日刊鹿島アントラーズニュース

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2016年11月8日火曜日

◆川崎の鬼木達コーチが指揮官就任、2年契約「風間監督のサッカーを引き継ぐ」(サッカーキング)


http://www.soccer-king.jp/news/japan/jl/20161107/512420.html?cx_cat=page1



 川崎フロンターレは7日、来シーズンの新監督に鬼木達コーチが就任すると発表した。契約期間は2017年2月1日から2019年1月31日までの2年間。

 鬼木氏は1974年生まれの42歳。市立船橋高校出身で、選手時代はJリーグ創設時より鹿島アントラーズでプレーした。1993年から1997年まで所属し、1998年にはJFL(当時)の川崎へ期限付き移籍で加入。1999年は鹿島に復帰してプレーし、2000年に川崎へ完全移籍で加入した。

 川崎では2006年までプレー。現役引退後は同クラブで育成・普及コーチに転身した後、2010年からはトップチームのコーチを務めている。

 監督就任にあたって鬼木氏は以下のようにコメントしている。

「このたび、来季の監督に就任することとなりました。2006年に川崎フロンターレで現役を引退し、以降、フロンターレで指導者として仕事をさせていただきました。今回、クラブから監督就任の話をいただき、私自身、強い気持ちでチャレンジしていこうと決心しました。風間八宏監督が作り上げた魅力あるフロンターレのサッカーを引き継ぎ、さらに発展させていきたいと考えています」

「川崎フロンターレは、サポーターの皆様、川崎市民の皆様、スポンサーの皆様をはじめとする、チームを支えていただいているすべての皆様と、常に一体となって前に進んできたクラブだと思っています。等々力の雰囲気も、数多くのイベントなどの地域貢献活動や復興支援活動もすべて皆様抜きには考えられません。これからももっともっと愛されるクラブ、チームとなるように一緒に歩んで行ってほしいです。私も精一杯頑張ります。改めてよろしくお願いします」

 川崎は10月12日、風間八宏監督が今シーズン限りで退任すると発表。2012シーズン途中から指揮を執っている知将とともに、悲願のタイトル獲得を目指している。今シーズンは明治安田生命J1リーグを年間勝ち点2位で終え、チャンピオンシップ進出が決定。23日の準決勝で鹿島をホームに迎える。また、12日に行われる天皇杯4回戦(ラウンド16)では浦和レッズと対戦することが決まっている。

◆【コラム】代表での“完全復活”に期待…絶好調な大迫&齋藤が漂わせる自信と余裕(サッカーキング)


http://www.soccer-king.jp/news/japan/national/20161108/512740.html?cx_cat=page1



 2018 FIFAワールドカップロシア アジア最終予選の行方を大きく左右する15日のサウジアラビア戦(埼玉)に向け、6日から茨城県内で事前合宿に入った日本代表。2日目となる7日は長谷部誠(フランクフルト)、香川真司(ドルトムント)、酒井高徳(ハンブルガーSV)、大迫勇也(ケルン)、浅野拓磨(シュトゥットガルト)の欧州組5人と、6日の明治安田生命J2リーグ・愛媛FC戦に出場した山口蛍(セレッソ大阪)の6人が合流。合計18人でトレーニングを実施した。

 初日から参加しているグループは狭いエリアでの1対1、2対2などデュエル(局面での戦い)を強く意識したメニューに取り組んだ。「デュエルっていうのはウチのフランス人(横浜F・マリノスのエリク・モンバエルツ監督)も言うから聞き慣れている。自分は1対1の場面で違いを作っていかなければいけない」と齋藤学(横浜FM)が語ったように、練習に参加した選手たちはバトルを強く意識しながらプレーした模様だ。

