FOOTBALL INTELLIGENCE 相手を見てサッカーをする [ 岩政大樹 ]
明治安田J1第28節最終日(6日、ヤンマースタジアム長居ほか)鹿島がC大阪を1-0で下し、勝ち点55として今季初めて首位に立った。前半6分にDF犬飼智也(26)が挙げたゴールを守り切った。7戦負けなしで、2位に落ちたFC東京とは2差。C大阪は連勝が5で止まった。浦和は清水に2-1で逆転勝ちし、9試合ぶりの勝利を挙げた。
守り抜いた90分。試合終了の笛が響くと、敵地に鹿島サポーターの歓声がこだました。約1年10カ月ぶりの単独首位。先制点をあげたDF犬飼が声を弾ませた。
「苦しい時間がずっと続いていたけど、全員で助け合って守り切ることができた」
前半6分。左CKを遠いサイドのDF町田が折り返し、犬飼が頭で決めた。4月の仙台戦以来2ゴール目。堅守のC大阪は前半に喫した失点が今季2試合だけで、「いい時間に取れた」と白い歯をのぞかせた。
シュートわずか5本、ボール支配率は32%にとどまったが、CKが前後半で計12本を数えた相手の猛攻を焦らず最終ラインではね返した。完封試合は今季J1最多タイとなる12度目。レオシルバ、三竿と守備的MFにけが人が相次ぐ中で勝負強さを発揮した。
「アクシデントで人は替わるが、チーム全員で、出ている選手が勝つためにプレーするのが鹿島」と犬飼。リーグ戦は7戦負けなし(5勝2分け)。4月に最大9あったFC東京との勝ち点差をひっくり返した。
アジア・チャンピオンズリーグ(ACL)は準々決勝で敗退したが、リーグ戦、ルヴァン杯、天皇杯の国内3タイトルを狙う。キャプテンマークを付けたMF永木は「首位に立ったら、あとは自分たち次第。『3つ取る』とみんなの意思は統一できている」と自信を深めた。 (邨田直人)
◆鹿島奪首!犬飼Vヘッドでリーグ7戦負けなし、勝ち点最大9差ひっくり返した(サンスポ)