日刊鹿島アントラーズニュース

Ads by Google

2023年4月11日火曜日

◆【番記者の視点】鹿島が今季最悪内容で3連敗 選手の口から出てきた「指示」と「判断」のとらえ方(報知)



岩政大樹


 ◆明治安田生命J1リーグ▽第7節 柏1―0鹿島(9日・三協F柏)

 【鹿島担当・内田知宏】岩政大樹監督の言葉を待つまでもなかった。「ハーフタイム、僕はあまり叱らないが、カツを入れた。前半はのらりくらり時間を過ごしてしまった。結果も内容も良くなかった。今シーズンで一番悪かったと思う」。今季未勝利で自信を失いかけている柏が相手。時間関係なく、1点を先に奪うことができれば、優位に立てることは想像に難くない。だが、攻撃のテンポが上がらず、前の動きも少ない。守備を固める柏の前で、目的意識のないパスを何とかつないでいるようにしか見えなかった。

 入念な柏対策の準備を施し、送り出した岩政監督は、会見場で憔悴しているように見えた。「柏のやり方を強調して送り出したが、なかなかテンポが出なかった。出ないというよりも、出そうとしていないように見えた」。現役時代からポジティブ変換して発信する指揮官としては、珍しい姿だった。ありのままを口にするしかなかった。それほど悪い内容だった。

 3連敗となり、鹿島は14位に低迷する。選手からは、気になる言葉が聞こえてきた。広瀬陸斗である。「ピッチに入った選手が判断良くやらないと。言われていることだけやっても、相手は対策しやすいですし。前半もロングボールを斜めに蹴って、すぐ跳ね返された。そういうの(指示を実行する)だけじゃなく、ピッチで選手が感じたことをやらないといけない。結果出すのは選手なので。言われている(ことをやっている)だけじゃ、勝てないですよね」

 1週間前、土居聖真も同じような考えを明かした。「指示を守っているだけでは、俺じゃなくてもいい。誰が出てもいいとなってしまう。土居聖真がプレーしているんだから、自分の考え、プレーを出していかないと。チームでやろうとしていることは大前提にあるけど、今はそう吹っ切れて、自分の判断、プレーを出していこうと思っている」

 指示を忠実に実行していれば、出場に近づくと思うのは自然なことだ。だから傾倒してしまうのは理解できる。ただ、勝利に近づくためには、ピッチ上で指示を選手判断で昇華させる必要があるというのが、2人の考え。「やるのは選手だから」。2人から最後に出てきた言葉も同じで、鹿島では昔からよく聞かれたフレーズだ。岩政監督も策で縛るわけでもなく、どちらかと言えば「選手判断領域」を広く持っているが、それがうまく伝わっていないように映る。

 身体能力に頼らず、人より策を考えることで、日本代表まで上り詰めた岩政監督。うまくいくかは別として、どんな相手でも対策に困ることはない。そんな指揮官についていく選手たち。決して悪い構図ではないが、まだまだ成長できる。「サッカーは指示通りじゃなくても、うまくいったらOKの世界。ダメなら怒られればいいだけ。それを知っているか、知らないか。やるのは選手だから」(内田篤人さん)。





◆【番記者の視点】鹿島が今季最悪内容で3連敗 選手の口から出てきた「指示」と「判断」のとらえ方(報知)





Ads by Google

日刊鹿島

過去の記事