http://www.sanspo.com/soccer/news/20141011/jpn14101105030005-n1.html キリン・チャレンジカップ(10日、日本1-0ジャマイカ、デンカS)日本代表がジャマイカ代表に1-0で勝った。前半16分、MF柴崎岳(22)=鹿島=のシュートが相手に当たってオウンゴール。これが決勝点となり、ハビエル・アギーレ監督(55)の就任3戦目で初白星を挙げた。新体制で初招集のMF香川真司(25)=ドルトムント=は先発して終盤までプレーしたが脳振とうの症状を訴え、14日のブラジル戦(シンガポール)に臨むチームから離脱することになった。
“新・持ってる男”襲名だ。前半16分、MF柴崎のシュートをGKがはじいたボールが相手DFに当たってオウンゴールとなり、日本代表通算1100点目を演出。「本当に入ったの?」と言わんばかりにキョトンとしたが、同1000点目を決めたFW本田らに囲まれもみくちゃにされると、笑みが広がった。
得意の飛び出しが1点を生んだ。FW岡崎が敵陣でボールを奪うと、ハーフウエーライン付近にいた柴崎は猛ダッシュ。約50メートルを走り切ってペナルティーエリアへ入り、FW本田のパスをシュートした。
「ショートカウンターから何度もチャンスを作れた。得点のシーンもそんな形」と柴崎。鹿島の鈴木満常務が「いつも試合で一番走るのは(柴崎)岳」と認める豊富な運動量が、鋭い逆襲から得点を狙うアギーレ監督の戦術にピタリとはまった。
攻守両面に顔を出してパスをつなぐ心臓として機能。懸案とされてきたMF遠藤保仁(G大阪)の後継者として存在感を放った。アギーレ監督も「ワールドクラスだ。まるで20年も経験を積んだかのようなプレー」と絶賛し、「遠いところに行き着くことができるだろう」と、代表2試合目で早くも将来に太鼓判を押した。
デビューとなった9月9日のベネズエラ戦では正真正銘のゴールを決めるなど、得点力も持ち合わせる。MF香川や同い年のFW武藤とも小気味のいいパス交換を行い、連係のよさを披露した。「まだ親善試合を2試合消化しただけ。アピールを続けたい」。大きな可能性を秘める若武者が、さらなる飛躍を誓った。 (伊藤昇)
アギーレ・ジャパンの過去2戦VTR
★第1戦(9月5日、札幌ド) キリンチャレンジ杯でウルグアイと対戦。4-3-3布陣で、初招集のDF坂井(鳥栖)、FW皆川(広島)を先発起用。しかし、前半34分に坂井のトラップミスから失点すると、後半25分にも再びミスからゴールを奪われ0-2で敗戦。後半ロスタイムには監督と相手DFが一触即発ムードとなるなど、随所に“アギーレ色”が出たが白星発進とはいかなかった。
★第2戦(同9日、日産ス) 同杯でベネズエラと対戦。前戦から先発5人を入れ替えて臨み、後半開始から出場したFW武藤(FC東京)が同6分に新生日本代表第1号ゴールを決め先制。同13分にPKから同点弾を献上したが、同22分に代表初出場のMF柴崎(鹿島)が勝ち越しゴールを奪った。4分後にGK川島(スタンダール)のミスで追いつかれ、2-2で引き分けたが、新戦力が鮮烈な印象を残した。
データBOX
◎…前半16分に日本がオウンゴールで先制。これが日本の国際Aマッチ1100点目の節目のゴールとなった。第1号ゴールは1923年5月23日の極東選手権・フィリピン戦(大阪)で清水隆三(東京蹴球団)が決めた。
柴崎 岳(しばさき・がく)
1992(平成4)年5月28日生まれ、22歳。青森・野辺地町出身。青森山田高2年時の2009年度全国高校選手権で準優勝。11年に鹿島入団。同年4月の福岡戦でリーグ戦初出場、12年10月のFC東京戦で同初得点。同年2月にA代表に初選出(不出場)。先月9日のベネズエラ戦で国際Aマッチ初出場&初得点。J1今季27試合5得点、同通算105試合8得点。代表通算2試合1得点。1メートル75、64キロ。