日刊鹿島アントラーズニュース

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2024年5月8日水曜日

◆「少しビックリした」3位浮上、鹿島アントラーズの変化とは? 大型連休3連勝の原動力【コラム】(フットボールチャンネル)






明治安田J1リーグ第12節、柏レイソル対鹿島アントラーズが6日に行われ、1-2でアウェイチームが勝利している。これで鹿島は大型連休3連戦を3連勝で終えることに成功し、順位を首位・FC町田ゼルビアと勝ち点3差の3位に上げることになった。その原動力となったのは。(取材・文:元川悦子)


非常に難しいと分かって…」


 大型連休の3連戦ラストとなった5月6日のJ1第12節。首位・FC町田ゼルビアと2位・ヴィッセル神戸が連勝する傍らで、セレッソ大阪とサンフレッチェ広島が敗戦。順位を落とす中、ガンバ大阪、湘南ベルマーレに連勝してきた鹿島アントラーズは上位戦線に加わる絶好のチャンスだった。

 その相手は柏レイソル。細谷真大、関根大輝の両U-23日本代表コンビはコンディションを考慮され、ベンチ外となったが、観客席とピッチが一体化している三協フロンテア柏スタジアムの重圧というのは、やはり凄まじいものがある。

「このスタジアムで勝ち点を持って帰るのは非常に難しいと分かっていた」と鹿島のエースFW鈴木優磨も語っていたが、2023年4月9日の三協柏でのゲームも0−1で敗戦。サポーターが試合後、スタンドに陣取って抗議する事態に発展している。その苦い過去を払拭すべく、確実に勝利を手にする必要があった。

 ランコ・ポポヴィッチ監督は前節からスタメンだった樋口雄太を下げ、師岡柊生を起用。右FWに今季初先発させた。仲間隼斗、名古新太郎、師岡の2列目は強度と推進力を出せる組み合わせ。実際、彼らを軸に序盤から凄まじい勢いでハイプレスを仕掛けていった。

 それが開始わずか4分に結実する。相手のクリアボールを佐野海舟が頭で落として仲間に預け、リターンを受けると、前線を走る名古に鋭いスルーパスを出した。これを受けた背番号30は相手右サイドバック・川口尚紀をかわして左足を一閃。待望の先制点を奪ったのである。

「海舟に渡る前にスペースを確認できてて、海舟も見てくれてたんで、そこを信じて走り込んで、あとは落ち着いて決めました」と名古はしてやったりの表情を浮かべる。早い時間帯の一撃で鹿島は勢いに乗った。


チャヴリッチのスーパーサブ起用が希望に


 そこから前半は終始、鹿島ペース。彼らはタテに速い攻撃を意識し、ロングパスや大きなサイドチェンジを多用。師岡や鈴木優磨が次々と決定機を迎えた。しかし、それを決めきれないのが、今の鹿島なのだろう。

 中盤・守備陣をメンバー固定した中での連戦・3戦目ということで、後半になれば必ず体力的に落ちてくる。だからこそ、前半のうちに勝負を決めておく必要があったのだが、それが叶わず、1−0で前半を折り返すことになってしまった。

 迎えた後半。長身FW木下康介を投入し、風上の強みを生かしてロングボールを蹴り込むようになった柏に対し、鹿島は劣勢を強いられ始める。そして後半65分に島村拓弥にワンチャンスをモノにされ、同点に追いつかれたのだ。

 さらにこの5分後には、マテウス・サヴィオのスピーディーなドリブル突破を止めようとした植田直通がペナルティエリア内でハンド。PKを献上してしまう。これを決められたら困難な状況に追い込まれるところだったが、サヴィオがまさかのPK失敗。九死に一生を得た鹿島は希望を持って戦うことができた。

