日刊鹿島アントラーズニュース

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2016年11月23日水曜日

◆鹿島に下克上データ!米新大統領誕生イヤーはJ王者、トランプ旋風に乗る(サンスポ)


http://www.sanspo.com/soccer/news/20161123/jle16112305030004-n1.html

俺たちにはトランプ氏がついている!? 小笠原も水分補給でエネルギーをチャージ (撮影・福島範和)

 トランプ旋風に乗れ! J1は23日にチャンピオンシップ(CS)準決勝(等々力)を行い、年間勝ち点3位の鹿島が同2位の川崎と対戦する。8年ぶり8度目の王者返り咲きを目指す鹿島に吉兆データが発覚。鍵を握るのは、米国の次期大統領ドナルド・トランプ氏(70)。その心は…。一方、川崎は左股関節痛のMF中村憲剛(36)が「ジョーカー」としてベンチ入りする。

 トランプ氏が鹿島のV奪回を後押しする!? 鹿島の優勝と米国の大統領選挙に意外なデータが存在する。

 Jリーグが開幕した1993年以降、4年に1度の米国大統領選挙はトランプ氏が勝利した今回を含めて6度、行われた。その中で新大統領が誕生したのは、計2度。2000年にジョージ・W・ブッシュ氏(共和党)、そして08年のバラク・オバマ氏(民主党)だ。実は、このいずれの年もJリーグを制したのが鹿島だった。

 今回、当選したトランプ氏も来年1月に新たな大統領に就任する。つまり、過去2度のデータが正しければ鹿島の下克上Vが成立するわけだ。

 決勝進出に勝つしかない鹿島はこの日、セットプレーを入念に確認して前日練習を終えた。その後、会見に臨んだ石井監督は「準備はできている。験は担がないし、そういうことはやらない」と自らの力だけを信じたが、験を担ぐことより効き目のありそうな“トランプ・パワー”が後ろ盾となっている!?

 さらに、共和党・トランプ氏のシンボルカラーは鹿島と同じ赤。一方の民主党のヒラリー・クリントン候補(69)は青だった。CS準決勝の相手、川崎のチームカラーは青。“前哨戦”でも絶対有利とみられた青を赤が見事に粉砕しているのだ。

練習に励む鹿島・金崎=茨城県鹿嶋市(撮影・福島範和)

 鹿島は今季、第1ステージ(S)を制したが、第2Sは11位と低迷。年間勝ち点は首位浦和(74点)から15も少ない59点で同3位だった。本来なら優勝に値しないが「ふがいない結果でも、俺らがタイトルを奪い取るチャンスを得た」と日本代表DF昌子も鼻息を荒くする。

 米国の新大統領という世界が注目する“話題人”のご加護を受け、鹿島も旋風を巻き起こす。 (一色伸裕)

鹿島・2000年と08年の優勝

 ★2000年 第1ステージは8勝7敗と8位に終わるが、第2ステージでは第1節から6連勝を飾るなど10勝4分け1敗で優勝。CSで第1S優勝の横浜Mを下し、年間王者を決めた

 ★08年 開幕5連勝を飾るも、その後、7戦連続白星なしで6位まで沈む。巻き返して再び首位に浮上。途中、主力の負傷離脱があったが、最終節までもつれ込んだ川崎、名古屋との接戦を制し優勝。00、01年以来2度目の連覇を達成した

チャンピオンシップ

 昨季から実施。年間勝ち点上位3チームと第1、第2ステージ覇者が出場し、年間優勝を決める。トーナメントで争い、年間勝ち点1位は決勝にシードされる。準決勝は1試合、決勝はホームアンドアウェー方式。準決勝は同点の場合、年間順位上位チームが勝利。決勝は2試合の「総得点(得失点差)」「アウェーゴール数」で同じ場合は年間順位上位チームの優勝とし、延長戦とPK戦は行わない。

◆ハリル監督も鹿島を称賛! 川崎については小林、大島欠場の影響指摘(サンスポ)


http://www.sanspo.com/soccer/news/20161123/jle16112318500013-n1.html

視察に訪れた日本代表のハリルホジッチ監督=等々力陸上競技場(撮影・蔵賢斗)

 明治安田チャンピオンシップ準決勝(23日、川崎0-1鹿島、等々力)日本代表のハリルホジッチ監督が視察に訪れ、勝負強さを発揮した鹿島を「勝つための戦術を採って勝った」とたたえた。一方、川崎については「いいシーズンを送ったが、残念ながら最後に大事な選手を失った」と、10月まで代表に招集していた小林や大島が欠場した影響を指摘した。

 日本サッカー協会の田嶋会長は「鹿島は第1ステージのいい状態に戻ってきた。決勝が楽しみ」と話した。

◆ハリル監督「サスペンスのような試合」CS準決勝視察(報知)


http://www.hochi.co.jp/soccer/japan/20161123-OHT1T50126.html



 ◆明治安田生命2016Jリーグチャンピオンシップ ▽準決勝 川崎0―1鹿島(23日・等々力陸上競技場)

 日本代表のバヒド・ハリルホジッチ監督(64)は23日、Jリーグチャンピオンシップ準決勝の川崎―鹿島戦(等々力)をスタッフとともに視察した。試合後に感想を聞かれると「サスペンスのような試合だった。何が起こるかわからない試合だった。鹿島が大きな仕事をした」と話した。

 決勝点を決めた鹿島のFW金崎の代表招集については「金崎が良ければ、私も考える。良い選手が代表に呼ばれる」と今後のプレー次第とした。

◆鹿島対浦和のCS決勝概要発表、キックオフ時間など確定(ゲキサカ)


http://web.gekisaka.jp/news/detail/?203836-203836-fl



 23日に行われたチャンピオンシップの準決勝で鹿島アントラーズが川崎フロンターレを下して、決勝に勝ち上がった。決勝では浦和レッズと対戦するが、その概要が発表になっている。

 第1戦は11月29日に行い、カシマスタジアムで開催。キックオフは19時25分。地上波はTBS、スカパー!でも生中継される。第2戦は12月3日に開催。埼玉スタジアムで行う。こちらは19時30分キックオフ。NHK総合とスカパー!で生中継される。いずれの試合もニッポン放送、FMかしま、CityFMさいたまでラジオ放送もされる。

 第1戦のチケットは11月25日10時より一般発売が開始。第2戦のチケットはすでに発売されているが、ビジター自由席・ビジター指定席の販売は11月24時10時より開始される。

◆鹿島・小笠原、早朝震度4地震に「びっくりして起きた」(サンスポ)


http://www.sanspo.com/soccer/news/20161123/jle16112305010005-n1.html

練習に臨む鹿島・小笠原=茨城県鹿嶋市(撮影・福島範和)

 J1は23日にチャンピオンシップ(CS)準決勝(等々力)を行い、年間勝ち点3位の鹿島が同2位の川崎と対戦する。

 CS準決勝の川崎戦を前にした22日朝6時頃、鹿嶋市は震度4の地震に見舞われた。選手たちが最終調整を行っていたクラブハウス上空には防災ヘリが飛び回り、津波注意報も発令。大きな被害はなかったが、2011年の東日本大震災で故郷の岩手県が被災した主将MF小笠原は「びっくりして起きた。ここにずっといていいのかという思いがある」と複雑な表情を浮かべた。

◆鹿島小笠原、震度4に覚悟新た 被災地にタイトルを(ニッカン)


http://www.nikkansports.com/soccer/news/1741883.html



 J1年間王者を決めるチャンピオンシップ(CS)の準決勝が今日23日、神奈川・等々力陸上競技場で行われる。今季で最後の下克上制度を生かし、年間勝ち点3位の鹿島が同2位の川崎Fに挑戦。鹿島は22日朝に発生した地震と津波で被災地クラブの使命を再確認し、通算18冠へ逆転突破を狙う。

 CS準決勝を翌日に控えた22日朝5時59分、鹿島イレブンは強い揺れで目を覚ました。東日本大震災の余震。かつて津波に襲われたクラブハウスや、選手寮がある茨城・鹿嶋市の震度は4。午前9時からの練習に変更はなく、施設の被害もなかったものの、長い揺れに、あの日を思い出した。

 岩手県出身で、Jリーガーで最も震災復興支援に力を注ぐMF小笠原は「ビックリして跳び起きた」。テレビをつけると、日本地図の太平洋側に赤と黄色のラインが点滅していた。「避難指示が出ている地域もある。複雑な思い」で練習を全うした。DF昌子も地震で目を覚まし、街に響く防災無線で津波注意報を知った。決戦前日。ものものしい雰囲気で最終調整した。

