日刊鹿島アントラーズニュース

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2022年10月3日月曜日

◆【U-21代表最新序列】国際経験豊富な田中がアンカー1番手。突き上げが乏しいインサイドハーフで復活が待たれるのは…(サッカーダイジェスト)






アンカーの田中は攻撃面の成長が今後のポイント


 中盤では、アンカーの位置で試された田中聡が1番手で、コルトレイクに加入後はポジションを掴んでおり、国際舞台での経験値も豊富。だが、絶対的な存在ではない。松岡大起(清水)もスイス戦ではフィジカル面で苦戦を強いられた一方、持ち前の思い切りの良いボール奪取でチームを支えていた。ともに守備に特長を持つだけに、課題である攻撃面の成長が今後のポイントになってくるはずだ。

 インサイドハーフは藤田譲瑠チマ(横浜)と鈴木唯人(清水)が絶対的な柱。このチームの中では最もA代表に近い存在で、前者は守備、後者は攻撃で個の力を発揮できる。ただ、彼らに続く選手の突き上げが乏しい。

 同ポジションの候補で、右ウイングでも計算できる本田風智(鳥栖)は、今遠征ではボールを収められずに苦戦した部分もある。こうした状況を踏まえ、待たれるのは今回負傷でメンバー外となった山本理仁(G大阪)の復帰だ。

 ボールを動かすスキルが高く、戦い方の幅を広げるうえでも必要不可欠。また、荒木遼太郎(鹿島)も完全復活すれば、攻撃にアクセントを加えるプレーヤーとして面白い存在になるはずだ。

 左のサイドアタッカーは斉藤光毅(スパルタ・ロッテルダム)に加え、佐藤恵允(明治大)がアジア杯の後半戦以降から評価を上げている。その一方で右サイドは人材難で、イタリア戦では鈴木唯が先発し、前半途中から本田、後半開始からは藤尾翔太(徳島)が起用された。藤尾はゴールを挙げたとはいえ、本職はセンターフォワード。その点を考えても、新たな選手の台頭が待たれる。

 伸び悩んでいる小田裕太郎(神戸)、松村優太(鹿島)、西川潤(鳥栖)らが結果を残せば解決できるだけに、彼らのブレイクが今後のポジション争いを大きく左右するかもしれない。

 ワントップは、7月のE-1選手権でA代表デビューを飾った細谷真大(柏)が柱で、今遠征もスイス戦でゴールを挙げた。ただ、藤尾もサイドでの起用が続いており、バックアッパーが不在。今遠征では木村勇大(関西学院大/京都入団内定)が初招集されたが、インパクトは残せなかった。

 アジア杯で招集された188センチの大型ストライカー中島大嘉(札幌)もクラブで苦しんでおり、櫻川ソロモン(千葉)や染野唯月(東京V)などを再度試すのも一案かもしれない。

 年内に残された代表活動はあと1回。そこまでに誰が台頭してくるのか。チームをさらに強固なものにするためにも、選手たちの奮起を楽しみに待ちたい。

取材・文●松尾祐希(フリーライター)





◆【U-21代表最新序列】国際経験豊富な田中がアンカー1番手。突き上げが乏しいインサイドハーフで復活が待たれるのは…(サッカーダイジェスト)

◆【鹿島 0-1 FC東京】GK早川友基が安部柊斗との攻防を語る「『ま、打ってみるもんだな』と言われました。すごく悔しい…」。明治大対決、豪快弾を決められる(サカノワ)






ポジショニングも取れていて、「(ボールに)触れただけに、弾き出したかった」。


[J1 31節] 鹿島 0-1 FC東京/2022年10月1日15:00/県立カシマサッカースタジアム

 J1リーグ31節、鹿島アントラーズはFC東京の安部柊斗に会心のミドル弾を決められて、0-1で敗れた。これでリーグ戦は6試合勝利なし。

 プロ2年目のGK早川友基はリーグ2試合連続で起用され、これがホーム・カシマスタジアムでのデビュー戦となった。23歳の守護神候補は正確なポジショングからゴールを許さず、さらに足もとの技術も生かして最後尾から起点となった。

