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J1 1st 第7節 vs 神戸
鹿島、ホームで連勝ならず。柴崎が同点弾も、神戸に敗れる。
アウェイ2連戦から帰還した選手たちは、ホームで連勝街道を走り始めることはできなかった。J1 1st 第7節でヴィッセル神戸と対戦すると、後半立ち上がりに先制され、柴崎のゴールで一時は追いついたものの、セットプレーから勝ち越されて1-2で敗れた。
鹿島は4月に入って4勝1分と、上昇気流に乗っている。シドニーから帰国してから、中2日で迎えたホームゲーム。過密日程の中、セレーゾ監督は「準備期間はほとんどないものと認識している。それでも、選手たちは勝利への意欲を表現してくれる」と、信頼を語った。4日前のウェスタン・シドニー・ワンダラーズ戦から、先発メンバーの変更は1選手のみ。センターバックに昌子が復帰し、ファン ソッコとのペアで堅守を誓う。最後尾は曽ヶ端、右サイドバックは西、左サイドバックは山本。ボランチは柴崎と青木のコンビで、2列目にはカイオと土居、遠藤が並ぶ。そして前線には、シドニーの夜に値千金の逆転ゴールを決めた金崎が入った。
久しぶりに迎えた、週末のデーゲーム。穏やかな天気に恵まれたカシマスタジアムには、ゴール裏をアントラーズレッドに染めたサポーターの歌声が響き渡った。14時4分、選手たちはキックオフの笛を聞いた。コイントスに勝った神戸がエンドを変更したため、サポーターの待つゴール裏へ攻める形となった前半、立ち上がりは神戸に押し込まれた。サイドからクロスを上げられ、シュートを打たれる場面が続いたが、曽ヶ端が安定したプレーでゴールを許さない。「良い流れを切らさないようにしたい」と、意気込んでいた昌子も、ファン ソッコとの好連係で、最終ラインからチームを支えた。
最初のチャンスは19分に生まれた。右サイドをオーバーラップした西が、早いタイミングでクロスボールを送ると、走り込んでいたのは柴崎。ニアサイドに飛び込み、相手GKの前でボールに触れたものの、シュートは惜しくも阻まれてしまった。
鹿島はなかなか決定機を作れずにいたが、激しいボディコンタクトの応酬となる中、集中力を保って神戸に自由を与えない。39分には土居のドリブルから右サイドへ展開し、遠藤が得意の位置からシュートを放ったが、枠を外れた。前半はスコアレスで終了し、後半に勝負をかけることとなった。
後半開始時から、セレーゾ監督は小笠原をピッチへ送り出し、柴崎とのボランチコンビに勝利を託す。しかし、先制点は神戸のものだった。49分、最終ラインの背後へ浮き球のパスを通され、中央へ折り返されると、最後は小川にフリーで決められた。立ち上がりの失点で、鹿島がビハインドを負った。
1点を追う展開となり、セレーゾ監督は56分に今季初出場となる伊東を投入。西を左サイドバックへ配置転換し、打開を図る。63分には、カイオが強烈な右足ミドルシュートを放ったが、惜しくも枠の左へ。65分には、伊東が右サイドをオーバーラップしてパスを受けると、相手GKの位置を見てゴール方向へクロスを飛ばしたが、弾き出されてしまった。
鹿島はボールポゼッション率を高めながらも、同点弾を決められずにいた。セレーゾ監督は70分に高崎を投入し、攻撃陣を入れ替えて活性化を図る。すると直後の71分、待望のゴールが生まれた。柴崎がペナルティーエリア右手前から縦パスを入れると、出場間もない高崎からのリターンを受け、左足を一閃。正確なシュートでゴール左隅を射抜き、スコアを1-1とした。
柴崎の鮮やかなゴールで同点に追いつき、鹿島はサポーターの声援を背に、逆転弾を目指した。しかし、次の1点は神戸が記録した。77分、セットプレーから、ゴール前に浮き上がったボールに曽ヶ端が反応。キャッチングを試みたが、高崎と接触してボールをこぼしてしまう。こぼれ球を田中に押し込まれ、勝ち越されてしまった。
