日刊鹿島アントラーズニュース

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2017年2月2日木曜日

◆アントラーズの監督が教えてくれた、強い組織ができるまで(文春オンライン)




 昨シーズン、Jリーグと天皇杯を制し、他クラブを圧倒する「19」のタイトルを獲得した鹿島アントラーズ。クラブOBである石井正忠監督は4-4-2のシステムから日々のトレーニングまで伝統を重んじ、「強い鹿島」を復活させた。就任して1年半で、3つのタイトルを手にした彼が思う鹿島アントラーズの組織力とは――。



――クラブハウスのロッカーの入り口には、ジーコの教えをつづった『「献身」「尊重」「誠実」=ESPIRITO(ポルトガル語で「精神」の意味)』が掲げられています。石井監督はジーコからどのような影響を受けてきましたか?
「個人的には勝負に対する執着心が、ジーコイズムの根本にあると思っています。練習から一つひとつの勝負にこだわり、基本的なことを突き詰めてやる。たとえばプレッシング一つとっても、パス一つとってもプレーの質にとことんこだわるということですね」
――ジーコのプレーから学んだ、と。
「あの人は難しいプレーをやりません。基本的なことを判断良く、正確にやる。僕はそう学び取りました。先のCWC(クラブワールドカップ)でもレアルのモドリッチを見てもそうですよね。シンプルなプレーを心掛けつつ、判断がいい。凄く動く選手だし、技術もしっかりある。本当に素晴らしい選手だと感じましたね」

影響を受けた監督を一人挙げるなら……

――石井監督は02年からフィジカルコーチ、アシスタントコーチとしてブラジル人監督のもと働いてきました。影響を受けた監督を一人挙げるとすれば。
「オズワルド(・オリヴェイラ=07年から史上初の3連覇を達成)でしょうね。彼は選手にああしろ、こうしろとはあまり細かくは言わなかった。選手の自主性を引き出そうとする考え方は、僕とかなり近いんじゃないかなと思います。選手だけじゃなく、コーチ、スタッフに対しても同じような姿勢でしたし、僕もその一人として凄くやり甲斐を感じながらやらせてもらっていましたから」
――オリヴェイラは選手のモチベーションを高めるために、選手には内緒にして家族のメッセージつきビデオをミーティングで流したりしていましたよね。
「僕もそういう映像を一緒になってつくっていました。オズワルドも『何かいいアイデアはないか』って、常に選手のモチベーションを高めることを考えていた人でした」
――現在のコ―チは大岩剛、柳沢敦、羽田憲治、古川昌明と全員クラブOBですね。
「コーチのみんなにはそれぞれのキャラクターを出していってもらって、やり甲斐を感じてやってもらえればいいかなって思いますね」

すべての部署がタイトル獲得に向けて本気

――鹿島と言えば、組織の強さがあると思います。鈴木満強化部長いわく「編成は強化の仕事」。厚すぎず薄すぎずの編成を心掛けることによって若手にもチャンスが与えられるような枠組みにしています。また強化部門だけではなく、事業や運営も現場とのコミュニケーションが非常に多いように感じます。
「鹿島というクラブは現場だけじゃなく、すべての部署がタイトル獲得に向けて本気で取り組んでいます。たとえばCWCの登録メンバーは23人のみでした。でも強化は登録外の選手も全員、大会に連れていくという判断をしてくれました。これは全員で勝つんだぞというメッセージ。クラブにはとても感謝しています」
――強いチームをつくるには何が大切だと思いますか?
「ウチのクラブで言うならば基本的な部分を突き詰めることプラス、闘う姿勢、勝負をあきらめないことを90分やり続けることができるかどうかじゃないですかね。それも全員でやらなければならないということ。組織としては、クラブが一体となってタイトルを本気で目指すということだと思います」
――座右の銘じゃないですけど、好きな言葉はあります?
「アントラーズのスポンサーであるイエローハットの創業者・鍵山秀三郎さんのメルマガ『鍵山秀三郎一日一話』のタイトルにもなっている『ひとつ拾えば、ひとつだけきれいになる』という言葉とか、『凡事徹底』でしょうか。当たり前のことをコツコツやり続けることが大切なんだとあらためて感じています」
――これまで石井監督が語っていることとうまくリンクしている言葉ですね。
「そうだと思います。基本を毎日、積み重ねていくことが大切ですから」



バルセロナの守備の個人戦術が僕は好きですね

――失礼ですが、石井監督には真面目というイメージを持ってしまいます。息抜きできる時間などありますか?
「自宅で海外のサッカーを観るときが、いい息抜きですね。勉強もかねて」
――サッカーを観るのも仕事じゃないですか!
「いやいや息抜きです、本当に(笑)。小学3年生の娘が寝る9時ぐらいに僕も寝て、午前3時に起きて欧州の試合を観るのが好きなんです。だってテレビを独占できますし、じっくり大好きなサッカーを誰にも邪魔されずに観ることができるわけですから」
――どこのチームを観ることが多いですか。
「好きなのはバルセロナです。パスワークもいいですけど、ボールを奪いに行く守備の個人戦術が僕は好きですね。勉強になります」
――では最後に。今シーズン、チームとして個人としてどのような目標を立てていますか?
「どのタイトルも取りに行くのが鹿島ですが、まだ取ってないACL(AFCチャンピオンズリーグ)は取りたいですね。アジア王者として、またCWCに出たいです。CWCは最高の舞台でしたから、絶対にまた出たい。個人的には、監督という魅力ある仕事を長くやっていくためにも経験値を上げていければいいかなと思います」



いしい・まさただ 1967年生まれ。千葉県出身。選手としてはJ1通算95試合出場3得点。93年のJリーグ開幕年にはボランチとして活躍し、ファーストステージ優勝に貢献。現役引退後、アントラーズのコーチに就任し、2015年7月より現職

写真=杉山拓也/文藝春秋

◆鹿島、今季国内初戦を快勝! 鈴木&金崎のゴールで長崎を破る(サンスポ)


ゴールを決め笑顔を見せる鹿島・鈴木=三ツ沢公園陸上競技場(撮影・長尾みなみ)

