http://www.so-net.ne.jp/antlers/games/50735J1 第7節 アルビレックス新潟戦
鹿島、土居のゴールで一時は追いつくも、ホームで新潟に悔しい敗戦
日曜日に行われたJ1第6節でガンバ大阪を2-0で破り、首位をキープした鹿島が、リーグ戦3試合ぶりのホームゲームに臨んだ。カシマスタジアムで行われた第7節で、アルビレックス新潟と対戦すると、先制されながらも土居のゴールで追いついたが、後半にオウンゴールで決勝点を献上し、1-2で敗れた。
鹿島は、累積警告により出場停止のダヴィに代わって、ルーキーの赤崎が先発メンバーに名を連ねた。プロ初先発、今季初出場の赤崎は開始2分、ロングボールに反応してペナルティーエリアに入り、左足を振り抜く。シュートは相手DFに阻まれたが、立ち上がりから積極的な動きを見せた。9分には、赤崎のポストプレーから右サイドを崩し、土居がペナルティーエリア内へ進入。右足シュートを放ったものの、相手DFにブロックされた。さらに12分にも、遠藤が強引なドリブルで右サイドを突破。ゴールライン際まで持ち込み、左足でゴールを狙ったが、枠の外へ外れた。
攻勢をかけながらも均衡を破れずにいた鹿島は、20分に先制点を許してしまう。左サイドから成岡にクロスを蹴り込まれると、ファーサイドで待っていた川又に左足ボレーを決められた。しかし、鹿島は31分に反撃。ペナルティーエリア左側で赤崎がドリブルで仕掛けると、山本がボールを引き取る形で前方へ持ち出す。山本は敵陣深くまで進入すると、飛び出した相手GKの手前で中央に折り返し、最後は土居が押し込んだ。この土居の今季リーグ3点目で、前半のうちに鹿島は同点に追いついた。
そして1-1で迎えた後半、最初のチャンスは55分だった。柴崎が中盤で前を向いてボールを持つと、ドリブルで持ち出し、スルーパスを供給。赤崎が反応し、相手GKと一対一となったものの、シュートはブロックされた。勝ち越し点が欲しい鹿島は、67分に本山をピッチへ送り出す。69分には、カイオが最終ラインの背後を取り、スピードに乗ったドリブルでペナルティーエリア内に入る。しかし、シュートを打つタイミングを逸し、チャンスを逃した。積極的な交代策を講じるトニーニョ セレーゾ監督は、70分にジャイールを投入し、攻撃陣を入れ替えて打開を図った。
しかし、次の得点は新潟に生まれた。74分、敵陣の深い位置でボールを奪われると、カウンターで自陣への進入を許してしまう。ペナルティーエリア手前での混戦から前方へ運ばれると、右サイドからクロスを上げられ、最後は青木の足に当たったボールがゴールへ吸い込まれてしまった。
1点ビハインドを負った鹿島は、直後にルイス アルベルトを投入し、本山や柴崎、遠藤とジャイールがよりゴールに近い位置で同点弾を狙う。81分には、右サイドでのパス交換から、ルイス アルベルトが相手GKと一対一の決定機を迎えたが、シュートは阻まれてしまった。鹿島は終盤、諦めずに新潟ゴールを脅かしたが、最後まで同点に追いつくことはできなかった。
試合は1-2で終了し、鹿島がリーグ3試合ぶりの2敗目を喫した。公式戦の連勝は3でストップ。次戦は、16日に行われるヤマザキナビスコカップA組第3節の仙台戦だ。中3日でのアウェイゲームと、厳しい日程での連戦となるが、しっかりと気持ちを切り替えて、再び連勝街道を走り始めたい。
【この試合のトピックス】
・曽ヶ端が同一クラブでのリーグ戦217試合連続出場を達成し、J1新記録を樹立した。記録開始は2007年10月20日に行われた第29節の磐田戦で、マルキーニョスと岩政、柳沢の得点により3-1で勝利を収めた一戦だった。
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曽ヶ端準選手 J1連続出場 新記録達成記念フォトギャラリー・今季新加入の赤崎が先発し、初出場を果たした。公式戦出場は、昨年8月3日のJ1第19節大宮戦以来2試合目。当時は特別指定選手として登録されていた。
・本山が67分に投入され、J1通算350試合出場を達成した。歴代35人目で、鹿島に現在所属する選手では、曽ヶ端と小笠原に次いで3人目の達成。