 一進一退の攻防が続く中、彼らにとって大きかったのは、途中出場で送り出されていたチャヴリッチの存在だ。ポポヴィッチ監督の秘蔵っ子である助っ人FWは、今季開幕から鈴木優磨と並ぶ攻撃のキーマンと位置付けられたが、4月の連戦でコンディションが低下。小さなケガにも見舞われたという。そこで、この大型連休3連戦では先発から外れ、後半からギアを上げるスーパーサブの役割を託されていたのだ。

「監督とコミュニケーションを取った時、『自分はスタートから出れる』と言ったんですけど、監督は違う結論を出した。それには少しビックリしました。僕はキャリアを通してスタートで出ることが多かったですし、途中出場のウォーミングアップの仕方すら分かっていなかったので」

 本人が苦笑するように、途中出場はサプライズだったようだが、湘南戦で鈴木優磨とのホットラインからスーパーな3点目をゲット。短時間でも仕事ができる能力の高さを印象付けており、今回も連発が期待された。


「チャヴリッチは今日、あんまり…」


「チャッキー(チャヴリッチ)は今日、あんまり入りがよくなかったと思う」と鈴木優磨は言う。それでも「ああいう選手は一発を持っているから、彼が上がったタイミングでボールを出せば、得点の確率は上がると思っていた」とチャヴリッチの決定力の高さを信じて、虎視眈々とゴールチャンスを狙い続けたという。

 後半アディショナルタイムにその瞬間が訪れる。GK早川友基のロングフィードを濃野公人がヘッドで落とし、鈴木優磨がキープした瞬間、チャヴリッチがスルスルと前線を駆け上がったのだ。

「ワン君(犬飼智也)が触れなくて、チャッキーが触れるようなボールを狙った。あと風向きも難しかったんで、ワン君を越えたら、チャッキーなら絶対に追いつけると思ったし、目が合ったんで、いいボールを入れることができた」と鈴木優磨が送った浮き球のロングパスに背番号7は確実に反応。DFの間を抜け出し、GK松本健太の位置を見ながら右足でゴール。鹿島は苦しかった後半を乗り越え、2−1で勝ち切ることができたのだ。

 やはり終盤に決め手のあるFWが登場し、力を発揮するというのは、優勝を目指すチームにとって不可欠なポイント。今季の鹿島は知念慶がボランチ起用されていることで、FWのジョーカーが明らかに足りなかった。こうした現状を踏まえ、ポポヴィッチ監督がチャヴリッチを先発にこだわることなく控えに回し、後半勝負に持っていく采配を見せたのは、今後に向けて前向きな要素と言っていい。

「チャッキーには(得点力とスピードという)絶対的な武器がある。それをどう生かしてあげるかだと思う」と相棒の鈴木優磨も力を込めていたが、2人のホットラインが築かれつつあるのも朗報だろう。

 この3連勝で鹿島は3位に浮上。首位・町田と3ポイント差に迫ってきた。これまで苦手だった連戦を乗り切ったことで得られた自信も大きい。ここから先は東京ヴェルディ、サンフレッチェ広島、ヴィッセル神戸という厳しい相手との3連戦が待っている。これを乗り切ることができれば、王者奪還への道も見えてくるかもしれない。

 ポポヴィッチ監督率いる新生・鹿島にとって、5月は今季の成否を左右する極めて重要な時期。チャヴリッチの先々の起用法を含めて慎重に見極めていきたいものである。

(取材・文:元川悦子)




◆「少しビックリした」3位浮上、鹿島アントラーズの変化とは? 大型連休3連勝の原動力【コラム】(フットボールチャンネル)





◆今季初スタメンの鹿島FW師岡柊生、起用の狙いは? 理想とするのはチャヴリッチの姿か(サッカーダイジェスト)



師岡柊生


柏戦では2本のシュートを記録


[J1第12節]柏 1-2 鹿島/5月6日/三協フロンテア柏スタジアム

 鹿島アントラーズは5月6日、敵地で柏レイソルと対戦し、2-1で勝利を収めた。

 この試合で今季初スタメンを勝ち取ったのがプロ2年目のFW師岡柊生だ。

「自分の特長はボールキープやドリブルなので、それを生かしつつ、守備もしっかりやりたいと思っていました。そこはできたのかなと」

 師岡は、4ー2ー3ー1の右サイドハーフで先発すると、身体を張ったボールキープや精力的なプレスバックを披露。さらに、攻撃面では5分に左サイドからのクロスに飛び込みヘディングシュートを放つなど、前半で2本のシュートを記録した。