 Jリーグ・DAZNニューイヤー・カップ宮崎ラウンド第1日(鹿島2-0長崎、2日、KIRISHIMAハイビスカス陸上競技場)タイ遠征を1勝1敗で終えた昨季のJ1王者・鹿島が今季国内初戦に臨み、FW鈴木優磨(20)のゴールなどで長崎に快勝した。

 鹿島は前半15分、左サイドからFW金崎夢生(27)の折り返しがFW鈴木の前に流れ、シュート。右足で振りぬいたボールはゴール右側に決まり先制した。前半途中にMF永木亮太(28)が脚に違和感を訴え交代した。

 後半に入ると序盤は長崎ペース。しかし、同21分に今季新潟から加入したMFレオ・シルバ(31)のスルーパスに反応した金崎が抜け出し、シュート。冷静にゴール右隅に決めリードを広げた。

 石井正忠監督(50)は「まだ全体的にはボールの動かし方とか判断が遅かった部分があった。しっかり無失点に抑えられたことは良かった」と試合を振り返った。ゴールを決めた金崎は「まだまだ改善するとこはあると思いますが、公式戦に向けてしっかりいい準備ができたらいいなと思います」と話した。

 同会場で行われた横浜FC-福岡は、3-0で横浜FCが勝った。前半は0-0で折り返したが、後半にFW大久保哲哉(36)らがゴールを奪い快勝した。

http://www.sanspo.com/soccer/news/20170202/jle17020216060010-n1.html

◆鹿島がニューイヤー杯宮崎ラウンドに登場…鈴木&金崎弾で長崎を下す(サッカーキング)




 2017 JリーグDAZNニューイヤーカップの宮崎ラウンドが2日に開幕し、V・ファーレン長崎(J2)と鹿島アントラーズ(J1)が対戦した。

 宮崎ラウンドには、横浜FC(J2)、アビスパ福岡(J2)、長崎、鹿島の4チームが参加。長崎は新加入のGK増田卓也やスペイン人FWファンマらが先発に名を連ねた。一方、昨季のJ1王者・鹿島も、DF三竿雄斗やMFレアンドロといった新戦力がスタメンに起用されている。

 試合開始からボールを保持するのは鹿島。まずは4分、細かいパス回しから右サイドに展開し、西大伍がクロスを上げるが、味方には惜しくも合わず。

 15分には鹿島が試合を動かす。町田浩樹が敵陣で相手からボールを奪って左サイドを持ち上がり、金崎夢生とのパス交換で突破を図る。このパスが長崎DFに当たって鈴木優磨の前にこぼれると、鈴木は落ち着いて右足アウトサイドでゴール右隅に突き刺した。

 1点を追う長崎は31分、ゴール前で木村裕の落としを受けた澤田崇がシュートを放つが、これはゴール上に外れ、チャンスを活かすことができない。

 36分には鹿島にアクシデント。キャプテンマークを巻いていた永木亮太が負傷し、レオ・シルバと交代になった。

 後半に入るとまずは長崎が攻めに出る。52分、ファンマが左サイドの裏に蹴り出されたボールを相手に競り勝ってキープ。クロスを上げると右サイドで待っていた島田譲がボレーで合わせるが、枠を捉えることができない。

 65分、鹿島はレオ・シルバのラストパスに金崎が抜け出す。これを金崎が冷静にゴールへ流し込み、鹿島がリードを2点に広げた。

 試合終盤は一矢報いたい長崎がサイド攻撃でチャンスを作り出すが、堅い守りを見せた鹿島がこれをシャットアウト。2-0で鹿島が完封勝利を収め、今大会白星発進となった。

 次戦は4日に行われ、長崎が福岡と、鹿島は横浜FCと対戦する。

【スコア】
V・ファーレン長崎 0-2 鹿島アントラーズ

【得点者】
0-1 15分 鈴木優磨(鹿島)
0-2 65分 金崎夢生(鹿島)

https://www.soccer-king.jp/news/japan/jl/20170202/548624.html?cx_cat=page1

◆「いい部分もあった」金崎がレオ・シルバのアシストで追加点、鹿島は長崎を2-0完封(ゲキサカ)


[2.2 DAZNニューイヤー杯宮崎R 長崎0-2鹿島 宮崎県陸]

 2017JリーグDAZNニューイヤー杯・宮崎ラウンドが2日、KIRISHIMAハイビスカス陸上競技場で行われ、鹿島アントラーズはV・ファーレン長崎に2-0で勝利した。

 昨季Jリーグ王者の鹿島は4-4-2のフォーメーションで、GKに曽ヶ端準、最終ラインは右からDF西大伍、DF植田直通、DF町田浩樹、DF三竿雄斗。中盤はMF永木亮太とMF三竿健斗がダブルボランチを組み、右サイドハーフにMFレアンドロ、左サイドハーフにMF鈴木優磨、2トップはFW赤崎秀平とMF金崎夢生のコンビだった。

 前半15分に鹿島が試合を動かす。町田がドリブルで左サイドを持ち上がり、PA左の金崎にパス。ゴール前に走り込む町田へのリターンを狙った金崎のパスはDFに当たったが、こぼれ球を鈴木が右足アウトサイドでゴール右下隅に突き刺した。

 今季から9番を背負う鈴木の技ありゴールで先制した鹿島だが、3-4-3のシステムを敷く長崎も1トップに入った新戦力のFWファンマが起点となり、徐々に流れを引き寄せる。前半32分にはMF飯尾竜太朗の右クロスからMF木村裕が落としたボールをMF澤田崇が右足ダイレクトで狙ったが、シュートはゴール上に外れた。

 鹿島はキャプテンマークを巻いた永木が前半33分に負傷交代するアクシデント。代わって新潟より加入したMFレオ・シルバがピッチに送り込まれた。しかし、前半終了間際は再び長崎が攻勢を強め、木村がファンマとのワンツーからPA左のMF古部健太にパスを送るが、古部の左足シュートはDFのブロックに阻まれた。

