日刊鹿島アントラーズニュース

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2017年9月26日火曜日

◆現役視点、サッカー考察 元日本代表・岩政が本出版(茨城新聞)


自身の経験を基にした「PITCH LEVEL 例えば攻撃がうまくいかないとき改善する方法チームの育て方」を出版した元サッカー日本代表DF岩政大樹

サッカー元日本代表の岩政大樹(35)が、自らの経験を基にサッカーを考察した「PITCH LEVEL(ピッチレベル)例えば攻撃がうまくいかないとき改善する方法」(KKベストセラーズ、1350円税別)を出版した。

本書は岩政が昨年からインターネット媒体で掲載した連載と、書籍化に合わせ新たに書き下ろした考察が含まれる。「勝敗の分かれ目」、「判断と想像力」など七つの論点から全39の考察で構成。現役選手の視点から、サッカーを深く掘り下げている。

岩政は東京学芸大から2004年にJ1鹿島に加入し、センターバックとして活躍。07〜09年のリーグ3連覇など多くのタイトル獲得に貢献した。10年のワールドカップ(W杯)南アフリカ大会の日本代表にも選ばれた。鹿島に10年間所属後、タイ1部のクラブとJ2岡山を渡り歩き、今季は関東1部リーグの東京ユナイテッドでプレーしている。
現役視点、サッカー考察 元日本代表・岩政が本出版

◇横浜・マルティノスに差別ツイート「ほんとこの黒人はウザいわ」(スポニチ)




 横浜は25日、キュラソー出身のMFマルティノスが、SNSによる差別的行為を受けたとして警察に被害届を提出すると発表した。人物の特定には至っていない。

 マルティノスは自身のSNSにサッカーファンのツイートとみられる画像を添付。そこには「ほんとこの黒人はウザいわ」と侮辱発言のほか、同選手がバナナを食べる画像が掲載されていた。マルティノスは「このような悲しいことを自分だけで終わらせるためにも、あえて声をあげることにしました」とコメントした。

横浜・マルティノスに差別ツイート「ほんとこの黒人はウザいわ」


【参考】

◆劇的な決勝弾すら「平常運転」の鹿島。 ふたたび黄金時代が到来か(Sportiva)


 劇的な決勝弾も、そうなると思っていたから、大して驚きはなかった。1−1で迎えた後半アディショナルタイム、MF永木亮太のコーナーキックをDF植田直通が強烈なヘッドで叩きつけ、鹿島アントラーズが土壇場でガンバ大阪を下した。



 そうなると思っていたのにはわけがある。試合の流れを考えれば、鹿島が勝つのが当然の展開だったからだ。

「スコアは2−1ですけど、今季イチといいますか、ガンバさん相手にあれだけできるという力を示せた意味で、非常に評価していいんじゃないかと思います」

 大岩剛監督のコメントは、大いに納得できるものだ。とりわけ後半はほとんどワンサイドマッチといった様相で、一方的にG大阪を攻め立てた。それほどまでに両者の間には、歴然たる力の差が横たわっていた。

 もっとも、王者の力をまざまざと見せつけた鹿島にしても、もっとも立ち上がりから盤石だったわけではない。開始7分、ロングフィード1本でピンチを招き、FWファン・ウィジョに意表を突かれるミドルを叩き込まれてしまったのだ。

 ポジショニングを考えればGK曽ヶ端準のミスとも言えたが、前節のアルビレックス新潟戦に続く早い時間帯の失点は、隙があったと言わざるを得ない。それでも、「失点は反省するべきですけど、引きずるような失点ではなかった」とDF昌子源が振り返ったように、ある意味で事故に近い一発は、鹿島にみなぎる自信を揺るがせるものではなかった。むしろこの1点が引き金となり、チームにスイッチが入ると、攻守両面において次第にG大阪を凌駕していくようになる。

 縦に速い攻撃で相手を揺さぶると、たとえパスカットを許しても、すぐさま奪い返してふたたび攻撃に打って出る。「前半は少しオープンな展開になってしまった」と永木は振り返ったが、前に前にと圧力をかける鹿島の攻撃は、G大阪守備陣を大いに苦しめた。