 その齋藤は、10月に行われたイラク(埼玉)・オーストラリア(メルボルン)の2連戦でも招集されたが、出番なしに終わった。ヴァイッド・ハリルホジッチ監督もオーストラリア戦では彼の投入を考えたが、「本田(圭佑=ミラン)と小林(悠=川崎フロンターレ)にはFK対応の明確な役割を与えていた。齋藤や浅野だと経験がない分、プレッシャーに負ける不安があった」と起用を見送った理由を説明していた。本人としては出る気満々だったが、空振りに終わり、メンタル的に相当なダメージを受けたというが「信頼を得られないっていうところが出場チャンスをもらえないところにつながっている。『ここで使っても大丈夫』と思ってもらえるようなプレーを練習から出していかないといけない」と本人も気持ちをしっかりと切り替えている。

 そうやって前向きな精神状態を維持しないといけない考えるのは、2014年ブラジル・ワールドカップで出番なしに終わった悔しい経験があるから。「ブラジルの時も練習からすごく調子がよかったので、出たらやってやるぞという思いでいたんですけど……」と当時の不完全燃焼感を吐露する。それでも「ザックさんの時は出ることに対する不安や怖さが多少あったが、今は全然ない。この前の代表で待ってる時、『ああ、成長したな』と思いました」と本人は余裕を持って大舞台にのぞめているという。

 同じ90年生まれの齋藤と似たような精神的余裕を漂わせるのが、1年4カ月ぶりに代表復帰した大迫勇也(ケルン)である。ご存知の通り、この男もブラジル・ワールドカップ経験者ではあるが、2年前の世界舞台では初戦・コートジボワール戦(レシフェ)と第2戦・ギリシャ戦(ナタル)で連続先発しながら、相手に脅威を与えられないまま途中で退くという苦渋を味わった。直後に移籍したケルンでもFW以外のポジションで起用されるなど、2シーズン合計4得点という苦境に追い込まれた。昨シーズン途中には「大迫はホームシックにかかった」と現地メディアに報道されるなど、構想外のような見方をされる時期すらあった。

「FWじゃないポジションでプレーしたことも成長につながった? それを言ったら何でも成長になっちゃいますけど(苦笑)。ただ、苦しい思いはしましたからね。ああいう思いはしたくないっていう気持ちが強いですね」と本人はしみじみと当時を述懐する。

 その悔しさをバネに、今シーズンはケルンでFWとして定位置を確保。ブンデスリーガでガボン代表FWピエール・エメリク・オーバメヤン(ドルトムント)と並ぶ11ゴールを叩き出し、得点ランクトップタイに立つフランス人FWアントニー・モデストと2トップを形成し、リーグ戦2得点2アシストと活躍している。この躍進ぶりに10月の代表2連戦でも「大迫待望論」が高まり、今回ついにハリルホジッチ監督に必要性を認めさせることになった。

「代表とクラブの違いは1トップと2トップの違いくらいだと思うし、むしろこっちの方が前に行けるので。自分は今、ドイツでFWとして試合に出ていますし、代表でもFWの選手としてしか考えてない。サイドの選手ではないし、そこは監督も分かっていると思います」と本人も点取屋としての意地とプライドを前面に押し出した。

 今回の最終予選に入ってから原口(元気=ヘルタ・ベルリン)が最大の得点源になっていることについても「得点源はそこだけじゃなく、もっとたくさん増えればいいんじゃないですか」と自分自身が新たなフィニッシャーになることに強い意欲をのぞかせた。

 ブラジルの地で悔恨の念を抱いた両アタッカーが今回のサウジアラビア戦で完全復活を遂げてくれれば、日本代表のムードもがらりと変わるはず。まずは11日に行われるキリンチャレンジカップ 2016のオマーン戦(鹿島)で目下絶好調の2人の競演をぜひ見てみたいものだ。

