日刊鹿島アントラーズニュース

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2022年2月16日水曜日

◆鹿島アントラーズ、樋口雄太が持つ2つの顔。「ああいうプレーが自分の良さ」、新加入MFがもたらすものとは?【コラム】(フットボールチャンネル)






鹿島アントラーズは19日に行われるガンバ大阪との開幕節を控えている。大幅な若返りを図ったチームの中で、注目すべきはサガン鳥栖から加入した樋口雄太だろうか。13日に行われた水戸ホーリーホックとのいばらぎサッカーフェスティバルでは、その才能の片鱗を見せていた。(取材・文:元川悦子)


再建を目指す鹿島アントラーズ


 大岩剛監督時代の2018年AFCチャンピオンズリーグ(ACL)制覇以来、タイトルから遠ざかっている鹿島アントラーズ。負のサイクルに終止符を打つべく、アンデルレヒトやアル・アハリで手腕を発揮したスイス人のレネ・ヴァイラー監督を招へいし、新たな体制で再建へのスタートを切った。

 しかしながら、ご存じの通り、オミクロン株拡大による新規外国人入国制限の影響で、新指揮官と外国人コーチ陣は不在。1月の始動時からクラブOBの岩政大樹コーチが中心となって準備を進めてきた。

「予期せぬタイミングで起きたことなので、戸惑いはなくはない」とJクラブで初めて指導する岩政コーチは偽らざる胸の内を吐露した。が、19日の開幕・ガンバ大阪戦は刻一刻と迫っている。しかもその後は3月6日の柏レイソル戦まで中2~3日の5連戦。最大限の調整をして本番を迎えるしかないのだ。

 そこで注目されたのが、13日のいばらぎサッカーフェスティバル・水戸ホーリーホック戦だった。開幕前最後の調整試合ということもあり、土居聖真や上田綺世ら不安を抱えるメンバーはベンチ外。逆に鈴木優磨やキム・ミンテなど新戦力が先発出場し、フレッシュなムードの中、試合が始まった。


新加入・樋口雄太の輝き


「レネ監督からは前へのスプリントやゆっくり回すところのメリハリを強調されていて、より直線的にゴールを目指す形が求められているなと感じます」と宮崎キャンプ中に三竿健斗が話していた通り、この日の鹿島は最終ラインから組み立てる形と縦パス1本で前線へ展開する形を使い分けながら、積極的に攻めに出ていた。

「選手1人1人を見ていて、パフォーマンスが悪い人間がいなかった」と岩政コーチも言う。広瀬陸斗と安西幸輝の両サイドバック(SB)はアグレッシブに高い位置を取り、ディエゴ・ピトゥカは攻守両面で機動力を示していた。エヴェラウドも最前線でキレのある動きを見せており、全体的に仕上がりは悪くなさそうだった。

 とりわけ、ピトゥカとボランチでコンビを組んだ樋口雄太の一挙手一投足は光っていた。前半から意欲的にボールに触り、攻撃を組み立てながら前へ出ていく姿勢を強く押し出したのだ。守備面では縦に攻め上がった安西のポジションを埋めてリスク管理に努めるなど、鳥栖時代同様に気の利いた位置取りを要所で見せていた。

 そして前半27分には、ペナルティエリア手前でボールを受け、自ら突破を試みる。切れ味鋭いドリブルには対峙していた前田椋介もたまらずファウルをしてしまい、鹿島はPKをゲットする。これを鈴木が惜しくも外してしまい、先制点とはならなかったが、樋口自身は「ああいうプレーが自分の良さだと思っているので、どんどん出していきたい」と手ごたえをつかんだ様子だった。


右サイドで仕掛けた樋口雄太


 スコアレスで折り返した後半。鹿島は一瞬のチャンスを水戸の長身FW木下康介に決められ、まさかのビハインドを背負ってしまう。

 となれば、鹿島はより攻めのギアを上げなければいけない。岩政コーチは右MFの和泉竜司を下げ、三竿を投入すると同時に、樋口を右へ移動させ、より攻撃的なタスクを担わせた。

 となれば、彼のアグレッシブさは一気に増す。左から中央に絞ってゴールを狙ってきた荒木遼太郎とともにゴールを奪おうという意識を鮮明にするようになり、仕掛けの回数も増えてくる。

 終盤、染野唯月と仲間隼斗が加わってからは非常に厚みのある攻めが見られた。ただ、相手もこの時間帯は5バックにして徹底的に守っていたため、最後までゴールを破ることができず。水戸に初黒星を喫する結果を余儀なくされたが、鹿島初見参の背番号14が好印象を残したのは紛れもない事実。岩政コーチも「いい情報が得られた」と満足そうに語っていた。

 ただ、樋口自身は2つのポジションをこなす中で物足りなさを感じたようだ。


「反省点だった」と振り返ったのは…


「前半はボランチやりましたけど、もっと自分のところでボールを落ち着かせられることができればスムーズに攻撃に移ることができたかなと。ボールを受けた瞬間、最初に前の選手を見ることでよりチームの良さが生きてくる。そこはちょっと反省点だったと感じています。

