指揮官は「点を取ってくれる選手が必要」と強調
2026年の北中米ワールドカップ(W杯)まで3年3か月。通常よりも強化期間の短い新生・日本代表にとって重要な初陣、ウルグアイ戦が24日に迫ってきた。
ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の日本優勝直後に行なわれるサッカーの代表戦ということで、不甲斐ない試合はできない。昨年のカタールW杯で盛り上がったサッカー熱を維持するためにも、28日のコロンビア戦も含め、この2連戦では未来への希望を抱かせるような戦いが不可欠だ。
そのためにもゴールは必須。カタールW杯でも浅野拓磨(ボーフム)や前田大然(セルティック)らがゴールを奪ったが、次のW杯で悲願の8強入りを達成しようと思うなら、よりFW陣の得点力を高めていくことが肝要だろう。
森保一監督も「まずは点を取ってくれる選手が必要」と強調。そのうえで「世界トップ基準で考えていくと、攻撃も守備もできてチームに貢献できるという選手が絶対に必要。得点とゴールに絡むこと、チームへの貢献を総合的に見ていきたい」とコメントしていた。
そういう視点で今回招集した4人を見てみると、ファーストチョイスと言えるのは上田綺世(サークル・ブルージュ)ではないか。
「(今季チームでは主に左シャドーに入っているが)、自分は1トップだという自覚があるし、新しい引き出しを持って1トップができると思う。自分なりにいろいろ吸収できることもあるし、新しい点の取り方を模索できると考えて前向きに取り組んでいます。
代表に来て、いきなり良いパフォーマンスが出せることもない。自分が出せるものを全力で出して、それが結果に結びつくかどうか。結びつけられるようにトライしたい」と、彼は今季リーグ14ゴールの自信を胸に、4か月ぶりの代表戦のピッチに立つ構えだ。
C・ブルージュでは181センチ・81キロという屈強な肉体を誇るケヴィン・デンキーがいるため、シャドーが主戦場となっている上田だが、デンキーを見ながら1トップ像を練り上げているはず。直近の17日のヘンク戦では念願の1トップに入ってゴールも奪った。
最前線での落ち着きや冷静さには磨きがかかっているし、大型DFと対峙しても身体を張って収める余裕も生まれている。その成果を今こそ、代表で試すべき時だ。
ウルグアイはホセ・マリア・ヒメネス(アトレチコ・マドリー)、ディエゴ・ゴディン(ベレス・サルスフィエルド)の両看板DFは不在だが、1対1に強く老獪な守備は健在。そういう相手に上田がどんな駆け引きを見せるかは興味深い。
先発したカタールW杯のコスタリカ戦(0-1)で持てる力の半分も出せなかった彼が、確固たる進化を示せれば、FW陣の主軸確保の布石を打てるはずだ。
◆1トップ先発の最有力候補は上田綺世。最前線での落ち着きや冷静さに磨き。進化した姿を示したい(サッカーダイジェスト)