日刊鹿島アントラーズニュース

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2017年11月29日水曜日

◆世界と戦うために…秋田豊氏が語る現役時代のトレーニング/第2回(サッカーキング)




 力強いヘディングとフィジカルコンタクトの強さ、そして強烈なリーダーシップを武器に、鹿島アントラーズと日本代表の最終ラインに君臨してきた秋田豊氏。外国人FWとも対等に渡り合ったその激しいプレーは、学生時代から取り組んでいたフィジカルトレーニングの賜物だったという。

 現役引退後、秋田氏は指導者や解説者を務める傍ら、今年から『株式会社サンクト・ジャパン』という会社を立ち上げてその代表取締役を務めている。「サンクトバンド」というトレーニング用ゴムチューブ・ゴムバンドの販売に携わっているのだ。秋田氏の屈強な肉体を作り上げてきた現役時代のトレーニング、そして「サンクトバンド」の効果的な活用法を伺った。

――「サンクトバンド」とは、どのようなものなのでしょうか。
秋田 豊 トレーニング用のゴムバンド、ゴムチューブなのですが、他社の製品に比べてゴムに添付するパウダーが少なく、耐久性にも優れていて、ラテックスアレルギーになりやすいタンパク質を95パーセント除去している、クオリティーの高いトレーニング用ゴムバンド、ゴムチューブです。大きさや抵抗力は様々ですし、用途によって種類も様々あります。

――「サンクトバンド」を扱うようになった経緯を教えてください。
秋田 豊 知り合いがマレーシアの会社の人とつながりがあって、日本での正規販売代理店をやってくれる人を探していたんです。僕自身、現役時代はほぼ毎日、ゴムチューブを使ったトレーニングをしていて、主に足首やお尻周りのアクティベーション(筋動員数を上げるためのウォーミングアップ)のために使用していたんですが、「サンクトバンド」は当時、使用していたものに近い製品で関心を持ったのと、自分自身も会社をやってみたいと考えていたので、周囲にリサーチし、3人で会社でスタートさせました。



――現役のプロ選手も使用しているのでしょうか。
秋田 豊 鹿島アントラーズやベガルタ仙台でも使ってもらっていますし、福岡ソフトバンクホークスの選手たちも使っています。先日、ホークスが日本シリーズで優勝した時には、工藤公康監督から「選手たちがみんな使っていた。ありがとう」とお礼の言葉をいただきました。カズさん(三浦知良/横浜FC)も購入してくれましたよ。

――どのような効果があるのでしょうか。
秋田 豊 これはね、“すべて”なんですよ。何も抵抗がない状態から筋肉に負荷をかけるための用具なんですけど、もちろん筋肉を鍛えることもできますし、弱い負荷で筋肉に刺激を与えて“起こす”こともできます。筋繊維の一本一本に刺激を与えて起こすのは非常に難しいんですが、それをすれば筋繊維への負担が少なくなります。ただ歩くにしても体を動かしやすくなりますし、肉離れもしにくくなるし、筋肉がちゃんと機能すれば関節への負担も少なくなります。それによってケガのリスクを減らすこともできますし、動きの中でのモーターコントロール(脳から筋肉への指令)に対して、反応が遅かったり、思い通りの動きができなかったりという状態を改善し、反応が良くなるという作用もあります。ウエイトトレーニングの際にプラスアルファの負荷をかけることができて、あらゆる筋力トレーニングができる。なおかつ場所を取らない。一畳ぶんのスペースがあれば効果的なトレーニングができます。



――具体的に、使用することで効果が表れたエピソードはありますか?
秋田 豊 小学生にヘディングをやらせてみると、イメージどおりにいかずカブってしまう子がいますよね。その子にゴムチューブで負荷を与えて何度かジャンプさせてみて、その後にもう一度、ヘディングをさせると、届くようになるんですよ。ジャンプの時にどの筋肉を使えばいいかが分かるようになって、すぐに効果が出ます。小学生で運動が苦手な子は、モーターコントロールがうまくいかないので、そこに刺激を与えることによって、筋肉を使って動きやすくなるんです。

――セミナーではどのようなメニューを実施する予定なのでしょうか。
秋田 豊 アクティベーションのメニューを考えています。ケガをしないため、ウォーミングアップのためになぜ、それをやるのか、やることによってどう変わるのかを体感してもらおうと思っています。それ以外にも、ケガをした時のトレーニング方法や、「スーパーループ」という長めのゴムチューブを使っての乳酸系のトレーニング、筋反射を上げてスピード、パワーを上げるトレーニングもやっていこうと思っています。今回は指導者・アスリート向けのトレーニングを行いますが、肩こりや腰痛を改善したい方、美尻を作りたい女性の方、高齢者向けのメニューなどもあるので、今後はあらゆる方にも体感していただきたいと思っていますね。



――最後に、セミナーへの参加を検討している方へのメッセージをお願いします。
秋田 豊 たぶん、来ないと損しますよ(笑)。指導者の方はもちろん、現役の選手も本当に変化を感じられる時間だと思います。やることでどんな効果があるのかを実感することができると思います。何かきっかけがほしいチームや選手にとっては、参加することでそのきっかけをつかむことができるかもしれませんし、僕としても「やらなければならないこと」を伝えていきたいと思っています。

* * * * *
現役時代から誰よりもハードなフィジカルトレーニングをこなしてきた秋田氏は、いわば“筋肉のスペシャリスト”。そんな秋田氏から、「サンクトバンド」を活用したトレーニング方法を学べるこのセミナーは、参加者にとって間違いなく有意義な時間になるであろう。

インタビュー・文/池田敏明
写真/兼子愼一郎

世界と戦うために…秋田豊氏が語る現役時代のトレーニング/第2回

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