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8月2日(土) 2014 J1リーグ戦 第18節
鹿島 5 - 1 広島 (18:34/カシマ/16,632人)
得点者:9' カイオ(鹿島)、55' 柏好文(広島)、66' ルイスアルベルト(鹿島)、70' 西大伍(鹿島)、81' ダヴィ(鹿島)、83' 柴崎岳(鹿島)
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●トニーニョセレーゾ監督(鹿島):
Q:決定力不足が解消されたと考えていいでしょうか?
「この3試合のなかでも、数多くのチャンスをつくりながらも決めきれなかったり、ラストパスの精度が悪かったり、あるいは得点をしたけどレフリーの判断としてはノーゴールであったり、サッカーをやる上ではいろんなことが起きるのでちゃんとサッカーを分析してもらえば勝ってもおかしくない内容でしたし、チャンスの数も相手を上回っていたという部分では、少しずつ競争力のあるチームになってきたということだと思います。
ただ、すべては戦術的な部分や戦法を考えるだけで、実行するのは選手たちなので、その選手たちが何かを成し遂げようという気持ちがある限り、あるいはその夢を持ち続けている限り、状況は変わっていくだろうと思っていました。だからといって、すべてが完璧ではなかったですし、3試合のうちセットプレーからの失点があって、それは以前も申し上げたとおり集中や注意力、声を出すという部分の足り無さであり、それはそんなに難しい部分ではありません。あとは正当な競り方があるわけなので、それをうまくやれれば状況は変わってきます。今日だけでなく、他の試合でもチャンスをものにしていれば状況は変わっていたのであって、なにか発破をかけるというよりは、『要因は?』と聞かれていたので『決定力不足』をあげていました。選手たちの取り組む意識が変わっていけば状況は変わるし、チームとしての約束事や機能性も競争意識を高めれば、こういうこともやらなければいけないんだ、とか、こういうことをやれば勝てるんだということもわかってきます。当然ながらプラスの結果が出ればそれが深まるし、選手もそのなかで機能や役割を消化できるようになります。なおかつ、『言われていたことはより良い状況を生み出すんだな』という確信に変わるので、良いことではないかな、と思います」
Q:柴崎(岳)選手が攻守に効いていたと思います。評価をお願いします。
「僕は通訳にずっとすごい選手がいるんだけれど彼は自分で自分で凄いことができるんだと自覚していないだけで、それをなんとかしなくちゃいけない。なんとか説得してくれと言ってきました。まず、彼は運動量がある。その運動能力は高いし、シュートは両足で打てるし、パスも両足で出せるし、それもなおかつ正確です。サッカーというのは難しいスポーツであり、頭で考えても一番遠い足で動作を行うわけで、それも走りながら足を使います。それはなかなか教え込んでもある程度まではたどり着きますけど、あとは才能の部分もありますので、僕はその才能をなんとか開花したいなと思っていました。だから、この前ちょっと宝箱という訳を使わせてもらったんですけど、足に宝箱があって、それをなんとか開ければすごい光を発するという意味で宝箱という表現をさせてもらいました。僕は彼が将来、代表に呼ばれることを確信しています。このまま成長し続けて欲しいなと思います。彼が成長しているスピードを止めずに、うまく流れに乗ってそのまま、僕がイメージしている以上の選手に育ってもらえればと思います。僕はチームを監督する立場であって、監督の仕事というのは観察することも含まれています。彼は非常に早めにクラブハウスに来て、自分が練習において必要な準備を進めています。自分のスパイクを磨いたり、練習に対しても今やるべきことをちゃんと整理して取り組んでいますし、また練習後も自分の課題やなにかの発見をして、またそれに向かって取り組もうとしています。クラブハウスにあんなにいる選手はいません。20歳から少し経っている選手で、普通はギリギリに行こうかな、と思うところを、1番手か2番手くらいで来ています。僕はクラブハウスにわざと早めに行ってそういうところも見たりしているし、一番遅く来る選手も見ています。選手たちがどういう行動を取っているのか見ています。興味や積極性を持っているときは列の先頭に立ったり、一番前の席に座ったり、僕らも子供のときは興味あるものは前に立つしのぞきに行くし、それと同じです。人間の行動というのは年齢問わず変わらないものであって、それを彼は示しているかな、と思います。そういった部分を僕はちゃんと見ているし、成長したいんだな、変わりたいんだな、という選手は、しっかりと見ていきたいと思います。シャイな正確で後ろに座っている選手はもちろんいますけど、その殻を破って前に進めるような指導も心がけています。最終的には個人の判断ですし、どの道を進むのか、出番がないから後ろの方で良いと思う人と、もうちょっと頑張って前に行こうと思う人とでは、それぞれが変わっていくので、アントラーズにいる間は厳しく接するし、厳しい指導をしながら彼らが変わることを願って指導し続けます」
Q:若い選手のメンタル面での成長、ファイティングスピリッツについての成長をどの程度感じていますか?
「僕がファイティングスピリットのような哲学をこのクラブに持ってきたわけではなく、このクラブに元々あるものなので、僕が言わずとも彼らがやり続けていることです。あとは若い選手なので調子が良い日もあれば悪い日もあるので、それは若さ故の不安定さだと思います。僕は多少目をつぶりながら、絞めるところだったり弛めるところの判断をしながら、彼らが成長するようにしています。元々あったものなので、僕は特別なことはしていませんし、あとは若手でも一生懸命やるのでそれだけで十分だと思います。一生懸命やれば必ず成長はあると思います。あと、大半の選手はそれぞれの高校や大学で王様だった選手なので、その気持ちのまま一回プロに入ってくるんですけど、壁にぶつかります。フィジカルの脆さから始まり、技術や判断というところでは高校レベルや大学レベルとJリーグとはまったく違う世界であり、スピードも違います。今日の試合もありましたけど、いろんな狡賢さであったり駆け引きだったり、ポルトガル語で言うマリーシアであったり、いろんなことをやっていきます。それを練習のなかで覚えさせ、言葉で説明しても覚えられないことですし、練習で叩き込まないといけないことです。でも、彼らに言ったのは、時代の流れが速くなったのに伴い自分たちの成長スピードも技術のスピードと合わせて成長するんだという気持ちでやらないと、次の人が来て自分のポジションがなくなってしまうことに繋がります。早く自分の気持ちを奮い立たせてやらないといけないぞ、とは何度も言っています」
以上