日刊鹿島アントラーズニュース

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2020年2月21日金曜日

◆植田直通と鈴木優磨、 元アントラーズ盟友のバトルは見応え十分だった(Sportiva)






 今季のセルクル・ブルージュは、ベルギーリーグ第9節からずっと最下位の16位に沈んでいる。第24節のオイペン戦に敗れ、15位のワースラント・ベフェレンに勝ち点9差をつけられた時には、「セルクル・ブルージュの降格は事実上、決まってしまった」と見る向きが多かった。

 ところが、第25節のメヘレン戦で突然、セルクル・ブルージュにフォローの風が吹き始めた。

 2−2で迎えたアディショナルタイム4分、MFステフ・ペータースの左足が唸りをあげ、ゴールネットを揺らして3−2で勝つと、全国紙『ヘット・ニーウスブラット』は「奇跡が起こった」と書いた。

「土曜日に28歳になったステフ・ペータースが、アディショナルタイムに強烈な左足のミドルシュートを決めて3−2にした。もしかしたら、やけくそのシュートだったのかもしれない。しかし、それがスーパーゴールを生んだ。黄金の価値のある勝ち点3は、悲劇的なシーズンの転換ポイントになるかもしれない」(ヘット・ニーウスブラット)

 こうして迎えた第26節、15位のワースラント・ベフェレンがアディショナルタイム5分にクラブ・ブルージュに決勝ゴールを決められて惜敗した。

 シント・トロイデン戦を目前にこの結果を知ったセルクル・ブルージュのイレブンは、さらに奮い立った。63分、MFケビン・ホッガスがFKを鮮やかに決めて先制すると、セルクル・ブルージュはコンパクトな守備でシント・トロイデンの反撃を許さず、1−0で勝った。

 今季初めてアウェーで勝ったセルクル・ブルージュは、15位ワースラント・ベフェレンとの差を勝ち点3、14位オーステンデとの差を勝ち点4まで縮めた。もしかしたら、セルクル・ブルージュの本当の奇跡はこれから起こるのかもしれない。

 10月頭の第10節から12月末の第21節までフル出場を続けていたCB植田直通は、今年に入ってからまったく出場機会がなかった。セルクル・ブルージュは冬の移籍市場で積極的に選手を獲得したが、そのなかのひとり、ディミトリオス・ハツィイサイアスにポジションを奪われてしまったのだ。

 シント・トロイデン戦はもうひとりのCB、クアディオ=イヴェス・ダビラが出場停止処分で出られなかったものの、ベルント・シュトルク監督はジョナサン・パンゾを抜擢。植田はベンチスタートとなった。

 しかし、パンゾの出来は不安定で、38分にイエローカードをもらう。すると、即座に植田がウォーミングアップを開始し、後半からピッチに入った。

 とりわけ、鈴木優磨とのバトルは見応え十分。鈴木にキープを許しても、その先のプレーは許すまいと植田が身体を張り、伊藤達哉からのリターンはコースを切って鈴木に通させなかった。また、鈴木が右45度でフリーになってシュートを打ったシーンも、植田がギリギリのところでラインを上げてオフサイドポジションに追いやった。

 今年に入って6試合目、しかも後半から出場機会を得て、ようやくチームの完封勝利に貢献した。

「冬のキャンプで、いいコンディションを作ることもできた。だけど、自分になにか問題があったので、試合に出られなかったのだと思います」

 植田は今年に入ってからの状況を振り返った。

「こういう状況は何度も経験しているし、こういう時に一番成長できると思う。今までもそうやってきた。日々、練習が終わったあともひとりでやってきたし、いい準備ができたからこそ、今日、勝ち点3を取れたと思います。そこは、自分があきらめずにやってきたという成果が出たと思います」

 鈴木が植田に挨拶しながら、ロッカールームに引き上げていった。

「試合を見ていても、優磨はチームメイトからかなり信頼を得ていると思った。今日、プレーをしていても、必ずボールがそこに集まるという予測をして、ボールを回収できた部分もあった。そういう優磨の成長を見ることができて、うれしいなと思いました」

 植田は冒頭で「自分になにか問題があった」と語った。そんな彼が、出場機会がなかった時に取り組んだものは、なんだったのだろうか。

「自分に足りないものはなにかと考えた時に、技術の向上やフィジカル能力をもっと伸ばせると思った。試合に出てないからこそ、ウエイトトレーニングなどに取り組める期間でもあった。こういった期間があったからこそ、土台をしっかりと作り直せた」

