日刊鹿島アントラーズニュース

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2023年5月22日月曜日

◇「JFLの門番」ホンダがJ3奈良破る下克上…鹿島も撃破し「ディアハンター」となるか(産経新聞)






アマチュアシードのホンダFCが「日本フットボールリーグ(JFL)の門番」の意地を示した。21日に敵地のロートフィールド奈良(奈良市)で行われた第103回天皇杯全日本選手権1回戦の奈良クラブ戦。昨季のJFLで優勝とJ3参入を許した相手に1-0の完封勝ち(ホンダFCは3位)。小林秀多監督は「いかに奈良クラブにやりたいサッカーをやらせないかを考えた。辛抱強い守備から自分たちの流れで点を取れて勝つことができた」と相好を崩した。

J3で上位につける奈良クラブはリーグ戦で出場機会を得られていない選手を中心に構成。それでも立ち上がりからボールを保持して攻勢をかけた。ホンダFCは布陣を変更するなどして対応し、徐々にペースをつかむと、後半18分に得た右CKからDF川浪龍平が頭で決めて先制。その後は体を張った守りで、パワープレーを仕掛けた奈良クラブの反攻をしのぎ、虎の子の1点を守り切った。

「インスイングで中に入ってくるボールなので、うまくマークを外そうと思った」と得点場面を振り返った川浪は「DFとしては無失点で終われたのが良かった」と破顔。指揮官は「うちのDFは背が高くないので、セットプレーはしっかり取り組んできた」と練習の成果を強調した。

今回が43度目の天皇杯出場となるホンダFCは2019年度の第99回大会でコンサドーレ札幌、徳島ヴォルティス、浦和レッズとJリーグ勢を相次いで倒して8強入りする快進撃を披露した。当時大学生だった川浪は「その時の試合を見て、ホンダFCに入ろうと思った。JFLで優勝するより、天皇杯でJリーグのチームを倒した方が盛り上がる。きょうのミーティングでも、天皇杯で優勝しようと目標を掲げた」と打ち明けた。

ホンダFCはJリーグ入りを目指すチームの前に立ちはだかり、参入を阻んできたことから「JFLの門番」と呼ばれる。今季は故障者が相次ぐなどして9位と苦しんでいるが、一発勝負の天皇杯は別物だ。


2回戦の相手は2019年度の準々決勝で敗れた因縁の鹿島アントラーズ。「鹿島の壁を越えるために相手をリスペクトし過ぎずに臨みたい」と小林監督。奈良クラブの次は鹿島アントラーズ。「鹿」のイメージがある相手に下克上を続け、「ディアハンター」の異名も手にできるか。(北川信行)





◇「JFLの門番」ホンダがJ3奈良破る下克上…鹿島も撃破し「ディアハンター」となるか(産経新聞)





◆鹿島の生え抜きFW垣田裕暉が地元で挙げた“特別な1点”。愛着あるクラブで背番号37がキャリアハイの二桁得点を目ざす(サッカーダイジェスト)



垣田裕暉


開始わずか26秒に“初ゴール”への伏線


[J1第14節]鹿島1-1FC東京/5月20日/県立カシマサッカースタジアム

 鹿島アントラーズの「背番号37」が奮闘中だ。

 J1第9節のアルビレックス新潟戦(2-0)から直近のFC東京戦まで、6試合連続スタメン出場。ガムシャラで、献身的で、見る者の胸を打つプレーで、チームに活力をもたらしているのが、クラブ生え抜きFWの垣田裕暉だ。

 ひたむきさや泥臭さは身上ながら、もちろんそれだけではない。確かな結果を出すことで、自身の存在価値を高めている。

 クラブ史上初の6試合連続のクリーンシート勝利なるか、と大いに話題を振りまいたFC東京戦では、立ち上がり6分にうれしい先制点をマーク。左SBの安西幸輝からのピンポイントクロスを頭でとらえた。プロ8年目にして初めてとなる地元カシマスタジアムでのゴールというのもあり、「特別な1点になった」と喜びもひとしおだった。