ミスから負った2度目のビハインドを挽回すべく、鹿島は82分に波状攻撃を仕掛ける。伊東がゴールライン際までオーバーラップし、中央へ折り返すと、ゴール前で混戦に。金崎のシュートはゴールラインを割ったように見えたが、ゴールは認められず、こぼれ球へのプッシュも同様だった。金崎は気持ちを前面に出して戦い続けたが、終了間際には2枚目のイエローカードで退場に。10人となった鹿島は、2点目を奪うことができず、タイムアップのホイッスルを聞くこととなった。
鹿島は1-2で神戸に敗れ、リーグ戦では5試合ぶりの黒星を喫した。悔しさがにじむ中、サポーターは失意の選手たちをチームコールで見送り、次戦での奮起を促した。下を向く時間はない。次節は4日後の仙台戦となる。アウェイでの戦いとなるが、総力戦で勝利を収め、再び這い上がらなければならない。
【この試合のトピックス】
・柴崎が今季リーグ戦2ゴール目を決めた。
・青木が今季のリーグ戦で初めて、先発出場を果たした。
・小笠原が後半開始時から出場。リーグ戦では3月14日の第2節、湘南戦以来の出場だった。
・伊東が56分に途中出場。今季、リーグ戦とACL合わせて、初めての出場を果たした。
監督コメント
[ハーフタイム]
鹿島アントラーズ:トニーニョ セレーゾ
・ボールを受けることを恐れるな。積極的にアクションを起こせ!
・ホームでの残り45分、各自が責任をもって仕事を全うすること。
・勝利に対する執念を持て!球際の戦いは必ずものにしろ。
ヴィッセル神戸:ネルシーニョ
・いい守備を継続するためには、奪ったあとのつなぎが大事。
・マイボールになったら自信を持ってつないでいこう。
・ボランチは下がりすぎないこと。
[試合後]
鹿島アントラーズ:トニーニョ セレーゾ
・(悔やまれる形での2失点だったが、守備への評価は)確かに失点という事実は表れているが、組織としてのミスではなく、大半が個人のミス。現在の戦力で戦っていかなくてはならないし、CBは若い選手なので駆け引きなど時間をかけて指導していかなくてはいけない。1人前になるまで育成していくことが、方針だ。
・(前半、攻撃でいい場面がなかったが)前半はただボールを奪うためだけのバトルで、両チームともサッカーのゲームをしていなかった。ACLで厳しい戦いをし、長距離の遠征をしたこともあり、後半に仕掛けるというプランだったが、先制されたことで崩れてしまった。同点に追いつくためにギアを1つ上げてもらった。後半の途中からポジション的に足が止まり、精度が落ちたところがあった。正直、あまり見ごたえのある試合ではなかった。行ったり来たりで、サッカーに関する判断力やエッセンスが足りなかった。
ヴィッセル神戸:ネルシーニョ
今日の相手はリーグ戦の勝ち点も同じで、質も高いチームなので、しっかりとした準備をして臨んだ。やはり危険な攻撃力があると感じたが、我々も準備してきたことを迷わずにしっかりとできた。相手が攻撃のときに両サイドバックの西選手と山本選手が、我々の陣地に深く入ってくるので、ウチがうまく守備をした後、前線に残った小川がそのスペースに飛び出していくという、狙い通りのプレーができた。
選手コメント
[試合後]
【曽ヶ端 準】
相手は5-4-1の形で、自陣に引いてからカウンターという狙いだったと思う。2失点目ではもちろん声を出していたが、失点につながってしまった。先制されて、同点に追いつくまでは良かったが…。失点ゼロが全てではなく、勝つことが全てではある。ただ、無失点で終えることが、勝利に近づくことは間違いない。連戦だし、次、頑張ります。
【西 大伍】
もう少し、パスを回していきたかった。敵陣でボールを回して、1-0で勝つ試合をできれば良かったが、できなかった。自分も含めてミスが多かったし、防げた失点だったと思う。ホームで負けたくなかったし、今は本当の強さが試されていると思う。
【土居 聖真】
次の試合はすぐにやってくるので、下を向かずに切り替えてやっていきたい。もっとミドルシュートを打つことができれば良かったが、ペナルティーエリア内でクロスだけ、というような単調な攻撃になってしまった。
柴崎選手のコメントは、アントラーズモバイルをご覧ください。