日刊鹿島アントラーズニュース
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2018年9月7日金曜日
◆【ライターコラムfrom金沢】覚醒前夜の大型FW垣田裕暉「二十歳を越えたこれからは…」(サッカーキング)
昨年、本連載で鹿島アントラーズからツエーゲン金沢に期限付き移籍したFW垣田裕暉を取り上げたが(鹿島から期限付きで加入した19歳の大型FW垣田裕暉の現在地)、今回はその続編をお届けしたい。あれから一年以上が過ぎ、結論から言えば垣田は金沢の主力選手になった。金沢への期限付き移籍2年目の今季は出場時間を大幅に伸ばしている。第30節・カマタマーレ讃岐戦では約1ヶ月半ぶりにネットを揺らし、7点目をマーク。FWを評価する上で得点は重要な指標だが、それだけで現在の垣田を語ると事の本質を見失う。
「そこまでゴールに固執しているわけではない。FWとしてそれ(得点)がいらないというのはおかしいし、欲しいのは当然だけど、チームが勝てば良いんじゃないかなと」
例え点を取ったとしも、チームの一員としての役割をこなせなければ交代になるし、ベンチに回ることもある。柳下正明監督は、垣田の変化を感じながらも「誰か『そうじゃないぞ、こうだぞ』って言い続ける人がいないといけない。打たれ強いから。だから、ちょっと褒めて、その倍以上『違うぞ。ダメだぞ』って言ってあげないと」と、その歩みが止まらぬよう常に先へ目を向けさせた。指揮官の“アメとムチ”は垣田の自省を促し、課題だったパフォーマンスの波、ムラは目に見えて減った。
得点がなかった1ヶ月半、垣田はピッチ上でむしろ存在感を増し、豊富な運動量でプレーに関与し続けていた。前線でビルドアップを限定するファーストディフェンスに始まり、攻撃に切り替わればスペースに出ていく。相手が4バックならサイドバックの裏、3バックならその脇に流れてボールを引き出すと、攻撃の起点を作る。仮に収まらなかったとしても、この動きには相手DFを裏返す効果があり、自分たちは前向きの状態で全体を押し上げた守備ができる。恵まれた体格を活かし、ぶつかり合いを厭わない力技も持ち味だ。
「まだJ1で戦えるレベルにはないんじゃないかなと思う。やっぱり1年、1年が勝負。もう1年目、2年目の若手というわけではない。二十歳を越えたこれからは、結果やチームへの貢献度がどれだけ高いかということをもっと意識していかないといけない」
チームへの貢献が大前提で、その先に自身の結果があると垣田は考える。いまはこのJ2で活躍することが直近の目標だが、そこが終着点ではない。見据えるのはJ1でのプレー、日本のトップリーグで何を見せられるかだ。
「鹿島のFWをやりたいなら、ポストプレーだけじゃ生きていけない。2トップの2人で背後に抜けて、2人で守備をするということは約束事というか。鹿島でやりたいなら、ポストプレーもやりながら走らないといけない」
所属元・鹿島アントラーズのFW像と走れる垣田のプレースタイルは合致するのではないだろうか。ただ、鹿島で要求されるレベルは相当なものになるはず。
「やっぱりJ2で二桁(得点を)取れるくらいでないと。鹿島でオレみたいな大型タイプのFWとなると、外国籍選手がライバルになってくる。パトリック(サンフレッチェ広島)、ディエゴ・オリヴェイラ(FC東京)、クリスティアーノ(柏レイソル)とか、ああいう選手に負けていたら鹿島のFWに入れない。そこで負けていたら、鹿島は新しいブラジル人を取ってきてしまうだろう。だから、彼らに負けないようなたくましさを付けないと鹿島ではやっていけない」
今季の垣田は得点場面以外にも多くの決定機に顔を出しており、数字に関しても上積みの余地がありそうだ。金沢が決定力不足に悩まされている中、垣田にも“決めること”が求められる。その点においても本人は現状に満足していないため、“覚醒”という言葉を使うのは早いだろう。いまはまだ覚醒前夜。しかし、その夜明けは近い。
文=野中拓也
◆“前半90分”はドロー決着。鹿島FW土居聖真「すべては次に懸かっている」必勝態勢で臨む第2戦(GOAL)
9月5日、JリーグYBCルヴァンカップの準々決勝が行われ、鹿島アントラーズはホームで川崎フロンターレと引き分けた。
JリーグYBCルヴァンカップ準々決勝第1戦、ホームの県立カシマサッカースタジアムに川崎フロンターレを迎えた鹿島アントラーズは、西大伍のゴールで先制するも、PKから同点に持ち込まれ、1-1のドローという消化不良の結末に終わった。
第2戦は中3日を経て9日に開催。川崎Fの本拠地である等々力競技場は諸事情により使用できず、味の素スタジアムでの開催となる。
「自分が何とかしてやるというような、オラオラの状態。『出番があったら、任せろ』という感じです」
苦戦が続くリーグ戦、1-3と首位のサンフレッチェ広島に完敗を喫した1日のアウェイゲーム後、土居聖真はルヴァンカップ初戦へ向けてそう語った。相手になすがままにされるチームメートを90分間、ベンチから見守った土居は「大会も変わる。『こうした方がいいんじゃないか』と思うことをプレーで示したいですね」と、“宿敵”川崎フロンターレとの対戦に闘志を燃やしていた。
■突破口を見い出せず終わった“前半90分”
しかし、立ち上がりからボール保持率を高めたのはビジターチームだった。鹿島は最終ラインから中盤へと差し掛かるところでのビルドアップにミスが多く、なかなかペースをつかめない。
4分には左サイドを突破され、PA左側からクロスを上げられてヘディングシュートを許した。至近距離から打たれた一撃はGK曽ケ端準が間一髪でセーブ。副審の旗も上がっていた。
その後もボールロストしてしまい、カウンターで深い位置まで押し込まれる場面も多く、鹿島はなかなか主導権を握れない。それでも10分を経過した頃から、土居がスペースを突いてパスの経由路を確保する。15分には土居がスピードに乗ったドリブルでPA右手前まで持ち込んだものの、シュートまでは至らず。苦しい時間が続いたが、突破口を見出そうと、土居はもがきながら戦う姿勢を見せた。
すると19分、待望の先制点が生まれる。安西幸輝からのロングパスを敵陣深くで受けた遠藤康が、切り返しから右足でファーサイドへクロス。これをフリーで待っていた西大伍がコースを狙ったヘディングシュートで川崎Fからリードを奪った。
その後、少しずつ敵陣でのプレータイムを増やした鹿島だったが、なかなかチャンスを作ることができない。そして30分、ペナルティーエリア内でCB町田浩樹が、相手FWの知念慶を倒し、PKを献上。そのまま、知念にペナルティースポットから同点弾を叩き込まれた。
後半も突破口を見い出せないまま、戦う鹿島はベンチスタートとなった鈴木優磨、セルジーニョらもピッチに立ったが、最後まで追加点を奪えず。80分過ぎの絶体絶命のピンチには、ポストに救われるなどの幸運もあり、1-1のドローで“前半90分”を戦い終えた。
「ずっとボールを持つことが理想的だけど、相手の時間帯もある。状況を読んで最善のプレーができるかどうか」。86分、山口一真との交代でピッチを降りた土居は悔しさを口にしつつも、第2戦での勝利を誓った。3年ぶりの優勝へ。すべては9日の”後半90分”に懸かっている。
◆“前半90分”はドロー決着。鹿島FW土居聖真「すべては次に懸かっている」必勝態勢で臨む第2戦(GOAL)
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