日刊鹿島アントラーズニュース
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2016年4月8日金曜日
◆王者として迎えるプレミアリーグが間もなく開幕、鹿島ユース・熊谷監督「10番目のチーム」「目標は当然、残留です」(ゲキサカ)
http://web.gekisaka.jp/news/detail/?186754-186754-fl
高校年代最高峰のリーグ戦、高円宮杯U-18サッカーリーグ2016プレミアリーグが9日、開幕する。鹿島アントラーズユースは昨年、プレミアリーグEASTで初優勝。チャンピオンシップも制して高校年代のリーグ戦日本一に輝いた。プレミアリーグ残留を目標に掲げてシーズンをスタートし、それを達成すると、また新たな目標を掲げて、クリアしながら掴み取った日本一。「献身、誠実、尊重」の「アントラーズ・スピリット」を選手たちに植え付けてチームとともに戦い、タイトルを獲得した熊谷浩二監督にプレミアリーグの意義、今季の目標などを聞いた。
―高円宮杯プレミアリーグの開幕が迫っています。熊谷監督の高校時代のときは考えられなかった環境ではないでしょうか。
「それは間違いないですね。確かに恵まれていると思います。ただ、この環境があるからそれでいいというのではなく、僕らのような育成に関わっている人間、これは現場だけでなく大会運営をされている方も含めて、日本サッカーのことを考えて『まだまだ足りていないぞ』という意識でさらに進んでいく必要があると思います。『いまの子は恵まれている』で片付けてしまってはいけません」
―確かにそうですね。一方で、クラブユースと高体連が日常的に戦える場があるという価値は大きいと思います。
「高体連が持っている確たる基盤は素晴らしいものですし、二つを別々に分けて考える必要もないと思います。それぞれの良い部分をお互いに意識する場になればいいと思います。クラブの側は『高体連のハードに戦う部分は本当にすごいな』と感じ入ることがあるでしょうし、逆に『クラブのボール回しの上手さは見習おう』と高体連の選手や指導者が思うこともあるかもしれません。肌を合わせて学び合う、そういう場にプレミアリーグはなっていると思います。その上で、いまユース年代の二つの流れは、少しずつ混ざり合ってきているとも感じています」
―同じクラブユースでもそれぞれの違う色が出ていますよね。鹿島ユースもそうですが。
「鹿島ユースに何か“色”があるのか僕からは何とも言えないですけどね。僕は選手に色を付けるのはこの後の指導者の仕事だと思っていますので、逆に一つの色を付けすぎないように意識している部分もありますよ」
―では、あらためてそんな鹿島ユースが今季のリーグ戦に臨む心境を聞かせてください。
「EAST10チームのうち、10番目のチームだと思っています。目標は当然、残留です」
―チャンピオンチームとして、それは謙虚に過ぎませんか?
「いえ、客観的な評価だと思います。昨年から他チームの1、2年生を観る機会はありましたし、僕らの新3年生がどういう力を持っているかも分かっているつもりです。10番目というのは謙遜ではなく素直な評価ですし、子どもたちも自分たちの力については認識していると思います。それは受け入れるところが今季のスタートラインだったと思います」
―目標は「連覇」ではなく「残留」というのが自然なスタンスということでしょうか。
「そうです。残留という目標を受け入れた上で、そこからシーズンの中でどのくらい上積みできるか。進んでいけるのか。その成長を問われる一年になると思っています」
―変にチャンピオンを意識しないということですか。
「僕らが優勝を目指すなどと言うのは、財布の中にお札が1枚しか入っていないのに、何か高価なものを買おうとするようなものです。ちゃんと自分たちの力を見極めた上で、少しでも上の順位を目指したいと思います」
―シーズンを戦う中で財布の中のお札が増えていけばという感じですね。しかし、相手チームはそう見ないと思いますよ。取材をしていても、「王者鹿島を倒したい」という声をよく聞きます。
「それは倒されるしかないですね(笑)。でもチャンピオンチームとして観られること、相手がその気でぶつかってくることは覚悟しています。このプレッシャーを味わえるというのは彼らのサッカー人生の中でそうはないですから、その雰囲気の中で何かをつかみ取って欲しいとは思っています。そこで個々人がつかむ“何か”は単に優勝すること以上の価値があると思っていますし、とにかくリーグを戦う中で成長していくシーズンにできればと思っています」
(取材・文 川端暁彦)
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