 長崎は後半開始から飯尾に代えてMF中村慶太を投入。後半8分、古部のロングフィードをキープしたファンマが左サイドからファーサイドに折り返し、MF島田譲が左足のダイレクトボレーで狙ったが、シュートは枠を捉えられなかった。良い時間帯でゴールを奪えない長崎に対し、鹿島はチャンスを確実にものにする。後半20分、赤崎からパスを受けたレオ・シルバのスルーパスに金崎が反応。冷静に右足でゴール右隅に流し込み、追加点を奪った。

 2-0とリードを広げた鹿島は後半23分にFW金森健志、同24分にFWペドロ・ジュニオールを投入。さらに後半26分にはMF田中稔也、MF土居聖真、同31分にはDF昌子源、MF小笠原満男と立て続けに交代のカードを切った。直後の31分には西からスルーパスを受けた金森はPA内右で切り返し、左足でシュート。決定的な場面だったが、DFに当たったボールはGKに止められ、3点目とはならなかった。

 それでもそのまま2-0の完封勝利でDAZNニューイヤー杯宮崎ラウンド初戦を制した鹿島。2得点目を決めた金崎は試合後のインタビューで「まだまだ改善するところはいっぱいある。公式戦に向けて、いい準備ができたら」と気を引き締めた。新戦力であるレオ・シルバのアシストから生まれた追加点。「いい部分もいくつかあったので、もっとよくしていけたら。仕上がりは問題ない。続けて頑張ります」と、順調な調整ぶりをアピールした。

http://web.gekisaka.jp/news/detail/?208766-208766-fl

◆2017Jリーグ DAZN ニューイヤーカップ第1戦(オフィシャル)


DAZN ニューイヤーカップ

鈴木と金崎が決めた!鹿島、ニューイヤーカップ初戦で長崎に完封勝利!

1月31日に宮崎キャンプをスタートした鹿島が、国内での今季初戦に臨んだ。JリーグDAZNニューイヤーカップ 宮崎ラウンドの第1戦でV・ファーレン長崎と対戦すると、15分に鈴木、66分に金崎がゴールを決めて2-0と勝利。大会初戦を白星で飾った。

鹿島は1月22日から27日にかけてタイキャンプを実施。Jリーグ アジアチャレンジinタイ インターリーグカップに出場し、1勝1敗という結果で終えた。新戦力のレオ シルバやペドロ ジュニオール、レアンドロが挨拶代わりのゴールを決めるなど、多くの収穫を得るとともに、各選手が自らの状態を確かめ、課題を胸に帰国することとなった。

27日の帰国後、28日にはクラブハウスでトレーニングを行った選手たちは、29日に昨季の優勝記念イベント、必勝祈願を実施した。1万5000名が駆け付けた優勝パレードで祝福と熱い声援を受け、チームは新シーズンへの決意を新たにした。そして31日に宮崎へ移動。2月1日にはさっそく2部練習を敢行し、コンディションと戦術理解度を高めるチャレンジを続けている。 



宮崎キャンプ3日目で迎える国内での今季初戦。石井監督は「練習でコンビネーションのプレーをすると、レベルの高さを感じる。イメージを共有できている」と、高水準のポジション争いと競争意識の高まりに手応えを示していた。「試合をやりながら、コンディションをどんどん上げていきたい」という目的を果たすべく、プレシーズン3試合目となる一戦に臨む。先発メンバーには、GKに曽ケ端、最終ラインは右から西と植田、町田、三竿雄斗が並ぶ。ボランチは永木と三竿健斗のペアで、2列目には右にレアンドロ、左に鈴木。そして前線は赤崎と金崎のコンビが指名された。ベンチにはGKの小泉、昌子、伊東、レオ シルバ、土居、田中、小笠原、ペドロ ジュニオール、金森が控えている。 



青空に恵まれたKIRISHIMAハイビスカス陸上競技場。11時キックオフの横浜FCと福岡の一戦を終えたばかりのピッチで、真新しいトレーニングウェアに身を包んだ選手たちがウォーミングアップを行った。雄斗が得意の左足で強烈なシュートを突き刺すなど、試合に向けてボルテージを高めていく。そして14時3分、キックオフのホイッスルが鳴り響いた。

タイでの2試合では身体の重さが目立ったが、この日の鹿島は立ち上がりから積極的に攻勢をかけた。4分には右サイドの背後を取った西がゴールライン際からクロスを上げてチャンスを演出。13分には金崎のポストプレーから鈴木、雄斗と経由してクロスを上げるなど、両サイドを使った攻撃で長崎を押し込んでいった。 





そして15分、今季3試合目にして初となる先制ゴールが生まれた。ハーフウェーライン付近、左サイドでのマッチアップで力強いプレスをかけ、町田がボールを奪う。飛躍を誓う2年目のレフティーは、そのままボールを持って敵陣へ。ドリブルでのオーバーラップからペナルティーエリアに差し掛かり、金崎とのワンツーで突破を狙う。リターンパスは通らなかったものの、こぼれ球に反応した鈴木が右足を一閃。アウトサイドで放たれたシュートがゴール右隅へ決まった。新たな背番号9を纏う若武者が、新ユニフォームでのファーストスコアラーとなった。





先制に成功して試合を優位に進める鹿島は、敵陣でセカンドボールを拾い、さらに攻勢をかけていく。ボランチの一角に入った健斗が出足の速いプレスを幾度となく敢行し、中盤で存在感を見せた。右サイドハーフに入ったレアンドロも、力強い突破と冷静なボールキープで能力の高さを見せつけ、労を惜しまないプレスバックで献身性をも示していた。




30分以降は長崎に押し込まれる場面もあったが、最後尾に立ちはだかる曽ケ端が的確な指示で植田と町田を統率し、守備に落ち着きをもたらす。36分には相手との交錯で負傷した永木が交代を余儀なくされるアクシデントがあったが、代わってピッチに立ったレオ シルバが正確なパスワークと広範囲をカバーするプレスで中盤を支配した。鹿島は追加点こそ挙げられなかったものの、1点リードを保ったままハーフタイムを迎えた。

