http://www.hochi.co.jp/soccer/japan/20140903-OHT1T50350.html ◆国際親善試合 日本―ウルグアイ(5日・札幌ドーム) 日本―ベネズエラ(9日・横浜国際総合競技場)
5日のウルグアイ戦(札幌ド)で初陣を迎えるアギーレ・ジャパンの背番号「7」に、MF柴崎岳(22)=鹿島=が指名された。これまで中田英寿、遠藤保仁ら司令塔が背負った番号を、期待の星が引き継いだ。ブラジルW杯でつけていたMF香川真司(25)=ドルトムント=が招集されなかった10番は、MF森岡亮太(23)=神戸=がつける。日本代表はこの日、札幌市内で非公開調整。アギーレ・ジャパンとなって初の戦術練習を約2時間行った。
MF柴崎は秋風が吹く札幌市内の競技場に、FW本田と並んで姿を見せた。ゆっくりとした歩調とは対照的に、2人の口が速く動いていた。会話の内容については触れなかったが、海外で活躍している選手から「いろいろな話を聞くことは、刺激にもなるし、成長にもつながる」と意図を明かした。ピッチ外でも吸収する。ここでも、常に上を目指す姿勢を貫いている。
そんな柴崎にぴったりの番号が用意された。7番だ。かつて日本代表では02、06年W杯でMF中田英寿、10、14年W杯でMF遠藤保仁(G大阪)がつけた。ともに、チームの「心臓」と言われる司令塔。日本人の評価を上げ、欧州移籍に風穴を開けた中田。国際Aマッチ最多出場記録を持つ遠藤。日本代表にとっては、最も重い番号の1つに数えられる。
「(代表の)偉大な選手が背負ってきた。世界的に見ても、偉大な選手がつけている」と先人に敬意を示す一方で、「番号で試合に出るわけじゃない。そんなにこだわりはない」「まだ、親善試合なので」という思いもある。番号は、日本サッカー協会関係者が決めるが、アギーレ・ジャパンの司令塔になりうる選手と認められたからこそ、託されたのは間違いない。
7番は、青森山田中時代に背負ったことがある。同年代とサッカーをやることに限界を感じ「早く上のレベルでサッカーがしたい。刺激が欲しい」と葛藤を抱えていた時期。その後、青森山田高の練習に参加し、成長につなげていった。
そして現在、プロ4年目で強豪・鹿島の主軸に成長。Jリーグでも目立つ存在となり「刺激を受けたい」と向かった日本代表で、再び7番と出会った。U―17代表、高校などで10番を背負うことが多かったが、7番も、思い出深い番号になるかもしれない。
「チームが機能するように(自分の)機動力を出して、攻撃にバリエーションを出していきたい」。まだ流動的だが、練習で試されている右MFでポジションを勝ち取り、アギーレ・ジャパンの「心臓」になれるか。ウルグアイ戦、7番を背負って、その一歩を踏み出す。(内田 知宏)
◆世界の背番号7 主に攻撃的選手が背負う番号。2000年代にはイングランド代表ではMFベッカム、ポルトガル代表ではMFフィーゴ、スペイン代表ではFWラウルらそうそうたるゲームメーカーが背負った。現在ではポルトガル代表は欧州最優秀選手を受賞したFW、C・ロナウド(Rマドリード)がつけている。クラブレベルでは特にマンチェスターU(イングランド)において、特別な番号とされ、古くは北アイルランド代表FWジョージ・ベスト、フランス代表MFカントナ、ベッカム、C・ロナウドらが背負い、今夏にはRマドリードからアルゼンチン代表MFディマリアが背負う。
◆過去のW杯日本代表の7番
▽98年フランス大会 MF伊東輝悦(清水、写真)=27試合0得点
▽02年日韓大会 MF中田英寿(パルマ)
▽06年ドイツ大会 MF中田英寿(ボルトン)=77試合11得点
▽10年南アフリカ大会 MF遠藤保仁(G大阪)
▽14年ブラジル大会 MF遠藤保仁(G大阪)=146試合13得点
※名前の後は国際Aマッチ通算成績