 東日本大震災から5年8カ月。「東北人魂を持つJ選手の会」の発起人となって、支援を重ねてきた小笠原は覚悟を新たにした。毎年末のオフ。被災地でサッカー教室を開くたび「タイトルを取れば『おめでとう』だけど、無冠だと『大丈夫?』と聞かれる。被災地の方に余計な心配はさせられない」と思う。昨季はナビスコ杯(現ルヴァン杯)を制して3年ぶりのタイトルを持ち帰ったが、リーグ戦は09年が最後。震災後は1度も優勝できていない。

 今年こそ頂点に返り咲くため、クラブの伝統を前面に押し出す。相手の川崎Fは2位が計7回の“シルバーコレクター”。その始まりは00年ナビスコ杯で、決勝で夢を砕いたのが鹿島だった。今季の第1ステージを含め、鹿島が1位で川崎Fが2位のリーグ戦も計3度。天皇杯も加えれば、過去の川崎Fとの一発勝負は4戦全勝だ。すべてを知る小笠原は「鹿島はタイトルを取ることで強くなってきた。取った者にしか分からない。さらに強くなるために、また勝ちに行く」。昌子も「相手の動き、自分たちの状態、会場の雰囲気に応じて状況を判断し、勝てるのが百戦錬磨の鹿島」。通算18冠へ、また川崎Fを踏み台にする。【木下淳】

 ◆16年のCS大会方式 年間勝ち点1位チームは常に決勝へシードされる。3クラブ出場の今季は、まず年間2位の川崎Fと年間3位の鹿島が準決勝。準決勝は1試合制(年間2位のホーム)で、90分で勝敗が決しない場合、延長戦は行わず、年間上位の川崎Fが勝者。年間1位で浦和の進出が決まっている決勝はホームアンドアウェーの2試合制で、90分で勝敗が決しない場合は引き分け。2試合が終了した時点で勝利数が多いチームが年間王者。2戦終了時で勝利数が同じ場合は(1)2試合の得失点差(2)2試合におけるアウェーゴール数(3)年間1位チームの順で決定。

◆鹿島・小笠原、浦和との決勝へ「まだ何も勝ち得たわけじゃない」(サンスポ)


http://www.sanspo.com/soccer/news/20161123/jle16112316450011-n1.html

小笠原満男

 明治安田チャンピオンシップ準決勝(23日、川崎0-1鹿島、等々力)年間勝ち点3位の鹿島が、同2位の川崎に競り勝ち、決勝進出を果たした。

 激闘を制した主将MF小笠原満男(37)は、「次に進むことができたけど、まだ何も勝ち得たわけじゃない。次にしっかり勝って、本当に喜べるようにまたがんばりたい」と気を引き締めた。

 CS準決勝を前にした22日朝6時頃、鹿嶋市は震度4の地震に見舞われた。選手たちが最終調整を行っていたクラブハウス上空には防災ヘリが飛び回り、津波注意報も発令。大きな被害はなかったが、2011年の東日本大震災で故郷の岩手県が被災した。

 鹿島は年間勝ち点1位で第2ステージを制した浦和とホームアンドアウェー方式で29日、12月3日に対戦する。常勝軍団を率いる闘将は、「次もしっかり勝って本当に喜べるようにまたがんばりたい。次勝ってこそだと思うので、これで満足することなく、次に向かっていきたい。これからしっかり勝てるようにみんなで準備したい」と言葉に力をこめた。

◆鹿島石井監督「あの時に近い」ナビスコ杯Vの雰囲気(ニッカン)


http://www.nikkansports.com/soccer/news/1741903.html



 J1年間王者を決めるチャンピオンシップ(CS)の準決勝が今日23日、神奈川・等々力陸上競技場で行われる。今季で最後の下克上制度を生かし、年間勝ち点3位の鹿島が同2位の川崎Fに挑戦する。

 鹿島石井監督が仕上がりに自信を見せた。昨季、G大阪に3-0で完勝して優勝をつかんだナビスコ杯と比べ「あの時に近い雰囲気」と納得。川崎Fに今季1分け1敗だが「ボールの奪いどころを決めて優位に立てれば」と勝機を思い描いた。負傷中のMF柴崎とFW鈴木の起用には「勝つために最終判断したい」。右足の中足骨を痛めていた柴崎は全体練習に復帰できなかったが、右肩痛の鈴木は合流している。

◆「これが鹿島の試合運び」得意げな昌子、元同僚の浦和・興梠に闘志(サンスポ)


http://www.sanspo.com/soccer/news/20161123/jle16112319290015-n1.html

 明治安田チャンピオンシップ準決勝(23日、川崎0-1鹿島、等々力)鹿島の守備を統率した昌子は、1-0の勝利に「これが鹿島の試合運び。しっかり勝ち切る鹿島の伝統を、若い選手も感じ取っている」と得意げだった。

 決勝で対戦する浦和には、プロ入り直後の紅白戦で力の差を見せつけられた苦い思い出がある元チームメートの興梠がいる。今ではJ1屈指のDFに成長した昌子は「慎三さんのおかげでここまで来られた。いろいろな思いをぶつけたい」と闘志を燃やした。

◆金崎V弾アシストの鹿島・山本「いいボール蹴れた」(サンスポ)


http://www.sanspo.com/soccer/news/20161123/jle16112318570014-n1.html

後半 先制点を決め喜ぶ鹿島・金崎(中央)=等々力陸上競技場(撮影・中井誠)

 鹿島は左サイドバックの山本が決勝点をアシストした。ゴール左でパスを受けると、相手を振り切ってから低いクロスを供給。金崎の頭に合わせ「いつも練習している形。いいボールを蹴れた」と笑顔で話した。

 サイド攻撃はチームの得意な形で、練習でも多くの時間を割いている。石井監督は「繰り返しクロスのトレーニングをやっていた。選手が状況を判断して狙ってくれた」と満足そうだった。

◆これぞ鹿島の“勝負強さ”…西「歴史があるから信じてやれるのは大きい」(ゲキサカ)


http://web.gekisaka.jp/news/detail/?203845-203845-fl



[11.23 チャンピオンシップ準決勝 川崎F0-1鹿島 等々力]

 第1ステージを制した鹿島アントラーズだったが、第2ステージは思ったように勝ち点を伸ばせず。終盤には4連敗を喫して、第2Sは11位で終えた。しかし、チャンピオンシップ準決勝では勝負強さを発揮して川崎Fから1-0の完封勝利を収め、決勝へと駒を進めた。

「あまり良いゲームだったとは思っていない。相手も素晴らしいチーム。本気のぶつかり合いの中で、お互いの良いところをそんなに出せるわけでもない」と振り返ったDF西大伍。そんな厳しい試合をモノにできた要因を、「最後に体を投げ出すところ」「応援の力」と続けて挙げると、チームに根付く「勝負強さ」を強調した。

「皆、負けるのは嫌だと思うけど、サッカーに関わる人なら『鹿島は勝負強い』という意識があると思う。そういう歴史があるから、それを信じてやれているのは大きい」

 浦和と対戦するチャンピオンシップ決勝は第1戦が11月29日にホーム、第2戦が12月3日にアウェーで行われる。「2試合できるのは、一発勝負よりも気持ち的にも楽だと思う。相手も素晴らしいチームなので、楽しみたい」と決勝に向けて意気込みを示した。

(取材・文 折戸岳彦)

◆3位鹿島が下剋上 金崎V弾で川崎Fの悲願散る(ニッカン)


http://www.nikkansports.com/soccer/news/1742119.html



<明治安田生命Jリーグチャンピオンシップ:川崎F0-1鹿島>◇準決勝◇23日◇等々力

 鹿島が29日からの決勝に駒を進めた。

 年間勝ち点2位の川崎Fと、同3位で第1ステージ王者の鹿島が対戦。引き分けの場合は年間上位の川崎Fが決勝に進む規定の中、後半5分にエースFW金崎夢生(27)が1点をもぎ取った鹿島が“下克上”を果たした。

 最初のチャンスを得たのはホームアドバンテージを持つ川崎Fだった。カウンターで右サイドを攻めた1トップのFW長谷川が、鹿島MF小笠原をかわして右足クロス。反対サイドで待ち受けたFW大久保がダイレクトボレーを狙ったが、ミートせず枠には飛ばなかった。