後半のピッチへ向かう11人に、石井監督は変更を加えなかった。「できるだけ、各選手の出場時間を長くしたいと思っている」との言葉通り、指揮官は引き続き同じメンバーでの戦いを選択した。鹿島は立ち上がりから、鈴木やレアンドロが最終ラインの背後へ飛び出し、追加点への意志を示していった。オフサイドにはなったものの、敵陣深くを絶えず狙う姿勢は相手の脅威となっていた。



後半最初の決定機は64分、健斗からのフィードを受けた鈴木が左サイドのスペースでボールを収め、オーバーラップした雄斗へ預ける。トップスピードでパスを受けた背番号15がマイナスのクロスを上げると、走り込んでいた赤崎が左足を振り抜く。強烈なシュートが枠を捉えたが、惜しくも相手GKに弾き出されてしまった。





赤崎のシュートはゴールネットを揺らすことができなかったが、2分後に待望の追加点が決まった。66分、相手GKのロングキックを頭で跳ね返したレオが、そのまま攻撃参加。リターンパスを受けてペナルティーエリア手前まで差し掛かると、右足で丁寧にスルーパスを通す。エリア内で待っていた金崎が相手GKと1対1となり、冷静に右足シュートを沈めた。





新戦力との融合を印象付ける、鮮やかなゴールでリードを広げた鹿島。石井監督は68分、2トップをペドロ ジュニオールと金森に交代し、71分には両サイドハーフを土居と田中に入れ替えた。さらに76分には昌子と小笠原を投入。多くの選手を起用しながら競争意識を刺激し、同時にコンディションの向上を目指した。







鹿島は終盤、長崎に押し込まれる時間が長くなったものの、昌子や曽ケ端を中心とした守備陣が最後まで得点を許さなかった。2-0。宮崎到着3日目、国内での今季初戦となった90分で、完封勝利を収めた。





試合後、石井監督は「しっかりと無失点に抑えられたことが良かった」と、今季初のクリーンシートに一定の手応えを示した。次戦は2日後、横浜FCとの対戦となる。中1日で迎える一戦に向けて、チームは歩みを止めることなくトレーニングを続けていく。



【この試合のトピックス】
・新ユニフォーム、新背番号での初戦となった。
・長崎との初対戦で勝利を収めた。
・曽ケ端、西、永木、赤崎が今季初先発を果たした。
・金崎が1月26日のバンコク・ユナイテッド戦に続いてゴールを決めた。
・鈴木が先制ゴールを決め、タイでの2試合を含めて3試合で3得点目を記録した。


監督コメント

[ハーフタイム]
鹿島アントラーズ:石井 正忠


V・ファーレン長崎:高木 琢也


[試合後]
鹿島アントラーズ:石井 正忠
Q.完封勝利を収めたが?

A.まだ全体的には、ボールの動かし方や判断が少し遅い部分があったが、しっかりと無失点に抑えられたことは良かったと思う。

Q.選手が入れ替わっても同じサッカーができるように見えたが?

A.その部分はしっかりとやっていきたいが、まだまだ精度を高めていかないといけない。この3試合を通じて継続してやっていきたい。

Q.レオ シルバ選手が活躍したが

A.彼は日本でのプレーが長いので、日本のサッカーをよく知っている。アントラーズのスタイルにもすぐに溶け込んできていると思う。

Q.あと2試合が残っているが?

A.この大会を通じて、コンディションと連係面をどんどん高めていきたい。試合を大事にして戦っていきたい。

V・ファーレン長崎:高木 琢也



選手コメント

[試合後]

【金崎 夢生】
まだまだ改善するところがある。公式戦に向けてしっかりと準備していきたい。良い部分もあった。コンディションは問題なくやれている。

【曽ケ端 準】
みんなが落ち着いてプレーできたと思う。いつも通り、目の前の試合に向けてしっかりとコンディションを整えて1つ1つやっていくだけ。

【鈴木 優磨】
うまく決めることができた。前線との関係はうまくいかない部分もあったので、次の試合で修正したい。今はコンディションを上げる時期だから、長い時間プレーできたことは良かった。これからどんどん状態を上げていきたい。

【ペドロ ジュニオール】
徐々にチームに合わせていければいいと思う。チームへのフィット、フィジカル的な要素をもっと高めていかないといけない。公式戦が始まるまでに、全員がチームの助けになる存在になれればいいと思う。

【金森 健志】
良いパスが出てきていたし、自分が動き出すことでチームメイトとの連係も取れていたと思う。アントラーズの狙いである、裏へ抜ける動きの部分はもっと繰り返していこうと思っている。


◇今季のJリーグ月間MVPの名称が「明治安田生命JリーグMastercard priceless japan月間MVP」に決定(サッカーキング)


YOKOHAMA, JAPAN - NOVEMBER 06:  (EDITORIAL USE ONLY) Corner flag of J.League. during the J.League third division match between YSCC Yokohama and Cerezo Osaka U-23 at Nippatsu Mitsuzawa Stadium on November 6, 2016 in Yokohama, Kanagawa, Japan.  (Photo by Masashi Hara/Getty Images)

 Jリーグは2月1日、各月のリーグ戦(J1、J2)において最も活躍した選手を表彰する月間MVPを、2017年よりJリーグトップパートナーとなったマスターカード・ジャパン株式会社(Mastercard)とともに、「明治安田生命JリーグMastercard priceless japan月間MVP」の名称のもと発表することを決定した。

 月間MVPは、各月のリーグ戦(J1リーグ、J2リーグ)において最も活躍した選手を、選考委員会による選考で決定。J1リーグの受賞者には30万円、J2リーグの受賞者には20万円の賞金が贈られる。

■明治安田生命JリーグMastercard priceless japan月間MVP 概要

▼名称
明治安田生命JリーグMastercard priceless japan月間MVP
(MEIJI YASUDA J.LEAGUE Mastercard priceless japan MONTHLY MVP)

▼略称表記
Mastercard月間MVP
(Mastercard MONTHLY MVP)

