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8月24日(土)J1 第22節 鹿島 vs 横浜FM(19:00KICK OFF/カシマ)
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07年に大逆転優勝を経験したことのある鹿島だが、これ以上、勝点差を離されてしまうのは本意ではない。勝点9差の首位横浜FMとの一戦の重要性を、トニーニョ セレーゾ監督は繰り返し選手たちに説いたという。当然ながら、上位も混戦であり横浜FMだけを相手にしていれば良いわけではないが、「勝てば6差」という意識は、選手に力を与えてくれている。しかも相手には、第9節に土壇場で引き分けに持ち込まれただけでなく、3連覇を狙ったヤマザキナビスコカップでは2連敗の苦杯をなめさせられている。今季一度も勝てていないだけに、その悔しさを忘れた選手はいない。
ただ、横浜FMは5勝1分で6試合負けなしと快進撃を続けている。7試合連続ゴールとはならなかったが、マルキーニョスが6試合連続ゴールでチームを牽引。鹿島で得点王を獲得したときを彷彿とさせる決定力の高さを見せている。攻撃のタクトをふるう中村俊輔も相変わらずの好調ぶり。2試合連続得点で、こちらも実力を遺憾なく発揮している。さらに、ナビスコカップでは強烈な一撃を決めた齋藤学がメンバーに復帰する快復を見せるなど、首位に相応しい陣容だ。シュート数は決して多くないが、チャンスを逃さない老練な戦いぶりはチームに流れる共通理解や統一感を感じさせる。
「切り替えは早いし、一人ひとりが怖い」
中盤で、攻守に渡って相手以上の切り替えの速さを求められる遠藤康は、最大限の警戒を示していた。
そんな対戦相手を前にして、セレーゾ監督は入念にスカウティングを行ったようだ。試合前々日の紅白戦では野沢拓也を中村俊輔に見立てて動きを確認。マークの付き方などを映像だけでなく、実際にグランドのなかで指示していた。フリーキックの場面では、右利きの野沢が左足でのキックを披露するほどの徹底ぶり。相手チームのキーマンを抑え込むことで勝機を見出す。
リーグ戦では拮抗した展開から先制点を奪うことで、多くの時間をコントロールすることに成功したが、ナビスコカップの二戦はいずれも完敗。中断明けだった準々決勝第1戦は運動量が乏しく0-2の敗戦。勝たなければいけなくなった第2戦は、強引に攻めに出たところを相手の注文相撲にはまって先制点を奪われた時点で逆転は厳しくなってしまった。今回はそうした前提条件が無い状態で迎えられる。
今季のリーグ戦、ホームでの試合は8勝2分と圧倒的な強さで無敗を続けている。前節は、一人減った相手に苦しんだが終了間際に決勝弾を奪い勝点3を得た。しばらく連勝がないだけに、ここで勝てれば波に乗れるだろう。
セレーゾ監督は前節の記者会見で、質疑応答が終わると自らしゃべり出した。
「来週末、試合に勝つか負けるかというのは、うちのサポーター次第です。来週は、いままで以上に、うちのサポーターが違いを示さなければいけない試合です。選手たちの後押しをお願いしたいと思います」
ホームの力で選手をサポートし、共に勝利を喜びたい。
以上
2013.08.23 Reported by 田中滋