 前半19分には川崎Fをアクシデントが襲う。DFエドゥアルドのクリアに反応した長谷川が、ボールを追って猛ダッシュ。その際に左太もも裏を肉離れしたような動きを見せて倒れ、そのまま負傷退場。担架で運ばれる間に、病み上がりでベンチスタートだった主将のMF中村が交代で投入された。同時に、大久保からキャプテンマークを手渡された。

 まず1点が必要な鹿島は前半23分にMFファブリシオ、24分にDF西がミドルシュートを放つが、GKチョンに阻まれた。後半ロスタイムにも、右サイドに流れた日本代表ボランチ永木が右足で好クロスを上げたが、DF谷口にダイビングヘッドでクリアされてゴールは割れなかった。前半は、鹿島がややチャンスをつくったが、0-0で折り返した。

 日本協会の田嶋会長、日本代表のハリルホジッチ監督、手倉森コーチら全スタッフ、既に年間勝ち点1位で決勝進出を決めている浦和のペトロビッチ監督らが視察する中で後半戦がスタート。すぐ試合が動き、5分に鹿島が先制した。左サイドバック山本が右から左に切り返してマークを外すと、左足でクロス。ここに飛び込んだFW金崎が頭でコースを変え、ゴール右に流し込んだ。DFエドゥアルドの前に一足早く体を入れた金崎が欲しかった先制点を奪い、引き分けでは敗退の鹿島がリードした。

 アドバンテージを失った川崎Fは中村が14分に右足、22分に左足でシュートを試みるが、ともにサイドネットだった。26分には途中出場のMF登里が鋭いドリブルで左サイドを破り、ラストパス。だが、わずかに合わなかった。川崎Fは最後、ロングボールを蹴り続けたが、鹿島の守備陣の集中力は切れない。最後の望みをかけたエウシーニョの右クロスも、DF谷口が頭に当てて浮かしてしまい、万事休す。1-0で終了し、鹿島が逆転で決勝に進出した。

◆試合巧者鹿島が決勝へ!“問題児”金崎V弾守り抜いた!!「石井さんを中心にまとまって」と繰り返す(ゲキサカ)


http://web.gekisaka.jp/news/detail/?203829-203829-fl



[11.23 チャンピオンシップ準決勝 川崎F0-1鹿島 等々力]

 やはり試合巧者だ。1試合勝負のチャンピオンシップ準決勝。敵地に乗り込んだ鹿島アントラーズは後半5分にFW金崎夢生のヘディングシュートで先制すると、終盤の川崎フロンターレの猛攻をしのぎ切り、浦和レッズの待つ決勝へと駒を進めた。

 これが鹿島の伝統か。第1ステージで川崎Fとの競り合いを制していた鹿島だが、第2ステージは苦戦。早々に年間1位争いから脱落し、第2ステージは11位で終えた。今季の安定感では川崎Fに分があるかと思われたが、そこは常勝軍団。勝負強さをいかんなく発揮した。

「やっと入りました。ありがとうございます。いいボールが入ったので、合わせるだけでした」。決勝点を挙げた金崎も興奮気味に試合を振り返った。

 今季の金崎は“問題児”でもあった。8月20日の湘南戦で、金崎は交代を命じられた際に激高。ベンチ前で握手を求めた石井正忠監督の手を払うような素振りを見せ、不満をあらわにした。直後の日本代表メンバー発表会見ではバヒド・ハリルホジッチ監督がそのことについて言及するなど、波紋を広げた。

 さらに石井監督は直後に体調不良で休養を発表。すぐに復帰したが、金崎との関係悪化が原因ではないかと憶測を呼び、石井監督はクラブ公式フェイスブックで否定し、釈明する事態となっていた。

 試合後のテレビインタビューで金崎は「石井さんを中心にまとまっていいプレーが出来た」と2度繰り返して、感謝を語った。もう前を見て戦うだけ。MF小笠原満男も「次こそだと思う。これで満足することなく、つぎに向かっていきたい」と気合十分に話していた。

◆鹿島・金崎、“造反騒動”を糧に決勝弾「石井さん中心に、チームまとまっていいプレーができた」(サンスポ)


http://www.sanspo.com/soccer/news/20161123/jle16112316230010-n1.html

後半 先制点を決める鹿島・金崎=等々力陸上競技場(撮影・中井誠)

 明治安田チャンピオンシップ準決勝(23日、川崎0-1鹿島、等々力)年間勝ち点3位の鹿島が、同2位の川崎に競り勝ち、決勝進出を果たした。

 造反騒動を糧にした。0-0の後半5分、DF山本が左サイドの敵陣深い位置からクロスを送ると、ニアサイドに金崎がダイビングヘッドで1点を先制した。「やっと入りました。いいボールが入ったので合わせるだけでした」と決勝点に胸を張った。

 8月20日の湘南戦では後半25分にブラジル人MFファブリシオと途中交代しピッチを退いた。石井監督はベンチ前で金崎を出迎え、握手をしようと手を差し伸べたが、金崎がその手を振り払うようにして拒否。その後も指揮官に対して大声で不満を口にし、スタッフがこれを制止する騒ぎがあった。

 この騒動を引き金に、第1ステージを制しながら、過度の心労により石井監督が退任する可能性が浮上したこともあった。「石井さん中心に、チームまとまっていいプレーができた。決勝ももっといいプレーをしたい。この1年間、石井さんのもとにみんな集まってやってきた。それをしっかり結果を出せるようにがんばりたい」と恩返しを誓った。

 鹿島は年間勝ち点1位で第2ステージを制した浦和とホームアンドアウェー方式で29日、12月3日に対戦する。「もう1回ホームでできるので、しっかりホームで勝って、アウエーでも勝てるようにがんばりたい」と年間王者獲得へ気持ちを新たにした。

◆鹿島、下克上でCS決勝進出 金崎V弾 川崎Fまたもタイトルならず(スポニチ)


http://www.sponichi.co.jp/soccer/news/2016/11/23/kiji/K20161123013776560.html

明治安田生命Jリーグチャンピオンシップ準決勝  鹿島1―0川崎F (11月23日  等々力)

サッカー

 Jリーグの年間王者を決める明治安田生命チャンピオンシップ(CS)は23日に開幕して等々力陸上競技場で一発勝負の準決勝1試合が行われ、年間勝ち点2位(72)の川崎Fと第1ステージ覇者で同3位(59)の鹿島が激突。鹿島がFW金崎夢生(27)の決勝ゴールで1―0の勝利を収め、浦和と対戦するCS決勝進出を決めた。CS初出場の川崎Fは規定により引き分けでも決勝に進出できたが、優位性を生かせなかった。

 前半はお互いに一進一退のまま0―0で折り返し。そして迎えた後半5分、DF山本脩斗(31)の左クロスを金崎が頭で決めて待望の先制点を挙げた。第1ステージを制覇しながら第2ステージは11位に低迷し、リーグ戦のラストは4連敗でフィニッシュした鹿島だったが、大一番に強い試合巧者らしく、この1点リードを守って逃げ切った。

 川崎Fはエースストライカーの元日本代表FW大久保嘉人(34)が来季のFC東京移籍を表明し、4年半チームの指揮を執った風間八宏監督(55)は来季J2へ降格する名古屋の新監督就任が決定。大久保と同じく今季15得点をマークしたFW小林悠(29)とリオデジャネイロ五輪代表MF大島僚太(23)が怪我で欠場し、大黒柱の元日本代表MF中村憲剛(35)も左股関節痛のためベンチスタートとなった。

 だが、先発していたMF長谷川竜也(22)が前半19分に裏へ抜け出した際、左太もも裏を手で押さえてピッチに倒れ込むアクシデントで交代。同21分に中村が緊急出場する事態となった。中村は再三パスやシュートで決定的なシーンを作り、後半にはFW森本貴幸(28)らを投入して打開を図ったが、追いつくことはできず、悲願のタイトル獲得はまたも叶わなかった。

 鹿島は、年間勝ち点1位(74)の浦和が待ち受けるCS決勝への進出が決定。CS決勝は第1戦が11月29日にカシマスタジアムで、第2戦が12月3日に埼玉スタジアムで開催される。

◆鹿島が決勝進出! 金崎の値千金ヘッドで逃げ切る(サンスポ)


http://www.sanspo.com/soccer/news/20161123/jle16112315550009-n1.html

後半 先制点を決める鹿島・金崎=等々力陸上競技場(撮影・中井誠)

