日刊鹿島アントラーズニュース

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2022年5月17日火曜日

◆Jリーグが「声出しエリア」設置へ!! 6月のルヴァン杯カシマ、J2味スタが対象に決定(ゲキサカ)






 Jリーグは17日、公式試合で制限されていた声出し応援の解禁に向けて、6月上旬から「声出し応援エリア」「声出し応援席」を段階的に導入していくことを決めたと発表した。

 Jリーグは政府の基本的対処方針に基づき、6月上旬から7月にかけて数試合で運営検証を行っていく予定。ステップ1の対象試合には、6月4日か11日に行われるルヴァン杯プレーオフステージの鹿島アントラーズ戦(カシマ、対戦相手は後日決定)、同12日に行われるJ2第21節東京ヴェルディ対いわてグルージャ盛岡戦(味スタ)の2試合が決まっている。

 Jリーグによると、対象試合では観戦席の一角を座席間隔を広く保った「声出し応援可能エリア」として指定し、指定エリア内の座席(声出し応援席)を購入された来場者に限り、不織布マスク着用のうえで声を出して応援できる。声出し応援エリアでは当面の間、食事・飲酒は禁止(ソフトドリンクは可)され、対象座席以外では声出しは引き続き禁止される。

 声出し応援エリアが設けられる試合では来場制限を実施。観客収容人数は「スタジアム全体の収容率が5000人もしくは50%の大きいほう」を上限とし、さらに声出し応援エリア自体にも人数上限が設けられる。

 17日、メディアブリーフィングに出席した野々村芳和チェアマンは「フットボールは多くの皆さんが熱量を実感できてこそいい作品になる。国内では難しい状況というのもあるが、一つずつステップを踏むと先が見える。まだまだ国内においては安心を担保しないと参加できない方もおられるので、そこの線引きをどう運営サイドでマネージできるかをやっていきたい」とした上で「パッと変えられればそれに越したことはないが、政府の基本的な対処方針に基づいてやっていくことを実行委員会で再確認し、サッカーを守っていこうと共有した」と話した。

(取材・文 竹内達也)




◆Jリーグが「声出しエリア」設置へ!! 6月のルヴァン杯カシマ、J2味スタが対象に決定(ゲキサカ)


◆上田ら強力な攻撃陣を支える“中盤のエンジン”たち 鹿島が誇るパスとボール奪取を両立させる樋口・ピトゥカコンビ(the WORLD)






正確なパスに加え守備でも活躍できる


ここまで13試合を消化して首位に立つ鹿島アントラーズ。攻守ともに抜群の安定感を持っており、勝ち点28ポイントで川崎フロンターレ、横浜F・マリノスら優勝候補を上回っている。

今季の注目度でいえば前線の上田綺世と鈴木優磨のコンビが話題に挙がることが多い。2人でここまで14ゴールは驚異的であり、鹿島の攻撃をけん引している。ただ、忘れてはならないのは彼らにボールを供給する選手たちだ。それが樋口雄太とディエゴ・ピトゥカの中盤である。

今季サガン鳥栖から加入した樋口。正確なパスを武器に好機を演出できるパサーであり、4-1と快勝となった北海道コンサドーレ札幌戦では3本中2本のクロスを通し、ロングボールでは5本中4本を成功させるなどさすがのキック精度を見せた。鳥栖出身ということもあって運動量が豊富で、強度の高い中盤である。

ピトゥカは昨シーズン加わり、初年度ながら26試合に出場して2ゴール3アシストと得点にも貢献している。彼の強みは一人で相手をはがせる推進力と正確なパスだ。178cmと特別大きな選手ではないが、懐の深いキープ力は素晴らしく札幌戦では2人に囲まれるもその守備をものともせず、その流れからパスで好機を生み出した。カウンターの起点になれる選手で、自陣でボールを奪えば一気に前線にパスを展開する。鈴木をはじめ前線の選手の動き出しも相まってピトゥカからのロングカウンターは鹿島の一つの武器である。

昨季はシーズン途中からギアを上げ、4位でフィニッシュした鹿島。今季は鈴木や樋口ら新加入選手がすぐにチームにフィットしたこともあってチーム力は確実に成長している。特に中盤で攻守両面に輝ける選手の貢献度は素晴らしく、このまま失速せず突き進むことはできるのだろうか(データは『SofaScore』より)。




◆上田ら強力な攻撃陣を支える“中盤のエンジン”たち 鹿島が誇るパスとボール奪取を両立させる樋口・ピトゥカコンビ(the WORLD)


