今週11月22日は「いい夫婦の日」――6歳年上の日本テレビアナウンサー後藤晴菜さんと10月に結婚を発表した鹿島アントラーズのMF三竿健斗(25歳)。その三竿本人に、結婚を決断するまで、そしてどんな“新婚生活”を送っているのかを聞いた。
「ただいま~!」「おかえり~!」
そんな単純なやりとりが「めっちゃいいなって思います」。
家に帰れば明かりが灯っている。一人暮らしにはない、そんなひとときに三竿健斗は幸せを感じるようになったという。結婚を機に、何かが変わった。
「サッカーだけではなくなりました」
これまでストイックに自らのピッチ上でのパフォーマンスを求めてきた。高校2年から書き始めたサッカーノート。その日の良かったことを3つ、次の日にチャレンジしたいことを3つ。日々の気づき、自分が感じた課題をつづってきた。それは、明日の自分が今日の自分よりも、より良くなるために。計画、実行、評価、改善。自分なりのPDCAサイクルをどんなときもブレずに回し続けてきた。
「その日にあって良かったことやうれしかったことを書くだけで幸せな気分になれるし、脳がポジティブになると勧められて始めました。始めてみるとものすごく整理できる。自分にとって、すごく役立っています」
もともと、「練習が終わればリセットして切り替えるタイプ」。ピッチでいかに最高のパフォーマンスを表現できるか、常に考え、常に実践し、トレーニングや試合に向けた準備はもちろん、ピッチ外でサッカー以外の経験も積極的に取り入れてきた。食事は独学で栄養に関する本を読むことから始まり、栄養士からのアドバイスを受けて、自らの体質に何が合うのかを追求。食べたものから細かな体の変化がわかるようになった。
「フライデー? 撮られなかったですね(笑)」
2021年10月、そんな三竿が日本テレビアナウンサーの後藤晴菜さんと結婚を発表した。これまでストイックに今以上を求めてきたアスリートに、どんな変化があったのだろうか。
「今までは一人でずっとストイックにやり続けてきた部分がありました。常にサッカーのためを考えて行動してしまうのは変わらないけれど、たまにダラダラしたりとプレーのことばかりではなくなった。よりオンとオフがしっかりできるようになりました」
第一印象からズバリ、「かわいいなって思いました」。初めて出会ってからタイミング良く2人で会う予定を作ることができ、約2週間後には交際を始めた。出会いが自粛期間前だったことも奏功し、美味しそうなお店や食材を見つけては一緒に楽しむ日々を積み重ねた。結婚を「自然な流れ」で決めたという。
「結構、気が合うというか、価値観も似ていたり、食の好みも合うんです。美味しいご飯を食べに行くのが2人とも好きなので、いつも調べていて、ここいいよとお互い話しては食べに行って。とにかくオフは美味しいご飯を食べることがキーになっています。フライデー? 撮られなかったですね(笑)。2人とも全然、気にせず堂々と街中を歩いていたんですけどね」
誕生日の相性を見ると、ソウルメートの評で相性抜群。そんななか、2020年初めに新型コロナウイルス感染症が拡大。生活様式は様変わりし、今も行動の制限は続くが、2人の関係を深める契機となった。
「コロナの影響で外出ができなくなり、家で一緒に過ごす時間が増えたのはポジティブに働きました。本来だったら週1回、会えるかどうかでしたが、それまでに付き合った期間で会えた何倍もの時間をともに過ごすことができました。そういった時間が増えたことで、現実的にお互いの将来を考えることができたのかなと思います」
「ぶり大根が好きですね」
自粛生活を強いられるなか、三竿にとっての楽しみは手料理だった。
「全部、美味しいんです。ぶり大根が好きですね。いつも自分が食べたいご飯を作ってくれますし、どれも美味しいのですごく助かっています。食事だけでなく、僕がストイックになりすぎないようにうまく調整して緩めてくれて、いいバランスになるようにしてくれています」
バリエーションも豊富で、栄養バランスだけでなく、一品一品に飽きさせない工夫も込められていた。
