向かって攻める後半、鹿島は積極的な姿勢を示し続けた。相変わらず蒸し暑い夜、次第にオープンな展開へと推移していく中で、犬飼と町田のセンターバックコンビも体を張った守備で応戦。60分経過後からは敵陣深くまで進出する場面も増え、鹿島が攻勢を強めていった。





そして69分、逆転ゴールが生まれた。前線でのプレスでボールを奪うと、中村がペナルティーエリア左側へラストパスを供給。待っていたのは安部だった。トラップで前を向くと、迫りくるカミンスキーの頭上を越えるループシュート。判断とアイデアの結晶がゴールネットを揺らす。2-1。安部の今季J1初得点で、鹿島が逆転に成功した。





リードを奪い、勢いに乗る鹿島。72分には実戦復帰となる山本がピッチへ送り出され、攻守の安定を図る。しかし、残り15分を切ったところから落とし穴が待っていた。77分、永木と町田がボールを奪いにプレスをかけたところからこぼれ球を山田に拾われ、右足シュートで失点。さらに82分、クロスボールに飛び込んだ川又のヘディングシュートがスン手の頭上を越え、ネットを揺らしてしまった。



2-3。アウェイで再逆転を許し、鹿島は逆境に立たされた。それでも選手たちは下を向くことなく、磐田ゴールを目指し続ける。この日3度目のスコアは88分、途中出場の山口が最終ラインの背後で鈴木のパスを受け、グラウンダーのクロス。土居がスライディングで押し込み、3-3の同点とした。









4分と表示されたアディショナルタイムも、鹿島は必死に攻撃を仕掛けた。だが、4度目の歓喜は訪れなかった。3-3、勝ち点1。J1再開初戦は引き分けという結果に終わった。次戦は4日後、22日の柏戦だ。今月唯一のホームゲームで、連勝街道を走り始めるために。鹿嶋へと戻り、準備を進めていく。






【この試合のトピックス】
・遠藤、土居、安部が今季のJ1初得点を記録した。
・町田が今季のJ1で初先発初出場を記録。昨年5月19日の第12節川崎F戦以来、通算3試合目だった。
・田中が今季のJ1で初のベンチ入りを果たした。


監督コメント

[ハーフタイム]
鹿島アントラーズ:大岩 剛
・素晴らしい前半、一人ひとりの距離感、ボールの動かし方もいい。後半もこれを続けていくこと。
・サイドで攻撃の形を作った時、シンプルにボールを動かし、中に人数をかけていこう。
・リスク管理を忘れず。残り45分集中して戦おう。

ジュビロ磐田:名波 浩
・両アウトサイドは、喰いつきすぎないこと。
・セカンドボールの予測と反応をもっと意識しよう。
・前選択の意識を持ってプレーすること。

[試合後]
鹿島アントラーズ:大岩 剛
中断期間に準備してきた、自分たちがやろうとしていることを選手たちは前半から非常にアグレッシブにやってくれた。勝つことはできなかったが、非常に良い試合だった。勝ち切るチームになれるように、私自身がしっかりと準備をしていきたい。

Q.勝ち切るために必要なことは?

A.攻守両面にあると思う。3失点をしているので、クロスに対しての守備のやり方。そして特に前半、何度かあったチャンスを決め切ることだと思う。

Q.昨季の最終節で優勝を逃したスタジアムだが、試合前に何か特別な言葉をかけたのか?

A.そのような話はしていない。自然と選手たちの中で話をしていたようだし、昨季のことよりも、この1試合に集中して準備をしてきた。選手たちはピッチの中で、そのような気持ちも踏まえてプレーで表現してくれた。評価したいと思う。

ジュビロ磐田:名波 浩



選手コメント

[試合後]

【安部 裕葵】
毎試合、やるべきことは変わる。起用してもらっている中で、どれだけ仕事ができるかを考えてプレーしている。得点の場面は素晴らしいボールが来たので、決めるだけだった。

【山本 脩斗】
チームに合流してトレーニングを重ねているので、あとは試合勘の部分を上げていきたい。2-1になった時点で勝ち切らなければいけなかった。悔しい試合になってしまった。

【三竿 健斗】
隙を突かれて失点をしてしまった。マークのズレなど、集中力の問題だと思う。昨季の最終節、あれほど悔しい思いをした試合はなかったし、自然と気合いは入っていた。勝ち切らないといけなかった。

【永木 亮太】
自分たちの隙を相手に突かれて失点してしまった。寄せの甘さが出てしまったと思う。もっと突き詰めてやっていかなければいけない。

【山口 一真】
途中から出場したので、相手の背後を取って得点に絡むことを狙っていた。アシストの場面は狙い通り。得点やアシストをしてチームを助けられるようにやっていきたい。

【土居 聖真】
内容は良かった。もったいない試合になってしまった。得点の場面ではスピードアップしてゴールまで行けていたし、町田戦から攻撃の流れは良い形で来ていると思う。良い部分をたくさん継続していくこと、ブレずに続けていくことが大事だと思う。

【犬飼 智也】
マチとは声を出し合いながらプレーできていたと思うけど、結果が全て。失点を減らしてチームを勝たせることができるようにしたい。突き詰めていかないといけない。

【町田 浩樹】
競り合いで負けないことを意識してプレーしていた。隙を突かれてしまい、3失点してしまった。すぐに次の試合が来るので、修正しなければいけない。




2018明治安田生命J1リーグ 第16節

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