◆ピトゥカの周りに歓喜の輪…支え合う姿勢目立つ鹿島DF三竿健斗「家族なのでそれは当然」(ゲキサカ)






[5.14 J1第13節 鹿島 4-1 札幌 カシマ]

 前節の広島戦では0-3の大敗を喫していた鹿島アントラーズだったが、この日は前半から鬱憤を晴らすかのようなゴールラッシュを披露。北海道コンサドーレ札幌を4-1で破った。

 試合後、MF三竿健斗は「負けた後の振る舞いが非常に大事。負けを引きずるのか、自分がもっとやらないといけないと奮起するのかでだいぶ変わってくる。今週はみんなが『俺がやらないといけない』という強い気持ちを練習から出していた。負けた後の姿勢が大事」とチームが見せたリバウンドメンタリティーを誇り、「次は勝った後の姿勢でより上に行けるようにしたい」と力を込めた。

 完封負けに終わった広島戦から1週間、積み上げてきたものは前半6分に早くも結実した。中盤を起点としたショートカウンターからMFディエゴ・ピトゥカがスルーパスを送ると、これに抜け出したFW上田綺世が右足でゴール。「前への意識がすごく薄れていたので、1週間準備する中でもう一度そこを大事にしようと話していた。入りからみんながすごく前向きに、前を選択するプレーを多くできた」(三竿)。前節の反省を活かしたゴールだった。

 ゴールが決まった直後には、アシストしたピトゥカの周りに自然と歓喜の輪ができあがった。ピトゥカは4月上旬、交代時に蹴り上げたボトルがスタンドの観客に向かったことで、6試合の出場停止処分を受け、約1か月間の戦線離脱を経験。この日、ようやく先発復帰を果たしたMFのアシストに、チームメートから大きな祝福が贈られた形となった。

 ピトゥカが加入した昨季は主将を務め、今季は多くの試合でゲームキャプテンを担うFW鈴木優磨や新主将のMF土居聖真をサポートする形でチームを統率しているDF三竿健斗はブラジルからやってきたMFへの思いを明かす。

「彼はすごく情熱的で熱い男。あの行動は良くはないと思うけど、彼自身もわざとやったわけではない。みんなも彼の人間性はわかっている。1か月以上の出場停止はあったけど、練習からまたずっと一所懸命取り組んでいたので、スタメンに戻ってアシストしたというところで僕もすごくうれしかった」。

 そうしたチームメートの支えの甲斐あってか、さらにノリに乗ったピトゥカは前半25分、またしても絶妙なスルーパスをMFアルトゥール・カイキに通し、FW鈴木優磨の追加点につながるPK獲得をお膳立て。自身の離脱とともに導入された4-3-1-2システムのトップ下としても、大きな存在感を発揮できることを証明した。

 今季の鹿島ではこのように、目に見える形で互いが熱く称え、支え合う場面がたびたび見られる。シーズン序盤にプロ監督未経験ながら代理指揮官を務めた岩政大樹コーチとのゴールセレブレーションや、失点につながるミスをしたDF関川郁万へのフォロー、出場機会を得られずもがくMF荒木遼太郎へのサポート、得点を渇望するFW染野唯月への叱咤激励、新たなスタイルへの適応に奮闘するDFキム・ミンテへの声かけなど、鈴木や三竿を中心にその態様や手法はさまざまだ。

 今季は開幕から全試合フルタイム出場が続くDF安西幸輝も、昨季の不調時にそうした支えを受けてきたのだという。「これまでうまくいかないことが続くことがサッカー人生でもあまりなかったので、悩んだし、苦しい気持ちもあった。でも優磨だったり健斗だったり、昔から一緒にやってきたやつらが鹿島を強くしようと支えてくれている」。この日の試合後、今季のパフォーマンスの要因を問われた背番号2はそう感謝を語った。

 こうした関係性について、三竿は「家族」という言葉を使いつつ次のように語った。

「やっぱり毎日一緒にいるので、良い時も悪い時も一緒に過ごしているし、何を思っているのかとか、その時の感情というのも、毎日一緒にいるからこそ一番わかる。苦しんでいる人がいたら助けるのは当然だし、家族なのでそれは当然かなと思う」。ここまで13試合で3敗を喫しながらも、粘り強く勝ち星を積み重ねることで首位に立つ今季の鹿島。レネ・ヴァイラー新監督のもと、激しく厳しく闘うスタイルの土台を支えているのは家族のような一体感だ。

(取材・文 竹内達也)





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