「一人で食事をするとなれば、どうしても選ぶものが似通ってしまうもの。それが家で作ってくれるときは、食べに行くときには出てこない料理が出てくるんです。おひたしとか、そういうのが食卓に並ぶのも楽しみの一つになりましたね」
一人だったら絶対にやらないであろう大人レゴにハマったことも、変化の一つだ。
「たとえば、ミッキーのレゴのパズルを完成させて額に飾ったり。プラモデルを作るように、マンチェスター・Uのスタジアムであるオールド・トラフォードをレゴで作りました。めちゃくちゃ精巧で、すごい時間がかかりました。それもリラックスできるし、いい暇つぶしになるんです。少年の心を思い出すような感覚でした。ミッキーは奥さんと一緒に作りました。一人ではやろうとならないけれど、奥さんもいるからやってみたら、めっちゃ楽しかったことの一つですね」
まるで少年の頃に戻ったかのような楽しい時間が増えた。そして、ピッチ上でも新たに楽しいと感じ始めたことがある。サッカーを始めたばかりのとき、ボールを追いかけるのに夢中だった、あのときの心を取り戻したかのように。
「最近はボールに関わり続けることを意識しています。やってみると、今までよりも楽しくやれている。ボールにさわれたり、前を向いてパスを出せるようになったり。自分がイメージした通りに、仲間にパスを出せることが増えてきているので、毎試合、楽しみな気持ちで臨めています」
10月8日、2022カタールW杯アジア最終予選のサウジアラビア戦を見ていたときのこと。前半6分、2016シーズンに鹿島でともにプレーした柴崎岳が左サイドから中盤でボールを受けると、無回転のロングシュートを放った。相手GKのファインセーブで得点にこそならなかったが、画面越しにふと思った。
「僕もできるかもしれない」
ゴールにからむこと。それは三竿の掲げる、今後への課題の一つでもある。
「今は、パスでのサイドチェンジなどは少しずつできるようになってきた。次は、シュートのところを追求しないといけないと思っています。今シーズンは、今までよりもシュートが枠に飛ぶ機会が増えてきています。確率的に、これまでよりも確実に近づいてきている。あとは一本入るかどうかですね」
理想のイメージは、2020年J1第13節柏戦で決めたゴールだ。日々の練習を積み重ねていくことで、手応えをつかみ始めている。
「ボールの置き位置でだいぶ変わってくるので、いつも自分が気持ちよく蹴られる場所を意識しています。前すぎると浮いてしまうし、足元すぎると低い球になってしまう。岳君は体の外側にボールを置いて打っていますが、僕もそこがキックのパワーが伝わりやすい置きどころ。そこまでは分かってきたんですが、ドリブルをしながらいい位置に置いてシュートまでいくというのが、今はまだ難しくて、そこはトライしながら。とにかく繰り返し練習して、試合でチャレンジするしかない」
常に自分を客観視し、日々向き合うことで成長を続けてきた。そんな三竿を、隣に寄り添う心強い存在が、さらに強くする。
「自分としてはゆっくり進んでいるなという感じがあるんです。思い描いていた成長スピードとは違うのですが、これが自分なりの人生のペースなのかなと最近は思っていて。他の人と比べる必要はなくて、自分の歩幅で進んでいければと思っているので。だからこそ、より集中できているなと感じています。これからは1人ではないですからね。より責任が増していると感じています」
どんな家庭を築いていきたいか。思い描く姿は明確で、そのさきに新たな決意をにじませる。
「いつも2人でふざけ合っているんで(笑)、ずっと笑っている仲の良い家庭にしていきたいです。もちろん、サッカーでも結婚したから良くなったよねと言われたいので。より一層、頑張ろうと思います」
決意を新たにした背番号20は、鹿島アントラーズのキャプテンに歴代最年少となる24歳で就任して2年目となる。ピッチ内外で整ってきた三竿健斗のこれからに、さらなる期待が膨らむばかりだ。
◆日テレアナウンサー後藤晴菜さんと結婚…鹿島MF三竿健斗25歳が明かす“新婚生活”「ぶり大根が好きです」「ずっと笑っている家庭にしたい」(Number)