日刊鹿島アントラーズニュース

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2023年8月30日水曜日

◆角田誠、飯田真輝、昌子源… 偉大な先輩DFの統率力を焼きつけ、犬飼智也が柏の救世主に(サッカーキング)



犬飼智也


 2022年のJ1リーグは7位とまずまずの結果を残しながら、今季は序盤から低迷を強いられている柏レイソル。5月には長年指揮を執ったネルシーニョ監督が退任し、井原正巳ヘッドコーチを監督に昇格させたが、急浮上というわけにはいかないまま、ジリジリと時間が過ぎていった。

 夏の中断前の戦いを見ると、6月3日の北海道コンサドーレ札幌戦の4-5、6月10日の横浜F・マリノス戦の3-4、7月16日のガンバ大阪戦の1-3と大量失点ゲームが少なくない。総失点数は同じく下位に沈む湘南ベルマーレや横浜FCに比べると少ないものの、肝心な時に守り切れない状態のままではJ1残留も難しくなりかねない。そこで井原監督は7~8月の中断期間に守備の再構築を徹底して行ったという。

 そのキーマンとして浦和レッズからレンタルで赴いてきたのが、30歳の犬飼智也だ。清水エスパルスのアカデミーで育ったDFは2014年に松本山雅FCの昇格請負人となり、復帰した古巣の清水でも2016年のJ1昇格に貢献。2018年には鹿島アントラーズへ移籍し、FIFAクラブワールドカップも経験した。

 そして2022年に浦和レッズの門を叩いたわけだが、同年4月の札幌戦で左膝蓋骨骨折および膝蓋腱部分断裂を負い、昨季を棒に振る形となった。迎えた今季、浦和はマチェイ・スコルジャ監督率いる新体制に移行し、マリウス・ホイブラーテンという新戦力を補強した。彼とアレクサンダー・ショルツの両DFはワールドクラスで、ケガ上がりの犬飼は高い壁にぶつかった。結局、今季はカップ戦要員と位置付けられ、5月には30歳の大台を迎えた。「このままじゃいけない」と危機感を募らせていた時の柏からのオファーだったのである。

「(浦和では)しんどい時期は結構ありました。『絶対復帰する』と思ってやってきたけど、1~2カ月に1回のペースで試合に出るだけだと、どんなに練習で追い込んでも体がきつい。やっぱり試合に出ることが一番だなと思っていたんです」と本人は出場機会に飢えた状態で8月頭に柏に来たことを明かす。

 新天地での犬飼は練習から遠慮することなく声を出し、周囲を鼓舞しようと試みた。

「今、試合に出ている選手で自分より上なのは瑛ちゃん(片山瑛一)くらい。彼はプレーで見せていくタイプなので、自分が引っ張っていくんだという自覚を持って取り組みました。そういう立場で呼ばれたのも分かっていましたし、まあ大人になりましたね」と犬飼は笑ったが、統率力ある先輩と共闘してきた経験が脳裏に焼き付いているからこそ、積極的にアクションを起こせたのだ。

 思い返してみると、20歳で松本にレンタル移籍した頃の彼は一つひとつの判断に躊躇し、致命的なミスを犯すことも少なくなかった。敗戦に直結するシーンも散見され、そのたびごとに反町康治監督に「ワンちゃん~」と怒られていた。隣に陣取っていたキャプテンの飯田真輝は常に声を出して守備陣の修正を図っていたが、当時の犬飼はその重要性を心底、理解できていない様子だった。「自分はまだまだ若手」という感覚が抜け切らない部分もあったのだろう。

 その後、清水でリーダーシップに秀でた角田誠、鹿島でも昌子源と共闘。小笠原満男のようなカリスマ的なリーダーとも戦い、自分が引っ張ることの大切さを身に染みて感じる機会が増えていったのだ。

「飯ちゃん(飯田)、角田さん、源くん…。自分の中でパッと思いつく統率力ある先輩と言えば、そういう人たちですね。僕も人を動かせるCB、勝たせるCBになりたいとずっと思いながらやってきた。柏でそうなれたいいと考えながらやってます」