 残留のためには引き分けすら許されない状況で、セルクル・ブルージュはメヘレンとシント・トロイデンに競り勝った。シント・トロイデン戦後は、ロッカールームから選手たちの雄叫びが廊下に轟いた。チームのムードは最高だ。

「僕たちは引き分けでもダメ。勝つしかないという状況だった。今日の試合前にワースラント・ベフェレンが負けたという情報も入ってきて、それで一層、みんな奮い立った。この2試合は球際などでみんなが戦っているし、最後まで集中を切らさずやっているからこその2勝だと思う」

 セルクル・ブルージュの試合内容はベルギー国内で高く評価されており、「このチームが最下位とはとても思えない」という声も挙がっている。

「(今年に入ってから格上相手に負けた)アンデルレヒト戦やアントワープ戦もそうでしたが、自分たちが優位な状況で落としてしまう試合があった。ただ、負けてしまってチーム状況が悪くなるかと思いましたが、チームの中はそんなにマイナスにならなかった。

 監督も次に切り替えようと、声をかけてくれた。そういうこともあって、次の一戦に集中しようという気持ち作りができていると思う。

 なにより今、選手が危機感を持ってやっている。トレーニングでも激しさが増してきているので、そういったものが試合に出てきていると、みんなも気づいてきている。やっぱり、練習の大切さを感じます」

 シュトルク監督はチームの雰囲気作りのうまい指揮官だ。第11節からセルクル・ブルージュの指揮官に就任後、個の力の勢いで打開しようとしていたチームを、規律と組織のあるアグレッシブなサッカーに作り直した。

「(シュトルク監督は)ドイツ人監督ですが、日本人に似ているところがたくさんあって、規律がかなり厳しい。ただ、自分たちがやりやすいように明確にしてくれるから、やることがハッキリしています。また、相手のフォーメーションによって守備のハメ方なども、毎回丁寧に説明してくれる」

 監督も次に切り替えようと、声をかけてくれた。そういうこともあって、次の一戦に集中しようという気持ち作りができていると思う。

 なにより今、選手が危機感を持ってやっている。トレーニングでも激しさが増してきているので、そういったものが試合に出てきていると、みんなも気づいてきている。やっぱり、練習の大切さを感じます」

 シュトルク監督はチームの雰囲気作りのうまい指揮官だ。第11節からセルクル・ブルージュの指揮官に就任後、個の力の勢いで打開しようとしていたチームを、規律と組織のあるアグレッシブなサッカーに作り直した。

「(シュトルク監督は)ドイツ人監督ですが、日本人に似ているところがたくさんあって、規律がかなり厳しい。ただ、自分たちがやりやすいように明確にしてくれるから、やることがハッキリしています。また、相手のフォーメーションによって守備のハメ方なども、毎回丁寧に説明してくれる」

◆植田直通と鈴木優磨、 元アントラーズ盟友のバトルは見応え十分だった(Sportiva)





◆乱立10強!? 戦国J1をニッカン記者が順位予想(ニッカン)






今年も全国のサッカー担当記者による、恒例の順位予想を実施しました。

21日開幕のJ1順位を北は北海道から、南は九州までの総勢15人の記者が予想。予想平均値の1番は川崎フロンターレですが、優勝予想にはヴィッセル神戸、FC東京、鹿島アントラーズ、柏レイソル、サンフレッチェ広島、浦和レッズ、横浜F・マリノス、ガンバ大阪、北海道コンサドーレ札幌と計10チームの名前が挙がるなど「混戦」模様です。昨年の予想は川崎F、浦和、鹿島、G大阪の4チームで、優勝の横浜を外しただけに、今年は誰かが優勝チームを的中してほしいものです。とにもかくにも、今年もJリーグを楽しみましょう!