 しかし明治大学時代のチームメイトであり、先輩の安部に鮮やかな一撃を突き刺され、その1点が決勝点に――。

「上手かったですが、映像を見て、もっとどのようにできたのか確認したいです。(ボールに)触れたのであれば、弾き出したかったです。あそこで失点しなければ勝てるチャンスはありました……」

 早川はホームのサポーターの後押しに結果で応えられなかったことを悔やみ、そして安部との攻防について次のように振り返った。

「フリーだったので、柊斗くんが『狙ってくる』と分かりました。アウトサイドにかかっていて、柊斗くん自身も上手くいったシュートだったと思います。さっき少し話をして、『ま、打ってみるもんだな』と言われました」

 早川はそう語り、さらに悔しさを募らせていた。

「僕は、打ってくると分かり、ポジショニングも取れていました。あのシーンは改めてよく確認します。あそこを止めるかどうかでチームの勝敗に関わってきます。成長しなければいけないし、柊斗くんに決められたので余計にすごく悔しいいです」

 早川は唇を噛んだ。ただ、早川友基だからこそ何ができるか、それをカシマスタジアムで示した一戦でもあった。だから次こそは「結果=勝利」につなげたい。

 鹿島は5日、再びカシマで天皇杯の準決勝、ヴァンフォーレ甲府戦に臨む。その一戦が控えていることもあり、試合後の鹿島サポーターは選手たちに向けて“次だ!”と言わんばかりの気持ちのこもった温かい拍手を送り、その背中を後押ししていた。





◆【鹿島 0-1 FC東京】GK早川友基が安部柊斗との攻防を語る「『ま、打ってみるもんだな』と言われました。すごく悔しい…」。明治大対決、豪快弾を決められる(サカノワ)


◆【番記者の視点】6試合未勝利の鹿島 勝利に結びつかない現状の捉え方(報知)






◆明治安田生命J1リーグ▽第31節 鹿島0―1FC東京(1日・カシマスタジアム)

 0―0で折り返したハーフタイム。記者席で観戦していた内田篤人さんから「前半、どう?」と向けられた。「良くないよね」と返し、鹿島4―4―2、FC東京4―3―3のかみ合わせで、センターバック、ボランチにプレスがかかるが、相手のサイドバックにかかっていないことを付け加えた。「じゃあ、どうすればいい?」と聞かれた。現役時代にはこうしたやり取りから学び、鍛えられたが、引退から2年以上が経過した今でも背筋が伸びる思いだった。

 注目は後半どのように変化するか、だった。岩政大樹監督は形を変えず、中盤の配置転換を行った。プレスがはまらない状況下、中盤の底で良さを出し切れていなかった名古新太郎を左へ出し、左のディエゴピトゥカを底においた。2トップのアルトゥールカイキと名古でサイドバックを意識したことで、プレスが空振りに終わることは減った。プレーエリアも高くなったが、決定的に仕掛けが足りず、ゴールネットを揺らすことはできなかった。そして終盤、FC東京・安部柊斗のスーパーミドルシュートに沈んだ。

 6試合未勝利(4分け2敗)。岩政監督は「天皇杯を勝っているので、結果が出ていないとは思っていない」と言い、「スポーツの世界は不思議でなぜか前提条件を抜きにして、結果しか話さない。世の中でアイスの売り上げについて、夏と冬で同じ話をするのかということ。前提条件が違えば、色々なものが違う。スポーツの世界ではもっと細分化して、いろいろな分析をしないといけないという個人的な感想がある」と補足した。シーズン途中の監督交代。新しいサッカーへの挑戦。クラブとして国内タイトルから遠ざかる現状。今は冬かもしれない。

 戦況は改善したが、ゴール、勝利には至らなかった。内田さんは「(継続した形で)やっていく中で(対処法を)見つけるやり方もある」とも言った。こうした課題に直面し、一つひとつ乗り越えていくことも、春を迎えるための手順になる。次戦は一発勝負で結果が求められる天皇杯準決勝・甲府戦。手順を結果につなげたい。(鹿島担当・内田知宏)





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