日刊鹿島アントラーズニュース
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2017年7月13日木曜日
◆変化を遂げた鹿島がセビージャを迎え撃つ 決戦を前に、昌子と中村が抱く思い(Sportsnavi)
昌子「いい意味でも悪い意味でも注目される」
あれからどれだけ成長することができたのか。世界との距離感を知ることができる機会が再び巡ってきた。
7月22日に行われる「Jリーグワールドチャレンジ」で、2016−17シーズンのリーガ・エスパニョーラにおいて、レアル・マドリー、バルセロナ、アトレティコ・マドリーに次ぐ4位の成績を収めたスペインの強豪・セビージャと鹿島アントラーズが対戦する。
2016年12月、鹿島はクラブワールドカップ(W杯)に開催国枠で出場し、ダークホースながら強豪クラブを次々と撃破して決勝に進出。その決勝でもレアル・マドリーと延長戦までもつれる大熱戦を演じた。その記憶が薄れる間もなく、欧州のトップレベルを体感できることは、チームや選手の成長を推し量るために貴重な機会となるだろう。
クリスティアーノ・ロナウド、カリム・ベンゼマという世界的なFWと対峙(たいじ)し、同等に戦えたことから一気に株をあげた昌子源は「いい意味でも悪い意味でもレアルとやっていることで注目される」と表情を引き締める。
「レアルと延長戦までいったのに、セビージャに惨敗したら『クラブW杯は何だったんだ』と言われてしまう。どういう選手がいて、どういうサッカーでくるのか分からない難しさもあるけれど、(欧州強豪クラブとの)試合ができるのは浦和(レッズ)さんとうちだけ(※編注:17日に行われるワールドマッチでは、セレッソ大阪がセビージャと対戦する)。そういう試合を海外まで行かずに日本でできるのはありがたい。正々堂々と戦いたいと思います」
昨季も昌子は、選ばれたチームしか試合ができないという喜びをかみ締める。チャンピオンシップ終了後にクラブW杯、天皇杯と厳しい連戦が続き、疲労が蓄積していく日々の中で、それだけ多くの試合ができることを力に変えていた。セビージャ戦が行われる日はリーグ戦もなく、他クラブの選手も自分たちの戦いぶりを見てくれるかもしれない――。注目を集める試合ができることに感謝をしつつ、しっかり戦うことを誓った。
セビージャとの対戦を心待ちにする中村充孝
昌子のようにクラブW杯の決勝の夜に活躍した選手もいれば、ピッチの外から眺めるしかなかった選手もいる。「完全にファンの1人やった」と振り返ったのは中村充孝。試合後、C・ロナウドらと一緒に記念写真に収まったのが、あの大会で最も鮮やかに残る記憶だった。
もともと他の選手の試合や映像には何も興味を持っていなかった中村。しかし、自分自身を向上させるために情報収集をするなかで、海外の選手たちははるかにハードなトレーニングを行っていることを知る。
レアル・マドリーをまとめるジネディーヌ・ジダン監督のやり方についても、初めは選手もいやいや従っていたのが、自然にこなすようになり、チームの和が守られるようになったことが分かった。
「それはジダンがすごいわけじゃない。選手に余裕があるからそうなるんや」
見えている事象も少し視点を変えて考えてみると、自身にも生かせることは数多くあることに気が付いた。そうして興味の枠は広がっていった。
5月末から鹿島を率いているのは石井正忠前監督からのバトンを受け継いだ大岩剛監督だ。大岩監督は「走るからこそテクニックが生きて、止まることが生きる。走るからこそ、自分の攻撃のバリエーションが増える」と、技巧に優れた選手ほど走り続けること、動き続けることを求めた。実は、監督のそうした言葉は「半分は彼に言っているようなもの」と、中村に対して投げ掛けているものでもあったのだ。
自身の意識の変革と、監督の投げ掛けが相乗効果となり、中村のプレーは見違えるように変化している。
苦手だった走ることについても「海外ではもっとやっている。(ジョゼップ・)グアルディオラのチームはすごいらしい。スタメンもサブも関係なくハードなフィジカルトレーニングをやっている。それでうちらがやらなかったら、その差は一向に縮まらない」と、前向きに取り組んでいる。
だからこそ、セビージャとの一戦は自分がどこまで通用するのか楽しみなのだという。
1週間で3試合、“超過密日程”でもブレない姿勢
どんな試合でも、どんな相手でも、常に勝機をつかむ糸口を探して勝つことを目指す――。それは、“開闢(かいびゃく)の祖”であるジーコが鹿島に植え付けた哲学であり、ジーコがクラブを離れた今でも連綿と受け継がれている戦い方だ。
その姿勢はつい先日のリーグ戦でも垣間(かいま)見えた。AFCチャンピオンズリーグに出場していた鹿島は、未消化だった第13節をミッドウイークに挟み、1週間で3試合という“超過密日程”を戦った。しかも、そのすべてがアウェーゲームだった。
連戦の1戦目となった柏レイソル戦(3−2)に続き、ガンバ大阪(1−0)との上位対決を連続して制したものの、3戦目のFC東京戦では先制しながら逆転を許す苦しい展開を強いられた。それでも選手交代で流れを引き戻すと、ペドロ・ジュニオールがゴール左からGKの手を逃れるように曲がるミドルシュートをたたき込み同点に。その後も攻め続け、あと一歩で勝利をつかむ大熱戦となった。
「全ての試合で勝とう」と言うのは簡単だ。しかし、自分たちよりも強い相手に勝つ方法や、コンディションが良い相手に勝つ勝ち方が示されなければ、「絵に描いた餅」で終わってしまう。
その点、シーズン途中でチームを引き継いで以来、大岩監督は一貫した姿勢を取っている。まずは、選手たちに積極的な姿勢を求める。
「基本的に、要求することは誰に対しても変わらないです。ゲームに関しては積極的にいく。パス&ゴーもそうですし、フリーランもそう。あとは中盤でシンプルに動かす、味方を信じてテンポ良く動かす。それは、自分たちがファイナルサードで良い攻撃をするための準備ですし、そういったアプローチの仕方は変わりません」
大岩監督が目指すチーム像は、さらに高いレベルに――
そこからは監督を中心としたコーチングスタッフの仕事だ。
「配置やポジションに関して、選手にやってもらうポジションで、どこが適正なのかを見極めるのは僕たちの仕事です。右なのか、左なのか、前なのか、後ろなのか。当然、トレーニングの中で求めることと、彼らが発揮しやすいところを見つけなければいけない。
あとは選手を信じてあげることですよね。それは、どの選手に対しても同じように信じていきますし、『思い切りやれ』と送り出すつもりです。そういった精神的な部分とテクニカルな部分と、両方ありますので自信を持って送り出すことを重要視しています」
前述のFC東京戦でも、過密日程を言い訳にせず、その条件の中で最善の準備を進め、勝利を目指す戦いを見せた。大岩監督が就任して以降、公式戦は6勝1分けと昨季のクラブW杯を彷彿(ほうふつ)とさせる強さが戻ってきた。
しかし、大岩監督が目指すチーム像はさらに高いレベルにある。
「もっと積極的に、もっとアグレッシブに。リスクを冒してでも、少しでも攻撃的にいっていいのではないか」
大岩監督就任後、公式戦7試合で奪った得点は19。攻撃的に生まれ変わった鹿島が、セビージャに対しても牙をむく。
https://sports.yahoo.co.jp/column/detail/201707110002-spnavi
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