文=元川悦子

◆「あんな思いはしたくない」失意乗り越え…大迫が代表戦3年ぶりゴール誓う(ゲキサカ)


http://web.gekisaka.jp/news/detail/?202760-202760-fl



 日本代表は7日、茨城県内で合宿2日目の練習を行った。この日の練習からFW大迫勇也(ケルン)、MF香川真司(ドルトムント)、MF長谷部誠(フランクフルト)、DF酒井高徳(ハンブルガーSV)、MF山口蛍(C大阪)が合流。帰国したばかりのFW浅野拓磨(シュツットガルト)も空港から練習場に直行し、練習途中から遅れて加わった。計18人となり、残り7人も明日8日に合流する。

 約1年半ぶりの代表復帰となった大迫は「結果」「得点」という言葉を繰り返した。昨年6月以来のA代表。「チームでやってきたことが認められたと思うので、ケルンでやっていることを出しながら、いつも以上に点を狙いたい」と貪欲に語った。

「大迫を選んだのはロジカル(論理的)だと思う」。4日のメンバー発表会見でハリルホジッチ監督は大迫選出の理由についてそう即答した。開幕戦こそ途中出場だったが、その後は9試合連続先発中。得点こそ9月21日のシャルケ戦、同25日のライプツィヒ戦で決めた2ゴールにとどまっているが、2トップの一角として完全にレギュラーをつかんでいる。

「ドイツの激しいリーグで2、3年やってきて、当たりの部分やプレーの速さにも慣れた。レベルの高いサッカーに慣れたことが成長につながっていると思う」

 昨季はトップ下やサイドハーフなど本職ではないポジションでの起用がほとんどだった。今季好調の理由を聞かれ、「FWで出られているから。そこが一番大きい」と端的に答えるストライカーは、昨季の経験も成長につながったのかと聞かれ、「それを言うと何でも成長につながっちゃうから」と苦笑いしながらも、「苦しい思いをしたし、ああいう思いはしたくないと思うほうが強い」と力説。失意を乗り越え、這い上がってきたからこその自信がある。

 この日は古巣である鹿島クラブハウスの練習場でのトレーニングだった。「懐かしい感じがあった。日本代表としてここに帰ってこれてうれしかった」と笑みを見せると、11日にカシマスタジアムで開催されるキリンチャレンジ杯・オマーン戦に向けても、「(カシマスタジアムは)特別なところ。一番好きなスタジアムで試合ができるのは幸せだし、期待に応えられるように得点だけにこだわりたい」と決意を口にした。

 代表戦出場となれば、昨年6月16日のW杯アジア2次予選・シンガポール戦以来。ハリルジャパンでは3試合に出場しているが、いずれも途中出場で、先発ならアギーレジャパン時代の14年9月9日ベネズエラ戦以来、約2年ぶりとなる。代表戦での得点となれば、ザックジャパン時代に行われた13年11月16日のオランダ戦以来、実に3年ぶりだ。

「出たいですね。この監督になってまだスタメンで出ていないので」と、先発出場に意欲を見せた大迫。「同じドイツで頑張っている選手」と刺激し合っているFW原口元気(ヘルタ・ベルリン)が最終予選では3試合連続ゴール中ということもあり、「得点源がそこだけでなく、もっと増えればいいと思う」と力強かった。

(取材・文 西山紘平)

◆大迫が合宿合流「ケルンでやっているプレー出す」(報知)


http://www.hochi.co.jp/soccer/japan/20161107-OHT1T50191.html



 1年5か月ぶりに日本代表に選出されたFW大迫勇也が7日、茨城県内で合宿を行う日本代表に合流した。

 この日朝帰国したばかりで、全体練習には加わらず、ランニングなどの軽いメニューで調整。得点力アップの期待を受けるストライカーは、親善試合・オマーン戦(11日・カシマ)に向け、「僕が出た時には点だけを狙っていきたい。ケルンでやっているプレーを出して、いつも以上に点を狙いたい」と結果にこだわったプレーを披露する考えを明かした。

◆大迫 1トップでОK! ハリル監督奥の手4トップは不要(スポニチ)


http://www.sponichi.co.jp/soccer/news/2016/11/08/kiji/K20161108013682430.html

代表合宿2日目 (11月7日)