 犬飼の熱い思いは今、ピッチ上で遺憾なく発揮されている。彼が加入してからの柏は京都サンガF.C.に勝利。セレッソ大阪、ヴィッセル神戸に引き分けと無敗。8月26日のサンフレッチェ広島戦も強力攻撃陣に攻め込まれたが、43分の中野就斗のビッグチャンス、57分のドウグラス・ヴィエイラの決定機はそれぞれ体を張って阻止。ラインの上げ下げやクロス対応含めてほぼパーフェクトな守備を見せ、勝ち点1獲得の原動力になったのである。

「今日は本当に僕だけじゃなくて、全員が体を張って最後まで集中してやれていた。こういうゲームをスタンダードにして、もっとチャンスを増やして、勝ちが欲しいなと思います」と犬飼は手ごたえと悔しさの両方をにじませた。

 守備の安定という意味では、間違いなく“犬飼効果”が色濃く表れている。守護神の松本健太も「ワンさんが入って(古賀)太陽のパフォーマンスも良くなっているし、チーム全体が前向きになれている。声出しは立田(悠悟)もよくやっていますけど、試合中にミスやアクシデントが起きた時に即座にメンタルを切り替えられる強さがワンさんにはある」と評していたほどだ。

 そんな上昇気流をより鮮明にするためにも、犬飼自身がチームに勝利をもたらすくらいの働きがほしいところ。彼は以前からリスタートの得点力が高い選手。そろそろその力を見せるべき時が来ている。

「次は取りますよ」と本人も目をギラつかせたが、9月2日の横浜FM戦でゴールが生まれれば、柏は間違いなく勢いに乗るはずだ。

 今こそ、犬飼智也の真価を示すべき時。ラスト8試合はこの男から目が離せない。

取材・文=元川悦子




◆角田誠、飯田真輝、昌子源… 偉大な先輩DFの統率力を焼きつけ、犬飼智也が柏の救世主に(サッカーキング)





◆町田浩樹、ベルギー強豪移籍か。鹿島からユニオンSG完全移籍時に接触(FOOTBALL TRIBE)



町田浩樹


 日本代表DF町田浩樹は今年3月、買い取りオプション行使により鹿島アントラーズからベルギー1部ロイヤル・ユニオン・サン=ジロワーズ(ユニオンSG)へ完全移籍。ユニオンSGと新たに2026年6月までの複数年契約を結んだが、ここに来てベルギー1部クラブ・ブルッヘ移籍の可能性が報じられている。

 町田は昨年1月に鹿島からユニオンSGへレンタル移籍。昨年夏に臀部を負傷して長期離脱を余儀なくされていたが、今年1月の公式戦で復帰。その後はリーグ戦6試合で先発出場してシーズンを終えていた。そして今季はここまで公式戦全試合でフル出場。リーグ戦で3勝1敗と、センターバックの主力選手として活躍している。

 そんな中、欧州の移籍市場に精通するベルギー人のサシャ・タヴォリエリ氏は「クラブ・ブルッヘが町田をターゲットにしている」とリポート。これによると、ユニオンSGが鹿島から同選手を完全獲得する時点で、クラブ・ブルッヘはユニオンSGに移籍金について問い合わせているとのこと。同氏は「両クラブの関係は良好」と伝えるなど、欧州の移籍期間終了間近で移籍合意に達する可能性を指摘している。

 クラブ・ブルッヘはベルギー1部リーグを17度制した強豪だが、昨季は4位で終了。今季はここまで3勝1分とスタートダッシュに成功している。また昨年夏には、アルビレックス新潟からMF本間至恩を獲得。同選手は昨季終盤戦にトップチームで結果を残したが、今季ここまでベルギー1部リーグで全試合メンバー外となっている。




◆町田浩樹、ベルギー強豪移籍か。鹿島からユニオンSG完全移籍時に接触(FOOTBALL TRIBE)


◆DF常本佳吾が欧州に挑戦した訳「引き出しを増やしたい」 “データ蓄積型”SBが目指す先は?【インタビュー】(FOOTBALLZONE)