※順位予想で横浜=浜、横浜FC=F、G大阪=G、C大阪=C。ほかは頭文字


◆荻島弘一
【59歳 84年入社 サッカー担当36年目=編集委員】

五輪イヤーがどう影響するか。長い中断前の21節までの戦い方がカギ。開催地のスポーツ熱の高まりが、東京の背中を押すとみる
荻島編集委員の順位予想


◆上原健作
【35歳 15年入社 サッカー担当6年目=海外サッカー】

ACLに出場しない川崎Fと鹿島の強豪2クラブの存在は怖いが、欧州のようにJリーグも圧倒的な金満クラブが優勝と予想

上原記者の順位予想


◆石川秀和
【44歳 06年入社 サッカー担当13年目=記録】

柏が2度目のJ1昇格初年度優勝。堅守速攻ではなく、高いボール保持率でJ2を制したチームはJ1でも上位争いの傾向あり

石川記者の順位予想


◆菊川光一
【51歳 93年入社 サッカー担当12年目=鳥栖・大分】

MFイニエスタを軸に爆発的な攻撃力を持つ神戸が優勝の最有力候補。横浜も充実の戦力で2連覇は十分狙える

菊川記者の順位予想


◆横田和幸
【51歳 91年入社 サッカー担当28年目=名古屋・G大阪・C大阪・神戸・広島】

広島、C大阪の安定感を評価した。ACLがなければ神戸はV最有力。G大阪は1つ間違えれば残留争いあり

横田記者の順位予想

◆古地真隆
【26歳 18年入社 サッカー担当3年目=清水】

川崎Fは攻守に充実。C大阪も層が厚い。改革元年の清水は地盤を固めるシーズン。徐々に完成度を上げていきたい

古池記者の順位予想


◆岩田千代巳
【47歳 01年入社 サッカー担当6年目=柏・横浜FC】

選手層と攻撃力で浦和、川崎Fが抜けるか。ACL組は過密日程との戦いが厳しそう。広島、柏、C大阪が手堅く上位に食い込む予感

岩田記者の順位予想


◆松尾幸之介
【27歳 15年入社 サッカー担当3年目=なでしこ・横浜】

外国人監督躍進の中、鬼木、宮本、長谷川ら日本人指揮官が意地みせる。片野坂、大槻組長率いる大分、浦和の動き次第で大荒れか
松尾記者の順位予想


◆岡崎悠利
【28歳 14年入社 サッカー担当5年目=五輪代表・東京】

昨季クラブ史上最高2位に入った東京の新布陣がはまることに期待。天皇杯、ゼロックス杯を制した神戸がついに覚醒の予感

岡崎記者の順位予想

◆藤中栄二
【49歳 93年入社 サッカー担当10年目=浦和・湘南】

3年連続でタイトルを獲得した鬼木監督の手腕と着実な補強で安定感あり。戦術が統一された浦和の破壊力は優勝も狙える

藤中記者の順位予想


◆杉山理紗
【26歳 16年入社 サッカー担当2年目=鹿島】

新監督を迎えた鹿島は、チームの成熟とともに夏場から順位を上げそう。ACL勢の疲労は気がかりだが、全チーム頑張れ!

杉山記者の順位予想

◆山田愛斗
【30歳 19年入社 サッカー担当1年目=仙台】

FW宇佐美とDF昌子が攻守をけん引するG大阪を1位予想。仙台は前線の負傷者が早期復帰すれば、リーグをかき回す存在になる

山田記者の順位予想

◆保坂果那
【33歳 13年入社 サッカー担当3年目=札幌】

札幌の優勝予想は1人だけ。ペトロビッチ監督が「今季はクラブ初のタイトルを目指す」と宣言していたので期待を込めて…!

保坂記者の順位予想


◆盧載鎭
【51歳 96年入社 サッカー担当23年目=協会・遊軍】

鹿島は即戦力中心に補強充実。新外国人との融合で優勝候補筆頭。横浜がACLとリーグ戦の両立できるか。資金難鳥栖は厳しそう

盧記者の順位予想

◆浜本卓也
【42歳 03年入社 サッカー担当4年目=協会・代表・川崎F】

寸評忖度抜きで川崎Fが本命。システム変更により攻撃力増への期待大。離脱中のMF中村が夏頃復帰でV奪還への加速度が増す

浜本記者の順位予想


◆変化の渦中にある鹿島。新スタイルは完成を見るか【J1クラブ展望/鹿島】(サッカーキング)



レオ・シルバ Léo Silva


「我慢の1年」を過ごすつもりなどない。大きく生まれ変わった新生アントラーズは、チームの伝統をかなぐり捨てることなく、伝統に巧みな現代的戦術を上塗りし、リーグタイトル奪還を目指す。

 チームを2年半率いた大岩剛監督に代わり、ブラジルからザーゴ新監督を招いた。選手・指導者として欧州でキャリアを積み、それをブラジルに持ち込むことで成功を収めた新指揮官は、「ボールを握りながらゲームをコントロールする。主導権を握って自分たちのタイミングで攻撃する」と明言する。昨季まではどちらかと言えば堅守速攻のスタイルで戦っていたが、今季からはポゼッションサッカーでタイトルを目指すことになる。

