日刊鹿島アントラーズニュース

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2020年6月27日土曜日

◆盛岡・秋田新監督「J3優勝J2昇格」下克上に挑む(ニッカン)





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新生いわてグルージャ盛岡が、最下位からの下克上昇格に挑む。J3は27日に開幕する。元日本代表DFの秋田豊新監督(49)率いる岩手はホームで、ブラウブリッツ秋田と戦う。ゼロからチームを作り直した指揮官は「J3優勝。J2昇格」と力強く宣言した。

当初の予定(3月8日)から111日を経て迎える開幕を、秋田監督は「『やっとだな』という感じ。選手もすごく心待ちにしてたので、スタートできるのはうれしい」。リーグ延期で、始動からの準備に半年間かけられ「戦術、技術、体力すべて向上し、非常にいい時間だった」と、確かな手応えをつかんでいる。

3月末にはJ1、J2、米国でプレーしたMF橋本晃司(34)が加入。秋田監督は「得点への最後の味付けというか攻撃全部の指揮を執ってほしい」と全幅の信頼を寄せる。さらに「みんなが競争し(当初の)構想から外れていた選手も入ってきたのは、こういう期間だからこそできた」と戦力アップを実感する。

1月末から約2カ月続いた鹿児島、宮崎、高知、福島でのキャンプは、ほとんど2部練習で実施。みっちり鍛え、練習試合後も体に負荷をかけた。「自分たちは最下位のチーム。練習をやらずにうまくなれるはずがない」。シーズン中も2部練含め厳しく徹する。無観客試合になるが、34試合の長期戦が幕を開ける。J公式戦460試合に出場している百戦錬磨の秋田監督は「34分の1ではない」と開幕戦の重みを強調。新生岩手は頂点だけを見つめ、勝ち点を1戦1戦積み重ねていく。【山田愛斗】




◆大迫勇也と柴崎岳が"チームを勝たせる"選手に。鹿島でのカップ戦制覇の意味(HOMINIS)






サッカー選手にとってタイトル争いの経験は、選手自身のステージを一つ上に上げてくれる。ましてや自らの活躍でチームを優勝に導いたとき、その経験は何物にも代えがたい。そもそもサッカーとは勝敗を争うスポーツである。相手よりも多くのゴールを奪ったチームが勝利を手にし、そのためにピッチ上の22人が一つのボールを追いかけるのだ。

もちろん、勝利も敗北もたまたまもたらされるものもある。偶然の産物としか言えないゴールで勝敗が決するときがあるからだ。そして、サッカークラブに携わる人々は幸運に恵まれることに期待するのではなく、少しでも勝つ確率を高めるための努力を惜しまない。ただ、そのなかでごく一握りの人間しか達することが出来ない境地がある。それが優勝だ。タイトルを獲得することでしか知ることが出来ない勝利の味。チームを勝たせるためにどうすればいいのかは、チームを勝たせた人間にしかわからない。


■大迫勇也にとって、初めて自らの力で獲得したタイトル


大迫勇也にとって初めてのタイトルはルヴァンカップではなかった。2009年に鹿島アントラーズに加入したとき、チームはまさに黄金時代。J1リーグ2連覇中の王者に"超高校級"の逸材として加わったのが大迫だった。当時のFWはマルキーニョスと興梠慎三が在籍しており、指揮官であるオズワルド・オリヴェイラは彼らに2トップを任せることが多かった。さらに田代有三もおり、大迫はよくて3番手。ポジションを奪うのはそう簡単ではないと思われた。

しかし、3年目の11年に転機が訪れる。若返りを図りたいクラブは35歳となっていたマルキーニョスと契約を更新せず(ベガルタ仙台に移籍)、代わりにポルトガルでプレーしていたカルロンをエース候補として獲得した。ところがこれがまったくの不発。シーズン途中で移籍し、大迫は興梠と共にチームを引っ張る存在となった。

とはいえ、若い日本人2トップで戦えるほどJリーグは甘くない。J1リーグは苦戦の連続となり、34試合のシーズンは13勝11分10敗の6位に沈む結果となった。ただ、この年は東日本大震災の影響を大きく受けたこともあり、Jリーグヤマザキナビスコカップ(当時)は大幅に日程が短縮され、決勝トーナメントはすべて一発勝負で勝敗が決するレギュレーションが採用。AFCチャンピオンズリーグに参加していた鹿島は準々決勝からの出場に。長丁場のリーグ戦とは違い、1ヶ月のなかで終わる短期決戦だったことが幸いする。

