J1鹿島のMF小笠原満男が6日、鹿嶋市内のクラブハウスで取材に応じ、11日で発生から3年を迎える東日本大震災に対して復興が進まない現状を訴えた。
小笠原は岩手・盛岡市出身で、高校は津波で多数の被害が出た大船渡市に所在する大船渡高に通っていた。自身の故郷や、本拠地のある鹿嶋市も被災したことで、これまで復興に向け様々な活動を行ってきた。
特に、自らが発起人の1人となり、東北地方のサッカーの復興を目指す「東北人魂を持つJ選手の会」(東北人魂)を2011年5月に発足。東北地方出身のJリーガーを中心に、オフシーズンには被災地でサッカー教室を開くなどの活動を行っている。
被災地の現状について、「まだ復興は1割ほどしか進んでいない。校庭に建てられた仮設住宅に住んでいる人もたくさんいる。(生徒のために)出ていってあげたいと思っても、出ていく場所もない。震災は過去のものではなく、現在進行形」と説明。「自分たちにできることをやりたい。サッカーで元気にできたら」と今後も東北人魂の活動を継続する考えを示した。
鹿島は8日にホームで仙台と対戦。ともに震災で被害を受けたチーム同士の対戦となる。「どちらかのサポーターが(敗戦で)落胆するかと思うと複雑。でも注目してもらえるメリットもある。発信できる人が発信していかないと」と決意を新たにしていた。