 12節を終えた今季の鹿島は、GK早川友基やDF植田直通らの最終ラインと、最前線の鈴木優磨はほぼ不変。さらに知念慶と佐野海舟のダブルボランチもそれぞれ11試合に出場している。

 唯一、流動的なのが2列目で、右サイドは藤井智也、樋口雄太、松村優太、ギリェルメ・パレジらが起用されている。

 戦力の揃う右サイドにあえてストライカーの師岡を起用したことにポポヴィッチ監督の狙いがあるのではないか。

 理想とするのはCFや両サイドで活躍するチャヴリッチの姿だろう。

 ロングボールの預け先として前線で起点となり、ドリブルからチャンスを創出。さらに鈴木のアシストを受けて得点源としても貢献する。

 柏戦でも63分に投入されたチャヴリッチが、アディショナルタイムに鈴木のアシストから決勝点を叩き込んでいる。

 師岡の先発起用には『サイドにフィニッシャーを増やしたい』という指揮官の狙いが込められていたのかもしれない。

「裏抜けの動きや前で持っている時のプレーは(要求されています)。ドリブルで仕掛けていいって言われていて、攻撃面は求められているところだと思います」

 少し照れ臭そうに「ほかの選手に負けないように、日々の練習から手を抜かずに頑張りたい」と意気込む23歳のストライカーがチームの新たな武器となるか。

取材・文●渡邊裕樹(サッカーダイジェスト編集部)









◆GW連戦を3連勝で3位に浮上、鹿島MF佐野海舟「頭を使ってやれている時間帯が多かった」(ゲキサカ)






[5.6 J1第12節 柏 1-2 鹿島 三協F柏]

 開始4分の鹿島アントラーズの先制弾。アシストをしたのは、ボランチのMF佐野海舟だった。DF関川郁万がサイドチェンジをしたボールは柏レイソルのDF三丸拡に跳ね返されてしまうが、そのボールに反応した佐野は、ヘディングでMF仲間隼斗につなげる。胸トラップでおさめた仲間は柏のダブルボランチに挟まれてしまうが、倒れながらも近くにポジションを移していた佐野へとリターン。佐野はダイレクトでMF名古新太郎につけると、名古が個人技で先制点に結びつけた。

「(佐野)海舟にわたる前にスペースを確認できていて、海舟も見てくれていたので、そこを信じて走り込んであとは落ち着いて決めました」と名古は得点を振り返った。

 先制後は鹿島が主導権を握ったまま試合は推移する。「失点をするまではしたたかに、賢く、共通理解を持って戦うということが、今季で一番できた試合」とランコ・ポポヴィッチ監督は讃える。後半20分にFW島村拓弥のゴールで同点に追いつかれるが、こと前半に関しては佐野とMF知念慶のところでボールを回収する場面が多かった。

 GWの3連戦を3連勝で締めた鹿島において、佐野と知念のダブルボランチはともにフル出場中だ。「今日も体が軽かったわけではないですし。そういう中で頭を使ってやれている時間帯が多かった」。佐野は過密日程の中でも、手応えを口にする。

 1年ぶりの3連勝で、鹿島は順位を2つ上げて3位に浮上した。「決して全員満足していませんし、そういう面で連勝はしていますけど、課題っていうのもわかっていて、それに取り組む姿勢で毎日練習をやっているので、それが結果に結びついているのかなと思います」と佐野はチームのさらなる進化を誓った。

(取材・文 奥山典幸)





◆GW連戦を3連勝で3位に浮上、鹿島MF佐野海舟「頭を使ってやれている時間帯が多かった」(ゲキサカ)





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