 そして前半アディショナルタイムにMF中村充孝がエリア内で倒されてPKを奪取。キッカーのFW金崎夢生が蹴ったボールはGK東口順昭に阻まれたものの、こぼれ球をMFレアンドロが詰めて前半のうちに追いつくことに成功した。

 後半は、まさに一方的な展開だった。同点に追いついたことで縦への威力は弱まったが、サイドに揺さぶりをかける本来の鹿島の攻撃が生み出される。67分に、売り出し中のFW安部裕葵が途中からピッチに立つと攻勢はさらに強まり、G大阪を自陣に釘づけにした。

 唯一誤算があったとすれば、キレのある動きを見せながらシュートだけがヒットしなかった金崎のフィニッシュワークだろうか。それでも後半のシュート数15本対4本という数値が示すように、鹿島がほとんどの時間帯でチャンスを作り続けていた。

 そして冒頭に記した決勝ゴールが生まれる。むしろ、点が入らなければ不公平と思わざるを得ない展開である。スコアは最少得失点差ながら、鹿島が勝つべくして勝った、完勝劇だった。

 これで鹿島は5連勝となり、2位の川崎フロンターレがヴィッセル神戸に引き分けたために、両者の勝ち点差は8に広がった。今季のJ1リーグは残り7試合、大きなアドバンテージを手にした鹿島の連覇の可能性はますます高まっている。

 注目すべきは、2試合連続で逆転勝利を収めた点だろう。「先に点を獲られているわけなので、そこは今後に向けて修正する必要がある」と永木は振り返ったが、一方で昌子は逆転できる力があることに自信を深めていた。

「先に点を獲られても慌てることなく、最後に逆転できる。無理に縦パスを入れているわけでもないですし、サイドを使って落ち着いて攻められた。そういうサッカーができているときは、強いときなのではないかなと思います。僕もそんなに知っているわけではないですけど、これまで鹿島が優勝してきたのは、こういう試合が多かったんじゃないでしょうか」

 3冠を達成するなど数多くのタイトルを獲得した1990年代後半や2000年代前半にかけて、あるいは3連覇を達成した2007年から2009年の時期など、これまで鹿島は何度か黄金期と呼ばれる時代を過ごしている。そして昨季のリーグ制覇をきっかけに、ふたたびその黄金時代が訪れようとしている。

 その黄金期を築いてきた、鹿島のアイデンティティとも言える伝統の勝負強さはこの日も健在だった。ふたつのゴールはともに、前・後半のアディショナルタイムに生まれたものである。もっとも昌子は、その勝負強さの要因を冷静に分析している。

「勝負強いって言われますが、僕らが勝っているのもあるけど、そういうときに他のチームが引き分けたりするから、僕らが余計に勝負強いと思われるんじゃないでしょうか。僕らは優勝に向かって、何が何でも勝つという姿勢でやっていて、それを表現できているだけなんです」

「だけ」と、昌子はさらりと言ってのけるが、その”だけ”がどれだけ困難なことか。勝利を追い求め、いかなる展開に追い込まれても、最終的に結果を手に入れてしまう。そんな強さを身につけてしまった今の鹿島に、もはや死角は見当たらない。


劇的な決勝弾すら「平常運転」の鹿島。ふたたび黄金時代が到来か

◆鹿島を復活させた「3つの要求」。王者に隙なし、J1記録での連覇も視野に(フットボールチャンネル)


王者・鹿島アントラーズが独走態勢に入った。ガンバ大阪をカシマサッカースタジアムに迎えた23日の明治安田生命J1リーグ第27節で、後半アディショナルタイムにDF植田直通が劇的な決勝ゴールを決めて5連勝をマーク。序盤戦の不振から、大岩剛監督の就任とともに鮮やかなV字回復を遂げた今シーズン。3連覇が途切れた2010シーズン以降では最多となる「61」の勝ち点を獲得し、2位の柏レイソルに8ポイント差をつける圧倒的な強さの源泉を探った。(取材・文・藤江直人)


植田の劇的決勝点。9年前に想いを馳せると…

植田直通

 後半のアディショナルタイム。セットプレー。ヘディングによる決勝ゴール。しかも、決めたのはディフェンダー。9年もの時空を超えて、カシマサッカースタジアムでデジャブが起こった。

