日刊鹿島アントラーズニュース
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2015年11月2日月曜日
◆鹿島MVP小笠原「タイトル獲ってこそ」/独占手記(ニッカン)
http://www.nikkansports.com/soccer/news/1560244.html
<ナビスコ杯:鹿島3-0G大阪>◇決勝◇10月31日◇埼玉
鹿島が前年王者のG大阪を下し、3年ぶり最多6度目の優勝を果たした。主将のMF小笠原満男(36)が全3得点に絡む活躍でMVPを獲得。後半15分にCKで先制点をアシストし、2点目と3点目は起点になった。中盤のセカンドボール争いでも完勝。02年以来2度目のMVPは最多タイ、36歳6カ月26日での受賞は史上最年長となった。同学年のG大阪MF遠藤保仁との対決を制し、歴代最多を更新する17冠目に貢献した小笠原が、日刊スポーツに独占手記を寄せた。
優勝もMVPも全員のもの。でも点を取ってないのにMVPなんて、うれしくないかな(笑い)。優勝は17回のうち14回目。やっぱり勝たないと。負けて得るものなんかない。石井さんを男泣きさせたかったけど、さすが優勝慣れしてて冷静だった。アントラーズはタイトルを取ってこそだし、取った者にしか分からない勝ち方、見え方がある。常勝に戻るためには今日が最低ラインだと思う。
36歳は若くないけど、この年齢になって、相手の嫌がる部分とか見えてきた部分もある。ヤット(遠藤)が試合後に「素晴らしい」と言ってくれたけど、自分がキャリアで勝てるところは1つもない。でも、チームとしては負けたくなかった。10代から一緒だったけど、代表に呼ばれても試合に出られなかった。僕らは決して良い思いばかりしてきた選手じゃない。ずっと悔しい思いをしてきた。でも、欧州組に対し「出られなくても仕方ない」とは思わなかった。(柴崎)岳もヤット級になれるポテンシャルはある。負けん気を出して頑張ってほしい。ここ数年、鹿島も世代交代を進めているけど、若手はまだ自分で定位置をつかんだわけじゃなく、与えられただけ。本当の強さは、こうやってタイトルの味を知って覚えていくことなんだ。
7月5日にヤナギさん(柳沢敦)や(中田)浩二の引退試合があった。その前日にOBと食事して「大丈夫か」と言われた。2年連続無冠で顔向けできなかった。その2週間後にセレーゾ前監督が解任され、翌日の決起集会で「監督が代わっても、俺らが変わらなかったら意味がない」と言った。セレーゾには(昨年10月22日神戸戦で)選手起用をめぐり怒鳴ったこともある。試合中なんで熱くなっちゃったけど、勝ちにこだわった戦術的な話。彼も多くのものを残してくれた。
9月には同じ茨城の常総市で水害(関東・東北豪雨)があり、鹿島のスクール生が被災した。できることはないか。過密日程とか関係なく、ボランティアに行こうと思った。ご家族から丁重に断られて力になれなかったけど、決勝の1週間前にカシマスタジアムに招待した。今日の埼玉にも何人か呼んでいた。優勝を見せてあげられて良かった。東日本大震災の後、子供たちを招待した試合で負け、両手両膝をついて謝ったこともある。タイトルを取らないと「大丈夫?」と言われるので勝てて安心した。
まだ引退はない。若手には「やれるもんなら、やってみろ」って思ってるし、ジーコはJ開幕時に40歳でハットトリックした。セレーゾも37歳でクラブW杯を制してMVPになった。いつか超えられるよう頑張っていきたい。(鹿島MF)
◆小笠原満男(おがさわら・みつお)1979年(昭54)4月5日、岩手県盛岡市生まれ。大船渡高から98年に鹿島入り。99年ワールドユース準優勝。02年3月21日ウクライナ戦でA代表デビュー。W杯は02年日韓大会と06年ドイツ大会で計3試合に出場。06年夏にセリエAメッシーナへ期限付き移籍。07年夏に鹿島復帰。J1通算462試合69得点。09年リーグMVP。国際Aマッチ通算55試合7得点。173センチ、72キロ。
▼最年長MVP 36歳の小笠原が02年以来13年ぶり2度目のMVP。ナビスコ杯で2度のMVPは93、94年のV川崎MFビスマルクに次いで史上2人目。36歳での受賞は96年の清水MFサントスの35歳を更新する史上最年長記録。
◆ナビスコ杯の賞金 優勝は1億円、準優勝は5000万円、3位は1クラブにつき2000万円。優勝クラブにはスポンサー杯(デザインはティファニー社製)とJリーグ(チェアマン)杯も贈られる。
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