 明治安田チャンピオンシップ準決勝(23日、川崎0-1鹿島、等々力)年間勝ち点3位の鹿島が、同2位の川崎に競り勝ち、決勝進出を果たした。

 決勝進出には勝つしかない鹿島が、年間勝ち点1位の浦和への挑戦権を手にした。均衡を破ったのはFW金崎の頭。0-0の後半5分、DF山本が左サイドの敵陣深い位置からクロスを送ると、ニアサイドに金崎がダイビングヘッドで1点を先制した。

 ホームに詰めかけたサポーターの声を背に猛攻を続けた川崎。それでも、鹿島は最後まで1点を守り抜いた。

 鹿島は11月29日、12月3日に浦和と対戦する。

鹿島・石井監督
「こういう戦いになると予想していた。(決勝は)クラブを取り巻く人の力を全て借りて、しっかり戦いたい」

鹿島・永木
「魂のこもった試合だった。点を取った後は難しくなったが、最後は体を投げ出して失点を防いだ」

 
川崎・風間監督
「素晴らしい戦いをした敗者だった。敗因は1点が入らなかったこと。入らないときは入らないなと思った」

◆鹿島が決勝へ 金崎夢生が決勝ヘッド 敗れた大久保は涙(デイリー)


http://www.daily.co.jp/soccer/2016/11/23/0009691313.shtml

川崎に勝利し、サポーターの声援に応える鹿島・金崎夢生=川崎市等々力陸上競技場(撮影・西岡正)

 「明治安田生命J1チャンピオンシップ・準決勝、川崎0-1鹿島」(23日、等々力陸上競技場)

 鹿島がFW金崎夢生のヘディングによるゴールの1点を守り抜き、浦和との決勝(11月29日、12月3日)に進出した。

 川崎は主将の中村がベンチスタート。大島、小林がベンチ外。鹿島は柴崎がベンチ外とコンディションが整わなかった選手が先発から外れた。川崎・中村は前半21分に、試合中に負傷したFW長谷川に代わって投入された。

 鹿島は後半5分。左サイドの山本が上げたクロスに、金崎がダイビングヘッドでねじ込んだ。

 先制を許した川崎は猛反撃をしかける。後半14分、中村がエリア内で、左足の切り返しで守備をかわしてからシュートを放つも枠を捉えられず。18分には中村が左サイドからのFKでゴールを脅かすがGK曽ヶ端にはじかれた。さらに22分にはエリア内で受けた大久保から右サイド中村に渡ったが、シュートはゴール右に外れた。

 鹿島は同30分ごろからフィールド10人が自陣に戻る全員守備を展開。最終ラインに6人が入りゴールを守る局面もあった。引き分けでも決勝に進める川崎は後半41分、DFエドゥアルドが前線に残り、パワープレーに入る。終盤のCKではGKチョン・ソンリョンも攻め上がるなど執念を見せたが、得点には至らず試合終了。エースの大久保は涙にくれた。

 金崎は試合後インタビューで、「やっと入りました。ありがとうございます。いいボールが来たんで合わせるだけでした。石井さんを中心にチームがまとまっていいプレーをできたんで、次の決勝でもいいプレーをしたい」と語った。

◆殊勲のヒーロー・鹿島FW金崎、決勝進出は「石井さん中心にチームがまとまった結果」(サッカーキング)


http://www.soccer-king.jp/news/japan/jl/20161123/519415.html?cx_cat=page1



 明治安田生命2016Jリーグチャンピオンシップの準決勝が23日に行われ、鹿島アントラーズ(年間3位、ファーストステージ優勝)が1-0で川崎フロンターレ(年間2位)を下し、浦和レッズ(年間1位、セカンドステージ優勝)が待つ決勝進出を決めた。

 スコアレスのまま迎えた後半立ち上がりの50分、左サイドのDF山本脩斗が上げたクロスをFW金崎夢生がダイビングヘッドで沈め、これが決勝点となった。殊勲のヒーローとなった金崎は、試合後のヒーローインタビューで「本当にいいボールが入ったので、合わせるだけでした」とゴールシーンを回想。「石井(正忠監督)さん中心にチームがまとまっていいプレーができた」と勝因を語った。

 “鹿島らしさ”で制したファーストステージに対し、セカンドステージは思うような戦いができなかった。金崎自身も8月20日のセカンドステージ第9節湘南ベルマーレ戦で石井監督と衝突。その後、指揮官が一時休養する事態にまで発展した。それでも鹿島はタイトル獲得に向けて再度団結し、下剋上での決勝進出を決めた。「この一年間、石井さんの元にみんな集まってやってきたので、それをしっかりと結果として出せるように。次の決勝でももっといいプレーができるように。もう一回ホームでできるので、しっかりとホームで勝って、アウェーでも勝てるように頑張りたい」とファン・サポーターの声援を背に、最多8度目のJ王者を目指す。

 決勝の相手は年間1位の浦和。主将のMF小笠原満男は決勝進出を喜ぶ一方で、「次に進むことができましたけど、まだ何も勝ち得たわけなじゃないので、次もしっかりと勝って本当に喜べるように頑張りたい。次に勝ってこそ(“鹿島らしい”)だと思うので、これに満足することなく、良い準備をして次に向かっていきたい」と改めて気を引き締めた。

 CS決勝は第1戦が29日にカシマスタジアムで、第2戦が12月3日に埼玉スタジアムで行われる。

◆小笠原 クラブ18冠目へ意欲「鹿島が強い理由を教えてやる」(スポニチ)


http://www.sponichi.co.jp/soccer/news/2016/11/23/kiji/K20161123013773670.html

CS準決勝に向け調整する鹿島のMF小笠原(左)

 第1ステージ覇者の鹿島と年間勝ち点2位の川崎Fによるチャンピオンシップ(CS)準決勝が23日、等々力陸上競技場で行われる。鹿島のMF小笠原満男主将(37)はJリーグ最多となる18個目の国内主要タイトル獲得へ意欲を見せた。アウェーで引き分け以下は敗退という厳しい戦いを乗り越え、年間勝ち点1位の浦和と争う決勝進出を目指す。

 日本で唯一、鹿島の主将の小笠原しか語れない言葉でタイトルへの思いを表現した。「このクラブは最初から凄く強かったわけじゃない。タイトルを獲ることで、強くなった」。栄光の歴史を振り返り、タイトル奪取に意欲を燃やした。

 プロ入りから19年。J最多となる17の国内主要タイトルを獲得してきた鹿島で、GK曽ケ端と並び最も多い年数を過ごしてきた。鹿島には伝統の勝負強さがある。天皇杯は決勝進出6度のうち4度、ナビスコ杯(現ルヴァン杯)では9度のうち6度、そしてCSでは5度のうち3度で優勝を果たした。小笠原は「こういう勝負を勝って、強くなってきた。より強くなるためには絶対にタイトルは必要。タイトルを獲った者にしか分からないものは絶対にある」と強調する。

 期する思いがある。第1ステージは優勝した鹿島だが、前線の要だったFWカイオが夏に移籍して、石井監督が一時休養した第2ステージは失速。終盤は7年ぶりの4連敗を喫して、川崎Fには年間勝ち点で13も離された。チームが沈む中、主将として動いた。今月7日に決起集会を行い、そこでの「一人一人が変わらないと意味がない」という言葉は選手の心に届いた。「響いた人から練習の態度が変わっていった」とFW赤崎。練習では、選手同士がぶつかる音が聞こえるようになるほど、チーム全体の気迫がよみがえった。

 川崎Fとは10月29日のリーグ戦で0―1と敗れた。シュート数では17―7と圧倒しながら、一瞬の隙を突かれた。決戦に向けては、ボールの奪いどころを見極めて、全員で連動する守備面を再確認した。決勝進出には勝つしかなく、DF植田を前線に上げたパワープレーも試した。「(準備は)ばっちりです」と小笠原。クラブ18冠目、自身としては15度目のタイトル獲得へ。熱いハートの主将を中心に栄冠を全力でつかみに行く。

◆明治安田生命2016Jリーグチャンピオンシップ 準決勝(オフィシャル)


http://www.so-net.ne.jp/antlers/games/51926

明治安田Jリーグチャンピオンシップ 準決勝

鹿島、チャンピオンシップ決勝進出!等々力での一発勝負、金崎のゴールで川崎Fを撃破!