「優勝するときは、こういう試合がいくつかある。というか、こういう試合がないと優勝できない。今日は久々にガッツポーズが出てしまった。いつもは冷静に見ているつもりなんだけど」

 鹿島アントラーズの前身である住友金属工業蹴球団時代から在籍し、1995シーズンから強化部長職を務める生き字引、鈴木満常務取締役を思わず興奮させたシーンは後半47分に訪れた。

 MF永木亮太が蹴った右コーナーキック。マーカーのDF金正也を引き離すように、ファーサイドからニアサイドへ飛び込んできたDF植田直通が完璧なタイミングで宙を舞った。

 頭に弾かれた強烈なボールがガンバ大阪の守護神、東口順昭の牙城を崩す。1‐1の均衡を破る、劇的な決勝ゴール。歓喜の輪の中心でヒーローの植田が雄叫びをあげ、大歓声でスタジアムが揺れた。

 思い起こされるのは、ホームにジュビロ磐田を迎えた2008年11月29日。MF増田誓志(現清水エスパルス)の直接フリーキックに、DF岩政大樹(現東京ユナイテッドFC)がヘディングを見舞う。後半49分に決まった劇的な決勝弾で首位をキープしたアントラーズは、続くコンサドーレ札幌との最終節も制して連覇を達成した。岩政も植田も、殊勲のゴールがともにシーズン2得点目だった。

「あれだけ攻めていてもなかなかシュートが決まらないなかで、あのまま引き分けに終わるのと勝ち切るのでは全然違う。ウチの選手たちは、決勝戦みたいな舞台になると集中力を増して乗ってくる。その意味でも、そういう雰囲気をサポーターが作ってくれたのもよかったよね」

 鈴木常務取締役が再び目を細めた。2位の柏レイソルに、勝ち点で8ポイント差をつけた。首位の座を確固たるものにするシーズン20勝目は、連覇への流れを加速させるとともに大きな意味をもっていた。

打ち破った勝ち点「60」の壁

 これで今シーズンの勝ち点を「61」に伸ばした。昨シーズンはJリーグチャンピオンシップを下剋上の形で制し、8度目の優勝を勝ち取ったものの、年間総合勝ち点は「59」にとどまっていた。

 最終的には天皇杯も獲得し、通算獲得タイトル数を他の追随を許さない「19」に伸ばした。しかし、常勝軍団の完全復活という周囲の評価を、鈴木常務取締役は苦笑いしながら否定している。

「シーズンの最後の1ヶ月はいいサッカーをして、タイトルも2つ取って、すごく伸びている部分はあるけど、この4年間の勝ち点を見ると59、60、59、59なんだよね。この壁を打ち破れない状態から、競争を激しくする補強をして、上手くいけば勝てるではなく、力で勝てるチームを目指さないと」

 MFレオ・シルバ(アルビレックス新潟)、FWペドロ・ジュニオール(ヴィッセル神戸)、GKクォン・スンテ(全北現代)らを完全移籍で、ブラジル代表歴をもつMFレアンドロ(パルメイラス)を期限付き移籍で獲得した補強は先行投資の意味合いもあった。

「来シーズンはJリーグの理念強化配分金も新設されるし、ここで優勝していわゆる勝ち組に入るのとそうでないのとでは、どんどん差がついていく。その意味でも、来シーズンは少し無理をしてでも勝負しなきゃいけない、というのがあるよね」

 均等配分金や優勝賞金もそれぞれ増額された今シーズンは、J1で優勝した場合は総額22億円が支給される。ビッグマネーを原資にして、2018シーズン以降へのさらなる投資が可能になる。

 もっとも、序盤戦では描かれていた青写真が崩れかねない状況に陥っていた。リーグ戦では7勝5敗と勝ち切れない状況が続き、AFCチャンピオンリーグ(ACL)でも決勝トーナメント1回戦で広州恒大(中国)に敗退。一夜明けた5月31日、フロントは石井正忠監督の解任に踏み切った。

ACL敗退で監督交代。V字回復をもたらした「3つの要求」

レアンドロ

 2015シーズンのナビスコカップ(現YBCルヴァンカップ)を含めて、指揮を執った2年間で3つのタイトルを獲得。FIFAクラブW杯でも準優勝した実績があるだけに意外に思われたが、昨シーズンのセカンドステージから流れはよくなかったと鈴木常務取締役は言う。