 後半は右サイドを途中からやりましたけど、ボールに絡んでチャンスメークを求められてくる。連係を高めるところもそうですし、ミドルシュートだったり、遠いレンジから狙えるところは自分のよさ。そこも生かしていかないといけないと思いました」

 確かに鳥栖で10番を背負っていた頃のように自由自在に動いて自分らしさをいかんなく発揮するというレベルには達していないのかもしれない。ただ、鹿島の場合は周囲のレベルも高い。ボランチであれば、ピトゥカとのコンビの成熟度を高めることで相手にとってより脅威になれるはずだし、三竿とであれば樋口が攻撃的MFのようなプレーも見せられるようになるだろう。

 右サイドに回る場合も広瀬や常本佳吾との縦の関係を構築できればもっと敵陣深く侵入できる回数を増やせるし、FW陣と絡んでフィニッシュに行くパターンもある。リスタートの名手という武器も含め、彼がピッチ内でもたらせるものは少なくないのだ。


「それをラスト1週間で突き詰めたい」


 今季の新加入組の中で見ても、復帰組の鈴木優磨、昨季の名古屋グランパスでYBCルヴァンカップ制覇の原動力となったキム・ミンテに匹敵する存在感を示しているといっても過言ではない。ボランチとアタッカーを両方できて、攻守両面でハードワークでき、ゴールに直結する仕事もこなせるマルチなMFというのはそうそうお目にかかれない。

 昨季の鳥栖で37試合出場6ゴールという実績はやはり確固たるものがある。それを鹿島で確実に出せるようになれば、彼は主力級の1人として大いに躍動できるはずだ。

「水戸戦ではここまで積み上げてきたものを出すシーンがなかなかなくて、改善する余地があるかなと感じました。もっと意図的にボールを回して数的優位を作ったり、細かいところをやっていくことで得点も生まれる。それをラスト1週間で突き詰めたいと思っています」

 本人も開幕に向けてラストスパートをかけるつもりだ。25歳の小柄なダイナモが常勝軍団をどう変貌させるのか。まずは19日のガンバ大阪戦を興味深く見守りたい。

(取材・文:元川悦子)

【了】


◆鹿島アントラーズ、樋口雄太が持つ2つの顔。「ああいうプレーが自分の良さ」、新加入MFがもたらすものとは?【コラム】(フットボールチャンネル)


◆7年ぶり湘南復帰の永木亮太、チームが目指す“5位以内勝ち点55”について「決して高過ぎる目標ではない」(超WORLDサッカー!)






18日に2022シーズンの開幕を控える明治安田生命J1リーグ。その開幕を前に、全18チームの代表選手がオンラインでのメディア取材に応じた。

例年であれば、選手や監督が一堂に会して開幕前に「Jリーグキックオフカンファレンス」が行われる中、新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大の影響も踏まえ、昨年に続いて今シーズンもオンラインで実施。開幕カードごとに選手が登場し、湘南ベルマーレvs柏レイソルのカードからは、湘南のMF永木亮太、柏のMF大谷秀和が取材に応対した。

鹿島アントラーズで勝負へのこだわりを吸収し、日本代表経験も経て7年ぶりに湘南へと復帰した永木。新加入ながら副キャプテンに指名されるなど、期待の高さをうかがわせる。

初めて指導を受ける山口智監督の印象について問われた永木は「選手とすごく距離が近く、コミュニケーションを大事にしている」とコメント。現役時代には多数のタイトルを獲得しているため言葉に説得力があるとも感じているようで、いろいろ話を聞きたいと意欲ものぞかせた。

戦術面に関しては、新加入であるため早期の理解が求められるなか、キャンプ等を含めたここまでのトレーニングでは頭を使うことが多いという印象を受けたようだ。

「戦術に関しては思った以上にすごく緻密で細かくて、周りの選手の話によると去年より細かく、特にキャンプの時は(去年以上に細かく)やっているという話も聞いたので、自分は今年入ってきたばかりだったのですごく頭も使いましたし、いろいろ考えながらやっていました」

昨年は7勝16分け15敗、得点36失点41の17位という成績に終わった湘南だが、山口監督は今季のチームの目標を5位以内、勝ち点55に定めている。この数字について永木は「個人的にはすごくいい目標」と語った。

そのうえで課題は得点力だと指摘。得点力に関してはキャンプから重点的に取り組んでいるとも話しており、新戦力や既存のメンバー、そこに自身の経験を加えれば5位以内も「高い目標ではない」と考えているようだ。

「メンバーを見ていても、今年実力や経験のある選手が入ってきて、去年から残ってくれた選手も多いので、その選手がうまく融合すれば決して高過ぎる目標ではないと思う。智さんが掲げた目標のなので選手たちはそれにむかってやっていく。個人的にはすごくいい目標だと思っている」

「得点力が不足しているチームなので、そこは去年から課題としてやっているみたいなので、今年に入ってからも重点的に練習しているところ。得点が取れればおのずと勝ち点3が拾える確率は上がってくると思う。そこから勝っているときの試合の運び方だったりは自分や経験のある選手が引っ張っていけば、勝つ確率は上がってくると思うので、まずは得点力のところなんじゃないかなと思う」

