「鹿島の13番は日本代表にいないといけない選手だぞ」――。昨季限りで現役を引退し、今季からトップチームのコーチに就任した柳沢氏に、そうハッパを掛けられた。「まあロシア(W杯)への道筋は描いていますけど」。その期待に応えるべく、MF中村もまた今季飛躍のイメージをつくり上げている。
13年にJ2京都から入団。背番号固定制導入後は柳沢氏と興梠(浦和)しか背負っていない鹿島のエース番号「13」を与えられたが、2年間で30試合5得点しか挙げていない。昨季の先発出場は5試合にとどまった。それでもシーズン後半戦の柏戦(14年10月18日)で初得点を挙げると、新潟戦(同11月2日)では技ありボレー。その頃から「もっと得点が取れた」「出場したら結果を残さないといけない」と数字へのこだわりを強く口にするようになった。
象徴的なシーンがある。2月14日に行われた水戸とのプレシーズンマッチ。日本代表MF柴崎とのコンビで相手DFを崩し、中村はGKを引き付けながら柴崎に横パスを出した。柴崎のシュートはわずかに左にそれたが、2人の華麗なコンビネーションにスタジアムは感嘆の声に包まれた。だが、中村は「結局、ゴールになっていない。俺自身が打てたかもしれないし。入らなかったら、その前のプレーも台無し」と口をとがらせた。うまさでプロの世界を駆け上がってきたテクニシャンは、ゴールへの執着心を隠さないようになった。
「同じポジションにライバルが多いとかは関係ない。自分が出場した時に結果を出すだけ。ホンマ、それだけ」。目指すA代表入りを手繰り寄せるために――。その答えはシンプルだ。
◆中村 充孝(なかむら・あつたか)1990年(平2)9月13日、大阪市堺市出身の24歳。小学3年でサッカーを始め、市船橋高を経て09年に京都に入団。11、12年はJ2でプレー。13年に鹿島に完全移籍。J1通算51試合6得点、J2通算66試合17得点。利き足は右。1メートル73、67キロ。
13年にJ2京都から入団。背番号固定制導入後は柳沢氏と興梠(浦和)しか背負っていない鹿島のエース番号「13」を与えられたが、2年間で30試合5得点しか挙げていない。昨季の先発出場は5試合にとどまった。それでもシーズン後半戦の柏戦(14年10月18日)で初得点を挙げると、新潟戦(同11月2日)では技ありボレー。その頃から「もっと得点が取れた」「出場したら結果を残さないといけない」と数字へのこだわりを強く口にするようになった。
象徴的なシーンがある。2月14日に行われた水戸とのプレシーズンマッチ。日本代表MF柴崎とのコンビで相手DFを崩し、中村はGKを引き付けながら柴崎に横パスを出した。柴崎のシュートはわずかに左にそれたが、2人の華麗なコンビネーションにスタジアムは感嘆の声に包まれた。だが、中村は「結局、ゴールになっていない。俺自身が打てたかもしれないし。入らなかったら、その前のプレーも台無し」と口をとがらせた。うまさでプロの世界を駆け上がってきたテクニシャンは、ゴールへの執着心を隠さないようになった。
「同じポジションにライバルが多いとかは関係ない。自分が出場した時に結果を出すだけ。ホンマ、それだけ」。目指すA代表入りを手繰り寄せるために――。その答えはシンプルだ。
◆中村 充孝(なかむら・あつたか)1990年(平2)9月13日、大阪市堺市出身の24歳。小学3年でサッカーを始め、市船橋高を経て09年に京都に入団。11、12年はJ2でプレー。13年に鹿島に完全移籍。J1通算51試合6得点、J2通算66試合17得点。利き足は右。1メートル73、67キロ。