7年ぶりのリーグ制覇を懸ける戦いがついに始まった。J1チャンピオンシップ準決勝、川崎フロンターレ戦。等々力陸上競技場での一発勝負に臨んだ鹿島は、50分に金崎が挙げたゴールをチーム一丸で守り切り、1-0と勝利を収めて決勝進出を果たした。

鹿島は2ndステージを4連敗で終えたが、12日の天皇杯4回戦では神戸を2-1で破った。試合終盤は防戦一方となったものの、総力戦で1点を守り切った戦いぶりは復活を想起させるものだった。公式戦5試合ぶり、9月25日以来の白星。来るべきビッグマッチの日々を前に、己の力で道を切り開いた。暗闇を脱し、上昇気流に乗った。 





準備期間は10日間。勝利だけを目指して、チームは密度の濃いトレーニングを重ねた。20日のクラブハウスには数々の横断幕が掲示され、ビッグフラッグが舞った。背番号12の熱いメッセージが選手たちの闘争心に火をつける。熱を帯びたグラウンド、日々高まっていく一体感。ビッグマッチ前特有の高揚感と緊張感に包まれながら、着実に準備を進めていった。そして前日練習を終えて、小笠原はいった。「タイトルは、獲った人にしか分からないものがある。だから獲りたい」と。

石井監督は神戸戦から先発メンバーを2名変更。代表から戻った永木をボランチに、そして前線には土居を起用した。最終ラインは右から、西とファン ソッコ、昌子、山本が並ぶ。ボランチで永木とペアを組むのは小笠原、2列目はファブリシオと遠藤が務める。そして前線では、土居とともに金崎がゴールを狙う。ベンチには、GK櫛引と植田、伊東、中村、三竿、鈴木、赤崎が控えた。 



曇り空に覆われた川崎。等々力陸上競技場は水色と黒で染まったが、ビジタースタンドを埋め尽くしたアントラーズレッドの密度と熱量は、数の差などものともしない。熱いサポートを背に受け、選手たちは14時にキックオフを迎えた。アントラーズファミリーの底力を見せつける90分が始まった。

立ち上がりから、鹿島は積極的なプレスを敢行して主導権を奪いに行く。開始早々の2分には左サイドでボールをキープした金崎の粘りから左CKのチャンスを得るなど、得点への意欲を示した。2トップを組む土居と金崎はサイドに流れてのボールキープ、切り替えの早い守備、身体を張ったポストプレーでチームの推進力となった。

15分にはボール奪取からカウンターを仕掛け、左サイドを金崎が突破。狙いすましたスルーパスを出し、土居が反応したが、わずかに合わなかった。22分には自陣ペナルティーエリア内から縦パスをつないで速攻を仕掛け、ファブリシオが迫力満点のドリブルからミドルシュート。強烈なボールが枠を捉えたが、相手GKに弾き出されてしまった。

決定機を作るには至らなくとも、ミドルレンジからのシュートでゴールを脅かしていく鹿島。24分に西が放った強烈な一撃、39分に遠藤がカットインから左足を振り抜いた場面など、積極的にゴールを目指したが、ネットを揺らすことはできなかった。時折訪れるピンチも、曽ケ端の冷静なセービングと小笠原の危機察知能力がチームを救う。鹿島の全てを知る2人がしっかりと試合を締めた。前半はスコアレスで終了。残り45分で、相手よりも1つでも多くのゴールを奪えば、決勝への切符が手に入る。 



















後半開始直後は川崎Fが攻勢をかけてきた。ホームチームにとって、先制点を奪うことは2点リードを得ることと同義。だが、その思惑を鹿島が許すわけはない。身体を張った守備、ファウルも厭わない激しいプレスの連続で、ピッチは熱を帯びていった。

そして50分、アントラーズレッドのビジタースタンドが揺れた。左サイドを駆け上がった山本が鋭い切り返しで右足へ持ち替えると、ゴールへの願いを込めたクロスを送る。ニアサイドに飛び込んだ金崎は「何も考えていなかった」と、無我夢中のダイビングヘッド。難易度の高いシュートは、相手GKの手をかすめてゴール右隅へ吸い込まれた。サポーターの待つゴールへボールを届けた背番号33は、ゴール裏の看板を飛び越えてガッツポーズを繰り返す。アントラーズが待望のゴールを奪った。







リードを得た鹿島はその後、川崎Fの攻勢を受けることとなる。鹿島は全選手が自陣に戻り、ブロックを形成して応戦。自陣のペナルティーエリア内での攻防が繰り返され、耐える時間が続いた。ビジタースタンドとは反対側のゴール前へ釘付けとなった選手たち。サポーターは祈るような思いで、しかし時間を追うごとに増していった熱量をピッチへと届け続けた。

59分に中村憲に打たれたシュートは枠を逸れてサイドネットへ飛び、62分には相手のFKから枠へ飛んだボールを、曽ケ端が間一髪のパンチングで弾き出した。途中出場の登里に突破を許してピンチを迎える場面もあった。それでも鹿島は、最後の一線だけは割らせずにリードを保ち続ける。石井監督は75分に三竿を投入。中盤に高さと球際の強さを加えて守備を整備し、ラスト15分へ臨む。時折仕掛けた、前がかりになった相手の背後を突いたカウンターはゴールに結びつかなかったが、気迫に満ちた攻防を繰り返して時計の針を進めていった。











88分に投入された赤崎、後半アディショナルタイムにピッチに立った植田も役割をしっかりと遂行。赤崎は前線でのプレスとボールキープで貢献し、植田はエアバトルで存在感を示した。チーム一丸で、リードを守り続けた。



決勝進出を告げるホイッスルが鳴り響いた。沈黙する水色と黒、そして歓喜のビジタースタンド。1-0。勝利しか許されないアウェイでの一発勝負で、会心のウノゼロを達成した鹿島がファイナルへと力強く歩みを進めた。西は試合後、「応援の力がすごかった。僕たちを動かしてくれた」と話した。アントラーズファミリー全員で掴み取った勝利だ。



さあ、次は決勝だ。年間勝ち点1位の浦和レッズと、ホーム&アウェイでの決戦に臨む。まずは29日、ホームでの第1戦。「カシマスタジアムに帰る」という誓いは果たした。次は「カシマスタジアムで勝つ」。リーグタイトルを懸けた、しびれる日々が始まる。



【この試合のトピックス】
・金崎が決勝ゴールを挙げた。9月25日のJ1 2nd 新潟戦以来の得点が、鹿島を決勝へ導いた。
・今季の川崎Fとの公式戦は3試合で1勝1分1敗となった。
・等々力での川崎F戦は3試合連続負けなしとなった。
・永木と土居が先発復帰を果たした。

監督コメント

[ハーフタイム]
鹿島アントラーズ:石井 正忠
・相手陣内に入ったら、シンプルかつ早くボールを動かそう。
・後半もしっかり球際を戦うこと。すべてはそこから始まる!
・最後までアグレッシブに戦い続けること。自分たちのサッカーを表現し続けよう。

川崎フロンターレ:風間 八宏
・ボールしっかり動かしてリズムを作ろう。
・サイドを効果的に使っていこう。
・落ち着いて自信を持って自分たちのサッカーをしていこう。

[試合後]
鹿島アントラーズ:石井 正忠
こういう戦い方になると予想はしていた。まずは次、決勝に進むことができて本当に良かったと思う。どのような内容であれ、自分たちが1点上回ることが次へ進む条件だった。それを果たせたことが非常に良かった。90分間、選手たちが自分の役割を全うしてくれた。

Q.1点を取ってから三竿選手を投入したが、どのあたりの時間帯から守ることを意識したのか?

A.細かい時間帯は覚えていないが、状況を見ながら、DFラインが引いてしまったところを修正するということと、相手がパワープレーに出てきたところの対応ということを考えた。

Q.前半からかなり積極的に出ていったが、どのような形で点を取ろうと考えていたのか?

A.自分たちが敵陣でボールを保持する形を作ることができれば、そして変な形でボールを奪われなければ、いろいろな形でチャンスを作れると思っていた。川崎Fはクロスに対して、背の高い選手が中央で待つということもあったので、そこをどう崩すかという部分を後半はアドバイスして選手を送り出した。

Q.得点の場面は速いクロスがニアサイドに入って合わせた形だが、狙い通りか?

A.選手自身が状況判断をして狙ってくれたと思う。そういうタイミングを合わせるための練習を繰り返しやってきていた。意図的に狙っていこうという指示はしていないが、選手がその時に状況判断をしてくれたということ。

Q.三竿選手を投入して、永木選手をサイドに出した狙いは?