また、初戦の相手である柏への印象を問われると「強力な外国人がいて、球際もすごくアグレッシブにくる、やっていて嫌なチームの1つ」と称した。

開幕戦を「すごく勝ちたい試合の1つ」と位置付けている永木。「本当にいいゲームができるように頑張っていきたい」と力強い言葉を残した。

「開幕戦のメンバーにも新しい選手が何人か入るだろうし、そういった選手たちのまず第一歩の試合なので、自分も含めてですけど、勝てると自信にもなる」

「Jリーグが開幕できることを選手たちは幸せに感じないといけないですし、この状況でもやれるっていうことをプラスに考えて、開幕戦は本当にいいゲームができるように頑張っていきたいと思う」




◆7年ぶり湘南復帰の永木亮太、チームが目指す“5位以内勝ち点55”について「決して高過ぎる目標ではない」(超WORLDサッカー!)





◆今季から10番鹿島MF荒木遼太郎「全力で勝っていい流れをつかめるように」開幕ダッシュ誓った(ニッカン)






J1リーグ開幕対戦カードのオンライン記者会見が15日、行われた。19日のガンバ大阪-鹿島アントラーズ(午後2時、パナスタ)は、G大阪がFW宇佐美貴史(29)、鹿島はMF荒木遼太郎(20)が参加した。

鹿島荒木は「ここ最近開幕戦で負けが続いて開幕からいい形で来られてないので、今年こそ全力で勝っていい流れをつかめるように」と開幕ダッシュを誓った。

荒木は入団2年目の昨季、36試合10得点を挙げ、94年城彰二以来、2人目の10代での2桁得点を記録。クラブでは安部裕葵以来、4人目のベストヤングプレーヤー賞を受賞し、今年から背番号は「10」に変更された。

昨季は開幕戦で得点を決め、2年連続のゴールへ期待も高まるが「自分の結果もそうですが、チームが勝つことが最優先なので、その中で自分が得点できればいいかなと思う」と冷静だ。

クラブでは初の欧州出身指揮官となるスイス人のレネ・バイラー監督(48)が就任したが、入国制限で来日できていない。「今年は若い選手が多いチーム。その中でもキャプテンの聖真君(土居)を中心に若手らしく、勢いを持ってタイトル獲得に向けて、バイラー監督はまだ来てないが今は岩政さん(コーチ)を中心にやっていきたい」。

昨季の4位からどこまで上積みできるか、開幕戦の白星で勢いに乗る。




◆今季から10番鹿島MF荒木遼太郎「全力で勝っていい流れをつかめるように」開幕ダッシュ誓った(ニッカン)


◆鹿島の新10番荒木遼太郎、“監督不在”も6年ぶり開幕白星へ「今年こそ勝っていい流れを」(ゲキサカ)






 鹿島アントラーズMF荒木遼太郎が15日、J1開幕節のガンバ大阪戦に向けた公式記者会見に出席した。13日のいばらきサッカーフェスティバルではJ2水戸に0-1で敗れ、新指揮官不在の中で不安の残る船出。それでも荒木は「思うような結果は出なかったけど、開幕までに修正してやっていきたい」と意気込みを語った。

 荒木はプロ2年目の昨季、10代選手では城彰二氏以来27年ぶりとなる二桁ゴールを記録し、ベストヤングプレーヤー賞を受賞。シーズンオフには日本代表の国内組合宿にも招集され、パリ五輪世代のトップランナーとしてA代表活動を経験した。また今季からは20歳にして鹿島の背番号10を拝命。いまJリーグで最も注目を浴びる若手選手となっている。

 そうした中、さらなる活躍が求められる新シーズン。ところがチームは現在、レネ・ヴァイラー新監督が日本政府の入国制限措置でいまだ合流できておらず、プロ監督経験なしの岩政大樹コーチが指揮しているスクランブル状態。キャンプでは着実な積み上げができたようだが、初の公開対外試合となった水戸戦に敗れたことで、シーズン開幕を前にサポーターの間には不安も広がっている。

 しかし荒木は「岩政さんのもとでサッカーをやっていて、特別難しいとは思わなかった」と信頼を強調。「去年とは結構変わったという印象を受けていて、しっかりビルドアップをして相手のゴールに迫っていくというサッカー。自分たちをそれをチームとしてやっていきたい」と新たなスタイルへのモチベーションをのぞかせる。

 鹿島は2017年以降、開幕戦で白星から遠ざかっている(1分4敗)が、だからこそ19日のG大阪戦は生まれ変わったチームの姿を見せる絶好のチャンス。荒木は「ここ最近は開幕戦で負けが続いて、開幕からいい形で乗り込めていないので、今年こそ全力で戦って勝って、いい流れを掴めるようにやっていきたい」と6年ぶりの開幕白星に向けて力を込めた。


【参考】最近の開幕戦
2016年 ○1-0G大阪(吹田)
2017年 ●0-1F東京(カシマ)
2018年 △0-0清水(IAI)
2019年 ●1-2大分(カシマ)
2020年 ●0-3広島(エディ)
2021年 ●1-3清水(カシマ)

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