▼対象大会
2017明治安田生命J1リーグ
2017明治安田生命J2リーグ
※JリーグYBCルヴァンカップは対象外

▼対象選手
上記大会に出場した全選手

▼選考基準
各月のリーグ戦(明治安田J1、明治安田J2)において最も活躍した選手

▼選考方法
選考委員会による選考

▼賞金
明治安田J1:300,000円
明治安田J2:200,000円

▼発表
当該月の翌月第1週または第2週に発表。

https://www.soccer-king.jp/news/japan/jl/20170201/548340.html?cx_cat=page1

◆柴崎、スペイン2部テネリフェ移籍(茨城新聞)


J1鹿島の元日本代表MFの柴崎岳(24)がスペイン2部テネリフェに移籍することが31日、決定した。テネリフェが獲得を公式サイトで正式発表した。契約期間は6月30日までの5カ月間。

柴崎は当初、代理人を通じ、スペイン1部のラスパルマスと接触を図り、1月28日に移籍に備えてスペインに渡った。しかし、ラスパルマスが同時に進めていた補強策の影響を受け、移籍期限の31日までにまとまらず、同じスペイン領カナリア諸島を本拠地とするテネリフェへの移籍が決まった。

移籍しない場合、鹿島にとどまる可能性もあったが、この日、鈴木満常務・強化部長は「(試合に)出られるなら、それ(2部への移籍)もいいかもしれない」と柴崎の意向を尊重した。

http://ibarakinews.jp/news/newsdetail.php?f_jun=14858742599098

◆柴崎岳を囲んだテネリフェ報道陣。 「レアル戦のようなプレーをしてくれ」(Sportiva)


 日本とスペインで情報が錯綜した日本人MF柴崎岳の鹿島アントラーズからの移籍劇は、移籍市場最終日、リーガエスパニョーラ2部のテネリフェ入りで落ち着いた。



 スペインでプレーがしたいという柴崎のラブコールに応えたのは、噂されていた1部のラス・パルマスではなく、同じカナリア諸島にあるラス・パルマスのライバルチーム、テネリフェだった。契約期間は今シーズンが終了する2017年6月30日までの半年となる。

 契約としては短いものだ。だが、この契約は柴崎にとって決してマイナスになるものではない。まずはじめに、念願の海外移籍のチャンスがこの契約で与えられた。また、結果を出さなければ次がないと自らを追い込む短期契約は、気持ちをのんびりさせがちなリゾート地での戦いにしっかりと活を入れることができる。

 そしてイベリア半島から遠く離れた島のチームでの活躍いかんでは、契約延長はもとより、来夏の移籍市場で再びフリー選手としてプリメーラ(1部)への移籍を容易にさせてくれる。単純な話ではあるが、契約があるうちに結果を出せば、次の契約は勝ち取れるのであり、誰もが簡単に手にすることのできないスペインでプレーをする機会を柴崎が手にしたことの意味は大きい。

「ヨーロッパでやりたい気持ちがあったので、日本に戻ることは考えていない。できるだけ長くトップレベルでプレーしたいと思っている」

 テネリフェの空港に降り立った日本人MFは、テネリフェ選手としての所信表明を行なった。そんな柴崎を囲んでいたのは、日本人ではなく、地元スペインのメディアだった。地元テレビ、ラジオ、新聞、インターネットメディア、カメラマン……ざっと見て30人のテネリフェ報道陣が日本からの挑戦者を歓迎した。

 だが、そんな彼らにしても今回の移籍は想像もしていなかった。実際、ラジオ・マルカの記者ラモン・エルナンデスは、柴崎について「(クラブW杯決勝で)レアル・マドリードから2点を取ったこと以外は、正直、知らない」と、率直に話してくれた。

 それでも同記者は大きな期待を柴崎に寄せている。

「あの試合から言えば、彼はすばらしいタレントを備えている選手だと思う。ただ、見た感じ、線が細い。セグンダ(2部)はプリメーラよりもフィジカル的な要素が強いことは心配だが、今のチームには中盤で形を作れる選手がいないので、テネリフェがほしかったポジションの選手だ。レアル・マドリード戦のようなパフォーマンスを見せてくれたら、彼がここで成功することは間違いない。チームもプリメーラをかけた戦いをすることができると期待している」

 1月31日、欧州の移籍市場最終日。”永遠の春の島”と呼ばれるテネリフェでは午前中、珍しく雨がしとしとと降り注いでいた。それでも、柴崎のテネリフェ入団を祝福するかのように、日本人MFが空港にその姿を見せた時には、青空が広がっていた。

https://sportiva.shueisha.co.jp/clm/football/wfootball/2017/02/01/post_23/#cxrecs_s

◆スペイン移籍の柴崎岳、現地紙は「クラブW杯決勝のヒーロー」と紹介(サッカーキング)


柴崎岳

 鹿島アントラーズからスペイン2部テネリフェへ移籍することが決まったMF柴崎岳に対して、現地メディアが「クラブワールドカップ決勝での日本のヒーロー」と紹介した。2月1日付のスペイン紙『マルカ』が伝えている。

 同紙は、FIFA クラブワールドカップ ジャパン 2016決勝でレアル・マドリードを相手に活躍した柴崎を、「彼は2ゴールを決め、クラブW杯決勝で輝きを放った」と報道。さらに「すでに日本代表で13試合に出場し3得点を決めている」と、日本代表で活躍する柴崎についても触れている。

 記事の最後には、「テネリフェは、柴崎が日本での素晴らしいシーズンを経て、スペインサッカーで飛躍するだろうと強調している」と記しており、クラブが初の海外挑戦となる24歳のMFに大きな期待を抱いていると伝えている。

 半年間の契約となった柴崎だが、スペインリーグという新たな舞台でクラブW杯決勝のようなインパクトを残せるだろうか。

https://www.soccer-king.jp/news/world/esp/20170201/548312.html?cx_cat=page1

◆柴崎、テネリフェとの半年契約に見る飛躍への自信「日本に戻ることは考えていない」(サンスポ)