常本佳吾


今夏鹿島から欧州移籍を決断 セルベットで経験を積む常本佳吾


 近年Jリーグから欧州クラブへ活躍の場を求める日本人タレントはあとを絶たない。「FOOTBALL ZONE」ではその顔ぶれを今一度おさらいすべく「NEXT欧州組」特集を展開する。今回は、今夏に鹿島アントラーズからスイス1部セルベットFCへ移籍したDF常本佳吾への現状に迫る。(取材・文=FOOTBALL ZONE編集部・小杉舞)

   ◇   ◇   ◇

 今夏、鹿島からスイスへの移籍を決断した常本。現在、24歳のDFは2021年に明治大から鹿島入り。センターバックと右サイドバックをこなす万能型のディフェンダーとして戦力的価値を高め、一昨季リーグ戦26試合2得点、昨季は28試合0得点、今季は16試合に出場した。

 新天地となるセルベットは、昨年鹿島を率いたレネ・ヴァイラー監督が指揮を執る。かつての恩師と再びピッチで出会い、新たなスタートを切る。現在思うことは何なのか。

「街並みもすごく綺麗。すごく過ごしやすい気候で空も綺麗。やっぱり、監督のことを分かっているから挑戦しやすい。僕自身、鹿島時代のサッカースタイル、切り替えの速さだったり、スプリント、運動量、そういう自分の長所を監督が求めていると思う。(新天地でも)生きると思っているので、そこは頑張りたい」

 セルベットは昨シーズン2位でUEFAチャンピオンズリーグ予選から出場する。現在はチームに馴染むために語学を必死に学んでいる。

「今勉強しているんですけど、フランス語がよく使われていますね。でも英語も通じるので今自分は英語の勉強をしています。聞き取りはできるけど、喋りはまだまだなので練習していきます。(日本にいる時は)アプリで勉強したり、姉がもともと留学していたので、教えてもらっていました」

 今夏に移籍を決断したのは、選手としてさらなる成長を望んだから。鹿島では「雰囲気が悪くなってしまうんじゃないかと思うぐらいこだわっていた」という練習の厳しさに衝撃を受けた。その環境からさらにステップアップを目指したのには理由がある。

「自分の引き出しを増やしたい。武器である守備の1対1をさらに高めていきたい。日本代表の試合を見ていても今の日本のサイドバックはレベルが高い。欧州でも結果を出して日本代表に選ばれれば誰も文句はないと思う」

 欧州での屈強な相手と対峙することで自身を高めるだけでなく、新たなタイプのウインガー、ストライカーとの対戦は「楽しみ」だという。なぜなら、常本は毎試合前、自分とマッチアップする相手を徹底的に分析する。映像を見て、練習で近いボールの持ち方をする選手に“再現”をお願い。大学時代から何度もマッチアップしてきたMF三笘薫(ブライトン)は、当時からお互いプロ選手になっても常本を突破するのに苦労していた。

 それは、常本の分析力、スカウティングが結果となって出ていたからだ。だが、新たな環境に出れば新たな敵との対戦が待ち受ける。常本の“データ”にない相手との対戦こそ経験として積み重なる。

「いろんな状況下でのプレーの選択、引き出しから出してくる時に間違えないために1週間前ぐらいから相手を分析する。だから新たなデータの選手に会えるのは楽しみの1つですね」

 シーズンはすでに開幕し、出場機会も得ている24歳。将来は日の丸を背負うため――欧州で修業を積み、一皮も二皮もむける覚悟だ。

[プロフィール]
常本佳吾(つねもと・けいご)/1998年10月21日生まれ、神奈川県相模原市出身。横浜F・マリノスのアカデミーで育ち、ユースを経て明治大学へ進学。2021年に鹿島アントラーズに入団した。プロ1年目から26試合に出場し、右サイドバックが主戦場。J1リーグ通算71試合に出場、2ゴール。2015年にはU-17日本代表に選出された。





◆DF常本佳吾が欧州に挑戦した訳「引き出しを増やしたい」 “データ蓄積型”SBが目指す先は?【インタビュー】(FOOTBALLZONE)





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