 実は“初ゴール”への伏線があった。開始わずか26秒、右サイドからのロングフィードをペナルティエリア左手前で垣田がいったん収め、外に開いていた仲間隼斗に預けると、すぐさまゴール方向にダッシュ。リターンパスを呼び込み、ジャンプ一番、ヘッドで狙った。いきなりの得点とはいかなかったものの、“次こそ”を予感させていた。

「自分の役割は前線での守備はもちろん、相手の嫌がるスペースを見つけて動き回り、ボールを受けたら、しっかりタメを作って、味方につなぐこと。そのなかで、できるだけ多くのゴールを決めて、チームの勝利に貢献したい」(垣田)

 シュートに至るまでの駆け引きやスキル面では、まだまだ改善の余地があるだろう。だが、それはFWとしての伸びしろを意味している。「もっと練習しないと」と、不断の努力を惜しまず、J1でのキャリアハイとなる“二桁”を目ざす。

 今季の初ゴールはチーム好転の分岐点となった新潟戦だった。26分、ゴール中央でボールを収め、丁寧なパスで鈴木優磨に残し、状況を静観。相手守備陣がいっせいに鈴木に引きつけられたのもあるが、バックステップでフリーになると、鈴木からの浮き球リターンパスに反応し、身体を倒しながら左足ボレーで決めてみせた。

「プロになって鹿島のエンブレムを着けたユニフォームで、ゴールを決めたいと子どものころからずっと夢見ていた。それがかなえられて本当にうれしい」と、FWとしての自分史に新たなストーリーを書き加え、笑顔がはじけた。

 振り返れば、ここまでのサッカー人生は波乱万丈だった。2016年にユースからトップ昇格。その後、期限付き移籍で、J2のツエーゲン金沢、徳島ヴォルティス、J1のサガン鳥栖を渡り歩き、通算6シーズンの武者修行を終え、今季古巣に戻った。

 徳島では17ゴールを決め、J1昇格に貢献するなど、ひと回りもふた回りも成長した姿を見せている。

 有体に言えば、苦労人。だが、重ねてきた苦労を苦労のままにせず、血となり、肉となり、進化に変えた。これだけ長い期間、他クラブでプレーした選手がレンタルバックするのは、鹿島では珍しいケースでもある。

 背番号37はプロ1年目に身に着けた番号だ。初心を忘れず、何より結果で、人一倍、愛着あるクラブに尽くしたいという思いが込められている。

取材・文●小室功(オフィス・プリマベーラ)





◆鹿島の生え抜きFW垣田裕暉が地元で挙げた“特別な1点”。愛着あるクラブで背番号37がキャリアハイの二桁得点を目ざす(サッカーダイジェスト)





◆【採点寸評|鹿島】6戦連続クリーンシート勝利ならず。モヤモヤした感情をぬぐえないままのドローに[J1第14節 鹿島1-1FC東京](サッカーダイジェスト)



鹿島アントラーズ採点寸評


「選手たちには、自分たちに目を向けてしっかりプレーしようと伝えた」


 Jリーグは5月20日、J1第14節の鹿島アントラーズ対FC東京を開催。両者譲らず、1-1の痛み分けに終わった。

 鹿島が幸先よく先制。6分、左サイドの敵陣深くでボールを受けた安西幸輝が、鋭いクロスを供給すると、これに反応した垣田裕暉がヘディングで合わせてネットを揺らした。

 FC東京も反撃に出る。28分にペナルティエリア内でディエゴ・オリヴェイラが関川郁万に倒されてPKを獲得。これをキッカーのD・オリヴェイラがゴール右下に流し込み、同点に追いついた。

 その後も一進一退の攻防が繰り広げられるなか、お互いにチャンスを決め切れず、このまま終了。鹿島の連勝は5でストップ、FC東京は2戦負けなしとなった。

▼鹿島のチーム採点「6」
 クラブ史上初となる6試合連続のクリーンシート勝利を目ざしたが、その夢がもろくも絶たれた。立ち上がりの6分、アカデミー出身FWの垣田裕暉が素晴らしいヘッドを叩き込み、先手を取るも28分に振り出しに戻された。