柴崎、テネリフェとの半年契約に見る飛躍への自信「日本に戻ることは考えていない」

 「今のところ日本に戻るということは考えていない。できるだけ長くトップレベルでプレーしたい」

 念願だった海外移籍を実現し、柴崎岳は力強く語った。

 理想の移籍先となったかは定かではない。当初から加入が有力視されていたラス・パルマスとの交渉はまとまらなかった。一時は鹿島アントラーズとの再契約があるのではないかとの憶測が飛び交ったほど。2部クラブへの加入や、テネリフェとの契約期間がわずか半年という点も含め、ステップアップを意識した決断となったことは間違いない。

 それでも柴崎がテネリフェへの加入を決断したのは「熱心に誘ってくれた」ことに加え、半年という限られた期間で結果を残す自信があったからだろう。テネリフェは1部昇格プレーオフ圏内の6位につけている。来シーズン、1部で戦う可能性が十分にあるクラブだ。そして言うまでもなく、日本にいるより強豪クラブのスカウトの目にとまりやすい環境にある。

 「(自分は)攻撃が好きな選手で、得点もアシストも好き。ゴールに繋がるプレーをしていきたい」

 トップレベルの環境、強豪クラブでプレーするためには得点やアシストといった目に見える結果を出すことが一番手っ取り早い。柴崎の発言からも、数字へのこだわりを垣間見ることができる。

 繰り返しになるが、柴崎とテネリフェの契約期間はわずか半年だ。2017年夏にはフリーとなる。昨年末、FIFAクラブ・ワールドカップ決勝でRマドリードを相手に2ゴールをマークした衝撃を超えるインパクトを、スペインの地で残せるのか? 柴崎の挑戦が、幕を開ける。(Goal.com)

http://www.sanspo.com/soccer/news/20170201/jle17020114440012-n1.html

◆テネリフェ移籍の柴崎が会見「全力尽くしたい」、地元メディアも注目(スポニチ)




 サッカーのJ1鹿島からスペイン2部リーグのテネリフェに移籍加入したMF柴崎岳が1日、テネリフェ市内で記者会見を行い「今は2部だが、1部に行くという野望を持っていると聞いている。それに貢献できるように。全力を尽くしたい」と新たな挑戦への意気込みを口にした。

 この日の午前中には身体検査を済ませ、新天地での第一歩を踏み出した。記者会見場には10台のテレビカメラが並ぶなど地元メディアも多数詰め掛け、新戦力への期待の高さをうかがわせた。(共同)

http://www.sponichi.co.jp/soccer/news/2017/02/01/kiji/20170201s00002020410000c.html

◆海外挑戦の第一歩、テネリフェ加入の柴崎岳「欧州で長くプレーしたい」(サッカーキング)


柴崎岳

 スペイン2部のテネリフェに移籍したMF柴崎岳が1月31日、本拠地であるスペイン領カナリア諸島のテネリフェ島に到着した。クラブ公式サイトが同日に伝えた。

海外挑戦が決まった柴崎は「ここに来れてとても嬉しいです。スペインリーグでの成功に大きな期待を持っています。いい挑戦だと思い、テネリフェを選びました。しっかり評価してくれているクラブを選びたかったので、強い興味を示してくれたテネリフェに決めました。交渉はここ数日で行われましたが、前から興味を持っていることは知っていました」と移籍の経緯を説明した。

 テネリフェはリーガ・エスパニョーラ2部第23節を終え、現在昇格プレーオフ圏内の6位。「テネリフェが上位を狙えるいいポジションにいることを知っています」という柴崎は、「(調子を)しっかり100パーセントに戻していきたい。アシストや攻撃面でチームに貢献していきたいです」と意気込んだ。


 また、契約は今シーズン終了の2017年6月30日までだが、「もちろんスペインやヨーロッパに残り、できるだけ長くプレーできるように全力を尽くします」とスペイン2部からの飛躍を誓った。

 なお、テネリフェは次節、2月4日に12位のエルチェと対戦する。

https://www.soccer-king.jp/news/world/esp/20170201/548248.html?cx_cat=page2

◆鹿島、柴崎のテネリフェ完全移籍を発表「これから重要な挑戦が始まる」(サッカーキング)


柴崎岳

 鹿島アントラーズは2月1日、MF柴崎岳がスペイン2部のテネリフェへ完全移籍することを発表した。

 ヨーロッパ移籍期限最終日だった1月31日の深夜、テネリフェは柴崎の獲得を発表。ラス・パルマス(スペイン1部)への移籍が有力視されていた中、急転直下での移籍決定だった。

 柴崎はクラブを通じて以下のようにコメントした。

「Jリーグ、リーグカップ、そして天皇杯と、鹿島アントラーズで国内全てのタイトルを手にできたことは、本当に素晴らしい経験でした。その過程において、チームメイト、コーチングスタッフ、そしてフロントの方たちとともに戦えたことを誇りに思います。また、いつも自分を応援してくださったサポーターの皆さまには、心から感謝しています」

「自分のキャリアにおいて、これから重要な挑戦が始まります。そして、その挑戦を支えるのは、ピッチに立ちたい、ボールに触れたいというフットボールに対する純粋な想いです。どのような状況においてもこの競技と真摯に向き合い、フットボールを楽しむ心を表現し続けたいと思います。本当のところは、プロとしての一歩を踏み出したカシマスタジアムで最後にご挨拶をしたかったのですが、様々な理由からそれはできませんでした。またいつか、最高の形で皆さんと再会できることを願っています。今まで本当にありがとうございました」

 現在24歳の柴崎は、青森山田高卒業後の2011年に鹿島へ加入。同年4月のアビスパ福岡戦でJリーグデビューを果たすと、ルーキーイヤーはリーグ戦13試合への出場を果たした。翌シーズンからはレギュラーとして活躍した柴崎。2012年シーズンはベストヤングプレーヤー賞を受賞し、2013年と2014年にはリーグ戦全試合でプレーした。

