サッカーのクラブW杯(CWC)が12日(日本時間13日)にUAEで開幕する。日本からはアジアチャンピオンズリーグ(ACL)を制したJ1鹿島が出場。準々決勝(15日)で北中米カリブ海代表のグアダラハラ(メキシコ)に勝てば、準決勝(19日=同20日)で欧州王者レアル・マドリード(スペイン)と激突する。果たして鹿島は“銀河系軍団”に勝てるのか。元日本代表MF前園真聖氏(45=本紙評論家)が徹底分析した。
【前園真聖 ゾノの焦点!】今季ACLで鹿島が見せた戦いは素晴らしかったです。特に水原(韓国)との準決勝第2戦ではリードを奪われながらも、最後まで諦めずに逆転勝ちしました。勢いを維持しながらも局面では冷静な対応を見せる。これまで以上に“大人のサッカー”だったのではないでしょうか。
そんな鹿島がいよいよCWCに臨みます。2年前のCWCでは日本勢初の決勝進出を果たし“銀河系軍団”と互角の勝負を展開しました。すでに世界大会の独特な緊張感や空気感を経験した選手が多いのはプラス材料。また、ジーコ・テクニカルディレクター(65)の存在も大きいです。相手を威圧し、味方を鼓舞してくれるので、総合的に見ると“戦力アップ”と言えるでしょう。
世界制覇の最大関門はやはり準決勝のRマドリード戦。世界屈指のメガクラブですが、今季は大エースのFWクリスチアーノ・ロナウド(33)がユベントス(イタリア)に移籍し、10月には成績不振でフレン・ロペテギ監督(52)が解任されました。いまだ国内リーグでも低迷しており、再構築を図っている途上で万全の状態ではありません。
だからこそ、2016年に対戦した時のように積極的な攻撃を仕掛けること。はね返されても継続し、鹿島らしく冷静に我慢強く戦うことがポイントです。特に今季のRマドリードは多くのゴールを奪えていません。鹿島が先制すれば、さすがのスター軍団も焦ってミスを多発し、自滅するかもしれません。十分にチャンスはあると言えます。
銀河系軍団に勝利すれば勢いも増し、ファイナルを制することも可能でしょう。キーマンはFWセルジーニョ(23)とDF昌子源(26)。彼らが最高のパフォーマンスを発揮すれば、鹿島がクラブ世界一の座に就くことができるはずです。
★まずグアダラハラ戦突破=鹿島がRマドリードとの再戦を実現させるには、まずグアダラハラ戦を突破しないといけない。メキシコ1部リーグで優勝12回の古豪で、北中米カリブ海チャンピオンズリーグは1961―62シーズン以来56年ぶりの制覇。創設当初を除けばメキシコ人以外と選手契約したことがない“純国産クラブ”で、国内で最も人気がある。そんなチームを率いるのはパラグアイの英雄、ホセ・カルドソ監督(47)。現役時は98年フランスW杯、2002年日韓W杯の2大会に出場し、オーバーエージ(OA)選手として出場した04年アテネ五輪では銀メダルを獲得した。中心選手は、メキシコ代表としてW杯3大会連続出場を果たし、OAで出場したロンドン五輪で金メダルを獲得したDFカルロス・サルシド(38)。中盤でゲームをつくるMFイサーク・ブリスエラ(28)も要注意選手の一人だ。
◆【クラブW杯】鹿島はレアルに勝てるのか?前園真聖氏“雪辱キーマンはジーコ”(東スポWeb)