「(不可解な判定による)PKを決められ、少し動揺したところがあったが、選手たちには審判に目を向けるのではなく、自分たちに目を向けてしっかりプレーしようと伝えた。選手同士で声を掛け合っていたし、大きく崩れなかったのは良かったこと」(岩政大樹監督)

 6連続クリーンシートは途絶えたものの、6連勝がかかる鹿島は最後まで攻め立てた。しかしFC東京の牙城を切り崩せずに終わった。負けたわけではない。だが、モヤモヤした感情をぬぐえないままのドロー決着となった。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

※採点は10点満点で「6」を及第点とし、「0.5」刻みで評価。
※出場時間が15分未満の選手は原則採点なし。




GK:早川友基|採点6/PKによる失点を許したものの、90分間を振り返れば及第点。守備面での奮闘だけでなく、攻撃の第一歩となる正確なロングフィードも披露。

DF:広瀬陸斗(75分OUT)|採点5.5/肉弾戦を繰り返したことで、それがジャブのように体力を奪ったのか。時間の経過とともにプレーの精度が低下してしまった。

DF:植田直通|採点6/6試合ぶりの失点に無念さがよぎっただろうが、すぐさま周囲に声をかけて励ました。ディフェンスリーダーたる姿がそこにあった。

DF:関川郁万|採点6/PK献上の接触プレーは不用意といえば不用意ながら、厳しいジャッジにも映った。失点後、ヘッドダウンせず、戦い抜いた。

DF:安西幸輝|採点6.5/サイド攻撃に推進力をもたらそうと、立ち上がりから積極的に駆け上がった。先制点につながるピンポイントクロスはお見事。

MF:樋口雄太(75分OUT)|採点6/相手陣内でのFKやCKが多い展開のなか、そのほとんどのキッカーを務め、球種に工夫を凝らした。

MF:ディエゴ・ピトゥカ|採点6/ファウルを受け、何度ももんどりうった。闘志に火がつき、過剰反応してしまうかと思われたが、冷静さを保った。

FW:名古新太郎(56分OUT)|採点5.5/攻守にわたって献身的なプレーを継続中も細かいミスが少なくない。24分にフリーでミドル弾を放ったが、惜しくも得点ならず。

FW:仲間隼斗(56分OUT)|採点6/前方へのロングパスがそのままラインを割ってしまうだろうと思われても、あきらめずに全力疾走。チーム好転の一因がここにある。

FW:垣田裕暉(64分OUT)|採点6.5/背後への飛び出しや斜めのランニング、タメを作るポストプレーなど、開始早々から躍動。うれしい先制ヘッドを決めた。

FW:鈴木優磨|採点6/精彩を欠いたというほどではないが、全体的に出来は今ひとつ。それでも終了間際、知念からのパスをボレーでねらい、相手GKを慌てさせた。

MF:佐野海舟(56分IN)|採点5.5/怪我から復帰して2戦目。本調子にはほど遠く、ボールが足につかない場面も散見された。

MF:土居聖真(56分IN)|採点5.5/身体を投げ出してパスカットするなど、守備面での貢献は小さくなかったが、攻撃面では大きな変化をもたらすことはできなかった。

FW:知念慶(64分IN)|採点6/味方を生かし、味方に生かされ、好機創出に奔走したが、決定打を奪いきるところまでいかなかった。

DF:常本佳吾(75分IN)|採点6/明治大の一学年先輩である安部柊斗(FC東京)の強烈ミドルに対し、顔を背けず、身体でブロック。追加点を与えなかった。

MF:アルトゥール・カイキ(75分IN)|採点5.5/攻撃を活性化すべく、左サイドハーフに入ったが、ボールに関与する回数が少なく、沈黙。

監督:岩政大樹|採点6/「プレー強度とスピードのあるチーム」とFC東京を警戒。こう着状態が続くなか、5枚の交代カードを使い切り、6試合連続勝利を目ざしたが、ポイント1の上積みにとどまった。








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