A.亮太はかなり勢いを持ってボールへのプレッシャーに行けるので、そこを狙いとしていた。健斗は後ろでバランスを取る。ボールを奪ってから、前へ攻撃に行けると考えて亮太をサイドに出した。

Q.今季は調子の波があったが、どう考えているか?

A.自分自身についてもいろいろなことがあった。なぜ成績の浮き沈みがあったのかは分析できていないところもある。今回は1stステージと2ndステージの間が1週間しかなかった。その切り替えの部分も含め、選手たちへのアプローチのやり方には反省する部分があるかもしれない。リーグ戦の最後の2試合と天皇杯は非常にいい形が出ていた。(いい調子の頃に)どうにか戻そうという意識はあったので、それがいい方向に向いたと思う。

Q.決勝の第1戦はカシマで行われるが、ホームアドバンテージに期待することは?

A.今度はカシマで、多くのファン・サポーターの前でプレーできる。それを最大限に活かして、今季のスローガンに「ともに」という言葉があるが、アントラーズに関わる全ての人たちの力を借りて戦いたい。

川崎フロンターレ:風間 八宏
一言、入らない時は入らないという試合だと思う。自分が来た時とは比べれば、はるかに「強いチームになった」という自覚を持っている。今までのアントラーズ戦とは違う内容で、逞しくなったと思う。今日は負けたが、全ての部分で敗者だとは決して思わない。素晴らしい敗者だと思う。必ず、次につながるものだと思う。


選手コメント

[試合後]

【金崎 夢生】
勝てて嬉しい。ほとんど川崎Fのペースだったけど、ある意味ではアントラーズらしくできたと思う。いいボールが上がってきて、点で合わせた。決勝ではホームでできることが何よりも大きい。ホームで勝って、アウェイでも勝てるようにしたい。

【小笠原 満男】
勝てたことはとても良かったけど、まだ何も手にしていない。決勝への切符を取っただけ。そこで勝ってこそ、だと思う。試合運びには課題がある。勝って喜ぶだけじゃなくて、しっかりと修正しないといけない。決勝ではお互いのホームで1回ずつ試合をできるので楽しみ。いい試合をしたい。そして、次もしっかり勝ちたい。

【西 大伍】
応援の力がすごかった。僕たちを動かしてくれた。サッカーに関わる人たちは「アントラーズは勝負強い」というと思う。自分たちもそれを信じてやれている部分がある。決勝ではホームに帰れるので、勝つことはもちろん、来た人に何かを感じ取ってもらえるような試合をしたい。

【土居 聖真】
全体の意識として、先に点を取られたら終わりという意識があった。欲を言えば追加点を取りたかったけど、次に進むために最低限のことはできたと思う。それがアントラーズらしさだと思う。

【山本 脩斗】
立ち上がりから、ボランチを含めて「前から行こう」と話していた。(得点の場面は)ニアに速いボールを入れることを意識していた。見えてはいなかったけど、夢生がうまくヘディングで決めてくれて良かった。1点を取ってからは相手が出てきたので難しくなったが、90分間、集中を切らさずにできたことが勝因だと思う。

【昌子 源】
ソッコとは「どんなに攻め込まれても、お互いに声を掛け合って守ろう」と話していた。想定通りだったし、うまくハマったかなと思う。先に点を取られると厳しくなるので、思い通りに先制できたのは良かった。攻められる時間も多かったけど、守り切れたことを次につなげたい。

◆大迫勇也がケルンの同僚に和食をご馳走…独メディアも結束強める行動に注目(ゲキサカ)


http://web.gekisaka.jp/news/detail/?203765-203765-fl



 21日、ケルンの地元メディア『ケルナー・シュタット・アンツァイガー』が、ケルンに在籍する大迫勇也の特集記事を公開した。

 大迫は11月中旬の日本代表戦からドイツに戻った後、クラブハウス内のレストラン『Geisbockheim』にチームメイトを招待し、2人の日本人シェフによる和食のおもてなしをする機会があったという。

 前節、敵地で行われたボルシアMGとのダービーで、ケルンは2-1で逆転勝利を収めた。勝ち点を21に伸ばし、ブンデスリーガで4位に浮上。大迫はそのチームの中でアントニー・モデストと前線でコンビを組みながらスタメンに定着し、ここまで第11節までリーグ戦全試合に出場している。

 次節行われるアウグスブルク戦の結果次第では単独3位に浮上する可能性も十分にある。ケルンの選手は和食に舌鼓を打ちながら、優勝争いに向けてチームの結束を高めたようだ。

◆【鹿島】小笠原、CS準決勝・川崎戦へ決意「タイトルを取れるポテンシャルはある」(報知)


http://www.hochi.co.jp/soccer/national/20161122-OHT1T50098.html



 鹿島は22日、Jリーグ年間王者を決めるチャンピオンシップ準決勝川崎戦(23日・等々力)に備え、茨城県鹿嶋市内で約1時間半の練習を行った。練習後には石井正忠監督、MF小笠原満男、DF昌子源がそれぞれ会見。年間勝ち点3位からの逆転優勝を目指し、準決勝突破する決意を口にした。

 小笠原はチーム、個人とも「ばっちりです」と順調に調整が進んできたことを強調。「このクラブは最初から強かったわけではない。タイトルを取ることで強くなってきた。優勝した者にしか分からないものがある。今のチームにも強くなるためにタイトルが必要だし、タイトルを取れるポテンシャルはある」と意気込んだ。

 また、引き分け以下で敗退が決まる一戦について、昌子は「チーム全員が同じ方向を向いてやらないといけない」と意思統一の重要性が勝敗を分けるポイントに挙げた。石井監督も「状況に応じた判断、決断をしなければいけない」と話した。鹿島はそれぞれが、それぞれの立場で勝利に貢献する準備を進めている。

◆鹿島CS会見 小笠原「まだまだタイトルが必要」(ニッカン)


http://www.nikkansports.com/soccer/news/1741670.html



 J1第1ステージ王者の鹿島は22日、翌日に控えたチャンピオンシップ準決勝(対川崎F、等々力)に向けた最終調整を茨城・鹿嶋市内で行った。早朝に福島県沖を震源とする最大震度5弱の地震があり、クラブハウスのある鹿嶋市内は震度4を観測。ホームタウンの1つで、隣接する神栖市の港では10センチながら津波も観測された。その中で、大きな被害はなく予定通り行われた練習では、セットプレーを入念に確認して決戦に備えた。

 雰囲気の良さが笑顔にあふれる練習を見届けた石井正忠監督(49)は「思っていた通りの準備ができました」と納得。昨年10月に、G大阪に3-0で完勝して優勝したナビスコ杯の時と状態を比較し「あの時に近い形、雰囲気です」と自信を見せた。

 主将のMF小笠原満男(37)も「ばっちりです」と言い切った上で「このクラブはタイトルを取って強くなってきたチーム。タイトルを取った者にしか分からない。より強くなるために、まだまだタイトルが必要」。通算18冠につながる決勝進出へ、まずは川崎Fに勝つ覚悟を口にした。

◆鹿島一の働き者DF山本、勤労感謝の日にも汗かく(ニッカン)


http://www.nikkansports.com/soccer/news/1741459.html



 鹿島NO・1の働き者DF山本脩斗(31)が「勤労感謝の日」に行われるチャンピオンシップ(CS)準決勝(23日、等々力)でも、休みなく汗をかき川崎Fを撃破する。21日、茨城・鹿嶋市内で調整し、「自分の持ち味は運動量で貢献すること。質も高める」と所信表明した。

 今季は左サイドバックとして31試合、2782分に出場。Jリーグが発表する1試合の走行距離は、18試合でチーム最多を記録。平均11・252キロはJ屈指。総距離348・806キロは、直線距離では鹿嶋市隣接の霞ケ浦から琵琶湖まで相当する。試合のバス移動に置き換えると、等々力往復に加え、決勝の埼玉への道中とほぼ同じ距離。山本は「そんな距離を走ったと思うとすごいですね。でも驚きはない」と胸を張った。

 この日の紅白戦でも上下動を繰り返して攻守に存在感を示した。小学校6年間で校内マラソン大会負けなしの持久力を持つベテランは「第1ステージ王者として、90分間相手より運動量で上回ればタイトルはとれる」と、まだまだ走り勝つ。【鎌田直秀】

◆鹿島・石井監督、CSへ向け手応え「思った準備できた」(サンスポ)


http://www.sanspo.com/soccer/news/20161122/jle16112216100008-n1.html

練習に励む鹿島・昌子(左)=茨城県鹿嶋市(撮影・福島範和)

 J1年間王者を決める明治安田チャンピオンシップの準決勝は23日午後2時から川崎市の等々力陸上競技場で行われる。鹿島は国内主要タイトル17冠を誇るクラブ。大一番には慣れており、いい緊張感の中で最終調整を終えた。石井監督は「思っていた準備はできた」と手応えを口にした。

 決勝進出には勝つしかない。セットプレーを入念に確認し、長身DF植田を前線に上げるパワープレーも試した。ベンチスタートが濃厚の植田は「自分がどういう立場でも、チームのためにやるだけ」と気合を入れた。

 第2ステージは失速し、川崎に年間勝ち点で13も離された。主将の小笠原は「それとこれとは別。より強くなるためにタイトルが必要だし、そのポテンシャルはあるチーム」と平然と話した。

◆川崎の悲願か、鹿島の伝統か…CS準決勝を勝ち抜くのは?(サンスポ)


http://www.sanspo.com/soccer/news/20161122/jle16112220460012-n1.html

川崎の悲願か、鹿島の伝統か…CS準決勝を勝ち抜くのは?

