鹿島アントラーズのテクニカルディレクターに就任したジーコ氏が4日、茨城県鹿嶋市で行われたチーム練習に参加した。
前日に来日して、この日が“初合流”。02年にチームを離れて以来16年ぶりの復帰で「16年ぶりに帰ってこられたことはうれしいし正直、戻ってくるとは思っていなかった。びっくりとともに、全身全霊を懸けて、自分が協力できるものはしっかりと結果として示すことができれば」と話した。
選手たちには「クラブの歴史を知った上で、自分が袖を通しているユニホームに誇りを持ってプレーをしなければいけないし、その自覚を持たなければいけない。アントラーズというブランドが評価されているのは、自分たちが一生懸命やって実力で勝ち得たもの。ただ、のしかかるのではなく、さらに強く大きくすることが求められている」などと伝えて、練習から100%の力を出すことを求めた。
今後はテクニカルディレクターとして大岩剛監督をサポートし、選手の意識を高める助言をしていく。「自分の経験値をクラブに貢献、還元できればという思いでいる。十数年前に来た同じ人間であって、年は取りましたが、人間性は変わっていません。勝つことに対する貪欲な気持ち、勝つための準備を怠らず、最後まであきらめない。また、自分が一番大事にしてきたサポーターの力なくしてクラブの歴史はあり得ないと思っている。彼らには、苦しい時期があると思うが、支えになってもらって、クラブの新たなステップアップに貢献してもらえれば」と支援を求めた。
その上で「若い選手はアントラーズがどういうクラブか見てきたわけだが、今度は自分がここにいるという『責任』があることを自覚してもらわなければいけない。キャリアが短い中でプロ意識、日々の練習を怠ってはいけない。自分が日々、成長するために何をしなくちゃいけないのかを考えて、このクラブハウスに来なくてはいけない。少しでも彼らを目覚めさせる協力を自分自身ができればと思っています。それをすることで、また新たな歴史を築き上げることができるのではないかと。『タレントがあってもハートがなければ、無意味な存在になる』。ハートのある選手、闘える選手を1人でも多く育てて、このクラブの新たな1ページを、彼ら自身がつくり上げることができればと思っています」と抱負を語った。
神様ジーコ、鹿島に合流し訓示「ハートがなければ」