ハイタッチならぬ「ジャガータッチ」をする(左から)山口と浅野を見て笑顔の大迫

 国際親善試合オマーン戦(11日、カシマ)、18年W杯ロシア大会アジア最終予選サウジアラビア戦(15日、埼玉)に臨む日本代表は7日、茨城県鹿嶋市内で合宿2日目の練習を消化した。この日から1年5カ月ぶりに代表復帰したFW大迫勇也(26=ケルン)が合流。闘志を内に秘める寡黙なストライカーが、珍しくアピール発言を連発。古巣・鹿島の本拠地で凱旋ゴールを決め、FW争いに割って入る覚悟を示した。

 確固たる自信に満ちていた。大迫の口から強気な言葉があふれ出た。

 「久しぶりなので本当に結果にこだわりたい。試合に出た時は得点だけを狙う。自分が点を取って勝てれば」。かつて寡黙だった点取り屋は、ドイツに渡りひょう変していた。

 約3年間の異国での経験が26歳を変えた。出場機会を失った昨季は、サイドMFやトップ下での起用を強いられた。「苦しい思いをした。もう、ああいうことはしたくない」。どん底からはい上がり、今季は2トップの一角として定位置を奪った。現在、公式戦11試合に出場し9戦に先発。4得点2アシストを叩き出した好調ぶりが認められての代表復帰となった。「レベルの高いリーグで慣れたので」。屈強なDFと対峙(たいじ)し続けて磨かれた球際、プレースピードの速さが今の大迫にはある。

 FW争いに負けるつもりはない。ハリルホジッチ監督は4日の代表発表会見で、勝負手としての4トップ採用を示唆。だが、1トップで先発したFWがフィニッシャーとしての仕事を果たせば、その必要はなくなる。「(代表とは)1トップと2トップの違いくらい。むしろ、こっちの方が前に行けるんで」と自信を見せた。ハリルジャパンでは出場3試合全て途中出場。プレー時間を与えられれば、違いを生み出せる確信がある。「(試合に)出たい。この監督になってからスタメンで出ていないので」と昨年6月以来の代表のピッチを渇望した。

 オマーンと戦うカシマスタジアムでは古巣の鹿島時代に公式戦40得点を挙げた。自身が一番、スコアを刻んだ会場だけに「特別なところ。一番好きなスタジアム」という。代表で挙げた3得点は全て海外で挙げており、今回決めれば国内初ゴールにもなる。戦い慣れた鹿嶋の地から、大迫の逆襲が始まる。

◆大迫、得点誓う 独で成長「自信ある」(茨城新聞)


http://ibarakinews.jp/news/newsdetail.php?f_jun=14785286002969

別メニューで調整する香川(左)と大迫=鹿嶋市内

「久々なので結果だけにこだわる」。昨年6月のアジア2次予選シンガポール戦以来の招集に、大迫は並々ならぬ決意をにじませる。

大迫は2014年からドイツでプレー。今季は1部リーグで全10試合出場中で先発は9試合。2得点3アシストと好調を維持している。「激しい当たりやドイツのプレーの速さ、レベルの高いサッカーに慣れた」と成長を口にする。

所属するケルンでは2トップの一角を担うが、代表は3トップの布陣を採用している。ハリルホジッチ監督は「A代表の役割は彼がクラブでやっているのとは少し違う」と、新たな役割を求める考え。それでも大迫は「フォーメーションが違うが、できる自信はある」と強気だ。

復帰戦となりそうなのは、11日に行われるオマーンとの国際親善試合。会場は09年にプロのキャリアをスタートさせた、古巣J1鹿島の本拠地カシマスタジアムだ。ドイツで定位置をつかんでの凱旋(がいせん)試合に「日本代表として帰ってこれたのはうれしい。周りの期待に応えたい」と、自然と力が入る。