 今オフは積極補強に成功し、10人が加入した。メンバーが入れ替わる中、戦術も大きく変わる。これまではある程度自由が与えられていた選手の動きに、「ザーゴ式」のポジション取りマニュアルが与えられる。攻撃時はビルドアップの経路が、守備時はプレッシングの経路が整備され、ボールポゼッションを高めながら攻撃のチャンスをうかがう形だ。1月1日まで昨季の公式戦を行っていた関係で、少ない準備期間でリーグ開幕に間に合わせることとなる。1日でも早く戦術を成熟させ、自分たちの「型」を作りたい。

 だが現状は「産みの苦しみ」にぶち当たっている。1月28日のACLプレーオフ、メルボルン・ヴィクトリー戦、2月16日のJリーグYBCルヴァンカップ・グループステージ名古屋グランパス戦で2連敗を喫した。新戦術への期待感が高まっていたが、結果は180分で無得点。ザーゴ監督は新たに取り組むビルドアップについて「私の理想とはかけ離れている」と言い放った。戦術の範囲内での創造性という点で、選手たちに迷いが見られた。チーム戦術の落とし込みに重点を注いだ影響か、選手同士のコンビネーションにも向上の余地が多く見て取れた。

 期待感よりも不安のほうが大きい状態での開幕となる。まだまだ時間がかかる印象はぬぐえないが、今季は夏場に東京オリンピック開催の影響でアウェー5連戦が組まれるため、序盤の7試合中5試合が勝ち点3マストのホーム開催となっている。手探りの状態で連携を高めながら勝ち点をしぶとく積み重ねることができれば、チームは上昇気流に乗っていくだろう。





【KEY PLAYER】MF 4 レオ・シルバ





 ザーゴ・サッカーのカギを握るのはボランチのポジションだ。激しい寄せやボール奪取が最大のミッションだった昨季とは異なり、シンプルなパスでの展開や豪快なサイドチェンジ、ボールを運ぶ役割が求められる。指揮官の新戦術完成に向け、とりわけレオ・シルバにかかる期待は大きい。

 来日8年目、4人のブラジル人の年長者は言う。「我々は助っ人という立場でこのチームにいる。鹿島のために何をしなければならないか、何が求められているのか。他のブラジル人には私からうるさいぐらいに伝えている。我々の状態が良くなればチームの状態も必ず上向く」

 昨季よりもはっきりと縦関係となるボランチで、攻撃面を担うレオ・シルバのゴールへの推進力、ゴール前でのワンツーのセンスはチームの大きな武器となる。またセルジーニョが中国へ移籍したことで、チームの躍進には新ブラジル人FWエヴェラウド、MFファン・アラーノのフィットが欠かせない。ここまでの2試合ですっかり鳴りを潜めている2人の活躍には、その経験と語学力で彼らと日本人選手をつなぐことができるレオ・シルバの存在は必要不可欠だ。

 圧倒的な実力を持ちながら、これまでのキャリアでリーグ優勝とは無縁。試合後のロッカールームで「俺は優勝したい。負けるのは悔しい」と日本語でチームに語りかけ、10万人の相手サポーターに包囲された2018年ACL決勝第2戦(イラン)のキックオフ前に「ピッチでは11人対11人だ。客席は気にするな」とチームを鼓舞した頼れるブラジリアンは「私は鹿島を優勝させるためにここにいるし、私自身も優勝というキャリアを手にするためにここにいる」と意気込む。ザーゴ・サッカーの心臓を担う背番号4が、チームの浮き沈みのカギを握るだろう。

文=岡島智哉


◆変化の渦中にある鹿島。新スタイルは完成を見るか【J1クラブ展望/鹿島】(サッカーキング)

◇Jリーグ 新型コロナさらに感染拡大なら無観客試合も…21日開幕戦は医師増員(スポニチ)






 新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、厚生労働省がイベントの主催者に開催の必要性を改めて検討するよう要請したことを受け、21日にJ1湘南―浦和戦で開幕するJリーグは村井満チェアマン(60)が緊急対応。「万全の対策を取りながら行う前提でいる」と20日時点で試合の中止などの変更はないとした。湘南―浦和戦では全入場口とトイレへの消毒液の設置や医師の増員などの対策が取られる。

 村井チェアマンは「J1、J2、J3全てのクラブ関係者と政府見解を共有し、予防に関する徹底を申し伝える」とした。今後さらに感染の拡大が確認された場合は無観客試合や、東京五輪期間中への日程変更なども検討する。またJ1札幌の本拠地、札幌ドームは屋外に比べて感染リスクが高いとみられることから、札幌とは個別で対応を図る考えを示した。


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