この大会で大迫は大爆発する。準々決勝の横浜F・マリノス戦、準決勝の名古屋グランパス戦と2試合連続でゴールを奪うと、決勝の浦和レッズ戦では決勝点。3試合連続でゴールを決め、文句なしの大会MVPに輝いた。

09年はリーグ、10年は天皇杯とプロになってすでに2度の優勝を味わっていた大迫だが、自らの活躍でチームを優勝に導いたのは初めての経験。試合後は、「(去年の)天皇杯も自分の中では嬉しかったですけど、試合に出て優勝するというのはほんと嬉しいですね」と笑顔をこぼした。ちなみに表彰台でカップを掲げたのも大迫だった




■20歳で鹿島をタイトルに導いた柴崎岳


加入1年目だった柴崎岳もこの大会で活躍している。準決勝の名古屋戦では、本山雅志からのスルーパスを受け、楢崎正剛の頭上を打ち抜く決勝点を奪っている。しかし、その輝きは一瞬のきらめき。大会を通じて輝いたのは、次の2012年大会。鹿島をタイトルに導いたのは若干20歳の俊才だった。

大会を牽引したのはエースFWに成長した大迫だったかもしれない。彼はグループステージで4得点、決勝トーナメントに入っても3得点と大車輪の活躍を見せた。対する柴崎は大会を通じて3得点とゴール数では大迫の後塵を拝する。しかし、試合で見せる落ち着きはいまと変わらず、ベテランの貫禄を漂わせるほど。

ただ、この年も鹿島の成績は安定せず、それを穴埋めするために、柴崎はさまざまなポジションでプレーしなければならなかった。清水エスパルスと戦った決勝戦でも、ボランチではなく右サイドハーフでの先発。それでも、ウイングとサイドバックの攻撃をケアする役目を担うと、ほぼそれを完璧に遂行した。試合を落ち着かせることに大きく貢献すると、70分からはボランチでプレー。ゲームの舵取りをするだけでなく、3列目からの飛び出しでPKを誘い、これを自ら決めると、アディショナルタイムにも同じような場面をつくって今度はそのままゴールへ叩き込んだ。





「若い選手が出て勝ったことで、次も勝ちたいという欲が出る。それが勝者のメンタリティになっていく」

今はフットボールダイレクターという立場でクラブの強化責任者を務める鈴木満強化部長(当時)は、そう言って目を細めた。勝つことで勝者のメンタリティや勝ち方が受け継がれていくからだ。

クラブの歴史という大きな流れで見ればそうだろう。しかし、その一部分を彩る選手個人としての思いは少し違ったようだ。柴崎の言葉は2年目の選手とは思えないほど芯の強さがあった。

「"受け継ぐ"という表現はあまり好ましくないかもしれないですけど、このままアントラーズを受け継いでいくだけでは足りないと思いますし、それ以上のものを出していかないといけないと思います。先輩を超えたい。全員がそういう意識をもってやらないと、僕らは成長していかないと思う」

11年大会も、12年大会も試合を通じて鹿島が支配したとは言い難い。しかし、うまく相手の長所を消し、自分たちの時間帯が来るまで我慢して戦い続け頂点に立った。そのことを問われたときの柴崎の言葉が振るっていた。

「劣勢というか良くない試合が続いていて、でも勝ってしまうという鹿島のよさがこの試合では出ていたと思います。すごいな、と他人事のように思います」

いまでは鹿島を飛び出し、日本代表の中心として海外の強豪相手にそうした駆け引きを見せる大迫と柴崎。彼らの飛躍に、この大会の優勝経験は大きな影響を及ぼした。

文=田中滋




◆【鹿島】曽ヶ端準が語る再開の川崎F戦「いつも難しい試合になる」(サッカーマガジン)



曽ヶ端準 Hitoshi.Sogahata


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鹿島アントラーズは26日、オンラインで取材に応じ、GK曽ヶ端準が登場。現在のコンディションとチーム状況、再開初戦の川崎フロンターレ戦について、在籍23年目のシーズンを戦う守護神が語った。


