日刊鹿島アントラーズニュース
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2017年7月10日月曜日
◆【コラム】今季はコルドバとの新コンビで躍動か…勝負の4季目に挑む大迫勇也、目標は2桁得点(サッカーキング)
16-17シーズンのドイツ・ブンデスリーガで日本人トップの7得点を挙げた大迫勇也(ケルン)。クラブでの勢いをそのまま日本代表にも持ち込み、昨年11月のサウジアラビア代表戦(埼玉)以降の2018 FIFAワールドカップロシア アジア最終予選全4試合でスタメンを確保。6月のイラク代表戦(テヘラン)では値千金の先制弾も挙げた。
前々から「ゴールがほしい」と口癖のように語っていた点取り屋にとって、この1点は最終予選初得点だった。が、日本代表は勝てる試合を引き分けてしまい、本人もどこか割り切れない思いが残ったに違いない。8月31日のオーストラリア代表(埼玉)、9月5日のサウジアラビア代表(ジェッダ)の終盤2連戦では、自らのゴールでロシアへの切符を手にするという強い決意を抱いていることだろう。
その大迫が新シーズンに向けて8日に渡欧。出国直前に報道陣の取材に応えた。
「オフはリフレッシュできましたし、いつもより長く休みがとれたんで、7月1日から始めたトレーニングもガンガンやりました。トレーナーさんについてもらってフィジカルもやったし、体の基礎やバランス、体幹もやった。相当追い込みました。この日焼け具合を見てもらえば分かるでしょ」と本人も冗談交じりに言うほど、いい自主トレができた様子だった。
新シーズンのケルンはブンデスリーガに加え、UEFAヨーロッパリーグ(EL)にも参戦する。ブンデスリーガ2部の1860ミュンヘンからケルンにステップアップしてきた大迫は欧州カップ戦に初参戦。代表も入ってくるため、非常にハードな日程を強いられることになる。
「チームとしては厳しいシーズンになるだろうし、今までよりタフさを求められると思うんで、その中でも自分がチームの中心になって引っ張っていければいい」と彼は主力の自覚をより一層、強めている。
昨シーズンはアントニー・モデストと2トップを組み、モデストが25点、大迫が7点を奪った。が、今シーズンはモデストに移籍話が浮上。残るか否かは五分五分だ。そのモデストの後釜としてマインツからコロンビア人FWジョン・コルドバを補強したが、モデストも残れば、誰かがベンチに座るのか、それとも3トップへの布陣変更を行うのかといった変化がもたらされる。大迫の立場も絶対的とは言い切れないだけに、より明確な結果が求められるところだ。
「(ポジション争い?)普通にやれば大丈夫だと思いますし、昨年やっていたことに上乗せしてもう少し点を取ることができれば、必ず試合に出れるし、成長にもつながると思います。自分としては2桁以上は取りたい。そのためにもゴール前に入る回数をムダでもいいかた増やすことを意識しないと。ゴール前の精度、質、量をもっと高めていかないといけないいけないと思います。
仮にコルドバと組んだら、(モデストと組むより)自分がもうちょっと前に行けるのかなと。だいたいのプレースタイルも分かるし、見たこともあるんで、大丈夫だと思います」とゴール量産と新コンビ結成への意欲を改めて口にした。
モデストと組んでも、コルドバと組んでも、理想的なプレーができるとなれば、ペーター・シュテーガー監督も大迫にさらなる信頼を寄せるだろう。もともとパス出しもゲームメークもでき、守備のハードワークも厭わない日本人FWを指揮官は高く評価し、FW以外でもトップ下や右サイド、ボランチで使ってきたほどだ。彼自身にしてみれば「何でもこなせる器用な選手」と見られるのは痛し返しだが、監督の要求に応えることがサッカー選手としての使命である。今シーズンも意にそぐわない使い方をされる可能性もゼロではないが、常に貪欲に得点を狙い続け、結果を残すこと。そこに集中することが、FWとしての理想像に近づく絶対条件と言っていい。
ケルンで2桁ゴールという大目標を掲げるのも、日本代表1トップの先輩・岡崎慎司(レスター)がマインツ時代に2シーズン連続で2桁を達成したことが少なからずあるのではないか。武藤嘉紀(マインツ)もそうだが、ドイツ組FWはその高い壁を超えない限り、達成感を得られないのだろう。岡崎越えを現実にした時、彼らは日本代表でも絶対的エースの座に君臨できるのだ。ゆえに、まずはクラブで結果を残すことが肝要。大迫もそういう考え方を持っているようだ。
「まずはブンデスですね。リーグで試合に出て点を取ることで、そこからの代表なんで、そこで取れれば、点取ってしっかり活躍できれば、代表もついてくると思うんで、まずはそこでしっかりとプレーすることが僕は一番成長できるのかなと思いますね」と彼は神妙な面持ちで言う。
目下、日本攻撃陣の大黒柱と言っても過言ではない男がブンデスリーガ開幕戦のボルシアMG戦からスタートダッシュを見せてくれれば、オーストラリア戦の日本代表も安心だ。勝負のケルン4年目で、大迫にはこれまでとは違った怖さとタフさを身につけてほしいものだ。
文=元川悦子
https://www.soccer-king.jp/news/japan/national/20170709/610334.html?cx_cat=page2
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