 2016明治安田生命J1リーグでは31試合に出場して3ゴールを記録。明治安田生命2016Jリーグチャンピオンシップでも奮闘した柴崎は、鹿島のリーグタイトル獲得に貢献した。さらに、12月18日に行われたFIFAクラブワールドカップ ジャパン 2016決勝のレアル・マドリード戦では2ゴールを決め、世界に衝撃を与えた。

https://www.soccer-king.jp/news/japan/jl/20170201/548432.html?cx_cat=page1

◆アントラーズの快進撃は なぜ起きたのか。 小笠原満男がその過程を語る(Sportiva)


鹿島アントラーズ・小笠原満男インタビュー(前編)

 2017年元日――鹿島アントラーズは天皇杯決勝を制し、Jリーグクラブ史上最多となる通算19度目のタイトルを手にして、2016年のシーズンを締めくくった。

 振り返れば、J1リーグの全日程を終えたアントラーズはその後、チャンピオンシップを戦い、天皇杯、FIFAクラブワールドカップと、およそ40日間で10試合という”超”ハードスケジュールをこなした。その中で、J王者に輝き、前述のとおり天皇杯でも優勝。さらに、クラブW杯では日本勢初の決勝進出を果たし、欧州チャンピオンのレアル・マドリード(スペイン)との決勝では惜しくも敗れたものの、延長戦に及ぶ死闘を演じて世界中のサッカーファンを魅了した。

 チームを引っ張ってきたのは、紛れもなくキャプテンの小笠原満男である。そして、アントラーズが獲得してきた19個のタイトルのうち、小笠原が関わった栄冠はついに「16」を数えるまでに至った。そんな彼の目に、黄金期の再来すら予感させる昨季の躍進はどう映ったのだろうか。激動のシーズンを振り返ってもらった。



「シーズン終盤に進むにつれてチームがよくなっていったから、見ている人にとっては、面白かったというか、いいシーズンに見えたかもしれないけど、1年を振り返れば(自分たちの中では)いろいろなことがあったなって感じですね。ファーストステージは優勝したけど、セカンドステージは優勝戦線に加わることもできなくて。チームとしては難しい時期もあった中で、最後にはチャンピオンシップと天皇杯を獲ることができた。

 その間にはクラブW杯も戦ったけど、決勝では勝てなかったですし、思い返せばアップダウンの激しいシーズンでしたね。正直、(最後は)なんとなく勝っていっちゃった感じというか。決して手放しでは喜べない。ひとつ、ひとつの試合の内容をしっかり見ていくと、失点してもおかしくないシーンもいっぱいありましたから」

 小笠原が言う「なんとなく勝っていった」という感覚は、優勝したファーストステージにも言えることだという。

「優勝はしたけど、ギリギリでしたからね。自分たちに力があったかと言ったら、そうではなかった。周りが負けていって、最後にウチが勝った、というだけですから。周りが勝っていれば、オレらの優勝もなかったわけで。勝つ(優勝する)ならやっぱり、ぶっちぎりで勝ちたいなって思いますよね。

 今季からはチャンピオンシップがなくなって、年間を通しての実力が重要視されるようになるし、ACL(AFCチャンピオンズリーグ)にしても、1敗だったり、1勝だったりがより重さを増してくる。そこを勝ち抜いていくためには、1年間を通して、本当に安定した力がないと勝っていけないな、と思っています」

 アントラーズにとって実に7年ぶりとなったJ1リーグのタイトル獲得。しかし、小笠原には、悲願や歓喜というよりも、どこか物足りなさのほうが強く感じられているようだった。

「もちろんね、(チームとして)よくなってきている部分はあるし、(タイトルを得たのは)うれしいのはうれしいけど、試合内容を見ていくと、本当に強いかと言ったら、そうじゃない。天皇杯もそうだけど、すごいピンチがあったり、(相手のシュートが)ポストに当たったり。最後に体を張ってギリギリで防いではいたけど、そのギリギリになる前に、もっと(相手を)止めなきゃいけなかった。ボールはできるだけ高い位置で奪ったほうが、得点のチャンスも増えるわけだし。

 最終的に相手に(ゴールを)入れられていないから、なんとなくがんばっている感じには見えるけど、そういうのはいつまでも続かない。(相手には)ゴール前まで行かせない、ピンチを作らせないぐらいにならないと。そういう細かいところをしっかりと見ていかないと、コンスタントに勝っていくのは難しいと思う」

 まるで自分に言い聞かせるように、小笠原の口からは次から次へと厳しい言葉が続く。ただこれは今回に限った話ではなく、試合のあとは勝っても、負けても、いつも次を見据えて反省の弁が口をついて出てくる。それこそが、小笠原がストイックと言われるゆえんだろう。

 しかしながら、昨季の戦いぶりを振り返れば、確実にチームが成長したのは誰の目から見ても明らかだった。そして、ふたつのタイトルがクラブにもたらしたものは、何度も優勝を経験している小笠原自身が、兼ねてから強く求めていたものだった。

「(タイトルを獲得して)一番よかったのは、”勝つ雰囲気”を味わえたことですよね。ファーストステージを獲って、セカンドステージはアップダウンを繰り返しながら、最後は4連敗して。その間に、やっぱりすごくチームの中でもいろいろとあったりしましたからね。石井(正忠)さんがこう……体調不良で指揮を執ることができなくなったり、選手同士の言い合いが増えたり、試合に出られなくなった選手が不満をためたり。やっぱり勝てないときって、そういうとき。

 でも、リーグ戦を終えて、そのあとの大会で連勝しているときは、そういうことは一切なかった。誰もが『チームのために戦うんだ』っていう気持ちが前面に出ていたし、本当にみんながそう思っていた。試合に出ているとか、出ていないとか関係ない、ひとつになってやろうと。それは選手も、スタッフも、サポーターもそう。勝利のためにまとまっていた。

 その”いいとき”と”悪いとき”の両方の雰囲気というか、空気感を全員が味わえたことは、よかったなと思います。どういうときに勝って、どういうときに勝てないのか。タイトルを獲るっていうことが、どういうものなのかを味わえた。こればっかりは、口でいくら言っても伝わりにくいし、難しいですから」
 小笠原は以前から、「若いヤツらにタイトルを獲らせたい」と常々口にしていた。タイトルを獲ることで、感じることや見えてくる景色が変わるから、それを早く経験させてあげたいと。2015年シーズン、アントラーズはナビスコ杯(現YBCルヴァン杯)を制しているが、リーグ戦のそれとはやはり重みが違ってくる。リーグを制することで、小笠原が見てほしかった景色を、ようやく後輩たちと共有することができる、ということなのだろう。