 特別なモチベーションを備えるチームと、大一番でも平常心でいられるチームによる戦い--。そんな見方ができるかもしれない。23日に行われる川崎フロンターレと鹿島アントラーズのJリーグチャンピオンシップ準決勝のことだ。

 この試合をホームで戦える年間2位の川崎は、引き分けでも決勝に進むことができる。だが、「うちは狙って引き分けられるチームじゃない」とFW大久保嘉人は警鐘を鳴らす。同じ条件で苦い思いを味わったのは、13年ナビスコカップ準決勝だ。ホームで浦和レッズを3-2と下し、アウェーに乗り込んだ第2戦。終始押されっぱなしの展開で、終了間際に失点し、0-1で敗れた。「だから、自信を持っていつもどおりのサッカーができるかどうか」が勝利のポイントだと大久保は言う。

 不安材料を挙げるなら、チームのバイオリズムが下降気味という点だろうか。今季は負けゲームをひっくり返す勝負強さがあったが、終盤を迎えるにつれ、あっけなく敗れる試合が増え、年間1位の座まで浦和に奪われてしまった。また、ケガのため、小林悠は準決勝の欠場が濃厚、大島僚太も出場が微妙な状況だ。

 一方でプラスの材料もある。ひとつは、長谷川竜也や三好康児ら若い選手たちが台頭し、戦力として計算が立つようになったこと。延長・PK戦の末に浦和を下した11月12日の天皇杯4回戦は、まさに総力戦による勝利だった。

 もうひとつは、特別なモチベーションを備えている点だ。念願の初タイトル獲得の大きなチャンス。FC東京への移籍が濃厚だと見られている大久保は「良いイメージのまま終わりたい」という想いが強く、5シーズン指揮を執った風間八宏監督の退任も決まっているため、チーム内には「監督のためにも」という感謝の気持ちもあるだろう。

 そして何より、バンディエラの中村憲剛にカップを掲げさせたいという想いがクラブ内にはある。こうした特別なモチベーションは、チームを奮い立たせる要因になる。

 不安材料という点では、川崎以上に抱えているのが鹿島だ。逆転でファーストステージを制したものの、7月にカイオがUAEに移籍し、8月末には石井正忠監督の退任騒動が勃発。10月22日のFC東京戦など、鹿島らしからぬ試合内容(つまり、まるで良いところがない)で敗れたゲームもあり、セカンドステージは11位に沈んだ。また、負傷を抱えている柴崎岳や鈴木優磨の準決勝への出場も危ぶまれている。

 だが、それでも“ここ一番”に照準を合わせるうまさが、鹿島にはある。

 OBである秋田豊さんがかつて、こんなことを言っていた。「カップ戦決勝とか、チャンピオンシップのような決戦は、鹿島にとって“大好物”」。その言葉を裏付けるように、2010年以降、鹿島はカップ戦(ナビスコカップと天皇杯)決勝の舞台に5度立っているが、そのすべてで戴冠している。

 川崎と鹿島の両チームでプレー経験のあるジュニーニョも「鹿島の凄さは大一番でも普段と変わらぬ雰囲気で臨めるところ」と感心していた。クラブに根付いたこうした伝統、DNAは、簡単に失せるものではないだろう。

 ゲームは川崎が押し込む展開が予想される。だが、ホームの大歓声、大舞台特有の雰囲気にのまれ、川崎のパスワークが弱気になったり、地に足がつかなかったりするようなら、鹿島はたちまち牙をむき、金崎夢生や土居聖真を先鋒役とした鋭利なカウンターを繰り出すに違いない。

 浦和の待つファイナルに進むのは、果たしてどちらか。準決勝のキックオフは11月23日の14時だ。(Goal.com)

◆一発勝負のCS準決勝。 川崎Fと鹿島が抱えるそれぞれの不安材料(Sportiva)


https://sportiva.shueisha.co.jp/clm/football/jleague_other/2016/11/22/vscs/

 いよいよ11月23日、Jリーグチャンピオンシップ(CS)の準決勝が行なわれる。
 対戦カードは年間勝ち点2位の川崎フロンターレと、3位の鹿島アントラーズ。川崎Fのホーム等々力での1発勝負の戦いとなる。



 昨年に続いて2度目の開催となるこのCSだが、準決勝のレギュレーションに変更ポイントがある。それは、年間順位の優位性をより大きく反映させるために、90分で同点に終わった場合は年間順位の上位チーム、つまり川崎Fが決勝へと勝ち上がれるのだ。

 浦和レッズとガンバ大阪の対戦となった昨年のCS準決勝は、1−1のまま90分では決着がつかず、延長に突入。延長で2点を奪ったG大阪がファイナルへと進出した。年間2位だった浦和にとっては酷な結果となったことを受けて、今季はよりリーグ戦の順位を考慮したルールが採用されることとなった。

 もっとも、引き分けでもいい川崎Fにその意識が強すぎると、アドバンテージが裏目に出るおそれもある。とりわけ同点のまま終盤を迎えれば、勝つしかない鹿島がなりふり構わずリスクを負って攻めてくることが予想される。そこで川崎Fが守勢に回って受け身となれば、鹿島の思うツボだろう。

 同様のレギュレーションで行なわれるJ2の昇格プレーオフの歴史を振り返っても、失うもののない下位チームが上位チームを撃破するケースは決して珍しくない。川崎Fとすれば、持ち味である攻撃性を保てるかどうかが、この準決勝の最大のポイントとなるはずだ。

「引き分け狙いの戦いができるほど、器用なチームではない」と語るのは、キャプテンのMF中村憲剛。たしかに、今季の川崎Fは守備の安定性が高まったとはいえ、そのスタイルやタレントを踏まえれば、撃ち合いこそが彼らの真骨頂。そうした展開に持ち込めれば、勝機はグッと高まるだろう。

 もっとも、シーズンを通して順調に勝ち点を積み重ねて年間2位を手にした川崎Fだが、大事な試合での勝負弱さは、相変わらずだった。1stステージでは、勝てば優勝を決められた第16節のアビスパ福岡戦で引き分け。首位から転落して鹿島に優勝を譲った。同じく、勝利すれば年間勝ち点1位となれた2ndステージの最終節でも2点のリードを守り切れず、G大阪に逆転負け。浦和に勝ち点2及ばず、2位に終わっている。

 また、ケガ人の多さも不安材料だ。FW大久保嘉人と並び、今季のチーム得点王となったFW小林悠は左ハムストリング肉離れでCS準決勝の欠場が濃厚。中村とMF大島僚太もケガから復帰したばかりとあって、状態は万全ではないだろう。シーズン終盤に結果を残したFW三好康児、MF長谷川竜也ら若手の台頭は目覚ましいが、彼らがこの大舞台で普段どおりのパフォーマンスができるかは未知数である。

 今季かぎりで退任する風間八宏体制の集大成、そしてクラブ創立20周年と、川崎Fが初タイトルを獲得するための舞台装置は整っている。とはいえ、それを実現するだけの説得力を欠いている。そう言わざるを得ないのが、川崎Fの現状だろう。
 一方で、タイトルのかかった試合では無類の強さを発揮するのが鹿島だ。国内3大タイトル17冠の実績はやはり伊達でなく、その多くを経験しているMF小笠原満男、GK曽ヶ端準のベテランふたりの存在も心強い。勝ち方を知るチームなだけに、この大一番でもしたたかに試合を運んでいくはずだ。