・土居がリーグ3得点目を記録し、昨季の2得点を上回った。
監督コメント
[ハーフタイム]
鹿島アントラーズ:トニーニョ セレーゾ
・自分たちのキャラクターは表現できている。あとはリスクマネージメントを徹底しよう。
・自陣エリア内でリスクを負う必要はない。お互いの意思表示をしっかりやること。
・あわてず、頭と技術を使って相手エリア内までボールを運ぼう。
アルビレックス新潟:柳下 正明
・攻守の切り替えを早く。動きを止めないこと。
・スペースを有効に使うこと。怖がらずにプレーしよう。
・どっちが隙を見せるかだ。強い気持ちをもって戦おう。
[試合後]
鹿島アントラーズ:トニーニョ セレーゾ
・失点をしたから内容が悪いというわけではない。前後半通してチャンスを作っていたし、チームがやろうとしていることをやり続けたことは良かったと思う。まだ若いチームなので、ポジショニングなどのミスは多少あるし、それは止むを得ないこと。練習を積み重ねるしか修正方法はないし、それは今後も続く作業。
・得点をした後にチームが勢いづくことは当然で、グラウンダーのパスをつないでチャンスを作り出していた。ハーフタイムには、同点だが前半のアグレッシブさ、意欲を持ち続けてやってほしいと要求した。結果には至らなかったが、そのチャンスや過程を作れたことはチームとして良かったと思う。
・相手は攻守の切り替えがスピーディーだということを実感した。
・赤崎はすばらしいパフォーマンスを示した。クレバーさを生かしてチームを機能させていたし、チームの新たな顔やサッカーを引き出してくれて、それは喜ばしいこと。初めてのスタメンだったので、精神や体力的に負担があり、止むを得ずの交代だった。彼のクレバーさ、俊敏性、視野の広さ、決定力は今後も伸ばしていきたい。土居も前を向いたときのスピードには目を光る。2人に要求したコンビネーションからの崩しなどもできていた。
・(曽ヶ端選手のJ1新記録に関して)まずおめでとうと言いたい。非常に素晴らしい数字だと思う。彼の努力やプロフェッショナルな日々の取り組み、ピッチ内でアントラーズのために全身全霊をかけて勇敢に立ち向かう姿勢がこの記録につながった。サポーターの皆さんにも祝福されるべき。私もこの記録の一部に貢献できて嬉しく思う。また、これから続く彼のキャリアにもなんらかの形で貢献できればと思う。
アルビレックス新潟:柳下 正明
非常にスピーディーでタフな試合だった。ゴール前でのプレーが多く、どちらに転ぶか分からない試合だったので、見ている人は楽しめたと思う。選手たちには少しでも油断や隙を見せたらやられるということを伝えていた。高い集中力と勝ちたいという強い気持ちを90分間持ち続けたことで、勝点3が取れたと思う。これからナビスコ、リーグ戦と続くので、コンディションを整えて臨んでいきたい。
選手コメント
[試合後]
【遠藤康】
内容はそんなに悪くなかった。負ける相手じゃなかったと思う。決めるところで決めきれなかったし、変なところでボールを取られた。ダヴィがいない中で、みんなで足下でうまくボールを回せたと思う。ただ、カウンターの一発でやられるところは、ディフェンダーだけでなく、チーム全体の課題。
【土居聖真】
(ダヴィに代わって赤崎が先発したが)サッカー自体を変えるわけではない。タイプが違うので、秀平君の良いところを引き出す意識でやれていたと思う。監督から言われていたわけではないが、選手の中では、マークを1人剥がせればチャンスになるという話をしていた。前半、後半ともカウンター気味で1枚剥がした(場面はあった)けど、ラストパスで精度を欠いていたかなと思う。
【柴崎岳】
「オープンな試合だったという印象で、チャンスはうちの方があった印象もある。このような結果になったのは、サッカーという競技上、不思議ではないが、ラストの部分をもっと詰めていかないといけない。悪い内容だったら問題があるかもしれないが、具体的にそんなに悲観するような部分はなかったと思う。ほんの少しの修正で、もっともっと良くなる部分はある。結果は出なかったが、パフォーマンス的には悪くなかった。
赤崎選手、山本選手、青木選手のコメントはアントラーズモバイルをご覧ください。