日本の決定力不足解消の「切り札」となるか。鹿島の5年間で挙げたJ1通算40得点のうち、半数以上の24得点を決めたスタジアムに立ち、「いつも以上に点を狙いにいく」と力強く宣言した。 (藤崎徹)

◆大迫狙う鹿島凱旋弾!ハンパない気合「久しぶりの代表。結果にこだわる」(デイリー)


http://www.daily.co.jp/soccer/2016/11/08/0009647209.shtml

 合宿に合流し調整する大迫

 「サッカー・国際親善試合、日本-オマーン」(11日、カシマスタジアム)
 親善試合のオマーン戦とW杯アジア最終予選のサウジアラビア戦に臨むサッカー日本代表は7日、鹿嶋市内で合宿2日目の練習を行った。この日からチームに合流したFW大迫勇也(26)=ケルン=は、鹿島時代に慣れ親しんだカシマスタジアムでのオマーンとの一戦で“凱旋(がいせん)弾”を狙うことを宣言した。また、同じくこの日に合流したMF山口蛍(26)=C大阪=は、定位置を譲らない姿勢を見せた。

 ハンパなゴールはいらない。狙うは、鮮烈で代表定着につながる凱旋弾だ。合流初日は軽めのメニューをこなしただけだったが、大迫の心は既に臨戦態勢。「久しぶりの代表。結果にこだわる。得点だけを狙っていきたい」。ゴールハンターは、その目をギラつかせた。

 何の巡り合わせだろうか。およそ1年半ぶりの代表合宿。場所はプロのキャリアのスタート地点で、5シーズン過ごした鹿島の練習場だった。地元のファンから大きな声援も受け「懐かしい感じもした。代表として帰ってこられたのはうれしい。期待に応えたい」。オマーン戦の試合会場であるカシマスタジアムについても「特別なところ。一番好きなスタジアムで試合ができることがうれしい」と誇らしげに話した。

 牙を研いできた。昨季、所属クラブでは中盤やサイドでの起用が多く結果を残すことはできなかった。「苦しい思いをした。もうあんな思いはしたくない」。悔しさをバネに必死にもがいた。「あっち(ドイツ)はゴール前の激しさ、強さがある。そこでプレーすれば、それだけ自分も強くなる」。今季はFWとしての定位置をつかみ、先発9試合を含めて公式戦11戦に出場し、4得点2アシスト。代表復帰を果たした。

 ハリルホジッチ監督はオマーン戦で新戦力を試すことを選手にも明言しており、2トップの布陣を試す可能性もある。「できる自信がある。やってきたことを出したい。勢いを持ってやっていきたい」。公式戦通算40得点をたたき出した思い出のスタジアムで、大迫は自らの存在価値を証明する一撃を決める。

◆大迫、鹿島凱旋弾に“半端ない”自信!「僕が出たら点だけを狙う」(サンスポ)


http://www.sanspo.com/soccer/news/20161108/jpn16110805020002-n1.html

大迫(右)は香川とランニング。古巣・鹿島サポーターらの前で楽しそうに汗を流した (撮影・中井誠)

 サッカー・日本代表合宿(7日、茨城・鹿嶋市内)W杯アジア最終予選B組のサウジアラビア戦(15日、埼玉)などに向けた合宿2日目。一部海外組を除く18人で練習を行った。元鹿島で、約1年半ぶりの代表復帰となるFW大迫勇也(26)=ケルン=は、国際親善試合(11日、カシマ)での凱旋ゴールを宣言。鹿児島城西高時代に「半端ない」と評された“嗅覚”を武器に存在感をアピールする。

軽めの調整を行う香川(左)と大迫=茨城県鹿嶋市内(撮影・中井誠)

 鹿島灘から吹きつける冷たい空気を、FW大迫が吹き飛ばす。プロ入りした2009年から5年を過ごした鹿島でのゴールを高らかと宣言。ハリル体制下での代表初得点に“半端ない”自信をのぞかせた。