優勝するためにやるのは変わらない


 現在のコンディションは上向き。徐々に気持ちも高まっている。リーグ再開は8日後の7月4日。目指すところに、一切のブレはない。

「やっぱり優勝するためにやるのは変わらないですし、今季は本当に全員の力が必要になると思っていますが、それでも一人ひとりが全部の試合に自分が出るんだいう気持ちがすごく大事なると思う。僕自身もそういう気持ちをもって、全部の試合でいい準備ができるようにやっていきたいと思います」

 再開後の過密日程について問われたときのコメントだ。最善の準備をして最良のゲームを。イレギュラーなシーズンにこれから臨むプロ23年目の選手の姿勢は、これまでと何ら変わりはない。

 リーグの中断期間も、ポジティブな思いをもって過ごしたという。

「監督が代わって自分たちがやることをゲームで表現するために、なかなか時間がなかった。公式戦で勝てていない状況だったので(中断を)プラスにとらえて、チームのやることを整理しました。いまは練習試合であったり、練習の中で出せていると思います」

 開幕時よりもザーゴ監督の戦術は確実に浸透している。

「もちろんまだうまくいかないことも、僕自身も含めてありますけど、その中で積極的にみんながやろうとしている。どんどんやっていくことでいい場面も増えてきているので、今度はそれを公式戦の中で、プレッシャーのある中でどれだけできるかが求められると思う」

 次なる公式戦は、再開初戦。相手は川崎フロンターレ。

「フロンターレとのアウェーは難しい試合ばかりですし、実際に勝率じたいもそんなによくない。再開初戦がフロンターレということで、さらに難しさはあると思います。チームとして向こうは監督も代わっていないですし、メンバーも見ても若い選手数多く出てきている。チームとしてのコンセプトもしっかりしているので、戦い方としては今回も難しくなると思います。でも、その中でも勝ちを求めて、チームとしてやろうとしていることを続けながら、結果を求めて戦っていければ」

 いきなり難敵との試合だが、逆に言えばチームとして積み上げてきたことを確かめる機会にもなる。「再開からしばらく難敵との対戦が続くが」との質問に、プロ23年目の守護神はきっぱり言い切った。

「Jリーグ自体はどことやっても難しい試合ばかりですし、どこと対戦だったら大丈夫というのはないですから」

 そんな厳しいJリーグで最もタイトルを手にしたきたのが鹿島アントラーズであり、曽ヶ端準である。


◆【鹿島】曽ヶ端準が語る再開の川崎F戦「いつも難しい試合になる」(サッカーマガジン)




◆【鹿島】「難しいですね」。プロ23年目の守護神・曽ケ端準の重く響いた一言(サッカーダイジェスト)




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チームの着実な進化に好感触も


 ズシリと重く響く一言だった。

「難しいですね」

 プロ生活23年目、鹿島一筋。これまでチームの様々な浮き沈みを経験してきたからこそ、曽ケ端準のその言葉には説得力がある。

 6月26日の練習後、オンライン取材に応じた守護神に、リーグ再開後、巻き返しを図るうえでチームとして何が重要になるかを訊いた。「チームとしてやろうとしていることを、やり続けることも大事」と応じた曽ケ端は、さらにこう続けた。

「そのなかでも結果を残していく。その両方を求める難しさはありますけど。うーん……、全員の力で一つひとつやっていく、それは変わりなくっていうところだと思いますけど、実際、(中断前は)公式戦3連敗と結果が出ていないわけですから。そこはみんなが危機感を持ってやっていくだけだと思いますけど、難しいですね」

 ザーゴ新監督の下、ビルドアップを重視した新戦術に取り組んでいる。その完成度を高めるとともに、結果も手にしなければならない。それが簡単なミッションではないことを、曽ケ端は重々承知しているのだろう。

 それでも、チームの着実な進化に好感触を得ているのも事実だ。

「練習試合の中でも、僕自身も含めて、上手くいかないこともありますけど、積極的にみんな、チームがやろうとしていることを続けてやっています。良い場面が増えてきているので、そこを今度は公式戦のプレッシャーがかかったなかで、どれだけできるか」

 今はまだ、産みの苦しみを味わっている状況かもしれないが、そこを脱した時、かつての憎らしいほどに強いアントラーズを取り戻せるはずだ。

取材・文●広島由寛(サッカーダイジェスト編集部)


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