「石井がどうのこうのというよりも、年末にいい成績が出たことで何となくぼんやりしたところがあったけど、やはりセカンドステージを負け越して終わった流れというものが僕のなかにあったので」

 昨シーズンはファーストステージを制しながら、セカンドステージは6勝2分け9敗で11位に甘んじている。チャンピオンシップこそ制したものの、安定した力が求められる年間総合勝ち点では浦和レッズの「74」、川崎フロンターレの「72」に遠く及ばなかった。

 1ステージ制に回帰する今シーズン。序盤戦の軌跡にフロントは昨シーズンの後半をダブらせ、危機感を募らせた。そして、ACL敗退というタイミングで指揮官交代を決断。ヘッドコーチから昇格させた大岩剛新監督へ、3つの要求をしたと鈴木常務取締役は明かす。

「選手を見る角度や評価の視点をちょっと変えることによって、選手起用もちょっと変わってくるのかなと。あとは選手に対してちゃんとジャッジすること。最後はフィジカルトレーニングのやり方を変えること。簡単に言えば、素走りみたいなメニューがちょっと増えたのかな」

 大岩体制になってからは、それまでリザーブになることが多かった中村充孝、レアンドロの両MFが先発メンバーに名前を連ねるようになった。ガンバ戦では前半アディショナルタイムに中村がPKを獲得。FW金崎夢生のPKは東口に防がれたが、こぼれ球をレアンドロが押し込んで同点とした。

 レアンドロは得点を二桁に乗せたが、そのうち9点は大岩体制になってからマークしている。若手では21歳のMF三竿健斗が急成長し、高卒ルーキーのFW安部裕葵(瀬戸内高)の非凡な攻撃的センスも対戦相手の脅威になりつつある。

ただの1勝でないガンバ戦。隙の見当たらない強さの源泉

大岩剛

 3‐0で快勝した7月29日のヴァンフォーレ甲府戦後のロッカールームで、大岩監督は選手たちの前でDF昌子源を叱責している。あわや失点のピンチを招いた安易なボールロストを咎めたもので、フロントが求めた「ジャッジ」がこれに当たる。鈴木常務取締役が言う。

「いいプレーと悪いプレー、チームのためになるプレーとなっていないプレーをジャッジして、ストレートに選手へ伝えることで全員が納得できる。なので、チーム内でも試合が終わった後の口論みたいなものがなくなってきているよね。

 フィジカルトレーニングにしても、石井のときはロープみたいなものを使ったファンクショナルトレーニングが多かったけど、単純に飛んだり走ったりというメニューも入れて、頭をリフレッシュさせる内容にしたのもよかったのかなと」

 大岩体制では13勝1分け1敗と鮮やかなV字回復を果たし、3連覇が途切れた2010シーズン以降における最多勝ち点を更新した。残り7試合。クラブ記録となる「72」だけでなく、J1記録となる「74」を更新する可能性も出てきたが、45歳の青年監督は無欲を強調する。

「星勘定や数字は皆さんにお任せします。シーズン中なので、ガラリと変えようとは思わなかった。ただ、選手の特徴をもう一回洗い直して、特に攻撃のバリエーションは増やしたいと考えてはいました。あとはいつも言っていますけど、次の試合に勝つだけなので、それを積み重ねていくだけです」

 前体制では無得点での黒星が4つを数えたが、大岩監督のもとでは15試合すべてでゴールをマークしている。1試合の平均得点も「1.17」から「2.13」へ飛躍的に伸び、攻撃は最大の防御とばかりに、平均失点も「1.17」から「0.8」へと減っている。

「何となく(優勝の)雰囲気が出てきたかな、というのが今日の一番の収穫かな」

 鈴木常務取締役も深まりつつある手応えを感じている。本来もっていた横綱級の力を攻守両面で存分に発揮したうえで、ガンバ戦では9年前の優勝をほうふつとさせる、伝統の勝負強さまで体現した。盤石の強さをこれでもかと身にまとういま現在のアントラーズには、つけ入る隙が見当たらない。

(取材・文:藤江直人)

【了】



鹿島を復活させた「3つの要求」。王者に隙なし、J1記録での連覇も視野に

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