 「日本代表として帰ってこられてうれしい。勝つために点を取りたい」

 約1年半ぶりの代表復帰。この日、ドイツから帰国し、古巣の練習場でチームに合流すると、MF香川と談笑しながらジョギング。終始リラックスムードで汗を流した。FWは岡崎や本田など常連の欧州組に加え、リオデジャネイロ五輪世代の久保も加わった激戦区。だが「(ライバルを)意識し過ぎてもだめ。対戦相手と戦うもの」と臆することはない。

 鹿児島城西高時代の2009年高校選手権で10得点10アシストと爆発。対戦相手を「大迫、半端ないって」と号泣させた。J1鹿島を経て欧州での経験が大迫を成長させた。「FWとして試合に出ているのが一番大きい。レベルの高いサッカーに慣れたのが一番の成長」。今季はリーグ10戦すべてに出場し、9試合で先発。9月には2戦連続弾を決め、地元サポーターから「半端ない」ほどの高評価を受け、クラブ月間MVPに輝いた。

別メニューで調整する山口(左)と香川=茨城県内

 最終予選4戦6得点の現状にハリルホジッチ監督から「より得点率を上げてほしい」と期待を寄せられる大迫。「一番好きなスタジアムでできる。僕が出たら点だけを狙う」。海外挑戦で円熟味を増し、日の丸をつけてまずは思い出の地に凱旋(がいせん)する。 (一色伸裕)

★この日の練習

 約1時間半の公開練習。ハリルホジッチ監督が就任当初から重要視するデュエル(1対1の攻防)の強化を意識したメニューをこなした。2対2、5対5での変則ミニゲームも実施。午前中に帰国したばかりのMF香川、FW大迫ら海外組4選手と前日6日にJ2の試合に出場したMF山口は別メニュー調整。夕方の便で到着したFW浅野は途中から練習に加わった。

★大迫、半端ないVTR

 鹿児島城西高3年時に出場した第87回全国高等学校選手権大会で大活躍。初戦から大会史上初の4試合連続2得点を達成するなど10得点を挙げ、1大会での最多得点記録保持者となった。準々決勝の滝川二高(兵庫)戦は、6-2で圧勝。相手DF中西が「大迫、半端ないって、もう」と号泣した姿が話題となり、サッカー界の流行語となった。

◆オマーン代表戦で台頭が期待される“ゼロキャップ”選手の可能性(JFA)


http://www.jfa.jp/samuraiblue/worldcup2018_final_q/report/r_006.html

メンバー発表会見の席で、ヴァイッド・ハリルホジッチ監督は「オマーン戦では、これまであまりプレー機会のなかった選手や海外組で試合にあまり出られていない者に機会を与えて状態をみたい」と語った。

11日に行われるキリンチャレンジカップ2016のオマーン戦は、その4日後に控えるサウジアラビア代表とのアジア最終予選に向けた重要な強化の場となる。出場機会の限られる海外組の試合勘を取り戻す調整試合の側面があると同時に、サウジアラビア戦、さらには来年以降を見越したうえで、チームの底上げを実現する新戦力の台頭も望まれるところだ。

今回招集されたメンバーのうち、これまで代表戦の出場経験がないのは、初招集となった井手口陽介選手をはじめ、植田直通選手、永木亮太選手、久保裕也選手の4人。永木選手を除けば、今夏に開かれたリオオリンピック世代の選手たちで、近い将来の主軸となり得るタレントたちだ。

井手口選手は今シーズン、ガンバ大阪で急成長を遂げ、レギュラーの座を勝ち取った若干20歳のボランチだ。豊富な運動量と積極性をベースとした“奪いに行く”守備を持ち味とする。最近のJリーグでは大事な試合でゴールを奪うなど、得点力も大きく向上。攻守両面で貢献できる選手として、存在感を高めている。