「チャンピオンシップでは、一発勝負だったり、ホーム&アウェーだったりして、戦い方がいろいろとありました。そこで、しっかりと勝ち切ったということは、すごく大きな財産になったと思うんです。普通ではなかなか経験できないことですからね、ああいう緊張感の高い試合って。そこを勝ち切れたというのは本当に大きい。

 例えばこの先、あと何年かして、チームがタイトルを獲ったことのない人の集まりになったときにどうなるか。オレらも何歳までもできるわけではないですし。でも、このタイトルまでの道のりを知っているヤツがいれば、『こうやって勝ったんだよ』って、立ち返る場所がある。それができる選手が今回の優勝で増えたっていうのが、何よりも大きいことだし、このチームがこの先も勝っていくうえでは、絶対に大事なことだと思う」

 そして、この経験は、チームがうまくいかなくなったときほど生かされると、小笠原は言う。

「大事なのは、負けているときとか、連敗しているとき。悪い時期が続いて『じゃあ、どうやったら勝てるのか』ってなったとき、『あのときはこうだったから』と、今回経験を積んだ選手たちが、みんなに方向性を示してあげることができる。でも、それがなくて、年長者が愚痴りはじめると、チームは一気にバラバラになってしまうから」

 小笠原はそう話すと、「前から思っていたんだけどね」と、声のトーンを上げてこう続けた。

「なんか、山登りと似ているなって思って、オレは。『富士山の頂上の景色って、どんななの?』と聞かれて、日本で一番高いところだけど、口ではうまく説明できないでしょ。行かないとわからない。その場に立たないとね。それにすごく似ているなぁと思うんですよね、タイトルって。そこまでの道のりが必ずあって、その過程も含めて、すべてはタイトルを獲った者にしかわからないから」



 今回の二冠達成において、何よりも大きな力となったのは、コーチングスタッフのメンバー全員が、アントラーズのOBであったことだと、小笠原は話す。

「今回(リーグ)優勝を経験したことのある選手は少なかったけど、こうやって勝ち切れたのは、石井さんをはじめ、ゴウさん(大岩剛)、ヤナさん(柳沢敦)、ハネ(羽田憲司)、古川(昌明)さんら、コーチみんながクラブのOBだったからだと思っているんですよね。練習のときからいろいろなアドバイスをしてくれるんですが、勝っているとき、負けているとき、そのタイミングに合った絶妙な話を、それぞれがそのときどきでしてくれていた。試合前のアップとか、ロッカールームでもそうだけど、『このチームはこういう気持ちでいくんだ』というのを、いつもしっかり伝えてくれていたんです。

 このアントラーズでタイトルを獲ったことがあって、それまでの道のりを知っている人たちからの助言は、やっぱり心強いですよね。しかもみんな、言っていることがブレない。誰に聞いても、同じことを言いますからね。それって、本当にすごいことだと思うんです。だから、選手たちに(その言葉が)響いて、最後はグッとまとまれたんだと思う。本当に、スタッフにOBを集めた功績は、すごく大きいと思います」

 大事なものをいかにうまく伝えていくか。小笠原自身が、現コーチ陣を含めた先輩たちから多くを教わり、感じ取り、結果を出してきたように、自分自身も次の世代に伝え、感じ取ってもらいたいという心情がある。その思いが歳を重ねていくごとに増していったからこそ、ときにはうまく伝わらないことへの苦悩を吐露することもあった。それゆえに、今回の優勝は喜びよりも安堵の気持ちのほうが強かったのだろう。

「やっぱりどんな言葉よりも、一番伝わるのは成功体験だと思うんです。だから、ここで勝ったっていうのは大きいけど……、あとはここからどれだけ勝っていけるかですよね。ひとつ、つかんだから」

 キャプテンとして、7年ぶりにシャーレを掲げ、若い選手たちともようやく同じ景色を見ることができた。しかしその喜びの一方で、小笠原はやるせない思いも抱えていた。

(つづく)

https://sportiva.shueisha.co.jp/clm/football/jleague_other/2017/02/01/___split______split/

◆鹿島昌子がACL初制覇宣言 柴崎ロスにも存在感(ニッカン)




 鹿島の新選手会長DF昌子源(24)が1月31日、アジア・チャンピオンズリーグ(ACL)初制覇を宣言した。都内で行われたユニホームの胸スポンサーで住宅設備メーカーLIXIL(リクシル)の優勝報告会で、同社社員らを前に言及。「昨季はJリーグと天皇杯の2冠をとることが出来ましたが、毎年3冠を目指してやっているので悔しさもある。今季は鹿島が唯一とっていないACLをとって、また優勝報告会に出たい」。霞ケ関の高層オフィスビル前で、高い目標達成を約束した。

 毎年恒例の“一発芸”は、J2山形から復帰したMF梅鉢が役割を担った。応援団風に「フレー、フレー」と、大声で同社と鹿島のエールで盛り上げた。報告会前には同社内を石井監督らスタッフや選手が訪れて交流。クラブW杯でPKも決めたMF土居が感謝の言葉を伝える場面もあった。若い女性社員からは「柴崎選手はいないんだ~」と残念がる声もあったが、11年入団の同期の昌子、梅鉢、土居が存在感を示し、終了後は今日1日に始まる合宿に備えて宮崎入りした。

 ACLでも「LIXIL」を胸に戦うことがすでに決定している。瀬戸社長も「社員が6万人いるので、理論的にはいつでもスタジアムを満員にできる」と社をあげたスタンドからの支援も約束。石井監督も「鹿島とLIXILの名前を世界にアピールしたい」と力強かった。【鎌田直秀】

http://www.nikkansports.com/soccer/news/1772779.html

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