 ただ、鹿島にも不安が付きまとう。1stステージで優勝を果たしながら、2ndステージでは失速して11位に沈んだ。しかも、シーズンを4連敗で終えるという、不甲斐ない戦いぶりだった。失速の原因は、やはり失点の多さに尽きる。1stステージではわずか10失点だったのに対し、2ndステージは24失点と倍以上に膨れ上がった。もともと堅守のチームがそれを見失ったのだから、低迷も当然だろう。

 希望を見出すとすれば、直近の天皇杯でヴィッセル神戸に勝利したこと。久しく味わっていなかった勝利の喜びが、好転のキッカケとなるかどうか。引き分けでは上がれないレギュレーションも、開き直りを促(うなが)すという意味では、プラスに働くかもしれない。いずれにせよ、守備こそが鹿島の戦いの肝であり、ここをいかに整えるかが、最重要課題となるはずだ。

 今シーズンの直接対決の結果は、川崎Fの1勝1分。相性では川崎F優位と見られるが、ともに絶対的な要素を備えていない以上、勝敗を予想するのは困難極まりない。早い段階でスコアが動けば川崎F、終盤まで膠着(こうちゃく)すれば鹿島。おそらく、そんな試合になるのではないか。

 決勝で待ち受ける浦和にとっても、未知の戦いとなるだろう。唯一、2年連続での参戦となるが、昨年は準決勝で敗退。ホーム&アウェー方式のファイナルは経験していない。今季の戦いを踏まえれば、その安定感は3チームの中で群を抜く。課題の勝負弱さも払拭し、ルヴァンカップ決勝も含め、大事な試合で結果を出せるチームへと変貌を遂げている。額面どおりの力を発揮できれば、浦和が王者に輝く可能性は限りなく高い。

 浦和にとっての不安は、スケジュールと言えるかもしれない。「試合間隔が空いてしまうと勝てないのが浦和レッズ」とMF柏木陽介が冗談めかして話したが、リーグ最終節(11月3日)から決勝の第1戦(11月29日)が行なわれるまで、4週間近くも間隔が空く。11月12日に天皇杯があったとはいえ、それでも2週間以上実戦から離れることとなるのだ。新シーズンを迎える状況に近いとは言いすぎだろうが、シーズンのいい流れを保つには、時間が経ちすぎてしまった感は否めない。

 また、準決勝を勝ち上がったチームのほうが勢いを持って決勝に臨めるだろうし、準決勝と決勝の間隔が中5日とコンディションも整えやすい状況にある。しかも第1戦は準決勝勝利チームのホームで行なわれる。浦和とすれば、ディスアドバンテージな要素が揃ってしまっているのだ。

 もちろん、2戦トータルのスコア、アウェーゴール数が並んだ場合は準決勝同様に延長がなく、リーグ戦上位チームが勝利となるアドバンテージも備わるが、いずれにせよ第1戦は厳しい戦いが予想される。ここを耐えしのぎ、ホームでの第2戦にすべてをかける。そんな展開が、浦和の戴冠へのシナリオとなるのではないか。

◆チャンピオンシップ準決勝直前!鹿島 選手コメント(J'GOAL)


http://www.jsgoal.jp/news/jsgoal/n-00021560/

■FW8 土居聖真選手
僕らは点を取らないことには勝てない。バランスも考えながらやらないといけないですけど、勇気を持ったり果敢にシュートだったりゴールに向かっていくことも必要だと思います。それはフロンターレ以降の試合もそうだし、天皇杯も含めてそう。トーナメントになれば点を決めないと次には行けないので。ある程度ブロックをつくって戦うとき、取ったあとのパスの精度が大切になってくると思います。せっかくいい形で取り切れたのに、すぐに失っては意味がない。僕らFWのプレーもそうだけど、パスの精度も大切になってくる。もし、ポゼッションがうまくできないときは自分が下がってビルドアップに参加するなど、頭を使ってプレーできたら、と思います。

■DF3 昌子源選手
自分にも責任感が出てきたと思います。1stステージの成績があってチャンピオンシップに出られることになった。それを「腰が痛いんでナオやソッコに譲ります」とは言いたくない。天皇杯の神戸戦では健斗(三竿)が新しい風を吹きかけてくれた。今回の試合前も主力組に入るのが当たり前に思ってる。そうやって堂々としてくれるのは、岳(柴崎)とか亮太くん(永木)への刺激にもなってると思う。この間の試合では、カシマスタジアムでの代表戦の翌日でもサポーターが神戸まで来てくれた。いまは“鹿島”の名前だけで勝てるわけがない。「強かった」と思わせるためにはみんなが変えていかないといけないと思う。天皇杯に向けて良い雰囲気でやれていますけど、川崎さんも天皇杯は勢いに乗る勝ち方をしてきた。3回追い付いてPK勝ち。しかも、いつもはやらないパワープレーで得点をあげた。次の試合でもうちが1-0で勝っていたら絶対にパワープレーをして来ると思う。逆に、うちが負けてる状態だったら、CB2人だけを残して「SBも上がれ」となるかもしれない。どんな状況でも対応できるように準備しておきたい。「やっぱり鹿島だったな」と思わせるには絶好の機会だと思う。そう思わせるには勝たないといけない。

■GK21 曽ヶ端準選手
(サポーターが横断幕などを張って練習の雰囲気を盛り上げてくれたことについて)
「サポーターの人たちもゲームに向かって、僕たちに何かしたいという気持ちがそういうところに表れているんだと思いますし、そこに僕たちは応えたいと思う。そういう意味では、練習の雰囲気に、関わりを持ってくれることは嬉しいですし、外部的な要因ではありますけど、ピリッとした空気が生まれるところもあります。自分たち選手だけじゃなく、そういう力を貸してくれるところが、今日の練習でもあったと思いますね」

明治安田生命Jリーグチャンピオンシップ 準決勝
11月23日(水)14:00KO 等々力
川崎フロンターレ vs 鹿島アントラーズ

◆【川崎F vs 鹿島】 鹿島側ウォーミングアップコラム:試合に出る、出ないに関係なく、全員が勝つためにプレーする(J'GOAL)


http://www.jsgoal.jp/news/jsgoal/n-00021500/



チャンピオンシップが近づいてきた。タイトルを賭けた大一番。プロサッカー選手であれば、誰もが出場し、自身の活躍でチームを勝利に導くことを夢見るものだろう。しかし、他の公式戦と同じように同時にピッチに立てるのは11人まで。ベンチ入りできる選手を含めても18人しかメンバーに選ばれない。現在、29人の選手が登録されている鹿島において、11人の選手がメンバーにも入れないことになる。

19、20、21日と石井正忠監督は川崎Fを想定した戦術練習を行ってきた。先発が想定される選手、ベンチ入りが想定される選手、いずれにも該当しない選手、その色分けは誰の目にも明らかだが、チームは一体感を失わずに戦うことができている。21日に行われた紅白戦では、むしろ川崎F役を演じた控え組の方が良いパフォーマンスと思えるほど、試合への出場機会がないかもしれない選手たちのモチベーションも高かった。

「練習でも腐る人がいないことが大事」

そう言ったのは、自身も長い“下積み生活”を経験した遠藤康(写真)だ。主力としてポジションを掴んだのは5年目のシーズンから。07年に加入したチームは、3連覇を成し遂げた選手たちが揃っており、その壁は分厚かったが、チームとして戦うためにはなにが必要なのかよくわかっている。だからこそ、この日、控え組が見せたパフォーマンスに対して感謝を述べていた。

「普段、試合に出てない選手が紅白戦でああやってくれる。僕ら主力組がそれに負けないようにしないといけないんだけど、全員が“川崎Fに勝ちたい”という気持ちを持つことが大事になると思います」

控え組からのスタートとなった伊東幸敏は、「鹿島だからこそ、じゃないですか」と胸を張る。

「ここまで来たら、試合に誰が出るとかじゃなく、チーム全体の一体感が大事になると思ってます。みんなで同じ方向に向かって、勝ちたいという気持ちを出す。そういう雰囲気のチームが勝つと思います」

鹿島は鹿島らしく、ファミリー全体で決戦に挑む。

文:田中滋(鹿島担当)

■合わせて直前選手コメントもどうぞ。

明治安田生命Jリーグチャンピオンシップ 準決勝
11月23日(水)14:00KO 等々力
川崎フロンターレ vs 鹿島アントラーズ

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