植田選手は186センチという恵まれた体躯を備えた強靭なCB。対人プレーに長け、空中戦にも強さを発揮する。またビッグマッチでも物怖じしないメンタルの強さも魅力。経験が求められるCBというポジションでなかなかチャンスを得られていない状況だが、所属クラブである鹿島アントラーズの本拠地で行われる今回のオマーン戦はアピールの絶好の機会。まずは代表戦士としての第一歩を踏み出したい。

久保選手は所属クラブであるBSCヤングボーイズのチーム事情によりリオ五輪への出場は叶わなかったが、この世代を長くけん引してきた実力者。卓越したスピードと高いシュート技術を備え、CF、トップ下、サイドと攻撃的ポジションならどこでもこなせる汎用性も魅力だ。ヤングボーイズでも不動のレギュラーとして君臨し、今シーズンはすでにリーグ戦で5得点をマーク。その好調ぶりを持ち込み、日本代表の攻撃を活性化したい。



28歳の永木選手は、今年10月のアジア最終予選で初めて日本代表に招集された遅咲きのタレントだ。今シーズンに加入した鹿島アントラーズで中心選手として活躍。移籍当初は途中出場が多かったものの、次第に存在感を高め、夏場以降はボランチのレギュラーとして君臨した。自陣深くから前線までをカバーするボックス・トゥ・ボックス型のボランチで、ボール奪取能力だけでなく、攻撃にも関与できる。キック精度も高く、プレースキッカーとしての能力も高い。現状、メンバーの入れ替わりの多いボランチのポジションで、生き残りを実現できるか。このオマーン戦が大きなカギを握りそうだ。

◆1年5か月ぶり代表復帰・大迫の躍進のきっかけは代理人の一言 “格下げ移籍”志願も(報知)


http://www.hochi.co.jp/soccer/japan/20161108-OHT1T50037.html



 サッカー日本代表は7日、茨城県内で合宿を行い、FW大迫勇也(26)=1FCケルン=らが帰国し合流した。昨年6月の招集を最後に約1年5か月、日本代表から遠ざかっていた大迫。昨年12月には格下リーグへの移籍希望を口にするほど低迷したが、代理人の厳しい言葉を原動力に復活。この「覚悟」がケルンの中心選手に、そして日本代表復帰へと押し上げた。

 昨年12月、FW大迫は格下リーグへの移籍を視野に入れていた。1FCケルンとの契約は残り1年半に迫っていたが、試合出場機会は減り、出られても本職のFWではなく、MFやトップ下。インサイドハーフまでポジションを下げたこともあった。14年1月に周囲の反対を押し切って海を渡ってから約2年。ストライカーのプライドは傷つけられ、ギブアップ寸前に追い込まれていた。

 代理人の秋山祐輔氏にオランダ1部や各国2部リーグへの移籍交渉について相談した。「試合に出たい」一心だった。だが、“身内”から返ってきたのは厳しい言葉。「サコ(大迫)の良さを分かっている俺が監督でも最初は外国人を使う。それはケルンだけじゃない。欧州クラブならどこでも同じ。どこにでも大きい外国人FWがいる。そこで結果を出して1トップを取らないといけない」

 苦い経験があった。12年ロンドン五輪出場を目指すU―23日本代表のエースとして本大会出場権獲得に貢献したが、五輪のメンバーから落選した。日本サッカー協会関係者によると関塚隆監督(当時)は、先発起用しなかった時に見せた大迫の態度が、ふて腐れているように映ったからだという。思い通りにいかない時、知らず知らずのうちに態度に出てしまう。今回の“格下げ移籍”も同じ思考だった。

 腹をくくった大迫は、サイドでもトップ下でも精力的に取り組んだ。「FW起用を勝ち取る」という明確な目標に向かっていた。今季は公式戦11試合に出場(先発9試合)し、4得点2アシスト。結果を出し、FW起用を勝ち取った。「もうあんな嫌な思いをしたくない、という思いが強い」。大迫が結果の世界に生きる、ストライカーとなって日本代表に戻ってきた。

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